JPS6324615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陰極線管に関する。

フラツトパネル型陰極線管は、第１図に示すよ
うに、そのフアンネル部１の前方端面に接合封着
されるパネル、すなわち内面に蛍光面を有するパ
ネル２が例えば板ガラスによつてフラツトに構成
されるので、高い機械的精度が得られ、またパネ
ル内面に形成する蛍光面、例えばカラー蛍光面を
印刷技術によつて形成することができるので、量
産的にしたがつて廉価に製造できるという利点が
ある。しかしながらこのようなフラツトパネル型
陰極線管においては、パネル内面への高圧供給に
問題が生ずる。特に、カラープロジエクタ等に用
いられる高輝度陰極線管においては、高電圧、大
電流となるので、パネル内面への高電圧供給が問
題となる。

すなわち、第２図に示すように、周辺にフアン
ネル部１１側に向つて屈曲するいわゆるスカート
部１２ａを有するパネル１２が、フアンネル部１
１の前方開口端に接合封着されるような陰極線管
においては、通常、パネル内面に形成される高電
圧が印加される導電膜１３は、パネル１２のスカ
ート部１２ａの内面に渡つて形成される。一方、
フアンネル部１１に設けられアノードボタン１４
の内端に金属弾条板より成るアノードコンタクタ
ー１５が嵌合装着されこれがフアンネル内面に沿
つてパネル側に延長され、その板面がスカート部
１２ａの導電膜１３にほぼ沿うような状態でその
遊端の接触子１５ａが弾性的に接触するようにな
され、アノードボタン１４より与えられる高電圧
がコンタクター１５を介してパネル内面の導電膜
１３に供給されるようになされる。このように、
スカート部１２ａを有し、このスカート部１２ａ
の内面に導電膜１３が延長形成されるものにあつ
ては、弾条板より成るコンタクター１５は、その
板面方向がスカート部１２ａの導電膜１３に沿う
ような状態でこの導電膜１３と接触するので、こ
のコンタクター１５の弾性力が効果的に導電膜１
３との弾性的接触に寄与し、その接触が良好に行
われる。

ところが、第１図で説明したようなフラツトパ
ネル型の陰極線管においては、パネルの周辺部に
スカート部が存在しないので、第２図で説明した
弾条板より成るアノードコンタクターとパネル内
面の導電膜との接触は、弾条板の板面方向に沿う
接触とはならず、良好な弾性的接触が行い難く、
特に高電圧、大電流の陰極線管に適用する場合に
問題となる。

さりとて、その接触を良好に行わせるべくその
弾条板より成るアノードコンタクターの遊端の接
触子１５ａをＬ字状に内方に折り曲げ、その折り
曲げ端部がフラツトパネルの内面に沿つて接触す
るようになすときは、パネル内面の導電膜への接
触に寄与する弾力性を十分得るためには、その折
り曲げ端部の長さを十分とる必要が生じ、これが
ため、このコンタクターのパネルに投影する面積
が大となり、無効画面を大きくする。

本考案は、このような欠点のない陰極線管を提
供するものである。

第３図を参照して本考案の一例を詳細に説明す
るに、そのフラツトパネル２の内面には、その周
辺に沿つて例えば額縁状に導電膜２０が被着さ
れ、これによつて囲まれた部分に導電膜２０上に
跨つて蛍光面２１、例えば単色、或いは２色以上
のカラー蛍光面が塗布され、その上に同様に導電
膜２０上に跨つて、アルミニウムの蒸着膜、例え
ばメタルバツク層２２、すなわち導電膜が形成さ
れている。また、フアンネル部１には通常のよう
に外部から高電圧が供給されるアノードキヤツプ
（図示せず）が嵌合され導電性のアノードボタン
２３が埋め込まれ、これに、フアンネル部１の内
面に被着された導電膜２４が電気的に接触されて
いる。

