JPS6335611B2 - - Google Patents

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JPS6335611B2
JPS6335611B2 JP16155182A JP16155182A JPS6335611B2 JP S6335611 B2 JPS6335611 B2 JP S6335611B2 JP 16155182 A JP16155182 A JP 16155182A JP 16155182 A JP16155182 A JP 16155182A JP S6335611 B2 JPS6335611 B2 JP S6335611B2
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JP
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pharmaceutical composition
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muscle
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patients
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JP16155182A
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JPS5955830A (ja
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Fuishereuna Raburetosukaya Erionora
Arekusandoroitsuchi Rudojito Erunesuto
Aramoitsuchi Pirujian Refu
Iwanobuna Borukowa Ryubofu
Iwanobuna Zaharowa Niina
Ashotoitsuchi Sarukishian Dabido
Arekusandora
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NAUCHINO ISUSUREDO INST HO BIOROGICHESUKIMU ISUPITANIAMU HIMICHESUKIFU SOEDEINENUI
Original Assignee
NAUCHINO ISUSUREDO INST HO BIOROGICHESUKIMU ISUPITANIAMU HIMICHESUKIFU SOEDEINENUI
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は医薬、より具体的には新規医薬組成
物、即ち運動障害を有する末梢神経系統の各種損
傷(神経炎、多発性神経炎、多発根神経炎)の治
療、以前に起こつた脳の血管の損傷の後遺症の治
療、遺伝的或いは獲得形成の筋無力症その他の神
経―筋肉病の治療、生産における分娩の刺戟、胃
腸経路のアトニー(弛緩)および無動症の患者の
治療などに有用な末梢神経および中枢神経系統に
おける神経―筋肉伝達、平滑筋および興奮を生ぜ
しめる刺戟剤に関する。 従来、神経―筋肉伝達を刺戟する医薬組成物、
即ちプロセリン(ネオスチグミン)、ガランタミ
ン(ニバリン)、オキサジル(アンペノニウムク
ロロベンジルクロライド)などの可逆性―効果コ
リンエステラーゼ阻害薬が知られている。しかし
ながら、これらの従来技術の製剤は短時間および
不十分な治療効果を有するにすぎず、高い毒性
(マウスに皮下注射したガランタミンのLD50は14
mg/Kgであり、腹腔内に投与した場合はLD50
11mg/Kgであり、皮下注射したプロセリンの
LD50は0.4mg/Kgである)を有する。 更に、ガランタミンはユキノハナの特別の変種
(Galanthus Woronowi A.Los.)から製造され
