JPS6334768B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の装置は“圧搾ボトル”型の手持ち型液
体分配装置であり、装置から分配される液体の純
度をより良く保証するフイルタを備えている。こ
の装置は、医療や保健衛生用の液体を分配（分
与）するために特に有用であり、特にコンタクト
レンズの浄化用の塩類溶液を分配するのに有用で
ある。それ故、後者の用途に関連して本発明を説
明する。

コンタクトレンズは、コンタクトレンズ技術の
現在の水準においては定期的な浄化を必要とし、
一般に推奨され使用されている浄化液は、塩類溶
液即ち塩化ナトリウムの水溶液である。目に刺激
を与えないことを保証するために、浄化後のコン
タクトレンズに微細子が付着していないことが重
要であるのは勿論である。浄化液溶がバクテリア
特に多くのバクテリアを含む場合に、浄化溶液自
体により与えられるようなバクテリアがコンタク
トレンズに付着しないことも望ましい。

コンタクトレンズの使用者に塩類溶液を提供す
る方法には２つの選択がある。１つは、適当に包
装された塩類溶液自体を使用者に供給することで
あり、他の１つは、一般に錠剤の形態の塩を使用
者に供給して、使用者がその供給された塩から塩
類溶液を調製しうるようにすることである。前者
の有する欠点は、供給された塩溶液を使いきる前
に、この塩溶液が多数のバクテリアで汚染される
ようになることであり、このことは、高い包装費
を節約するために相当多量の溶液を包装する場合
に特にそうである。バクテリアによる溶液の汚染
は、溶液の無菌状態を持続するように機能する化
学薬品を僅かに含有させることにより実質的に除
去しうることが知られている。然しながら、これ
は、化学薬品が少くとも或る使用者にとつて眼の
刺激を引き起すという欠点を有する。

第２の選択、即ち使用者が塩の錠剤から塩溶液
を調製するように錠剤の形の塩を使用者に供給す
ることは、欠点を有する。即ち、もしも塩の錠剤
が何らかの不溶性の異物を含んでいる場合、又は
使用者が使用の直前に塩溶液を調製してすべての
塩が溶けたかどうかをよく調べない場合には、コ
ンタクトレンズを浄化する際に、レンズに眼を刺
激する微粒子が付着することがある。更に、使用
者が長期間もつように十分な量の溶液を調製する
ならば、錠剤ではなく溶液で使用者に供給される
場合と全く同様に、調製された溶液がバクテリア
で汚染されることになる。

本発明の目的は、これらの問題を解決すること
である。

本発明の装置は、開口部を有する弾力性材料の
手持ち型の圧搾しうる容器と、容器の開口部と連
通する入口室と容器から液体の出る開口部をもつ
出口室とを有するハウジングを備えたフイルター
と、を具備し、入口室及び出口室は、ハウジング
に対して周辺をシールされた親水性過媒体によ
り分離されており、入口室は、周囲の大気と連通
する開口部を有し、その開口部は、バクテリアの
通過を妨げるように十分に小さい孔寸法をもつ疎
水性過媒体により覆われている。好ましい実施
態様において、容器には、容器の開口部を覆うキ
ヤツプを着脱自在に固定してあり、キヤツプは、
キヤツプを容器に固定したとき容器から液体の出
るための開口部を有し、フイルタの入口室がキヤ
ツプの開口部と連通している。操作中、液体が入
つている容器が圧搾されるとき、液体は、フイル
タの出口室から出る前に親水性過媒体を通過さ
せられる。容器が圧搾圧力をゆるめられると、容
器は、疎水性過膜を通つて周囲の大気から流入
する空気によりもとの圧搾されない形状に復する
ことができる。このとき疎水性過膜は、流入す
る空気からすべてのバクテリアを除去し、それに
よつて容器内の液体の無菌の程度に寄与する。一
実施態様において、親水性過媒体もまた、バク
テリアの通過を妨げるように十分に小さい孔寸法
を有し、それによつて容器が圧搾されるとき装置
から出る液体の無菌の程度に更に寄与する。

本装置の作用をより良く理解するために、疎水
性過媒体が空気の通過を許すが液体の通過を妨
げるということを理解しなければならない。他方
において、濡れているときの親水性過媒体は、
液体の通過を許すが、空気の通過を実質的に阻止
し又は少くとも妨げる。それ故、疎水性過媒体
により覆われた空気抜きがなければ、圧搾された
状態の容器はその原形に復することができない。
但し、空気の漏洩があると相当長時間の間に原形
に復する可能性があるが、その際バクテリアが空
気と共に入つてくる可能性がある。

