JPS6337033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗濯槽の底部から排水を行いつつ上方
から一時的に大量注水を行い、すすぎを行うこと
ができる洗濯装置に関するものである。

洗濯機の上方には貯水槽が設けられ、注水を従
来と同様に水道から行うことができるとともに、
貯水槽からも同時に行うことができ、汚水の排出
を洗濯槽の底部から行い、迅速なすすぎを可能と
し、洗濯機の能力に応じて注水量及び排水量を調
整でき、水の使用量を節約できることを特徴とす
るものである。

従来、主に二槽式・洗濯機が使用されている。
ここで二槽式・洗濯機とは洗濯とすすぎを行う槽
と脱水を行う槽を有するものである。説明の便宜
を図り、以下の説明においては洗濯とすすぎを行
う槽のことを洗濯槽といい、脱水を行う槽のこと
を脱水槽という。

上記二槽式洗濯機における洗濯槽は底部に撹拌
水流を発生させるため、モーターで回転する撹拌
翼及び排水口が設けられ、内部の上方には洗濯物
の量に応じて使いわけられる低水位排水口及び高
水位排水口が設けられている。

他方、脱水槽は内部に高速回転する円筒状の洗
濯物収納部が設けられ、該洗濯物収納部には多数
の小さな穴が設けられ、遠心力により脱水を行う
ものである。

また、近時は洗濯槽と脱水槽を一体とした一槽
式洗濯機も提供されている。

しかしながら、上記従来の洗濯機にあつては特
にすすぎに多量の水と時間を浪費し、さらに洗濯
物である衣類を損傷させる欠点があつた。上記時
間の浪費は必然的に電力の消費を伴い極めて不経
済である。

詳細に述べれば、従来の洗濯機にあつてはすす
ぎは注水を行いながら前記した低水位排水口ある
いは高水位排水口から排水を行いつつ洗濯槽内部
の水がきれいになるのを待つものであり、多量の
水と時間を消費するものであり、長時間のすすぎ
は洗濯物である衣類を損傷させるものであつた。

すなわち、洗濯時の汚水と注水したきれいな水
を混同排水しているため、多量の水を長い時間を
必要とするものであつた。それらは回転翼の回転
力に対し、注水量と排水量が不足し、回転翼の回
転力に対し注水速度及び排水速度がおそいことに
一つの原因があり、さらにすすぎ作業時の排水口
が洗濯槽の上方に設けられているためである。

本考案は上記欠点を除去するためにすすぎ時に
は従来の注水に加えて予め貯水槽に貯えた水を大
量注水するように構成したものである。

なお、ここで大量注水とは一時的な注水量を言
い、すすぎ作業時全体の注水量を言うものではな
い。そもそも本考案はすすぎ時間の短縮とともに
すすぎのための水の使用量を減少させるものであ
る。

すなわち、本考案は従来の先行注水、後行排水
と異り、先行排水、後行注水とするものである。
さらに洗濯物の量に応じて自由に水位を決定する
ことができ撹拌翼によるすすぎ効果を適正且つ有
効に保持することができるものである。

また、本考案によれば、汚水と注水したきれい
な水が混り合うこともなく、注水したきれいな水
は汚水を含んでそのまま洗濯槽の底部から排水さ
せることができ、洗濯槽の洗濯物の上部にはきれ
いな水が供給されるものである。汚水と注水の混
合は無限につながるものであるが、従来のごと
く、混合水を溢水口（高位・低位）から排水する
場合には有限となる。

上記混合は底部排水によりさけることができる
ものであるが、その注水速度と排水速度は回転翼
の回転に対応したものでなければならない。

以下に本考案の一実施例を図面について詳細に
説明する。

図面には前述した二槽式の例が示されている。
図中１は洗濯槽であり、その底部にはモーター２
で回転する撹拌翼ａが設けられ、さらに排水口３
が設けられている。図中、５は排水口３のバルブ
であり、具体的には洗濯槽１の上方の操作盤７の
ハンドル８で操作される。

また、１０は従来設けられている低水位排水
口、１１は従来設けられている高水位排水口であ
る。１２は脱水槽であり、内部にはモーター１３
で高速回転する円筒状の洗濯物収納部１４が設け
られ、該洗濯物収納部１４には多数の小さな穴１
５が設けられている。

２２は洗濯槽１の上方に垂直に設けた太径の注
水パイプであり、適位置に開閉バルブ２３が設け
られ、その上端には圧力水給水パイプ３１が連結
される。そして上記圧力水給水パイプ３１の他端
が圧力水源である水道の蛇口３０と連結される。
図中３３は蛇口３０のバルブである。また、３２
は圧力水給水パイプ３１に必要に応じて設けるバ
ルブである。

さらに上記注水パイプ２２の上方には貯水槽１
６が設けられ、該貯水槽１６の上方には給水パイ
プ２７が、自動止水弁２８を介して連結される。
該自動止水弁２８は貯水槽１６内部に設けたフロ
ート２９により制御され、貯水槽１６内部に常に
一定の水を貯えておくように構成されている。さ
らに給水パイプ２７の他端は前記圧力水源である
水道の蛇口３０側と連結される。さらに、上記注
水パイプ２２の開閉バルブ２３の上方と貯水槽１
６間に連結パイプ１７が設けられる。図中１９は
連結パイプ１７に設けたバルブである。

