JPS6336467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、火災受信機等の電源切替回路に関
し、特に無瞬断で予備電源に切替えることができ
る回路に関する。

火災受信機等は、地区リレー等を介して警報線
に接続された火災感知器等に電圧を供給してい
る。また、受信機のリレー、電子回路、制御用の
マイクロコンピユータ等も停電によつて機能を失
うことは許されない。そのため、停電時または入
力電圧の低下時等には予備電源によつて電力が供
給されなければならない。

従来の火災受信機等においては、例えば第１図
に示すような電源切替回路が使用されている。す
なわち、商用の交流電源を変圧器T₁およびT₂に
よつて所定の電圧に変圧し、変圧器T₁およびT₂
の出力交流電圧をそれぞれ整流回路D₁およびD₂
によつて整流し、整流回路D₁の整流出力によつ
て動作するリレーＡの動作接点a₁を介して負荷に
電圧を供給する。そして、前記整流回路D₂の出
力電圧によつて蓄電池Ｂが充電されている。蓄電
池Ｂの正極は前記リレーＡの常閉接点a₂に接続さ
れている。そして、停電時等においてリレーＡが
復旧すると動作接点a₁が開き、常閉接点a₂が閉じ
て蓄電池Ｂから負荷に電力を供給するように構成
されている。しかし、このような従来の電源切替
回路は、リレーＡが解放する程度迄入力電圧が低
下しないと蓄電池Ｂ側に切替えられないという欠
点がある。一般に、リレーの解放電流は、動作電
流に比して僅少であるから、相当大きな電圧低下
が生ずるまで予備電源に切替えることができな
い。火災受信機等には、自己保持リレー等が多く
使用されているが、これら自己保持リレー等の解
放電流と、前記リレーＡの解放電流は同程度であ
るから、リレーＡが解放して電源が切替えられる
前に、前記自己保持リレー等がすでに解放され、
自己保持状態が維持できなくなるおそれがある。
また、電圧低下によつて、受信機の電子回路やマ
イクロコンピユータ等が正常に動作できなくなる
おそれがあり、特に、切替時の瞬断によつてメモ
リの内容等が失われるおそれがある等の欠点を有
する。

本考案の目的は、上述の従来の欠点を解決し、
所定値以下に電圧が低下すると無瞬断で予備電源
に切替えることができる火災受信機等の電源切替
回路を提供することにある。

本考案の切替回路は、入力電圧の低下より遅延
して負荷電圧を低下させる電圧遅延手段と、入力
電圧と前記遅延手段の出力電圧とを比較して入力
電圧の低下を検出するコンパレータと、該コンパ
レータの出力信号によつてオフする第１のスイツ
チ回路と、前記コンパレータの出力信号によつて
オンする第２のスイツチ回路と、予備電源とを備
えて、入力電圧が正常のときは前記第１のスイツ
チ回路から電力を供給し、入力電圧が所定値より
低下したときは前記予備電源から前記第２のスイ
ツチ回路を介して電力を供給するように構成した
ことを特徴とする。

次に、本考案について、図面を参照して詳細に
説明する。

第２図は、本考案の一実施例を示す回路図であ
る。すなわち、商用電源を降圧した交流電圧を整
流器D₁およびD₂によつて整流し、整流器D₁の出
力をトランジスタQ₁およびダイオードD₃を介し
てコンデンサC₁、レギユレータIC₁およびコンデ
ンサC₂から成る定電圧回路であつて、かつ、入
力電圧の低下より遅延して負荷電圧を低下させる
手段に接続する。コンデンサC₂の充電々圧によ
つて負荷に電圧を供給する。また、整流回路D₁
の出力電圧を分圧器R₁によつて分圧してコンパ
レータIC₂の一端子に接続し、該コンパレータIC₂
の＋端子には前記コンデンサC₂に並列に接続さ
れた分圧器R₂から基準電圧が与えられている。
コンパレータIC₂は両入力電圧を比較し、一端子
の電圧が高いときはローレベルを出力し、＋端子
の電圧が高いときはハイレベルを出力するコンパ
レータである。そして、常時は電源側の分圧電圧
の方が負荷側の分圧電圧より高いためコンパレー
タIC₂の出力はローレベルである。従つてトラン
ジスタQ₁はオン状態であり、電源電圧はトラン
ジスタQ₁のエミツタ、同コレクタおよびダイオ
ードD₃を介してコンデンサC₁を充電し、レギユ
レータIC₁によつて定電圧とされて負荷に電圧が
供給され、かつ分圧器R₂によつて基準電圧を発
生して前記コンパレータIC₂に与えている。