るので極めて高価であり、得ることが困難な化合
物である。 本発明の主な目的は、低い毒性を有し、コリン
エステラーゼの抑制と興奮可能な膜のカリウム通
路を妨害する能力とを結合することにより活動電
位を延長するところの、末梢神経および中枢神経
系統における神経―筋肉伝達、平滑筋を刺戟し、
興奮を改良する新規な医薬組成物を提供すること
である。 本発明による医薬組成物は新規であり、これま
で文献上知られていない。 本発明による末梢および中枢神経系統における
神経―筋肉伝達、平滑筋および興奮伝導の刺戟剤
としての新規医薬組成物は、活性成分および医薬
希釈剤よりなるものであり、活性成分としては次
の一般式 で表わされる9―アミノ―2,3,5,6,7,
8―ヘキサヒドロ―1H―シクロペンタ(b)キノリ
ン一水和物塩酸塩を含有するものである。 本発明は、広義においてはこのような医薬組成
物に係わるものであるが、狭義においては、特に
上記活性成分と医薬用希釈剤とからなることを特
徴とする末梢神経系統における興奮伝導の刺戟剤
としての医薬組成物を提供するものである。 本発明による医薬組成物は、好ましくは注射液
および錠剤として用いられる。本発明による注射
液形態の医薬組成物は、好ましくは活性成分を
1.5重量%で含有し、医薬用希釈剤として3.5〜5.0
のPHに酸性化した二回蒸留の水を含有する。 錠剤形態の本発明による製剤は、好ましくは活
性成分を15〜30mgの量で含有する。錠剤用の医薬
用希釈剤としては、好ましくは、デン粉又は糖粉
末が含まれる。 本発明による医薬組成物は、新しい種類の薬理
学的活性を有し、その主たる出現は神経―筋肉伝
達の刺戟、興奮可能な組織(神経―平滑筋および
横紋筋)における興奮の増大、並びに神経、神経
―筋肉シナプスが損傷した場合のそれらにおける
伝導の回復である。 特別の実験的検討により、本発明によるこの医
薬組成物の作用の原理は次の分子レベルにおける
効果の組合せに基づくことが示された:1)それ
は興奮可能な膜のカリウム通路を妨害する、およ
び2)それはコリンエステラーゼを抑制する。 本発明による製剤は、末梢神経系統の各種損傷
(神経炎、多発性神経炎、多発根神経炎)の治療
に有用である。これらの症例において、その効果
はプロセリン、ガランタミン、オキサジルなどの
公知のコリンエステラーゼ阻害薬を含むその他の
全ての医薬組成物の治療効果よりもすぐれている
ものである。他の如何なる種類の治療も如何なる
治療効果を与えないような長期間の病においてさ
えも神経機能の回復が観察されている。 特に良好な治療結果が、本発明による製剤が痙
縮の存在においてさえもその効果を与える顔面神
経の神経炎の治療の場合に得られる。本発明の製
剤の鎮痛効果により、神経根炎および神経根神経
炎の場合において、組合わされた積極的効果を及
ぼす。それは痛み症候群を除去し、神経―筋肉シ
ナプスの機能を回復する。 余り顕著ではないが、積極的な効果が筋無力
症、遺伝的神経―筋肉病、散在性硬化症の場合
に、本発明による製剤によつて示されている。そ
れは脳器管の動脈瘤の障害手術後のリハビリテー
シヨン期間においても又或る種の改良をもたら
す。本発明の製剤は頭骨外傷などの後遺症を有す
るアテローム性脳動脈硬化症に悩む患者の記憶の
改善にも寄与する。本発明の製剤は又小腸アトニ
ー、膀胱アトニー、弱い労働活動並びに或る種の
形態のインポテンスの治療の処方に用いることが
できる。 本発明による医薬組成物は、動物および診療所
において各種病気に悩む患者について実験的に試
験を行つた。 即ち、本発明の医薬組成物のラツトの横隔膜試
料、カエルの直腸筋肉、ウサギの座骨神経に対す
る実験において、神経―筋肉伝達に及ぼす効果が
研究された。 実験は、体重200gの雄ラツトから得られた横
隔膜試料について行われる。横隔膜から適当な20
mm長の神経を有する5〜8mm幅の筋肉片が切り出
される。この試料を通気されたタイロード液を有
する浴中に入れ、二倍量のグルコース含量を用い
20℃の温度において溶液のPHを7.3にする。この
