JPS6333119B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、発熱性の放射性物質を有する乾式貯
蔵室のための、側面に向いた給気口、およびこの
給気口付近に配置されたビームおよび突出部を有
する給気縦孔、並びに、排気口を有する、上方へ
導かれた排気縦孔より成る給気―および排気導孔
に関する。

現在、例えば加圧水形―および沸騰水形リアク
タからの燃焼し去つた燃料部材のような自体発熱
性の放射性癈産物は、核分裂―および放射性生成
物の放射性を壊変させるため有利に水中に貯蔵さ
れる。この場合水は、同時に、放射性を遮蔽しか
つ、熱い燃焼部材ないしは癈産物容器を冷却する
機能を満す。

放射性癈産物の、水槽中のこの貯蔵は、とりわ
け大きい冷却水消費量およびそれに伴なう環境汚
染である１種の欠点を有する。

従つてまた、放射性癈産物を、冷媒としてガ
ス、有利に空気が使用されるいわゆる乾式貯蔵室
中へ導入し、このガスが、貯蔵物からの熱を例え
ばベンチレータを使用し強制冷却することにより
熱交換器を経るかもしくは直接に環境へ排出する
という提案が公知である。しかしこの場合欠点な
のが、不利な場合、すなわち冷却系ないしは冷却
装置が故障した場合、十分な熱排出がもはや保証
されず、このことが放射性有害物質の許容不能な
温度増大および遊離を生じうることである。

これらの理由から、熱が、自然対流により貯蔵
物から環境へ排出される乾式貯蔵室が開発された
（西ドイツ国特許明細書第2711405号および同第
2730729号）。これらの装置は実際に安全である、
それというのもこれらは、冷却空気の自然対流に
より、冷却作動を維持するために有効な部材ない
しは作動装置を必要としないからである。この場
合冷却空気は、供給口および―縦孔を経て、冷却
すべき貯蔵物に搬送され、そこで加熱されかつ別
の排出縦孔および―口を経て環境へ排出される。
一般にコンクリート室中に静置された貯蔵物の高
められた温度により、外気が自動的に吸引されか
つ再び排出される。

強制冷却される場合、所要の冷却空気を搬送す
るため、例えば空気対流装置のような耐久的な機
械部材が必要である。従つて給気―および排気口
ないしは給気―および排気縦孔の構造は、目的物
の保護、すなわち罷業、航空機の墜落または火災
のような外部の作用に対する保護の条件だけを根
底とするだけであるとともに、気流の誘導には従
属的な意義が与えられるにすぎない。

これに対し、自然対流の場合、通気系の圧力損
失により著るしく左右されない自然の対流ができ
るだけ最適に保証されなければならない。従つ
て、給気―および排気口ないしは給気―および排
気縦孔において、所要の対象部保護とともに有利
な気流誘導が保証されるべきである。

従つて、給気―および排気導孔には特別な設計
基準が課せられる。最適な冷却効果および、冷却
に対するできるだけわずかな天候の作用ととも
に、例えば、貯蔵室への航空機墜落、貯蔵室前の
地域火災または爆発圧力波のような外部の事故に
わたる乾式貯蔵室の永続的冷却および放射線防護
が保証されるべきである。

給気―および排気口を貯蔵室の外壁に取付ける
場合、不利な風向の際に不良な冷却条件が生じる
ことがある。殊に制限のある冷却条件は、構造物
前の地域火災の際に生じる、それというのも熱気
が貯蔵室内部へ吸入されうるからである。西ドイ
ツ国特許公開明細書第2711405号および同第
2730729号中で示唆されたような通気縦孔の内部
で通気方向を変換せる場合、大きい圧力損失が生
じ、これが貯蔵室中の過大な作動温度を生じる。
これにより、貯蔵室を損傷する危険が増大する。
さらに、比較的大きい建造物が必要である。

従つて、本発明の課題は、発熱性の放射性物質
を有する乾式貯蔵室のための、側面に向いた給気
口、およびこの給気口付近に配置されたビームお
よび突出部を有する給気縦孔、並びに、排気口を
有する、上方へ導かれた排気縦孔より成る通気導
孔であつて、開口部および縦孔が、冷却空気の有
利な気流誘導を保証しかつ、火災または航空機墜
落のような外部の災害の場合、貯蔵物の順調な冷
却を保証する給気―および排気導孔を見出すこと
であつた。