ここで、連結パイプ１７と注水パイプ２２の関
係を述べる。

連結パイプ１７を垂直で、太径の注水パイプ２
２に連結したことは貯水槽１６からの水を注水パ
イプ２２を通して有効に洗濯槽１に供給するため
である。

すなわち、水道の蛇口３０のバルブ３３を開く
と圧力水が給水パイプ２７を通して貯水槽１６に
導かれて貯えられる。その後圧力水給水パイプ３
１のバルブ３２及び注水パイプ２２の開閉バルブ
２３を開くと圧力水給水パイプ３１から圧力水が
注水パイプ２２を垂直に下降させられて洗濯槽１
に水が供給される。

すなわち、垂直に設けた注水パイプ２２の上端
に圧力水給水パイプ３１が連結されているためで
ある。そして次に、洗濯あるいはすすぎのため、
圧力水給水パイプ３１からの水と貯水槽１６から
の水を同時に使用する必要がある。

本考案では圧力水給水パイプ３１を注水パイプ
２２の上端に連結してあるため、圧力水給水パイ
プ３１からの圧力水が垂直に設けられた太径の注
水パイプ２２に垂直に噴射し、連結パイプ１７及
び貯水槽１６の水を吸引し、貯水槽１６の水を有
効に洗濯槽１に供給することができるものであ
る。

したがつて洗濯の開始時に洗濯槽１に迅速に必
要とする水を供給することができる。

図中３４は排水パイプである。

つぎに本考案の特徴とするすすぎ作業について
述べる。

洗濯作業に先立ち、洗濯槽１に所定の水を供給
する必要がある。その場合には貯水槽１６に水が
貯えられている場合には連結パイプ１７のバルブ
１９を開きその水を利用することができる。

順序を追つて説明すれば水道の蛇口３０のバル
ブ３３を開くと、給水パイプ２７から貯水槽１６
に水が供給され、所定の水量となるとフロート２
９により自動止水弁２８が閉じられる。

他方圧力水給水パイプ３１のバルブ３２及び注
水パイプ２２の開閉バルブ２３を開くと洗濯槽１
に大量の水が供給される。

すなわち、洗濯作業に先立ち、洗濯槽１には水
道から直接あるいは貯水槽１６から水を供給する
ことができる。

つぎに洗濯作業が完了し、すすぎ作業について
述べれば、本考案では各種の方法が可能である。

最適の方法を述べれば予め水道の蛇口３０のバ
ルブ３３、連結パイプ１７のバルブ１９及び圧力
水給水パイプ３１のバルブ３２を開いておく。す
すぎに際してはまず、排水口３のバルブ５を開き
汚水を排出する。

つぎに注水パイプ２２のバルブ２３を開き、洗
濯槽１内が任意の水位となるよう調整される。そ
れらは本考案にあつては圧力水給水パイプ３１か
らの水及び連結パイプ１７から貯水槽１６の水を
１時的に大量供給することができるため容易であ
る。

すなわち、洗濯槽１の底部から汚水を排出しつ
つ洗濯槽１内の水位を一定に保ちながらすすぎを
行うことができ、汚水と注水パイプ２２からの水
が混合されずに迅速なすすぎが行われるものであ
る。

詳細に述べれば、注水パイプ２２からの水の供
給量と洗濯槽１の底部の排水口３からの排水量を
ほぼ同一とすれば注水パイプ２２からのきれいな
水が洗濯物の間を通つて洗濯槽１の底部の排水口
３から汚水となつて排出され、縦方向の流れとな
り、従来のごとく、きれいな水と汚水が撹拌され
ることがないものであり、すすぎを迅速に行うこ
とができるものである。

また、他の方法によれば、上記のごとく、連続
的に水の供給及び排水を行うことなく、断続的に
行うことができる。すなわち、排水口３のバルブ
５を閉じ、注水パイプ２２のバルブ２３を開いて
適当量の水を供給し、撹拌翼ａを回転させ、つぎ
に撹拌翼ａを止め、注水パイプ２２のバルブ２３
を閉じ、排水口３のバルブ５を開き、排水を行え
ばよいものであり、上記工程を数回繰返せばよい
ものである。

さらに本考案は従来の洗濯装置と同様に低水位
排水口１０あるいは高水位排水口１１を使用した
すすぎ作業も可能である。

上記のごとく、本考案によれば洗濯槽１内にお
いて底部排水を行いつつ上方から一時的に大量注
水を行いながらすすぎを行うことができ、従来の
ごとく、上方排水でないため、迅速なすすぎ作業
が可能であり、結果的に水の使用量も節約できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、その一
部切欠斜視図である。 １……洗濯槽、３，４……排水口、５，６……
バルブ、１２……脱水槽、１６……貯水槽、１７
……連結パイプ、１９……バルブ、２２……注水
パイプ、２３……開閉バルブ、２７……給水パイ
プ、３０……蛇口、３１……圧力水給水パイプ、
３４……排水パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽上方には貯水槽が設けられ、貯水槽には
   自動止水弁を介して給水パイプが連結され、さら
   に洗濯槽上方には、上端に圧力水給水パイプを連
   結した太径の注水パイプが垂直に設けられ、該注
   水パイプに開閉バルブを設けるとともに、上記注
   水パイプの開閉バルブ上方と貯水槽間に連結パイ
   プが設けられてなることを特徴とする洗濯装置。