神経は筋肉試料が刺戟を与えられる二本の銀製の
電極上におかれる。 刺戟パラメータは1ミリ秒間隔の矩形パルス、
その間の2秒間隔の10パルスの群および群間の1
分間隔であり、電圧は12〜15Vである。 実験の結果、浴に本発明による医薬組成物を
1.10-7Mの濃度で添加すると、横隔膜の収縮の振
幅を74〜80%だけ増大させることが示された。こ
の増大は化合物を溶液から除去後緩やかに下降す
るが、洗浄除去後1時間後においても収縮はなお
25%増大したままである。 同様な濃度において、ガランタミンは振幅の増
大を28%与え、その効果は短時間のものであり、
洗浄開始後20分間後に消滅する。 カエルの腹部の切断された直腸筋肉を空気を通
したリンゲル溶液(PH=7.4)を有する容器中に
入れる。筋肉収縮はひずみゲージにより記録され
る。アセチルコリンを溶液中に1.10-6Mの最終濃
度になるまで導入する。本発明の製剤を溶液中に
その最終濃度が1.10-7〜1.10-6Mとなるように導
入する。本発明の化合物の背景に対して、アセチ
ルコリンは対照例のものに比べて180%すぐれた
収縮を起こす。この効果は10〜15分以内に起こ
り、化合物を溶液から除去すると徐々に消失す
る。除去後25分後においてもアセチルコリンに対
する応答はなお対照値に対して150%に等しい。 同一条件下において、ガランタミンおよびプロ
セリンはアセチルコリンの効果について顕著さが
より低く、より短時間の増大を与えるにすぎな
い。 ウサギの座骨神経(in situ)についての実験
において本発明の化合物は腓腹筋の振幅をアセチ
ルコリンの添加に対する応答において50〜78%増
大する。この効果は又持続性である。それは本発
明の化合物の添加後1時間後においてもなお観察
される。 微小端板電位(EPP)に対する効果を神経―
筋肉シナプス(腓骨神経―伸筋―digitorumlo―
ngus)について研究した。マウスに本発明の化
合物を5.2〜10.4mg/Kg(LD50の10〜20%)の投
与量で与え、その後注射後の異つた時間限度内に
殺し、神経―筋肉試料を単離し、微小EPPを研
究する。 統計的には次の端板電位のパラメーターを用い
る:頻度(f)、振幅(A)および継続時間(t)。 対照試料においては、微小端板電位のパラメー
ターは次の通りである:f=3.01/秒、A=
0.6mV、t=0.3ミリ秒。本発明による組成物を
10-6Mで添加すると、パラメーターは次の如く変
化する:f=3.01/秒、A=1.2mV、t=7.0ミリ
秒。 従つて、微小EPPの振幅および継続時間の増
大が観察される。この効果は、僅かな継続時間の
ものであり、それは医薬組成物の添加後30分以内
に単離された製剤においてのみ検出される。 本発明による製剤はクラーレ系の筋弛緩薬、特
にd―ツボクラリンの効果を弱める。それは後者
の毒性を低下させる。よつて、マウスについての
実験において、対照群、および本発明の医薬組成
物を予め投与しておいた試験群におけるd―ツボ
クラリンの平均致死量が求められる。筋弛緩薬の
LD50は0.29mg/Kgから0.69mg/Kgに増大する。 ツボクラリンを0.25mg/Kgで静脈内に投与する
と、神経―筋肉伝達の妨害によりウサギの首の垂
れ下りが生ずる。この微候の記録後に本発明の化
合物を1.3,2.6,5.2mg/Kgで静脈内に注射する
と、筋肉緊張の回復が得られる。抗クラーレ剤的
効果の継続時間は30〜40分である。 本発明の化合物の平滑筋対象物に対する効果が
ラツトの子宮、輸精管および腸について研究され
た。動物を首切りにより殺傷し、腹腔を開き平滑
筋器官を切出し、生理液を含有する容器内に移
す。15×2mmの片を器管から切出し、絹糸片の両
端に固定し、この筋肉試料を試験単位室内に置
く。筋肉の収縮活動を等長性の条件下に張力計を
用いて記録する。筋肉は通気された生理溶液の連
続流内に置かれる。自発的収縮が記録され、作動
薬(アセチルコリン、オキシトシン、アドレナリ
ン、セロトニン、ヒスタミン、KC1)に対する収
縮応答が記録される。本発明の化合物は応答を高
