JPH0249083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、車両用ミラーホルダに関し、ミラ
ーを嵌合保持すると共に、車両に固定したミラー
ケース内に球軸受を介して上下及び左右に傾動自
在に取り付けられるもので、特に、ミラーを常時
ガタつきなく保持出来るようにするものである。

従来の技術 ドアミラー、フエンダーミラー等の車両用ミラ
ーでは、第６図に示すように、ミラー１を嵌合保
持したミラーホルダ２を、車両に固定あるいは可
倒自在に取り付けたミラーケース３内に球軸受を
介して上下及び左右に傾動自在に取り付けてい
る。

従来、上記ミラーホルダ２とミラー１とは、第
７図に示す如く、ミラーホルダ２を樹脂で成形
し、背面部２ａの周縁に設けた保持枠２ｂに内向
きの嵌合溝２ｃを一体に成形し、該嵌合溝２ｃに
ミラー１の周縁部１ａを嵌合している。しかしな
がら、上記嵌合保持では、ミラーホルダ２が樹脂
製で天候条件等により変形しやすいため、嵌合し
たミラー１の側端面１ｂと嵌合溝２ｃの底面との
間に大きな〓間Ｓが発生しやすく、該〓間Ｓによ
りミラー１にガタが生じ易い問題があつた。

考案の目的 この考案は上記した従来の問題を解消せんとす
るもので、ミラーとミラーホルダとの嵌合部にお
ける〓間の発生をなくし、ミラーのガタつきをな
くすことを目的とするものである。

考案の構成 この考案は上記した目的を達成するためになさ
れたものであり、ミラーホルダの保持枠縁の適時
の位置に弾性舌部を一体に成形し、該弾性舌部に
よりミラーの端面を押圧し、ミラーの反対側の端
面を嵌合溝の底面に押圧し、ミラーのガタつきを
なくすものである。詳しくは、ミラーの周縁およ
び背面に嵌合してミラーを保持する樹脂製のミラ
ーホルダにおいて、背面の全周縁にミラー保持枠
縁を前面側に突出させて形成し、該保持枠縁の内
面側に内向きに開口した嵌合溝を設け、該嵌合溝
の前壁面を嵌合するミラーの前面と圧接させると
共に溝底面をミラーの端面に圧接させる一方、 上記保持枠縁の前端より外側に背面側に折り返
した外枠を設け、かつ、 少なくとも上下いずれか一方の保持枠縁と左右
いずれか一方の保持枠縁の夫々の一箇所に、保持
枠縁の外枠の内方位置に、上記嵌合溝に代えて背
面部の端縁より前面側へＪ字状に突出させた弾性
舌部を一体に形成し、該弾性舌部は上記嵌合溝の
溝底面より内側に位置すると共に、突出した前端
は外枠の内方へ突出した先端より僅かの〓間をあ
けて背面側に位置させ、該弾性舌部はミラー嵌合
時にミラー端面と当接してミラーを他方向に押圧
すると共にミラーに押圧されて上記嵌合溝内に隠
れる構成としたことを特徴とする車両用ミラーホ
ルダを提供するものである。

実施例 以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

ミラーホルダ１０は樹脂で一体成形しており、
ミラーの背面に位置する背面部１１の全周縁にミ
ラー嵌合用の保持枠縁１２を前面側に突出させて
形成している。該保持枠縁１２には、図示の如
く、背面部１１の端縁より傾斜部１３を介して、
内向に開口した嵌合溝１４を設け、該嵌合溝１４
の前端（図中、上端）より外側に背面側に折り返
した外枠１５を設けている。

上記保持枠縁１２のうち、上側保持枠縁１２Ａ
と左側保持枠縁１２Ｂの略中央部に、第３図に示
す如く、嵌合溝１４を設ける代わりに、背面部１
１の端縁より前面側にＪ字状に突出させた弾性舌
部１６を一体に成形し、該弾性舌部１６の外側に
上記外枠１５を設けている。上記弾性舌部１６は
嵌合溝１４の溝底面１４ａより内側に位置すると
共に、突出した前端は外枠１５の内方へ突出した
先端１５ａより極めて僅かの〓間“ｔ”をあけて
背面側に位置し、外枠１５内に弾性舌部１６が入
り込めるように設定している。該弾性舌部１６が
第４図に示す如き上下金型２０Ａ，２０Ｂで外枠
１５とは分離して一体に成形される。