一方、整流回路D₂で整流した電流で電池Ｅを
を充電している。該電池Ｅは予備電源である。電
池Ｅの電圧は、抵抗R₄，R₅，R₆によつて分圧さ
れ抵抗R₆の電圧降下分をトランジスタQ₃のベー
スに与え、トランジスタQ₃のエミツタを負電圧
側に接続し、コレクタはR₈を介してトランジス
タQ₂のベースに接続する。トランジスタQ₂のエ
ミツタは正電源に接続し、コレクタはダイオード
D₄を介して前記コンデンサC₁に接続する。そし
て、前記抵抗R₄とR₅との接続点は、ダイオード
D₅を通して前記コンパレータIC₂の出力端子に接
続されている。

次に、本実施例の動作について説明する。常時
は整流回路D₁の出力電圧によつて負荷に電力が
供給されることは前述した通りである。またダイ
オードD₅によつて抵抗R₄をローレベルのコンパ
レータIC₂の出力端子に接続しているから、トラ
ンジスタQ₃およびQ₂はオフ状態であり予備電源
は負荷に接続されていない。次に、停電その他の
故障により入力電圧が低下し、整流回路D₁の出
力電圧が所定値より低くなると、分圧器R₁の出
力が分圧器R₂の電圧より低くなるためコンパレ
ータIC₂の出力はハイレベルとなる。該コンパレ
ータIC₂はコンデンサC₂の充電々圧によつて動作
用電圧が供給されているから、整流回路D₁の出
力電圧が低下し、又は０になつたときでも暫時動
作することが可能である。コンパレータIC₂の出
力がハイレベルになると、トランジスタQ₁がオ
フする。また、ダイオードD₅がオフ状態となる
ため、トランジスタQ₃のベース電圧が上昇し、
トランジスタQ₃がオンしトランジスタQ₂もオン
する。従つて予備電源ＥからトランジスタQ₂お
よびダイオードD₄を介してコンデンサC₁を充電
し、レギユレータIC₁は引続いて定電圧を負荷に
供給することができる。前記トランジスタQ₂等
の動作は瞬時に行なわれるから負荷側に接続した
リレーを解放したり、又はメモリの内容が失なわ
れることがないという効果を奏する。予備電源Ｅ
によつて電力が供給されれば前記コンパレータ
IC₂は引続いて正常に動作する。若し停電等が回
復すれば、再びコンパレータIC₂の出力はローレ
ベルとなり、トランジスタQ₁はオンし、トラン
ジスタQ₃およびQ₂はオフするから予備電源Ｅは
解放される。

以上のように、本考案においては、入力電圧の
低下より遅延して負荷電圧が低下するように構成
し、入力電圧と負荷電圧を比較することによつて
予備電源に切替えるように構成されているから、
入力電圧が所定値より低下したときは、直ちに無
瞬断で予備電源に切替えることが可能である。従
つて、火災受信機等のリレーが復旧したりメモリ
が失われるということを防止でき正常な動作を確
保することができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の火災受信機の電源切替回路の一
例を示す回路図、第２図は本考案の一実施例を示
す回路図である。 図において、D₁，D₂……整流回路、D₃〜D₅…
…ダイオード、R₁，R₂……分圧器、R₃〜R₈……
抵抗、Q₁，Q₃……トランジスタ、C₁，C₂……コ
ンデンサ、Ｅ……電池。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力電圧の低下より遅延して負荷電圧を低下さ
   せる電圧遅延手段と、入力電圧と前記遅延手段の
   出力電圧とを比較して入力電圧の低下を検出する
   コンパレータと、該コンパレータの出力信号によ
   つてオフする第１のスイツチ回路と、前記コンパ
   レータの出力信号によつてオンする第２のスイツ
   チ回路と、予備電源とを備えて、入力電圧が正常
   のときは前記第１のスイツチ回路から電圧を供給
   し、入力電圧が所定値より低下したときは前記予
   備電源から前記第２のスイツチ回路を介して電力
   を供給するように構成したことを特徴とする火災
   受信機等の電源切替回路。