JPS6335222B2

JPS6335222B2 -

Info

Publication number: JPS6335222B2
Application number: JP55100326A
Authority: JP
Inventors: Hiroe Ogawa
Original assignee: Takeda Chemical Industries Ltd
Current assignee: Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1980-07-21
Filing date: 1980-07-21
Publication date: 1988-07-14
Also published as: JPS5726549A; KR860001827B1; KR830008502A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は発育促進、産卵の重量増加あるいは産
卵期間の延長に効果を有する家禽類用飼料に関す
る。本発明において家禽類用飼料とは、朝鮮人参ま
たはその処理物、あるいはこれにビタミン類やカ
ルシウムなどを添加したもの、さらにはこれらを
通常の家禽飼料に配合したものなどの朝鮮人参ま
たはその処理物を含有する家禽類用のすべての飼
料を意味する。家禽類は、肉用あるいは産卵用をとわず貴重な
蛋白質資源として利用されているが、さらに普及
をはかるために安価で効率の良い飼育方法が望ま
れている。飼育上、最も重要な要件は飼料の質で
あつてこのために種々の改善が試みられている。本発明者も長年飼料の質改善について研究中の
ところ、朝鮮人参またはその処理物あるいは特定
のビタミン類と共に朝鮮人参を家禽類に投餌した
結果、発育促進など種々の好ましい効果があらわ
れることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、朝鮮人参またはその処理
物を含有してなる家禽類用飼料、ビタミンＡ、ビ
タミンB₁、ビタミンB₆、ビタミンＣ、葉酸また
はコリンの１種または２種以上と朝鮮人参または
その処理物とを添加してなる家禽類用飼料、およ
び該飼料中のカルシウム含量が標準要求量の150
重量％以上となるようにカルシウムを添加してな
る家禽類用飼料である。本発明に使用する朝鮮人参はウコギ科の多年草
で、一般に薬用人参として使用されているもので
あれば産地、品種等の別なく利用でき、さらには
通常、生薬用として利用されることの少ないヒゲ
根であつてもよく、要は薬用成分が含有されてい
るものであればよい。朝鮮人参は、土壌から採取後のものを水洗・乾
燥・切断・粉砕などの低次の加工を施したものを
そのまま利用してもよいし、さらに高次に加工を
施した処理物であつてもよい。ここで、処理物と
しては、常法によつてエキスとしたものあるいは
その副産物として得られる搾り粕などが挙げられ
る。エキスは、さらに粉末、顆粒、錠剤などの剤
型にして利用することもできる。一方、本発明に使用するビタミン類は、ビタミ
ンＡ、ビタミンB₁、ビタミンB₆、ビタミンＣ、
葉酸、コリンであつて、これらの１種または２種
以上が使用される。ビタミンＡの例としてはビタミンＡ油やビタミ
ンＡ粉末が挙げられる。ビタミンB₁はその塩酸
塩や硝酸塩あるいはその誘導体（例：フルスルチ
アミン）として使用してもよい。ビタミンＣはナ
トリウムやカルシウムなどの塩類として添加して
もよく、またコリンはそのリン酸塩や塩化コリン
として知られているものが使用できる。朝鮮人参またはその処理物およびビタミン類
は、通常の家禽用飼料にあるいはその製造時に添
加すればよく、たとえばひえ、あわ、とうもろこ
し、小麦、青米、小米などの穀類あるいは穀類の
副産物として得られるフスマ・ヌカ類、豆類、大
根の葉・茎、野草、クローバ等の茎葉類、魚か
す、貝がら等の動物性性素材などを原料としたさ
まざまな飼料に直接または一たん希釈剤中に分散
させて添加混和される。朝鮮人参またはその処理物の添加量は、家禽の
種類、生育段階などにより異なるが、一般に飼料
中に乾物として約0.005〜１重量％、好ましくは
0.05〜0.5重量％程度添加するのがよい。このよ
うな添加飼料を、成鶏の場合で１日当りの朝鮮人
参またはその処理物の摂取量が約0.005〜0.7ｇ程
度となるように投餌するのが好ましい。一方、朝鮮人参またはその処理物と併用される
ビタミン類の添加量も、家禽の種類、生育段階、
飼料の種類等によつて異なるが、一般に飼料１Kg
