JPS633611Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は調理用の電気ヒータを取付ける取付構
造を改良した電気釜に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に炊飯用の電気釜にあつては、本体ケース
内に内ケースを配設し、該内ケース内にはこれと
の間に所定の空間を形成するようにして鍋が着脱
自在に配設されている。さらに、この状態で電気
ヒータが前記空間内に内ケースの底面と並行とな
るよう設けられ、いわゆる空気間接炊きの構造を
成している。

〔背景技術の問題点〕

ところが、前記内ケースの内底面には、鍋の着
脱に際して米粒や水滴が落下したり、鍋の取外し
時に塵埃が付着したりするため内ケースを掃除す
る必要が生ずる。従つて、上記の如き米粒や塵埃
といつた異物を除去する必要があるが、内ケース
には電気ヒータが前述の如く取付けられているた
め、とりわけ電気ヒータの下方の異物は該ヒータ
が邪魔になり掃除し難く、掃除性が劣る難点があ
る。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的は内ケースの清掃時、電気ヒータが支障に
ならず掃除性が向上する電気釜を提供するにあ
る。

〔考案の概要〕

本考案は、本体ケース内の内ケースと該内ケー
ス内に設けられた鍋との間に形成される空間内に
配置された電気ヒータを具備し、該電気ヒータを
前記内ケースに枢支し、略水平状態の使用位置と
上向き状態の掃除位置との間で回動可能に構成
し、掃除の際に電気ヒータが支障にならないよう
にしたものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。１は電気釜の本体ケース、２は本体ケース１
内に配設された内ケース、３は例えば米収容用の
鍋で、これは内ケース２内に所定の空間４を存す
るようにして配設されている。５は内ケース２の
内底部に形成された取付口、６は絶縁支持部材
で、これは前記取付口５に嵌合状態に取付けられ
たブロツク状の碍子７と内部を直線状の溝部８と
する樋状の枢支板９とから成り、該枢支板９はそ
の溝部８を上方に指向させて前記碍子７上に載設
されている。１０，１０は第２図に示す如く枢支
板９に形成された一対の透孔、１１，１１は碍子
７に形成された一対の透孔、１１，１１は碍子７
にに前記透孔１０，１０に合致するよう形成され
た縦形の貫通孔、１２，１２は切欠状の案内孔
で、これらは碍子７の両側面のうち内ケース２の
中心部を向く側に貫通孔１１，１１と連通状態に
形成され、これら案内孔１２，１２の内周面上端
部には後述する電気ヒータの挿入部に対向状態に
テーパ状のストツパ１２ａ，１２ａが形成されて
いる。１３は有端環状の電気ヒータで、これの両
端部には、水平な直線部１３ａと垂直な挿入部１
３ｂとから成るＬ字状の枢支部１４が一体に形成
されている。斯かる電気ヒータ１３において、枢
支部１４の挿入部１３ｂ，１３ｂは絶縁支持部材
６の透孔１０，１０及び貫通孔１１，１１に遊挿
状態に設けられ、直線部１３ａは溝部８内に回転
可能な遊嵌状態に装着されている。この状態で
は、電気ヒータ１３の挿入部１３ｂ，１３ｂは例
えば可撓性の電気コード１５を介して端子部（図
示せず）に接続され、さらに電源コード（図示せ
ず）に接続されている。１６は中央に透孔１６ａ
が形成された細長板状の防滴カバーで、これは枢
支板９に溝部８を被う状態に位置し、透孔１６ａ
を介してねじ１７を枢支板９の中央部に形成され
た凸部９ａに螺着することにより取付けられてい
る。１８は内ケース２の内底部にねじ止めされた
平板状の碍子で、これは前記絶縁支持部材６に対
向状態に位置している。１９は弾性材例えば金属
により形成され、Ｌ字状の支持部１９ａとＵ字状
の把持部１９ｂとから成る取付部材で、これは支
持部１９ａを介して前記碍子１８にねじ止めさ
れ、把持部１９ｂには前記電気ヒータ１３の枢支
部１４とは反対側の部分が弾性挾持され、これに
より電気ヒータ１３が第１図に二点鎖線で示す如
く略水平状態の使用位置に位置している。２０は
内ケース２の内底部の中央に形成された開口部、
２１は磁気式の温度スイツチで、これの伝熱キヤ
ツプ２２は開口部２０を介して鍋３の外底部に弾
接するようになつている。前記温度スイツチ２１
は図示しないレバーの操作により電気ヒータ１３
に通電し、炊飯終了時に電気ヒータ１３を自動的
に断電するよう上下動可能になつている。