めながら、K+を除いて全ての作動薬に対する応
答において収縮の振幅を増大させる。通常のコリ
ンエステラーゼの阻害薬はそのような効果は有さ
ず、単にアセチルコリンの作用に対する子宮の応
答を僅かに増大させるにすぎない。 本発明の化合物の刺戟効果は、又持続性を有
し、それを溶液から除いた後40分間後においても
検出される。 特別の室に置かれたラツトの座骨神経について
の実験において、本発明の化合物の興奮の伝導性
に対する効果が研究された。刺戟電極を通じて、
パルスが通され、第二の記録電極が興奮に応答す
る神経作用電位の記録の役割を果たす。 製剤を1.10-5〜1.10-7Mの範囲において電極間
の限られた長さの神経に適用する。5.10-5Mの濃
度のWC1が電導性の妨害を引起こす。本発明の
化合物はこの妨害を除去し、神経の伝導性を回復
する。 実験研究の結果、本発明による化合物は次の二
群の効果を有することが示された:コリンエステ
ラーゼの抑制による短時間(最大30分間)の効
果、および筋肉および神経繊維に対する直接効果
によつて説明することのできる長時間の効果。本
発明の化合物はガランタミンおよびプロセリンの
ような通常のコリンエステラーゼ阻害薬と比べて
同様の特徴であつて明確に区別された相異を有す
るものである。 後者の試薬とは対照的に、本発明の化合物は神
経―筋肉伝達により顕著な効果を示し、平滑筋を
刺戟し、K+以外のあらゆる作動薬の効果を増大
する。本発明の化合物はKC1による妨害の後に神
経における興奮の伝導性を回復する。 脳アセチルコリンエステラーゼ(ACE)およ
び血清プチリルコリンエステラーゼ(BuCE)の
精製された製剤についての実験において、本発明
による化合物は抑剤効果の強度に関してガランタ
ミンよりすぐれ、プロセリン近似するものである
ことが示された。 そのACEに対する抑制定数Kiは1.47×10-7Mで
あり、BuCEに対して5.6×10-9Mである。本発明
の化合物は組合わせた態様でACEを抑制し、非
一競争的態様においてBuCEを抑制する。 ガランタミンについては、Kiはそれぞれ2.5×
10-6M(ACE)および1.6×10-4M(BuCE)であ
り、プロセリンについては6.5×10-8M(ACE)お
よび1.5×10-7M(BuCE)である。 本発明による製剤を1.10-6〜1.10-5Mの濃度で
用いることにより電気興奮性膜におけるカリウム
電流を50〜70%で有効に妨害する。この効果は膜
のカリウム通路の公知の抑制剤(4―アミノピリ
ジン)に特徴的なものである。しかしながら、試
験電圧パルスを10ミリ秒から1秒に延長すると4
―アミノピリジンによるK+電流の抑制は消える
のに対して本発明による医薬組成物の効果は十分
に保持される。電位を固定することなく、本発明
の化合物は膜効果の電位の著しい延長を引起こ
す。 マウス、ラツト、ウサギおよびイヌについての
実験において、本発明による化合物の挙動、脳
波、訓練に及ぼす影響、および、催眠剤、アレコ
リン、ニコチン、アポモルフイン、フエナミン、
L―DOFA、5―ヒドロキシトリプトフアンと
組合わせた場合の効果が研究された。少量の投与
量においては、それは動物の挙動を変えない。10
〜20mg/Kgの投与量においては、それは中枢神経
系統に対する刺戟効果を表わし、イライラに対す
る活性応答を高める。更に投与量を高めると、動
物の興奮、ふえる、M―コリン作用性系統の刺戟
の徴候、即ち過流涎、過発汗、下痢などが観察さ
れる。毒性の投与量においては、痙攣が生ずる。 本発明による医薬組成物は、アレコリンの効果
を強める。アボモルフイン、フエナミンおよびL
―DOFAの効果は、本発明の化合物によつては
その高投与量(10.4〜20.8mg/Kg)においてのみ
高められる。 それはT字型迷路におけるラツトの訓練を容易
にする。 従つて、実験データは、本発明による化合物は
コリンエステラーゼ阻害薬の全ての効果を有する
ことを示した。しかし、それに加えて本発明の化
合物は、他の如何なる抗コリンエステラーゼ試薬
