JPH0324563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は着用感の良好な下穿きに関するもので
あり、かかる下穿きを案出することにより、もつ
て当該産業上の利用に供さんとするものである。

〈従来の技術〉 従来よりシヨートガードル等の下穿きは第５，
６図の図面及び第７図に示す展開図の如く、左右
２枚の身頃片９からなり、丸印１０で示す裾の前
ぐり部分は平面的で、製品に仕上げた際も、この
部分のふくらみに乏しいため、概して着用者のも
もの付け根近辺を圧迫し、歩行時、展身時、座屈
時等身体を動かしたり、不自然な体位をとる時に
特にその傾向が強く、窮屈、痛いというような不
快な着用感を訴える人も多々見うけられた。ま
た、従来のパンテイ、シヨーツ等の下穿きについ
ても展開図こそ前記第７図に示すシヨートガード
ルとは異るものの、裾の前ぐり部分が正面的な傾
向は前記シヨートガードルと同様であり、改良す
る必要性が云われていた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案はこうした従来の下穿きに改良を加え、
裾の前ぐり部分を立体的構造にすることにより、
快適な着用感を有する下穿きを提供すべくなされ
たもので、その特徴とするところは、下穿きにお
いて、裾の前ぐり部分にダーツ１を形成せしめる
ことにより、盛り上りを付与してなる点にある。

次に問題点を解決するための手段を、更に詳細
に説明することにする。

本考案に係る下穿きとは、シヨートガードル
（パンテイガードルと云うこともある）、パンテ
イ、ブリーフ等を例示でき特に制限はないが、通
常は裾口がももの付け根付近に位置するものが望
ましく、特にシヨートガードル等は好ましい例と
してあげることができる。

裾の前ぐりとは、下穿き類の裾口の前半分いつ
ており、例えば前襟ぐり、前袖ぐり等と同種の言
葉である。ダーツとは通常平面部を絞つたり、盛
り上りを付与して、立体形状を形成する手段にお
ける縫合線を云うが、本考案におけるダーツ１と
は、後者の盛り上りを付与するために形成される
縫合線を云う。かかるダーツ１とは本考案では、
例えば裾の前ぐり部分のどの箇所に形成しても差
しつかえないが、好ましくは裾の前ぐり部分の頂
点位置付近、即ち、人体に着用した場合、側面か
見た時のももの最前列線付近、もしくはその延長
線上付近に位置する箇所に設けるのが好適であ
り、こうすることにより脚部の動きが最も、スム
ーズとなつて着用時の窮屈感等が減少する。こう
したダーツを形成するには通常２枚の生地をつき
合せることによりなされることが望ましく、従来
の第７図に示す展開図の生地を用いたのでは好ま
しい盛り上がりは得られない。

〈実施例〉 次に図面をもとに１，２の実施例を述べつつ本
考案を説明する。

第１図は本考案に係るシヨートガードル２の図
面であり、裾の前ぐり部分１０に頂点位置にダー
ツ１が形成されて、盛り上り３が付与されてい
る。この盛り上り３は第２図の側面図、第３図の
下方から見た底面図を見ると明白であり、ダーツ
１に対応する部分が盛り上るのであるのである。
このことは第４図に示す展開図からも明らかであ
り、フロントパネル４の側方縫着縁７及びバツク
パネル６の側方縫着縁８との間で縫合された縫合
線、即ちダーツ１が形成されるのである。

この際、本例のようにフロントパネル４の側方
縫着縁７及びバツクパネル６の側方縫着縁８を
夫々凹状の湾入曲線で形成することが望ましい
が、この限りでなく、要はダーツ形成により裾の
前ぐり部分に盛り上りを付与できるような構成な
らば特に制限はない。

本例では、フロントパネル４は１枚生地で前中
心１１はつながつているが、これは前中心を境に
左右２枚の生地であつてもよく、適宜でよい。バ
ツクパネル６についても本例では左右２枚を用い
後中心１２で縫合しているが、これは１枚生地で
あつてもよく、特に制限はない。また、ダーツ形
成部１に例えば三角状の襠片を入れて盛り上りを
付与することも考えられ、こうした態様もダーツ
形成がなされている限りは本考案の範囲である。

本例のシヨートガードルに使用する生地はフロ
ントパネル４、バツクパネル６共にナイロンとス
パンデツクス弾性糸からなるサテン調パワーネツ
トで、縦、横方向に伸縮性がある経編地であり、
フロントパネル４は襠部１３と１体である。ま
た、襠部１３の内部には襠片が添付されている。
この際、勿論、フロントパネル４と襠部１３とが
１体でなくて別々のパネルであつてもよく、特に
制限はない。前記した使用生地については特に制
限はなく、適宜の編織地を用いればよいが、通常
はメリヤス生地、パワーネツト生地、トリコツト
生地、その他の２方向に伸縮性を有する生地が好
んで利用される。

以上は本考案１，２の実施例であり、本考案は
かかる実施例に制限を受けることなく、あらゆる
実施状態を取ることが可能である。

〈考案の効果〉 本考案は以上の如く、フロントパネル４の側方
縫着縁７及びバツクパネル６の側方縫着縁８を
夫々凹状の湾入曲線で形成すると共に、該側方縫
着縁７，８の縫合によりダーツ１を形成し、裾の
前ぐり部分１０の頂点位置であるダーツ１の部位
に盛り上り３を付与したことにより、下穿きの着
用時、従来のような太腿の前面部にに対する圧迫
感が排除され、前記盛り上り３により、裾の前ぐ
り部分１０に着用時の余裕が生じるので着用感が
大幅に向上する。

即ち歩行時や身体の屈伸時などにおいて、裾の
前ぐり部分１０の太腿前面部への接触がソフトタ
ツチであるため、圧迫感がなく、従つて痛痒感や
窮屈感などの不快感がなくなり、着用時の良好な
下穿きが得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る下穿きの１実施例を示す
正面図、第２図はその側面図、第３図はその下方
からみた底面図、第４図はその展開図であり、第
５図は従来技術に係る下穿きを示す正面図、第６
図はその側面図、第７図はその展開図である。 １……ダーツ、２……シヨートガードル、３…
…盛り上り部分、１０……裾の前ぐり部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントパネル４の側方縫着縁７及びバツクパ
   ネル６の側方縫着縁８を夫々凹状の湾入曲線で形
   成すると共に、該側方縫着縁７，８の縫合により
   ダーツ１を形成し、裾の前ぐり部分１０の頂点位
   置であるダーツ１の部位に盛り上り３を付与して
   構成したことを特徴とする下穿き。