本発明の上述の及び他の目的、特徴と利点は、
以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。

図面において、本装置は円筒形容器２を備え、
容器２は、該容器内へ液体を入れるための開口部
６をもつ外ねじ付き首部４を有する。容器は、例
えばポリプロピレン又はポリエチレンのような弾
力性材料からなり、圧搾することにより開口部６
を通して容器の中味を出すことが可能で、且つ圧
搾圧力をゆるめると開口部６を通して容器の中へ
流体、液体又は空気を引入れながら原形に復する
ことができるような十分な厚さを有する。容器は
手で持つのに便利で且つ圧搾しうるような大きさ
であり、この容器は通常“圧搾ボトル”として引
用される。図示されている特定の実施態様におい
て、容器２の実際の寸法は、高さが約４インチ
（101.6mm）で直径が約２インチ（50.8mm）であ
る。ボトルの正確な形状は重要でない。例えば、
図示されている円筒形の代りに、平たい形状又
は、“圧搾ボトル”として通常用いられるような
他の形状としてもよい。内側にねじを切つたキヤ
ツプ８が、容器の首部へねじ込むことにより着脱
自在に固定されている。キヤツプ８は、図示の固
定された位置にあるとき容器の中味を出すための
開口部１２を備えた管状部分１０を有し、容器の
開口部６を覆つている。キヤツプと容器との間の
結合は、その間にシールを与えるようなものであ
る。キヤツプ８及びそれと一体の管状部分もま
た、ポリプロピン又はポリエチレンのような弾力
性材料から構成されるのが好ましい。

本装置は、更に、入口室１８と出口室２０とを
備えたハウジング１６を有するフイルタ１４を具
備し、入口室は親水性過媒体２２により出口室
から分離されており、親水性過媒体２２はその
周辺のまわりでハウジングに接着されシールされ
ている。それ故、入口室の中味は、親水性過媒
体を通過することによつてのみ出口室に達するこ
とができる。図示の実施態様において、フイルタ
のハウジングは、周辺フランジ２４と２６を夫々
備えた２つの透明の有機プラスチツク成型された
構成要素から形成され、その間に接着シールされ
た親水性過媒体２２の周辺と一緒に接着されて
いる。

入口室は、キヤツプの管状部分の開口部１２と
連通する入口開口部３０を有し、この管状部分の
端は、シール係合を与えるように開口部３０の中
へ挿入されている。フイルタの出口室は、そこか
ら液体を出すための出口開口部３２を有する。出
口室は、複数の離間されたリブ３４を有し、リブ
３４の上側表面は、容器２が圧搾されて液体が親
水性過媒体を通して押しやられるとき、親水性
過媒体２２に対し支持を与えるように親水性
過媒体２２と接触している。

入口室は疎水性過媒体３８により覆われた開
口部３６を有し、疎水性過媒体３８の周囲は、
開口部３６の縁の周りに隣接してハウジングに接
着シールされている。疎水性過媒体は、バクテ
リアの通過を阻止するように十分に小さい孔寸法
を有し、必要とされる孔寸法は、通常0.5ミクロ
ン未満であり、理想的には約0.2ミクロンである。
過媒体３８は疎水性であるので、空気の通過は
許すが液体の通過を妨げる。

操作中、塩溶液を入れた容器を圧搾すると、塩
溶液は、開口部１２を通つてフイルタの入口室１
８の中へ流れ、次に親水性過媒体２２を通つて
出口室３４の中へ流れ、次に浄化のための出口３
２を通つて流出する。塩溶液が開口部３６を通つ
て流れないように、疎水性過媒体３８により阻
止される。浄化に必要な量の塩溶液が出口３２を
通して得られた後、容器に加えられた圧搾圧力を
ゆるめると、容器は迅速にその原形に復し、その
とき生じた吸引力は、入口室１８内の液体を容器
内へ引き戻し、そのとき周囲の大気中の空気を疎
水性過媒体３８を通して引き入れるが、この空
気は、疎水性過媒体の孔寸法が小さくてバクテ
リアの進入を阻止するので無菌状態である。濡れ
ている親水性過媒体２２は、そこを空気の流れ
が通ることを実質的に阻止し又は少くとも著しく
妨げるので、開口部３６により容器が原形に復し
うるようにすることが必要である。