当り、ビタミンＡは2000〜30000（I.U）、ビタミン
B₁は１〜50mg、ビタミンB₆は0.5〜10mg、ビタミ
ンＣは0.3〜５ｇ、葉酸は0.1〜５mgおよびコリン
は700〜7000mg程度の範囲から適宜選択される。ビタミン類はそのまま直接でもよく、他の飼料
成分と混合して添加してもよい。特に、ビタミン
B₁、ビタミンB₆、ビタミンＣ、葉酸はコーテイ
ング加工したものを用いると水分の多い飼料中で
も安定に保持できるのが望ましい。ビタミン類のコーテイング加工にあたつては、
簡単で経済的な方法として融点40℃以上の硬化油
で常法どおりスプレー式又は遠心噴霧式装置を用
いて造粒することができる。コーテイング剤として硬化油としては、例えば
牛脂硬化油、大豆硬化油、綿実硬化油等が使用で
き、これらに脂肪酸、モノグリセライド、ワツク
スなどを併用するとより好ましい。コーテイング
剤とビタミン類の比率は、使用するコーテイング
剤の種類、ビタミン類の粒度、装置の規模、コー
テイングの温度や量などの条件、添加使用にあた
つての使い易さ、経済性等により、適宜その比率
をきめれば良いが、一般にはビタミン類に対し
0.8〜10倍量（重量）程度である。本発明の朝鮮人参またはその処理物と特定のビ
タミン類を併用添加してなる飼料は、家禽類に対
し成長促進等の好ましい効果を発揮するものであ
る。さらに、該飼料中にカルシウム含量が標準要
求量の150重量％以上、好ましくは200重量％以
上、さらに好ましくは250重量％以上となるよう
にカルシウムを添加すると特に好ましい効果が得
られる。例えば、一般に、産卵はその重量が増すと殻が
うすくて弱くなり、このために取扱いがきわめて
不便となる。しかし、上記のような添加量でカル
シウムを添加すると産卵量が増大しても、殻が弱
くなることはなく、市場に流通させる場合に破壊
が少なく極めて好ましい。カルシウムは、通常の飼料用のものをそのまま
使用すればよく、例えば炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、貝殻粉末などが挙げられるが、いず
れの場合でも、カルシウム量として上記のような
割合となるように添加される。上記におけるカルシウムの標準要求量は、家禽
の種類あるいは生育段階によつて異なるが、例え
ば「農林水産技術会議事務局編、日本飼養標準−
家禽」に記載されているように、飼料中の含量が
幼雛で0.8％、中雛で0.75％、大雛で0.5％、産卵
鶏で2.75％、種鶏で2.75％、ブロイラーの幼雛期
および任上期で0.8％、ウズラの育成期で0.8％、
同産卵期で３％程度である。以上説明したように、ビタミン類やカルシウム
などは朝鮮人参またはその処理物を通常の家禽飼
料に配合する際に添加してもよいが、前記の所定
量となるように予じめ朝鮮人参またはその処理物
に添加しておくこともできる。本発明の飼料の製造に際して、本願において使
用するビタミン類以外のビタミン類（例、ビタミ
ンＥ、ビタミンＫ、パントテン酸、ニコチン酸）
やミネラル類（例、リン、ナトリウム、カリウ
ム、マンガン、亜鉛）などを適宜併用することが
できる。本発明の飼料は、家禽類に対して投餌した場
合、発育促進、産卵重の増大、産卵期間の延長な
どの顕著な効果が発揮される。すなわち、その効
果は飼料中に朝鮮人参またはその処理物とビタミ
ン類を単独に添加した場合に比較して相乗的な効
果が認められる。本飼料投餌の対象となる家禽類
の例としては、卵用および肉用の鶏、ブロイラ
ー、ウズラ、あひる、七面鳥などが挙げられ、そ
の他にも十姉妹、カナリヤ、文鳥、セキセイイン
コなどの受玩鳥類に投餌しても良い結果が得られ
る。以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例において、ビタミンＡとしてビタ
ミンＡ粉末が、ビタミンB₁としてその硝酸塩が、
コリンとして塩化コリンがそれぞれ使用された。実施例１小米20部、フスマ５部、とうもろこし粉45部、
大豆粕20部および魚粉10部を水30部で混ねしつた
ものを基本飼料(A)として、これに対して第１表の
ように、朝鮮人参の搾り粕粉末、ビタミン類を添
加して合せて12種類の飼料を製造した。なお、ビ
タミンB₁、ビタミンB₆、ビタミンＣ、葉酸につ
いてはこれらの含量がそれぞれ40％となるように
牛脂硬化油でコーテイングしたもを用いた。これらの各飼料を１群20羽のひな鶏に投餌し
て、３ケ月後の一羽当りの平均体重を比較した
（第１表参照）。