本発明によればこの課題は、 ａ 付加的に、上方へ向いた給気口が給気縦孔に
配置され、 ｂ 側面に向いた給気口および上方へ向いた給気
口間に配置されたビームが、上方へ向いた給気
口を越えて上方へ突出し、かつ ｃ 側面に向いた給気口が壁突出部により下方へ
遮蔽されていることにより解決される。

本発明の他の有利な実施例が従属請求項から明
白である。

以下に、本発明を図面実施例につき詳説する。

第１図に、燃焼し去つた燃料部材用の乾式貯蔵
室の給気―および排気導孔を示す。給気口は、上
部に配置された給気口１および側面給気口２に分
割され、これらが一般に60〜120゜の角度だけ、有
利に90゜だけずらして配置されて共通の給気縦孔
３に接続し、この中で給気が貯蔵物４に導かれ
る。所要の保護目的により、給気口１および２が
敷地上の十分な高さ、有利に乾式貯蔵室の屋根構
造部５の高さに配置される。上部に位置する給気
口１の断面積ａ、側面給気口２の断面積ｂおよび
給気縦孔３の断面積は所要の冷却空気量に関連
し、この空気量で、貯蔵物４の発生熱が所定の温
度レベルで排出されなければならない。断面積比
ａ：ｂは、有利に１：１〜１：３である。

有利に、わずかな運動エネルギを有するにすぎ
ない固体の、給気口１および２への侵入から保護
するため、網が取付けられる。例えば雨水または
ケロシンのような液体の、上部給気口１を通る給
気縦孔３中への侵入は、有利に、気流損失をわず
かに止めるため丸みがつけられたバツフル縁６に
より阻止される。この開口１中で断面積が拡大さ
れることによる液体流の分離が、突起７により阻
止され；さらに、断面積の拡大が液体流動に対称
的に行なわれる。従つて、上部開口部１中へ侵入
せる液体量が、有利に10〜65゜傾斜せる、側面に
向いた給気口２を経て構造物の外側へ流出する。

冷却用空気の供給は、風向きが変動することに
より著るしく左右されない。風の気流が側面の給
気口２に動圧を惹起した場合、上方へ向いた給気
口１が、上方へ突出するビーム８により負圧範囲
内にあり、その結果これら給気口１および２間に
圧力平衡が生じる。同じくこのことは、外部から
この乾式貯蔵室に作用することがある爆発圧力波
に該当する。従つて、貯蔵室中の貯蔵物４の破壊
を惹起することがあつた、給気孔３中の圧力増大
が阻止される。

これに反し、側面給気口２が風気流の負圧範囲
内に存在する場合、上部開口１前のビーム８によ
り動圧が生じ、上部給気口１を通る冷却用空気の
供給量増大を惹起する。ビーム８の、上方へ向け
た給気口１上の突出高さは、隣接する屋根勾配並
びに排気口１１の配列と関連し、かつ側面給気口
２の断面積に相応する。

側面に向けた給気口２の下部の壁突出部９によ
り、１方で、固形物および液体が構造物の外壁へ
水平に衝突せる際に、その１部分が下方から開口
中へ跳ね上がりうることがなく；他方で、この突
出壁９が、火災の際に外壁の前方で上昇する熱ガ
ス気流を壁面および側面給気口２から反転させ
る。従つて、熱ガスが給気気流中へ侵入しない、
それというのも、高く張出したビーム８が屋根上
の空気室を、上昇する熱ガスと分離し、次いで上
部給気口１が給気縦孔３に冷却用空気を供給する
ことができるからである。それでも熱乱流ガスが
側面給気口２中へ侵入した場合、このガスが、熱
ガスの浮揚力により上部開口１を通り再び逃出す
る。この場合、前述の給気縦孔３は火災段階中作
動せざるままである。地域火災の終了後に、この
孔の空冷が再び自動的にはじまる。