つぎに上記構成の作用を説明する。炊飯に際し
て鍋３内に米及び水を収容して内ケース２内に収
納する際、米粒や水滴が鍋３から内ケース２の内
底部がこぼれ落ちたり、或いは鍋３を取出した状
態で内ケース２が外部に露呈されているとき、塵
埃が内ケース２の内底部に付着したりする場合が
ある。この場合には、鍋３を第１図に実線で示す
如く外部に取出した状態で、米粒、水滴或いは塵
埃といつた異物を除去すべく内ケース２を掃除す
る必要がある。この掃除にあたつては、本実施例
では電気ヒータ１３の直線部１３ａを絶縁支持部
材６の溝部８に回動可能に設けていることから電
気ヒータ１３を第１図に二点鎖線で示す使用位置
から同図に矢印Ａで示す方向に回動すると、電気
ヒータ１３が取付部材１９から抜出て、挿入部１
３ｂがストツパ１２ａに当接したところで電気ヒ
ータ１３が第１図に実線で示す如く上向き状態の
掃除位置に位置する。この状態では、電気ヒータ
１３が内ケース２の内底部から離間して前記両者
の間に空間的な余裕が生ずる。このため異物が内
ケース２に電気ヒータ１３の直下に存しても、異
物を払拭除去し易く、掃除性が向上する。しか
も、電気ヒータ１３を回動するだけで済み、操作
が容易である。

ところで、上述の如く内ケース２の掃除性を向
上させるためには、電気ヒータを絶縁支持部材に
対して着脱可能に設け、掃除の際には電気ヒータ
を取外す構成とすることが考えられる。即ち、ね
じ１７を螺脱し防滴カバー１６を枢支板９から取
外し、然る後に電気ヒータ１３の挿入部１３ｂを
透孔１０及び貫通孔１１から抜出すことが考えら
れる。ところが、このような構成では、電気ヒー
タ１３の取外し時に透孔１０及び貫通孔１１とい
つた空孔部が露出されるため、掃除の際、洗浄水
などが前記空孔部内に浸入し、端子部を濡らし、
その絶縁性が破れてしまう虞れがある。

しかるに本実施例では、電気ヒータ１３を絶縁
支持部材６に回動可能に設けるよう構成したの
で、清掃の際に防滴カバー１６を取外す必要がな
く、従つて、透孔１０及び貫通孔１１といつた空
孔部は防滴カバー１６により覆われるままの状態
となり、前記空孔部に対する洗浄水の浸入を防止
でき、端子部の確実な絶縁性を確保し得る。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べたように、内ケースに電気ヒ
ータが配設された事情にありながらも、電気ヒー
タが支障になることなく内ケースを掃除できて掃
除性を向上し得る電気釜を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
除去して示す縦断面図、第２図は要部の拡大分解
斜視図である。 図中、１は本体ケース、２は内ケース、３は
鍋、６は絶縁支持部材、８は溝部、１３は電気ヒ
ータ、１３ａは直線部、１６は防滴カバーであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース内に配設された内ケース及び該内ケ
   ース内に配設された鍋の間に形成される空間内に
   設けられ両端部に水平な直線部を有する環状の電
   気ヒータと、前記内ケースの内底面に取付けられ
   上面に直線状の溝部を有する絶縁支持部材と、こ
   の絶縁支持部材の溝部に被せられる防滴カバーと
   を具備し、前記電気ヒータの直線部を前記絶縁支
   持部材の溝部に装着することにより前記電気ヒー
   タを略水平状態の使用位置と上向き状態の掃除位
   置との間で回動可能に枢支したことを特徴とする
   電気釜。