【表】 (注) 朝鮮人参搾り粕粉末およびビタミン類は
基本飼料１Kg当りの添加量を示す。
第１表の結果から明らかなように、基本飼料に
単にビタミン類または朝鮮人参の搾り粕粉末を添
加しても、鶏の成長は促進されないが、両者を併
用した本発明飼料を投餌すると顕著な成長促進効
果が認められた。実施例２実施例１の飼料No.(1)、(7)、(12)に、それぞれ炭
酸カルシウムを加えて飼料中のカルシウムを加え
て飼料中のカルシウム含量が第２表になるような
鶏用飼料を製造した。これらの飼料を１群10羽の成鶏に投餌し、得ら
れた産卵の重量および産卵の状態を第２表に示し
た。

【表】第２表に示すように、本発明の飼料を鶏に投餌
すると得られる産卵は重量が大きく、しかも産卵
の品質は良好であつた。実施例３第３表に示す成分からなる飼料を基礎飼料(B)と
し、これに第４表のようにビタミン類、朝鮮人参
の搾り粕粉末を添加して14種類の飼料を製造し
た。これら飼料を用いて、次のとおり育成し、第４
表に示す結果を得た。供試鶏：白色レグホーン種、雌、１群20羽試験期間：孵化〜４週令（30日間）

【表】＊武田薬品工業(株)販売のミネラル混合
物

【表】 (注) ビタミン類および朝鮮人参搾り粕粉末は
基礎飼料１Kg当りの添加量を示す。
実施例４第５表に示す成分からなる飼料を基礎飼料(C)と
し、これにビタミン類、朝鮮人参搾り粕粉末、炭
酸カルシウムを添加して、第６表に示す飼料を製
造した。これら飼料により、次のとおり飼育し第
６表に示結果を得た。供試鶏：白色レグホーン種、孵化後１年経過した
産卵中のもの、１群10羽試験期間：試験飼料の給餌開始後５日目より10日
間

【表】

【表】＊武田薬品工業(株)販売のミネ
ラル混合物

【表】実施例５第７表に示す成分からなる飼料を基礎飼料(D)と
し、これにビタミン類、朝鮮人参搾り粕粉末を添
加して、第８表の飼料を製造した。これら飼料に
より、次のとおり肥育し、第８表に示す結果を得
た。供試鶏：ブロイラー、１群20羽試験期間：孵化〜４週令（30日間）

【表】

【表】＊武田薬品工業(株)販売のミネラル
混合物

【表】

【表】 (注) ビタミン類および朝鮮人参搾り粕粉末は
基礎飼料１Kg当りの添加量を示す。

Claims

【特許請求の範囲】１朝鮮人参またはその処理物を含有してなる家
禽類用飼料。２ビタミンＡ、ビタミンB₁、ビタミンB₆、ビ
タミンＣ、葉酸またはコリンの１種または２種以
上を添加してなる特許請求の範囲第１項記載の家
禽類用飼料。３カルシウム含量が標準要求量の150％以上と
なるようにカルシウムを添加してなる特許請求の
範囲第１項または第２項記載の家禽類用飼料。４発育促進用である特許請求の範囲第１または
２項記載の家禽類用飼料。５産卵増産用である特許請求の範囲第１、２ま
たは３項記載の家禽類用飼料。６朝鮮人参またはその処理物を投餌することを
特徴とする家禽類の飼育方法。７育成期の家禽類に投餌して発育促進させる特
許請求の範囲第６項記載の飼育方法。８産卵期の家禽類に投餌して産卵増産させる特
許請求の範囲第６項記載の飼育方法。