上記した形状のミラーホルダ１０にミラー１を
嵌合する時、ミラー１の周縁部１ａを上記嵌合溝
１４に挿入して嵌合し、嵌合溝１４の前壁面１４
ｂをミラー１の前面に圧接させると共に、ミラー
１の端面１ｂを嵌合溝１４の溝底面１４ａに圧接
してミラー１をミラーホルダ１０で保持してい
る。また、上記弾性舌部１６を設けた部位ではミ
ラー周縁部１ａの端面１ｂで弾性舌部１６を押圧
し、弾性舌部１６を外枠１５内に押し込みながら
外枠１５内に挿入する。そのため、弾性舌部１６
は外枠１５内に隠れると共に、弾性舌部１６によ
りミラー端面１ｂは押し出す方向に押圧される。
即ち、上側の弾性舌部１６によりミラー１は下側
に押圧され、下側の端面１ｂが嵌合溝１４の底面
に押圧されると共に、左側の弾性舌部１６により
ミラー１は右側へ押圧され、右側の端面１ｂが嵌
合溝１４の底面に押圧される。さらに、ミラー端
面１ｂの裏面端１ｃにも弾性舌部１６が圧接し、
ミラー１を前面側に押圧するため、ミラー周縁部
１ａの前面は外枠１５の内方突出部の裏面側に圧
接すると共に、弾性舌部１６の無い所では嵌合溝
１４の上側壁（前側壁）に圧接し、ミラー１とミ
ラーホルダ１０との間に前後幅方向の〓間も生じ
ない。

このように、上側及び左側の弾性舌部１６によ
り、常時、ミラー１を下方向および右方向に押圧
しているため、ミラーホルダ１０が変形して嵌合
溝１４の底面とミラー端面１ｂの間に〓間が生じ
ても、直ちに、弾性舌部１６による押圧力により
ミラー端面１ｂは嵌合溝底面に圧接され、〓間は
なくされ、ミラー１はミラーホルダ１０により常
時確実に保持されガタつきが生じない。

効 果 以上の説明より明らかなように、この考案に係
るミラーホルダによれば、弾性舌部を一体に成形
し、該弾性舌部によりミラー端面を押圧して他端
面を嵌合溝に圧接しているため、ミラーホルダが
気候条件等により変形しても、ミラーホルダとミ
ラーとの間に〓間が生じることはなく、ミラーの
ガタ発生が防止できる。また、本ミラーホルダは
一体成形で弾性舌部を形成しているため、他の部
品等を用いることなく、ミラーのガタ防止が簡単
かつ安価に図れる等の種々の利点を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のミラーホルダの平面図、第２
図は第１図の−線断面図、第３図は第１図の
−線断面図、第４図は弾性舌部の成形金型を
示す断面図、第５図はミラーホルダとミラーの嵌
合状態を示す断面図、第６図は車両用ミラーを示
す斜視図、第７図は従来例を示す断面図である。 １……ミラー、１ｂ……ミラー端面、１０……
ミラーホルダ、１１……背面部、１２……保持枠
部、１４……嵌合溝、１４ａ……溝底、１４ｂ…
…前壁面、１５ａ……先端、１５……外枠、１６
……弾性舌部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミラー１の周縁および背面に嵌合してミラーを
   保持する樹脂製のミラーホルダ１０において、 背面部１１の全周縁にミラー嵌合用の保持枠縁
   １２を前面側に突出させて形成し、該保持枠縁１
   ２の内面側に内向きに開口した嵌合溝１４を設
   け、該嵌合溝１４の前壁面１４ｂを嵌合するミラ
   ーの前面と圧接させると共に溝底面１４ａをミラ
   ーの端面１ｂに圧接させる一方、 上記保持枠縁１２の前端より外側に背面側に折
   り返した外枠１５を設け、かつ、 少なくとも上下いずれか一方の保持枠縁と左右
   いずれかの一方の保持枠縁の夫々の一箇所に、保
   持枠縁１２の外枠１５の内方位置に、上記嵌合溝
   １４に代えて背面部１１の端縁より前面側へＪ字
   状に突出させた弾性舌部１６を一体に形成し、該
   弾性舌部１６は上記嵌合溝１４の溝底面１４ａよ
   り内側に位置すると共に、突出した前端は外枠１
   ５の内方へ突出した先端１５ａより僅かの〓間を
   あけて背面側に位置させ、該弾性舌部１６はミラ
   ー嵌合時にミラー端面１ｂと当接してミラーを他
   方向に押圧すると共にミラー１に押圧されて上記
   嵌合溝１４内に隠れる構成としたことを特徴とす
   る車両用ミラーホルダ。