JPS6333503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブラウン管を使用する電気機器、例え
ばテレビジヨン受像機に使用するＸ線漏洩防止用
シールドプレートを設けたアノードキヤツプの改
善に関するものである。

従来例のシールドプレートを示す第１図と同じ
くアノードキヤツプの断面を示す第２図を参照し
て説明すると、従来よりアノードキヤツプ１に使
用するＸ線漏洩防止用シールドプレート２として
は、円形の金属片中央部にスリツト３を設けた構
成であり、このシールドプレート２のスリツト３
をアノードキヤツプ１の高圧印加用弾性体４に挿
入し、わん状絶縁カバー６の内側底面５に配置さ
せていた。高圧印加用の弾性体４は線材を折曲し
て加工されており、矢印方向に変形させ、横巾を
小にしてシールドプレート２のスリツト３に挿入
するので取付後はこの弾性体４の弾性力によつて
係止され、シールドプレート２は脱落することが
ない。しかし挿入時の作業性を向上させる目的で
スリツト３の幅や長さは弾性体４の線径や前記わ
ん状絶縁カバー６の内側底面５に位置する弾性体
４の幅方向よりも大きくしてありこの為シールド
プレート２は取付け後でも移動してしまう構造で
あつた。この様なアノードキヤツプ１をブラウン
管８のアノードボタン９に装着させた場合、第３
図に示す様にシールドプレート２がアノードキヤ
ツプ１のセンターから移動してしまいその結果ア
ノードボタン９の弾性体４嵌合部とシールドプレ
ート２間の隙間EE′の範囲でＸ線の漏洩が発生す
る。

以上説明した様に従来例のシールドプレート２
はアノードキヤツプ１内で移動する為Ｘ線の漏洩
が発生する欠点がある。これを対策する場合はシ
ールドプレート２の直径を大きくしなければなら
ず場合によつては、わん状絶縁体６までも大形に
しなければならない欠点があつた。

本考案の目的は上述の欠点を解決しシールドプ
レートの移動を防止することでＸ線の漏洩が発生
しないアノードキヤツプを得ることである。

以下本考案の一実施例を第４図、第５図および
第６図を参照して説明する。第４図は本考案のア
ノードキヤツプを構成するシールドプレートを示
す斜視図であり、第５図はアノードキヤツプの高
圧印加用弾性体を示す平面図である。又、第６図
はシールドプレートを装着した本考案のアノード
キヤツプの一部破断斜視図である。

シールドプレート１２は円形の金属片からな
り、この金属片の略中央部に長孔と短孔をもつ十
字形スリツト１３を設ける。長孔は第５図に示す
様に線材を折曲して加工された高圧印加用弾性体
１４の拡大方向、即ち横幅最大距離Ａと略同一で
ある。但し弾性体１４を、従来例を示す第２図の
様に矢印方向に横幅を小さく変形させてシールド
プレート１２に挿入する場合、長孔は距離Ａより
小さくてもよい。一方短孔はシールドプレート１
２を弾性体１４に取付けた時にシールドプレート
１２が位置する弾性体１４の略中央の距離Ｂと同
一でスリツト１３の幅は弾性体１４の線径よりも
少し大きくしてある。この弾性体１４は、わん状
絶縁カバー１６の内側底面部１５に取付けてお
り、アノード線１７とわん状絶縁カバー１６内で
電気的に接続されている。この様にわん状絶縁カ
バー１６に取付けられた弾性体１４にシールドプ
レート１２を装着させるには、シールドプレート
１２の長孔と弾性体１４の最大横幅を一致させて
まず挿入する。次にシールドプレート１２をわん
状絶縁カバー１６の内側彎曲底面部１５で90゜回
転させることによつて弾性体１４をスリツト１３
の短孔に位置させ係止させてアノードキヤツプ１
１を構成している。

本考案は以上の様な構造であるからシールドプ
レート１２の短孔と弾性体１４の中央部が一致し
シールドプレート１２が移動するようなことはな
い。その為このシールドプレート１２とブラウン
管８のアノードボタン９との相対関係が固定化さ
れＸ線の漏洩範囲をカバーする最小限の大きさの
シールドプレート１２であれば充分で移動分を考
慮した必要以上の大きさにする必要はない。更に
アノードキヤツプ１１の着脱時は、弾性体１４の
間隔（第５図で示す距離Ａ）を変形させ横幅を小
さく狭めてアノードボタン９から出し入れする
が、シールドプレート１２の大きさを必要以上に
大きくすると弾性体１４を狭めることが困難にな
るのでできる限り小さい方が良い。

