JPS6336005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は股布（クロツチ・ピース）すなわち
股の部分を覆う布を備えるガードル、ボデイスー
ツ（ブラジヤー部からガードルまでが一連になつ
たフアンデーシヨン）、水着など被服に関する。

叙述するような体形、ボデイ・ラインを美しく
整えるための被服は体表面に密接して着用される
ように形成されることが要求され、斯かる被服に
おいて股の部分を覆うための股布Ａは第５図に示
すように左右両側の長い辺ａ，ｂが夫々内方に円
弧状に弯曲し且つ前後両側の短い辺ｃ，ｄが夫々
外方に円弧状に弯曲した形状に形成せる細幅の布
片が用いられている。

このような股布Ａは、その前後の短い辺ｃ，ｄ
が被服本体の前身頃、後身頃の中央下方部に夫々
形成される縫合辺に縫合されて股の部分を覆うよ
うに構成されるものであり、股布Ａの前側の縫合
辺ｃと被服本体の前身頃における縫合辺とを縫合
した前接ぎ部分は、その部分全体が恥骨部下方の
立体差の小さい一つの部分（恥丘）に充当するか
ら体表面への密接に関する配慮は特に必要がな
い。しかしながら股布Ａの後側の縫合辺ｄと被服
本体の後身頃における縫合辺とを縫合した後接ぎ
部分は人体の体表区分（体表解剖学上）における
肛門部に充当するために体表面への密接に対して
の配慮が必要となる。すなわち肛門部は臀部の二
つの丸みの間に存在する部分であつて、股布Ａの
後接ぎ部分が臀部の二つの丸みの横方向の丸み及
び臀裂に沿う縦方向の丸みを含んだ谷状を呈する
立体差が大きく、しかも二つの部分（臀部の二つ
の丸み）に跨がつて充当するために、後接ぎ部分
がブリツジになつたり、後接ぎ部分に続く股布の
一部が体表面から浮いてしまうなどの状態が生じ
て体表面に密接して着用されない問題がある。

従来このような股布Ａの後接ぎ部分のフイツト
性を得るために、股布Ａの後接ぎ部分に被服本体
の後身頃１に向つて円弧状に出張つて両裾ぐりか
ら後身頃１の後中心縫合線Ｐに近づくにつれて漸
次幅広くした三日月形状のダーツd₁（第６図に示
すもの）をとつたり、あるいは被服本体の後身頃
１に向つて山形状に出張つて両裾ぐりから後身頃
１の後中心縫合線Ｐに近づくにつれて漸次幅広く
した山形形状のダーツd₂（第７図に示すもの）を
とつたりする手段により対処しているが、これら
の手段では矢印で示すように上方と下方とからの
二つの方向から後接ぎ部分に向つて引つ張る力が
働いて臀部の二つの丸みの横方向の丸みに対応す
るフイツト性が得られるが、臀部の二つの丸みの
臀裂に沿う縦方向の丸みに対応するフイツト性、
つまり被服本体の後身頃１の後中心縫合線Ｐに沿
う部分の臀裂へのフイツト性に欠ける憾みがあつ
た。そこでこの考案は、股布の後接ぎ部分及び被
服本体の後身頃の後中心縫合線に沿う部分が体型
に従つて良好にフイツトしてボデイラインを美し
く且つ着用感の優れたガードル、ボデイスーツ、
水着などの股布を備える被服を提供することを目
的とする。

この考案は被服本体の後身頃１における後中心
縫合線Ｐと、股布Ａの後接ぎ部分における股布縫
合線Ｑとの交差点Ｒを中心にして三方向にダーツ
が設けられている。

それは交差点Ｒで左右に区分され、交差点Ｒか
ら夫々左右の裾ぐり３に至る股布縫合線QA，
QBに沿う二つの斜下方向の部分と、交差点Ｒか
ら後中心縫合線Ｐに沿つて後中心縫合線Ｐが、後
身頃１における臀部の二つの丸みの頂上部分を覆
う左右の部分１ａ，１ｂを横切る線Ｌと交差する
地点Ｓに至る上方向の部分の三方向の部分にダー
ツが設けられるのである。

これら交差点Ｒを中心にして三方向にとられる
ダーツは、交差点Ｒから離れていくに従つて漸次
幅狭く形成されている。

第１図〜第３図に示すものはこの考案において
形成される三方向ダーツの種々なパターンを示
し、股布縫合線QA，QBに沿つて夫々形成され
る斜下方向ダーツDHと後中心縫合線Ｐに沿つて
形成される上方向ダーツDVとのダーツ幅は等し
く形成されており、第１図と第３図に示すもので
は、三つのダーツDH、DVが連がつている三つ
の点イ，ロ，ハを結ぶと逆正三角形となる。

図中２は前身頃を示す。

このように交差点Ｒを中心にして左右に二つの
斜下方向ダーツDHと、上方向ダーツDVをとつ
て縫成してなる被服を着用した場合、矢印で示す
ように交差点Ｒに向つて下方向からと左右の斜上
方向からの三つの引つ張り力が生じて、これら三
つの引つ張り力が股布Ａの後接ぎ部分及び被服本
体における後身頃１の後中心縫合線Ｐに沿う下方
部分に働いて、これら各部分が臀部の二つの丸み
の横方向の丸み及び臀裂に沿う縦方向の丸みに対
応して体表面に密接することになる。

以上のようにこの考案によれば、股布の後接ぎ
部分は臀部の横方向の丸みに対応したフイツト性
及び被服本体の後身頃の後中心縫合線に沿う下方
部分は臀裂に沿う縦方向の丸みに対応したフイツ
ト性が得られるから、ボデイラインの美しい且つ
着用感の優れたガードル、ボデイスーツ、水着な
どの股布を備える被服を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案において形成される
三方向ダーツの種々なパターンを示す図、第４図
はこの考案被服における股布部分から後身頃にか
けての部分を示す図、第５図は従来の股布を示す
図、第６図、第７図は従来の被服における股布の
後接ぎ部分に形成されるダーツを示す図である。 １……後身頃、Ａ……股布、Ｐ……後中心縫合
線、Ｑ……股布縫合線、Ｒ……交差点、QA，
QB……左右に区分された夫々の股布縫合線、１
ａ，１ｂ……臀部の二つの丸みの頂上部分を覆う
後身頃１の左右の部分、Ｌ……後身頃１の部分１
ａ，１ｂを横切る線、Ｓ……後中心縫合線Ｐと線
Ｌとが交差する地点、DH……斜下方向ダーツ、
DV……上方向ダーツ、３……裾ぐり。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被服本体の後身頃１における後中心縫合線Ｐと
   股布Ａの後接ぎ部分における股布縫合線Ｑとの交
   差点Ｒを中心にして、交差点Ｒで左右に区分され
   交差点Ｒから夫々左右の裾ぐり３に至る股布縫合
   線QA，QBに沿う二つの斜下方向の部分と交差
   点Ｒから後中心縫合線Ｐに沿つて後中心縫合線Ｐ
   が、後身頃１における臀部の二つの丸みの頂上部
   分を覆う左右の部分１ａ，１ｂを横切る線Ｌと交
   差する地点Ｓに至る上方向の部分に、交差点Ｒか
   ら離れていくに従つて漸次幅狭く形成した斜下方
   向ダーツDHと上方向ダーツDVをとつて縫成し
   てなることを特徴とするガードル、ボデイスー
   ツ、水着などの股布を備える被服。