について説明されたことのなかつた多くの特性、
即ち、筋肉に対する持続性の直接的な刺戟効果、
神経における興奮の伝導の回復および刺戟する能
力を有するものである。 本発明は初めてその作用スペクトルがコリンエ
ステラーゼの抑制と膜のカリウム通路の妨害とを
組合わせた化合物を提供するものである。この特
性の組合わせにより化合物の興奮の伝導に対する
影響を特に有効にしている。この場合において、
それは伝導に参加するあらゆる単位に作用する:
シナプス前の繊維→メデイエーターの放出→シナ
プスにおけるメデイエーターの酵素分解の妨害→
シナツプス後の神経或いは筋肉繊維に対する効
果。 本発明の組成物について急性および慢性の毒性
が研究された。 マウスに対する単一腹腔内投与のLD50は44
mg/Kgであり、皮下注射の場合は52mg/Kgであ
り、経口投与の場合は68mg/Kgであり、ラツトに
対する皮下投与の場合は60mg/Kgである。 本発明の製剤の慢性の毒性は三種の動物(ラツ
ト、イヌ、ウサギ)について研究された。これら
の種類の動物に対する慢性実験において本発明の
化合物の持続的皮下投与における動物の一般式健
康状態および体重、ヘモグラム、心臓血管系統、
呼吸、中枢神経系統、腎臓、肝臓、甲状腺の機能
状態に対する影響が研究された。得られた結果お
よび形態学的検討から長期間に亘る投与(ラツト
―3ケ月、ウサギ―2ケ月、イヌ―6ケ月)によ
つても本発明の製剤は実験室動物に如何なる毒性
効果も与えないことが判明した。本発明につい
て、これらの実験において用いられた投与量は、
ヒトに対して必要とされる(Kg―体重当り)それ
よりも、5〜10倍越えるものであつた。 又、本発明の化合物のアレルギー誘発効果を評
価する試験も行われた。試験結果は、本発明の化
合物はアレルギー誘発効果を有さないことを示し
ている。 本発明の製剤は発ガン性、変異誘発性、寄形発
生或いは胎毒性効果を示さない。 本発明の化合物は、神経学的および治療的側面
の診療所において試験を行つた。各種病理形態の
550人の患者が治療された。 本発明の製剤は、末梢神経系統の障害および歩
行障害、即ち神経炎、多発性神経炎、多根性神経
炎を有する患者;脳器管の以前の血管障害の後遺
症、脳髄膜腫のある種の手術の後遺症、筋無力症
およびその他の遺伝的或いは獲得形成の神経―筋
肉病を有する患者;導出活動の刺戟即ち胃腸経路
にアトニーおよび無動症を有する患者の治療のた
めに投与された。 本発明による組成物の投与の処方は実質的によ
り広いものであるが、臨床研究の間は最大の治療
効果が期待される主たる病理形態についてのみ使
用された。 以下に320人の患者(20〜61才の210人の男およ
び110人の女)について行われた本発明の製剤の
有効性の分析結果を示す。 病理形態については患者は次の如く分類され
た: 神経炎 70人 多発性神経炎 20人 多発根神経炎 15人 椎間板発生根神経炎 40人 筋無力症 40 脳血液循環不順の後遺症 50 髄膜腫の神経外科手術の後遺症 5 散在性硬化症 15人 筋萎縮性側索硬化症 10 進行性筋ジストロフイー 20 導出刺戟 30 小腸アトニー 15 本発明の化合物は全ての患者に0.5〜1.5%溶液
の皮下注射液として与えた。単一投与量は10〜30
mgで変えられ、毎日の投与量は10〜60mgで変えら
れた。治療期間は病気の特質に応じて10〜30日間
で変えられたが、しかし、筋無力症の場合には更
に長期間であつた。最高の効率は末梢神経系統の
傷害において認められた。最良の効果は、感染性
および外傷性病因の神経炎および多発性神経炎を
有する患者に認められた(88%の改良率)。これ
よりやや少ない効果は椎間板起因の根神経炎にお
いてみられた(62%の改良率)。これらの患者に
おける神経学的徴候の積極的な動態は、より大き
なスケールの活動、損傷した筋肉群における増大
した筋力、より鮮やかな腱の応答、感受性の回
復、痛み症候群の消滅(この場合には、本発明の
化合物は鎮痛特性を示す)などとして示された。
顔面神経の末梢麻痺に悩む患者の治療の場合にお