又、アノードキヤツプ１１を着脱する為弾性体
１４を狭めたとき、シールドプレート１２はブラ
ウン管８側に移動落下するが着脱後は弾性体１４
が元の状態にもどるのでシールドプレート１２も
元の位置に押し上げられる。ゆえにアノードキヤ
ツプ１１の取付後はシールドプレート１２が移動
することなく略一定の位置に配置されることにな
る。

尚十字形スリツト１３の形状は各先端が角形だ
けでなく、曲率をつけたものでも効果は同じであ
り各孔のスリツトが直交する中央部コーナに於い
ても曲率をつけた方が、シールドプレート１２を
90゜回転させる作業が容易になる。又、スリツト
の幅も弾性体１４の線径より少し大きくしてあれ
ば、中央部を太く先端部を細くした形状が作業性
の向上に適している。

第７図はアノードキヤツプの他の実施例を示す
もので、これを説明すると、わん状絶縁カバー１
６の内側底面１５で高圧印加用の弾性体２４に係
合して配置されたシールドプレート１２が落下し
ない目的で弾性体２４の略中央部にあたるシール
ドプレート１２と接する位置に弾性体２４の拡大
方向、即ち両端に設けられた釣針状のフツク１８
と同方向に対称で凸部２６を弾性体２４と一体に
して設ける。この弾性体２４の両側に対称で設け
られた凸部２６の先端間の距離Ｃは弾性体２４の
フツク部１８即ち第５図で示した横幅最大距離Ａ
よりも短かく、弾性体２４を変形させ狭めた場合
シールドプレート１２の略中央部に設けられた短
孔より長くして設けてあるので弾性体２４を狭め
てもシールドプレート１２は落下せずいつも一定
の位置に配置される。

本考案の第５図、第６図で説明したアノードキ
ヤツプと第７図で説明したアノードキヤツプの相
違は弾性体の略中央部に前記凸部２６が設けられ
ているか、いないかの相違だけでありシールドプ
レート１２の形状、および取付方も第５図、第６
図で説明した通り同一である。

第７図で説明した凸部２６付弾性体２４を使用
したアノードキヤツプ２１の利点は、ブラウン管
８のアノードボタン９にアノードキヤツプ２１を
着脱する際弾性体２４を変形させ狭めてもシール
ドプレートが落下移動することなく、いつも一定
の位置に配置された状態となる。このことはアノ
ードキヤツプ２１の着脱時弾性体２４の先端に設
けられた釣針状のフツク１８がシールドプレート
１２の落下により隠されることなく、よく見える
ので作業性の向上となる。

以上第５図、第６図、および第７図にて説明し
た様に本考案によればシールドプレートの移動防
止が可能な為Ｘ線漏洩事故の発生がなくなり従来
例の様に移動するシールドプレートを使用してＸ
線漏洩事故防止をはかつていたシールドプレート
より小形で且つ確実にＸ線の漏洩を防止すること
が可能であるの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のシールドプレートを示す斜視
図、第２図は従来例のアノードキヤツプを示す断
面図、第３図は従来例のアノードキヤツプのＸ線
漏洩状態を示す断面図、第４図は本考案のアノー
ドキヤツプを構成するシールドプレートを示す斜
視図、第５図は同じくアノードキヤツプを構成す
る高圧印加用弾性体を示す平面図、第６図は本考
案のアノードキヤツプを示す一部破断斜視図、第
７図は同じく他の例を示すアノードキヤツプの断
面図である。 １１……アノードキヤツプ、１２……シールド
プレート、１３……スリツト、１５……彎曲部底
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. わん状絶縁カバーと、このわん状絶縁カバーの
   内底面より突出して設けられた高圧印加用の弾性
   体と、この弾性体に取付けられ長孔と短孔からな
   る十字形のスリツトを設けたＸ線漏洩防止用のシ
   ールドプレートとからなり前記弾性体を短孔に係
   合させたことを特徴とするアノードキヤツプ。