親水性過媒体２２は、微粒子の通過を阻止す
るように機能する。親水性過媒体の孔寸法の選
択は、親水性過媒体がバクテリアの通過を阻止
するように機能することを望むか、又はバクテリ
アより大きい微粒子の通過を阻止するように機能
することのみを望むかにより左右される。もしも
親水性過媒体がバクテリアより大きい粒子の通
過を阻止するように機能することだけを望む場合
には、0.5ミクロン以上更には約５ミクロン以上
の孔寸法を有効に用いることができる。然しなが
ら、親水性過媒体の単位面積当り通過する塩溶
液の流量は、その孔寸法の函数であり、孔寸法が
大きい程単位面積当りの流量が大きい。それ故、
バクテリアを阻止しない親水性過媒体を通る流
量と同じ流量を、バクテリアを阻止する親水性
過媒体を通して得るためには、バクテリアを阻止
する親水性過媒体のより大きい面積をフイルタ
内で用いることが必要である。このことは、装置
から得られる塩溶液が高度の無菌状態にあること
をより良く保証するという長所をもつけれども、
コストが高くつく。この長所は、重要でないかも
知れない。特に、比較的に短い使用時間の間だけ
新鮮な塩溶液を調製するための塩の錠剤が使用者
に供給される場合には特に重要でない。この場
合、装置の重要な機能は、溶液中のより大きい如
何なる粒子も出口３２から出ないように確実に阻
止することである。

親水性過媒体と疎水性過媒体とが共に多孔
膜であることが好ましい。このような多孔膜（親
水性と疎水性の両方）は、種々の孔寸法と種々の
材料のものを市場で入手可能であり、その一例
は、“Versapor”の商標名で本出願人から入手す
ることができる。

図示し上述したようなフイルタは、それ自体古
く、例えば静脈注射システム用のフイルタとして
現在使用されている。然しながら、このような用
途における疎水性過媒体の機能は、フイルタの
入口室から空気が逃げることを可能ならしめるこ
とであつて、本発明の機能とは区別される。即
ち、本発明における機能は、周囲の大気中から空
気が入口室へ流入し、それ故容器の中へ流入し、
それによつて、圧搾をやめた後容器がその原形に
復しうるようにすることである。

図示し説明した好ましい実施態様において、容
器から塩溶液の出るための開口部と、この開口部
と連通するフイルタとが、容器のフイルタ開口部
に着脱自在に結合されたキヤツプと関係づけられ
ている。然しながら、このことは、本発明の最も
広い範囲における実施にとつては不可欠ではな
い。即ち、所望により、容器に２つの開口部を設
け、一方の開口部は、容器を満すためのもので且
つその開口部と関連付けられた着脱可能の閉鎖キ
ヤツプを有し、他方の開口部が、容器から塩溶液
の出るためのフイルタの入口室と連通するように
することができる。

それ故、本発明を好ましい実施態様について詳
細に説明したけれども、本発明は、特許請求の範
囲内で種々の変更と修正を行ないうることが理解
されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好ましい実施態様の側面図で
ある。第２図は、第１図に示す実施態様のキヤツ
プとフイルタの各構成要素の、第３図の２−２線
に沿う拡大断面図である。第３図は、第１図に示
す実施態様のフイルター構成要素の拡大上面図で
ある。第４図は、第３図の４−４線上でとられた
断面図である。 ２…容器、６…開口部、２２…親水性過媒
体、１８…入口室、２０…出口室、１６…ハウジ
ング、１４…フイルター、３０…入口開口部、３
２…出口開口部、３８…疎水性過媒体、３６…
開口部、８…キヤツプ、１２…開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口部を有する容器； 親水性過媒体により互に分離された入口室と
   出口室とを備えたハウジングを有し、前記親水性
   過媒体の周囲を前記ハウジングに対しシールし
   てなるフイルター； 前記出口室が液体出口開口部を有すること； 前記入口室は、前記容器の開口部と連通する液
   体入口開口部を有し、更に前記入口室は、バクテ
   リアの通過を妨げるように十分に小さい孔寸法を
   有する疎水性過媒体により覆われたもう１つの
   開口部を有すること；及び 前記容器は、手で持ちうる大きさを有し、容器
   が圧搾可能で且つその圧搾を止めた後原形に復し
   うるような弾力性材料から構成されており、それ
   によつて、容器に液体を入れて圧搾するとき、液
   体はフイルタの出口室の出口開口部から出る前に
   親水性過媒体を通つて流れ、圧搾をやめると、
   空気が疎水性過媒体を通つてフイルタの入口室
   と容器に流入し、それによつて、容器にバクテリ
   アが入ることなく容器が原形に復することができ
   ること； を包含する液体分配装置。 ２ 前記容器には、前記容器の開口部を覆うキヤ
   ツプを着脱自在に固定しており、前記キヤツプ
   は、キヤツプを容器に固定したとき液体が容器か
   ら出るための開口部を有すること、及びフイルタ
   の入口室の入口開口部がキヤツプの開口部と連通
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載の液体分配装置。 ３ 親水性過媒体が、バクテリアの通過を妨げ
   るように十分に小さい孔寸法を有することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   液体分配装置。