ける良好な有効性に注目されるべきである。この
場合において治療効果は、病気の新鮮な場合のみ
ならず、抗コリンエステラーゼ製剤の使用を含む
あらゆる種類の薬学的および物理治療的処理の使
用が不首尾であつた後の顔面神経炎(1〜3年)
の長期経過においても認められた。又、本発明の
化合物の使用の成功例の一つに筋無力症の症例も
あつた(92%の改良率)。筋無力症に悩む患者の
治療において、本発明の化合物はプロセリン、オ
キサジル、などの抗コリンエステラーゼとは異つ
た独特の特性を有することが見出された。それは
その持続するコースの計画に従つた投与により、
治療効果を確実にする。又、その効果は、より良
好なシナプシス伝達において表われるのではな
く、むしろ筋肉の収縮性の変化、筋肉収縮の高効
率により実現されるものである。又、散在性硬化
症、特に抵抗力のある麻痺のないおだやかな運動
障害を有する患者について改良が認められる(60
%)。中枢神経系統の病気の場合には、本発明の
化合物による治療も又有効であることが判明した
が、末梢神経系統の損傷の場合と同程度ではなか
つた。脳血液循環の障害の後遺症を有する患者に
おいて、精神的機能、記憶、注意力などの改善が
みられた。顕著な歩行障害(深い不全麻痺、失語
症)においては後者の現象は消失しなかつたが、
或る種の脳機能の改良、意志伝達会話機会の拡張
が認められた。 筋萎縮性側索硬化症および神経―筋肉ジストロ
フイーの場合には何等の効果も見られなかつた。 本発明の化合物の特別の積極的効果が弱い分娩
活動の場合に見られた。10mgの化合物の投与10分
後に、子宮の増大した収縮活動が観察され、その
後何等の合併症を出ずることなく正常な出産が行
われた(96%の効率)。 小腸および胆汁管の無動症およびアトニーの場
合にも又積極的な結果が認められた。 本発明による製剤は又良好な許容性および稀な
副作用によつて特徴付けられる。それはM―コリ
ン作用性構造の徴候、即ち、腸の蠕動の増強、吐
気、唾液分泌過多などを極めて稀にしか起こさな
い(6患者―1.8%)。これに対して、プロセリン
はこれらの障害を50%の患者に起こし、これらは
更に相当に顕著なものであるので副作用の重さに
よりその活性が不十分な場合にプロセリンの投与
量を増大することが不可能となる。同様に、より
少ない程度であるが、もう一つの抗コリンエステ
ラーゼ製剤、ガランタミンについても同様なこと
がいえる。4人の患者(1.2%)において徐静が
認められ、2人の患者において動脈圧の上昇(一
過性)―0.6%、4人の患者(1.2%)には治療コ
ースの完了後迅速に消滅したアレルギー性皮膚の
発疹が表われた。本発明の製剤の副作用の低い頻
度および弱い出現、良好な許容性はそれの単一お
よび毎日の投与量の広い変化を可能にし、必要な
場合には投与量を相当に増大することを可能にす
る。 従つて、本発明の医薬組成物は、その特別の活
性スペクトルにより特徴付けられる。即ち、それ
は末梢神経の損傷の症例において特に全ての公知
の抗コリンエステラーゼ製剤が無効であることが
判明した頭蓋骨―脳神経において特別の刺戟およ
び回復効果を示す。それは筋肉の収縮特性を改良
する筋肉の直接作用を与える。本発明による医薬
組成物は脳血液循環、脳外傷手術の障害の後の回
復期間における精神活動、脳機能の特性を改良す
る。それは弱まつた分娩活動を刺戟し、胃腸経路
のアトニーを除去する。 臨床における本発明の活性成分の投与量は通常
0.5〜3mg/Kg/日の範囲でよい。本発明による
医薬組成物は注射溶液および錠剤として用いられ
るのが好ましい。このような製剤は、例えば、活
性成分0.01〜0.03g(10〜30mg)、好ましくは15
〜30mg、を含有する錠剤として毎日二回投与さ
れ、1.5%の注射溶液として毎日1〜2回投与さ
れる。 本発明の化合物の興奮伝導性に対する効果に関
する実験データ、および末梢神経系統における興
奮伝導の刺戟および回復に対する本発明の化合物
の能力に関する臨床研究の結果でもつて本発明を
以下更に詳しく説明する。 実験データ ラツトの坐骨神経に関する実験で、神経の電気