本考案においては、アノードボタン２３の内
端、すなわちフアンネル部１の内面に突出して設
けた導電性突子２３ａに特殊の構成を有するアノ
ードコンタクター２５を装着する。このアノード
コンタクター２５は、その全体が一枚の弾性金属
板によつて一体に構成される。このアノードコン
タクター２５は、第４図及び第５図に示すよう
に、平板状をなす基部２６を有し、その一端縁の
中央部には、例えばコ字状の切欠２７が設けら
れ、この切欠２７によつて対の腕部２８が形成さ
れる。これら腕部２８は、基部２６の板面とほぼ
直交する方向に、その幅方向に沿う一直線上で折
り曲げられ、更にほぼ直角に基部２６とは反対側
に折り曲げられる。そして、これら腕部２８の基
部２６の板面より突出する側の面から突出するよ
うに、例えば打ち出しによつて夫々例えば球面状
の突部２９が設けられる。両腕部２８の相対向す
る縁部２８ａには、各腕部２８の板面とほぼ直角
をなし、突部２９の突出方向とは反対側に折り起
こされ、且つ基部２６とは反対側に向つて延びる
帯状の対の接触子３０が設けられる。これら接触
子３０は、その中間部において互にその遊端が広
がるように折り曲げられ夫々の遊端には互に対向
する側に突出する例えば球面状の突部３１が打ち
出し等によつて形成される。また基部２６の、接
触子３０が延長する側とは反対側の端部には、ア
ノードボタン２３の内端、すなわち突子２４を挿
入しこれと嵌合する挿入孔３２が設けられる。こ
の挿入孔３２は、基部２６の一部を突部２９の突
出方向とは反対側に打ち出したボス２３の中心部
に形成され、その周縁には放射状に複数の切込み
３４が形成される。

このような構成によるアノードコンタクター２
５は、その基部２６の板面がフアンネル部１の内
面に沿いその接触子３０がパネル部２側に向つて
延長させるように、挿入孔３２内にアノードボタ
ン２３の突子２３ａを挿入してアノードコンタク
ター２５への装着を行う。この場合、ボス３３が
突子２３ａの突出端側に向つて突出するように嵌
合させる。この時、挿入孔３２の径を突子２３ａ
の径より稍々小に選定し置くことによつてボス３
３に設けられた切込み３４に挿入孔３２の周縁が
押し広げられて弾性的にその嵌合がなされるよう
にする。そして、この時、腕部２８の突部２９
が、フアンネル部１の内面、すなわち内部導電膜
２４に弾性的に接触するようにし、これによつて
対の接触子３０の位置決めがなされ、これら対の
接触子３０の遊端がパネル２の周辺に沿うように
配列され、且つこれら遊端の突部３１が沿うよう
に配列され、且つ、これら遊端の突部３１が、パ
ネル２の周辺部においてパネル２の内面の導電膜
２０（或る場合は導電膜２１）に接触するように
なす。この場合、予め、アノードボタン２３とパ
ネル２との距離に対応して、アノードコンタクタ
ー２５の挿入孔３２から接触子３０の遊端までの
距離を適当に選定して、コンタクター２５を上述
したようにアノードボタン２３の内端、すなわち
突子２３ａに装着した状態で、両接触子３０が互
にパネル２の周辺部に沿つて広げられ、その遊端
においてその板面がほぼパネル２に沿うように延
長してその突部３１が導電膜２０、或いは２２に
弾性的に押圧して接触されるようにする。

上述の本案構成によれば、そのアノードコンタ
クター２５は、フアンネル部１の内面に接触され
てその位置の設定がなされ、その接触子３０の遊
端がパネル２の面にほぼ沿うようにしてパネル内
面の導電膜２０又は、（および）２１に接触する
ように十分に大きな弾性的押圧力が付与されて接
触されるので、確実にその接触がなされ、高電圧
大電流の高輝度陰極線管に適用してその効果が大
きい。

尚、基部２６には、例えば予め、椀状のＸ線等
の電磁線シールド体３５を、挿入孔３２をおおう
ように、ボス３３の周辺部に例えば熔接によつて
とりつけおく。

【図面の簡単な説明】

第１図はフラツトパネル型陰極線管の側面図、
第２図は従来の陰極線管の要部の断面図、第３図
は本考案による陰極線管の一例の要部の断面図、
第４図はそのアノードコンタクターの一例の正面
図、第５図はその側面図である。 １はフアンネル部、２はパネル部、２０及び２
２はパネル部２の内面に形成された導電膜、２３
はアノードボタン、２４はフアンネル部の内部導
電膜、２５はアノードコンタクター、２６はその
基部、３０は接触子、３１はその突部、３２はア
ノードボタンの内端を挿入する挿入孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陰極線管管体のフアンネル部に設けられたアノ
   ードボタンの内端に、上記フアンネル部の前方開
   口端に接合されるパネル内面の導電膜に接触する
   アノードコンタクターが装着され、該アノードコ
   ンタクターは、上記フアンネル部の内面に沿うほ
   ぼ平板状の基部と、該基部より延長して一体に設
   けられ上記パネル内面の導電膜に弾性的に接触す
   る接触子が設けられ、上記基部の上記接触子が延
   長して設けられる部分の近傍には、上記フアンネ
   ル内面に接触する突部が設けられ、上記基部の上
   記接触子が延長して設けられる部分とは反対側の
   部分には、上記アノードボタンの内端に嵌合する
   挿入孔が設けられて成る陰極線管。