JPS6333091B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両自動試験装置に係り、特に、編成
状態にある電気車を検修用ピツト線に停止させ
て、自動的に電気車の機能、性能等を試験する、
車両自動試験装置に関する。

車両（電気車）の試験は近年自動的に行なわれ
ている。これらの目的に車両自動試験装置が用い
られるが、その試験内容としては、電気車の各電
気回路の絶縁抵抗測定試験および、走行駆動制御
を行うサイリスタチヨツパ式制御装置、停止制御
を行う空気ブレーキ装置、電気車の運転に関する
自動列車制御装置、自動列車運転装置、通信を司
る無線連絡装置、電源装置、空気圧縮機、ドア装
置等の性能確認試験である。この車両自動試験装
置の従来の一例を示したのが第１図である。第１
図においては説明を簡単にするために一部の試験
機能を除去して図示している。

第１図において、中央処理装置１は試験実行の
全ての手順のプログラム、すなわち試験プログラ
ムを内蔵するミニコン等の処理装置である。試験
実行器１１はATC自動列車制御装置の試験に必
要な信号の発生及び測定を中央処理装置１の指令
に基づいて行なうものであり、同様に試験実行器
１２は空気ブレーキ装置用、試験実行器１３は無
線連絡装置用、試験実行器１４は低圧電気回路の
絶縁抵抗試験用、試験実行器１５は高圧電気回路
の絶縁抵抗試験用、試験実行器１６はチヨツパ制
御装置の試験用である。これらの試験実行器は一
般に機器室に設置されている。各試験実行器と車
両１０，２０，３０，４０とは接続箱を介して接
続されている。ATC接続箱１１１，１１２は車
両１０，４０に艤装されているATC自動列車制
御装置と試験実行器１１とを接続するコネクタを
内蔵している。同様に、空気ブレーキ接続箱１２
１，１２２，１２３，１２４は車両１０，２０，
３０，４０に艤装されている空気ブレーキ装置と
の接続用、無線装置接続箱１３１，１３２は車両
１０，４０に艤装されている無線連絡装置との接
続用、低圧回路接続箱１４１，１４２，１４３，
１４４は車両１０，２０，３０，４０に艤装され
ている低圧回路との接続用、高圧回路接続箱１５
１，１５２，１５３，１５４は車両１０，２０，
３０，４０に艤装されている高圧回路との接続
用、チヨツパ接続箱１６１，１６２は車両２０，
３０に艤装されているチヨツパ制御装置との接続
用である。これら接続箱はピツト線に設置されて
いる。各接続箱から各試験実行器迄の配線には、
車両の回路と同一レベルの電圧、電流等が加圧さ
れており、その本数は、車両に艤装されている被
試験機器の試験用コネクタの接点数と同数必要に
なり、その総数は、試験内容、編成車両数により
増減するものの数千本にも達している。実際には
多芯ケーブルを用いるが、ピツト線から計算機室
までの数十〜数百メートルの長さで必要となるも
のである。また、各試験実行器から電子計算機迄
の配線は一信号に対し一本の信号線を用いる方式
が採用されているため、こちらの方の配線本数も
非常に多いものとなつている。

従つて、従来方式では、配線工事が大規模なも
のとなり、さらに編成車両の増加の際には、接続
箱、試験実行器の増設の他に、多数の電線ケーブ
ルの追設あるいは移設の必要が生じ、増設工事の
ために、車両自動試験装置の休止日数が増えるな
どの障害が生じていた。

本発明の目的は、車両自動試験装置における配
線本数を低減し、あわせて装置の増設、移設が容
易な車両自動試験装置を提供するにある。

本発明は、試験項目に対応したプログラムを持
つたデイジタル処理装置（例えばマイクロコンピ
ユータ）を設け、これと試験実行器とを分散端末
機の構成要素として、これらを管理プログラムを
持つ計算機と直列伝送により結合するようにした
ものである。

第２図は本発明の実施例を示すブロツク図であ
る。

第２図において、AO１，AO４はATC自動列
車制御装置の分散端末器、IRO１，IRO４は無線
連絡装置の分散試験端末器、BO１，BO４は空
気ブレーキ装置の分散試験端末器、LO１〜LO４
は低圧回路機器の分散試験端末器、HO１〜HO
４は高圧回路機器の分散試験端末器、CHO２，
CHO３はチヨツパ制御装置の分散試験端末器で
ある。これらの分散端末器群はピツト線に設置さ
れている。これら分散端末器の信号線は共通接続
して半２重回線により伝送装置２に接続される。
伝送装置２は中央管理装置３と接続され信号の授
受が行なわれる。中央管理装置３の各指令及び試
験結果は表示装置４に表示される。中央管理装置
３は各分散試験端末器の試験管理を行なうもの
で、管理プログラムが内蔵されている。