的刺戟の間に発生する活動電位(AP)の振幅と
持続性、並びにノボカイン(novocaine)または
KClによつて惹起されたAPの伝導の遮断に及ぼ
す本発明の化合物の影響が研究された。その結
果、本発明の化合物はAPの振幅と持続性を増大
し、ノボカインおよびKClの双方により惹起され
た遮断を除去することが示された。(下表)。従来
のChE阻害剤のネオスチグミン 〔neostygmin(proserin)〕並びにニバリン
〔nivalin(galantamine)〕は神経中の興奮の伝導
には、かかる効果を有していなかつた。下表から
わかるように、0.25%のノボカイン、または4%
のKClはAPの振幅を著しく、即ち、初期の水準
の20〜15%にまで減少させたが、本発明の化合物
は、その振幅を初期水準の80〜85%にまで回復さ
せた。ネオスチグミンおよびニバリンは、ノボカ
インおよびKClの作用後AP振幅を回復させるこ
とができなかつた。
【表】
【表】 * コントロール或いは遮断剤との差は統計的に
信頼できる。
本発明の化合物の効果の持続は注目に値する。 神経系統および筋肉における興奮伝導に及ぼすそ
の刺戟性および回復性は、灌流を停止した後1時
間のみならず、2〜2.5時間後にも認められた。
これは、興奮膜のカリウムチヤンネルとの交互作
用の差であり、一方、この化合物でのコリンエス
テラーゼの阻害は可逆的で短時間のものであり、
即ち、最大の効果は15分後に観察され、30分まで
には、その阻害効果が70%以上も低減される。 臨床研究 末梢神経系の障害患者260例(神経炎、神経痛、
多発性神経炎、脊髄神経根炎、内29例は種々の程
度のヒアリングの減損を伴う聴覚神経の神経炎)
を対象とした。本発明の化合物は著効145例
(55.7%)、有効84例(32.3%)の効果を示した
が、末梢神経系の障害の重篤な症状を有する31例
(12%)では実質的な改善が認められなかつた。
そして、本発明化合物がネオスチグミン、フイゾ
スチグミン、ガランタミンのような従来のコリン
エステラーゼ阻害剤を含めた他の薬剤治療で効果
を示さない時でさえ有効であつたことは強調すべ
き点である。顔面神経性神経炎の場合、罹病期間
が6年以上であり、かつ顔面筋拘縮が明らかな時
でさえ効果が認められた。5例においては脊髄神
経根炎患者の死への帰結が、本発明の製剤による
治療を繰り返すことにより避けられた。 例として、ソ連国Severodonetskに住む技師
(女51才)で、第3段階の患者について以下に詳
しく述べる。 疾患は急性であり、体温上昇、疲労、腰部痛が
観察され、間もなく体幹に沿つて腕と足に戟痛が
起こり、戟しい痛みを伴つた四肢の麻痺、減損、
次いで腱反射の消失、痛覚減損が観察された。抗
コリンエステラーゼ剤(ガランタミン、次いでネ
オスチグミン)と同様、抗生物質、プレドニゾロ
ン、抗アレルギー剤、モルヒネなどの鎮痛剤で処
理したが効果はみられなかつた。減損が進行し、
疼痛の症状が明らかに増加し、モルヒネ注射剤を
1日1〜2回から4回へと増量した。極端な麻痺
に伴い、感受性の乱れのレベルが上昇した。疾患
から4ケ月、本発明の製剤が初めて1日1〜2回
0.5%溶液1mlの注射剤として処方された。 10日後、体幹に沿つて腕と足における疼痛が消
失した。麻薬性鎮痛剤は投与中止した。手足の動
きが観察された。30日目、患者はベツドでの起き
上りができ、病院を退院した。自宅では本発明の
製剤による治療が2カ月間の休薬をはさみ各30日
間4回繰り返された。投与方法は皮下的に1日1
回1.5%溶液1mlで有効であり、徐々に四肢の可
動性が回復した。 最初に患者は特製の可動性イスを使用して動作
を初め、次いで松葉杖、ステツキを用いた。彼女
は家事、料理をすることができ、更にステツキな
しで動くことが可能となり、四肢の可動性も十分
回復し、足の筋強直性も柔らいだ。 上例と同じタイプの脊髄神経根炎患者が更に4
例同時期にみられたことも指摘される。全例とも
従来の抗炎症剤、プレドニゾロン、抗コリンエス