冷却用空気が熱貯蔵物４を通過しかつこの場合
加熱された後、これが排気縦孔１０中の上昇しか
つ、この構造物を、排気口１１を通り流出する。
この排気が、煙突頭部１２を通り上方へ導かれか
つ、垂直方向の自由噴流として大気中へ流入す
る。従つて煙突作用が、変動する風向きにより著
るしく左右されない。さらにこの装置により、爆
発圧力波の排気縦孔１０中への侵入が十分に阻止
され、その結果貯蔵物４の損傷が除去される。さ
らにこの装置は、固体または、例えば雨水または
ケロシンのような液体の排気縦孔１０中への侵入
を阻止する。このことはそれぞれ、滴下１３が設
けられた、有利に鉄筋コンクリートより成る頭部
１２、および前置されたプレート１４を使用し達
せられる。この目的で、煙突頭部１２の滴下縁１
３が、排気縦孔１０の内巾の半分だけ排気縦孔１
０の開口へ突出する。排気縦孔１０の開口部およ
びプレート１４間に保護突出縁１５が配置され、
これが、場合により排気口１１中へ侵入した液体
の排液路の縁を形成する。

有利に台形の鉄筋コンクリート頭部１２は、有
利に再び、滴下縁１３上の上方部分が75〜85゜の
勾配で先細る。それにより、上方へ垂直に流出す
る冷却用空気の噴流の有利な拡散作用が得られ
る。

有利に、プレート１４は金属、なかんずく鋼鉄
より成る。従つてこれは、熱力学的に、貯蔵室中
の温度レベルの調節装置として作用する。それも
詳しくは、暑い夏期の場合、鉄板１４が激しい太
陽光照射により付加的に外部から加熱される。こ
れにより排気が煙突頭部中で付加的に加熱され、
このことが冷却用空気供給の増大を生じる。この
場合はまた大きい空気質量流動が、熱い排気温度
により、貯蔵室温度を一定に維持するために必要
である。反対に鉄板１４が、大気が寒冷な場合の
浮揚高さを低減させる、それというのもこれが熱
を排気から除去しかつ引続き環境へ放射するから
である。これにより、吸入された冷空気の質量流
動が減少し、その結果貯蔵室温度がそのレベルを
維持し、かつそれにより乾式貯蔵室中の有害な露
点限界が回避される。排気口１１中へ侵入せる液
体は、滴下縁１３および保護突出縁１５を経て貯
蔵室屋根上の排液路に供給される。

第２図において、有利に10〜25゜だけ傾斜せる
屋根天井が、加熱された排気の、流動を案内する
集気面として使用される。この場合、排気縦孔１
０が屋根天井中で延びかつ、屋根中央部に存在す
る排気口１１に開口する。

本発明による給気―および排気導孔は、有利
に、自然対流を有する乾式貯蔵室の場合だけでな
く、また強制冷却を有する乾式貯蔵室に適当であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、いずれも本発明による
装置の１実施例を示すそれぞれ斜視断面図であ
る。 １…上部給気口、２…側面給気口、３…給気縦
孔、４…貯蔵物、５…屋根構造部、６…バツフル
縁、７…バツフル突起、８…ビーム、９…壁突出
部、１０…排気縦孔、１１…排気口、１２…煙突
頭部、１３…滴下縁、１４…プレート、１５…保
護突出縁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発熱性の放射性物質を有する乾式貯蔵室のた
   めの、側面に向いた給気口２、およびこの給気口
   付近に配置されたビームおよび突出部を有する給
   気縦孔３、並びに、排気口１１を有する、上方へ
   導かれた排気縦孔１０より成る給気―および排気
   導孔において、 ａ 付加的に、上方へ向いた給気口１が給気縦孔
   ３に配置され、 ｂ 側面に向いた給気口２および上方へ向いた給
   気口１間に配置されたビーム８が、上方へ向い
   た給気口１を越えて上方へ突出し、かつ ｃ 側面に向いた給気口２が壁突出部９により下
   方へ遮蔽されていることを特徴とする自発熱性
   の放射性物質を有する乾式貯蔵室の給気―およ
   び排気導孔。 ２ 上方へ向いた給気口１の断面積対側面に向い
   た給気口２の断面積の比が１：１〜１：３である
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項記載の
   給気―および排気導孔。 ３ 上方へ向いた給気口１および側面に向いた給
   気口２が、乾式貯蔵室の屋根構造の高さで角度60
   〜120゜だけずらして配置されていることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項または第２項のいず
   れかに記載の給気―および排気導孔。 ４ 側面に向いた給気口２が角度10〜65°下に外
   方へ傾斜されていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記
   載の給気―および排気導孔。