テラーゼ剤で処理された。本発明の製剤は使用さ
れず、4例とも死亡した。 末梢神経系の障害において、本発明の製剤は1
回2.5〜15mg(0.04〜0.25mg/Kg)で1日1〜2回
投与され、治療は15〜40日間行われ、病気の程度
により1〜2カ月間休薬をとり、繰り返すことが
できる。 本発明による医薬組成物の製剤形態は常法によ
り製造される。活性成分、即ち9―アミノ―2,
3,5,6,7,8―ヘキサヒドロ―1H―シク
ロペンタ(b)キノリン―水和物塩酸塩は次の好まし
い方法により製造することができる。 1―アミノ―2―シアノシクロペンテン―1、
シクロヘキサノ、ボリリン酸および乾燥ベンゼン
を沸騰させながら2時間撹拌する。冷却後反応液
で水で希釈し、エーテルで抽出する。エーテル抽
出液を廃棄する。水層をPH7に中和する。析出物
を別して、数回水でフイルター上で洗浄する。
析出物を分離後、水層を洗浄液と合わせ、アンモ
ニアによりPH9〜10のアルカリ性にする。得られ
た9―アミノ―2,3,5,6,7,8―ヘキサ
ヒドロ―1H―シクロペンタ(b)キノリンの析出物
を別し、洗浄し次いで20mlのエタノールに溶解
し、このエタノール溶液をガス状の塩化水素を5
〜25℃の温度においてPH3においてその中に通す
ことにより処理する。かようにして得られた塩を
エチルエーテルにより析出させ、析出物をエーテ
ルによりエタノールから再析出させる。かように
して、無臭の、水に易溶性の、95%エタノールに
徐々に可溶性の、アセトン、エーテル、クロロホ
ルムに実質的に不溶性で、酸の希釈溶液に易溶性
の、白色或いは僅かにクリーム状の、粉末よりな
る、9―アミノ―2,3,5,6,7,8―ヘキ
サヒドロ―1H―シクロヘプタ(b)キノリン一水和
物塩酸塩が得られる。 本発明による製剤はリストAの化合物に関し、
光―保護場所に貯蔵されるべきである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 活性成分、即ち下記一般式 で表わされる9―アミノ―2,3,5,6,7,
    8―ヘキサヒドロ―1H―シクロペンタ(b)キノリ
    ン一水和物塩酸塩および医薬用希釈剤よりなるこ
    とを特徴とする、末梢神経系統における興奮伝導
    の刺戟剤としての医薬組成物。 2 活性成分を1.5重量%の量で含有する注射液
    形態の特許請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 3 二回蒸留した水であつてPH3.5〜5.0に酸性化
    したものを医薬用希釈剤として含有する、特許請
    求の範囲第1項又は第2項記載の医薬組成物。 4 活性成分を15〜30mgの量で含有する錠剤形態
    の特許請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 5 錠剤用充填剤即ち、糖粉末或いはデン粉を医
    薬用希釈剤として含有する、特許請求の範囲第1
    項又は第4項記載の医薬組成物。
JP16155182A 1982-09-16 1982-09-16 末梢神経系統における興奮伝導の刺戟剤としての医薬組成物 Granted JPS5955830A (ja)

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FI890382A (fi) * 1988-01-26 1989-07-27 Nii T Bezopasnosti Lekarstvenn Foerfarande foer framstaellning av terapeutiskt anvaendbara cyklopentapyridinderivat.
CA2203566C (en) * 1994-10-24 2001-10-23 Yuko Hosokawa Percutaneously administration preparation

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