第３図は第２図に示した分散試験端末器の詳細
ブロツク図であり、第３図においては一基分の分
散試験端末器が示されている。第３図において分
散試験端末器５は、デイジタル処理装置（本発明
の実施例においてはマイクロコンピユータを用い
ている）５１、試験実行装置５２、コネクタ５
３、伝送装置５４より成る。マイクロコンピユー
タ５１は、その分散試験端末器が受持つ車上被試
験装置の試験に要する試験プログラムを有して、
中央管理装置３よりの指令により動作する。試験
実行装置５２は車上被試験装置の試験に必要な電
圧、電流、周波数あるいは空気圧力等の信号発生
装置と測定装置等の信号変換器で構成されてい
る。コネクタ５３は被試験装置と試験端末器を接
続するものである。伝送装置５４は中央管理装置
３との信号伝送のインターフエイスとなるもので
ある。伝送装置５４とマイクロコンピユータ５１
との間は並列ビツト出力であり、伝送装置５４と
中央管理装置３との間装置３側の伝送装置２との
間は直列信号伝送で行なわれる。

試験を行なう場合の信号の流れを説明すれば次
の如くである。

例えば、チヨツパ制御装置の１ノツチにおける
性能確認試験の場合を考える。第２図における操
作盤３１により操作員が試験指示を与えると、中
央管理装置３はチヨツパ制御装置の１ノツチの試
験に必要となる分散試験端末器にのみ、分散試験
端末器内の試験プログラムを起動する信号を与え
る。すなわち、低圧回路端末器LO１には１ノツ
チ状態にするための車両間引通し線を加圧するプ
ログラムを起動する指令が与えられる。低圧回路
分散端末器LO１，LO２には、チヨツパ制御装置
の一部分であるところの回路開閉器が所定時間内
に動作することを確認するプログラムを起動する
ための指令が与えられる。チヨツパ分散端末試験
端末器CHO２，CHO３には、主電動機の起動電
流の基準となる電圧値の測定、チヨツパ周波数の
測定、チヨツパ各相の通流率測定などの試験プロ
グラムを起動する指令を与える。

中央管理装置３の中でのデータは並列処理され
るが、分散試験端末器へ与える際には伝送装置２
により直列データに変換されて、各分散試験端末
器に与えられる。従つて伝送装置２と各試験端末
器５側の伝送装置５４との間は１対の信号線があ
ればよい。ここで用いられる中央管理装置３は、
例えばミニコンの如きものである。

中央管理装置３から複数の分散試験端末器へは
直列データで信号を送るため、はじめに指令を受
取る試験端末器と、最後に指令を受取る試験端末
器では、時間差が生じるが、信号線にはプログラ
ムをのせるのではなく、単にプログラムの起動指
令だけでビツト数も少くて良く、さらに数百キロ
〜数メガボーという高速伝送も可能であり、この
時間差は車両塔載機器の性能試験から検討して、
全く問題にならない。伝送速度が遅い場合には、
時間差が生じることを、あらかじめプログラム上
で考慮しておけば、問題は解消される。

試験端末器の伝送装置５４に送られた試験プロ
グラム起動指令は伝送装置５４で並列データに変
換されて、試験プログラムを持つたマイクロコン
ピユータ５１に与えられる。マイクロコンピユー
タ５１は起動指令の内容を判別し、自己のプログ
ラムを起動すべきか否か、起動するならばどのプ
ログラムを起動するかを決め、所要のプログラム
を動かす。プログラムが動くことにより、試験実
行装置５２はコネクタ５３を介して、車上の被試
験機器に信号を出したり、測定をする。測定デー
タは、起動指令とは逆のルートを通り中央管理装
置３に貯えられ、第２図の表示器４あるいは試験
報告書作成のためのタイプライタにより印字され
る。

本発明の実施例によれば、車両自動試験装置と
しての配線数を激減させることが出来、増設、移
設に対応しやすいものが出来る。また、従来１ケ
の処理装置で全試験プログラムを処理していた方
式に比べ、各分散試験端末器が、それぞれの試験
プログラムの処理を行うため、処理応答が早くな
る効果がある。

第２図の実施例においては、データ伝送ケーブ
ルを１対とした半２重回線として説明したが、全
２重として２対のケーブルにしても、従来方式に
比べ格段の配線低減であり、伝送手順が簡単にな
り、応答速度が早くなる利点がある。また、デイ
ジタル処理装置５１はマイクロコンピユータを例
に説明したが、プログラム処理ができる処理装置
であれば種類を問わない。

また、直列伝送手段は、伝送線を用いた信号伝
送方式以外に光フアイバー等を用いた光伝送方式
も用いることができる。このようにすればノイズ
に強く、且つ伝送速度の早い装置が構成できる。
特に、チヨツパ装置を積載した電気車はノイズの
発生が大きいので有利となる。

以上より明らかなように本発明によれば、信号
配線が直列データ伝送をするための最小限の１対
のケーブルを必要とするのみであり、従来の膨大
な配線に伴う幣害を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両自動試験装置のブロツク
図、第２図は本発明の実施例のブロツク図、第３
図は本発明に係る分散試験端末器のブロツク図で
ある。 ２…伝送装置、３…中央管理装置、AO１，
AO４…ATC分散試験端末器、IRO１，IRO４…
無線連絡装置分散試験端末器、BO１，BO２，
BO３，BO４…空気ブレーキ分散試験端末器、
LO１，LO２，LO３，LO４…低圧回路分散試験
端末器、HO１，HO２，HO３，HO４…高圧回
路分散試験端末器、CHO２，CHO３…チヨツパ
分散試験端末器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被試験車両に積載された複数種類の被試験装
   置の試験を中央管理装置の指令に基づいて自動的
   に行なう車両自動試験装置において、上記中央管
   理装置と伝送装置および１対または２対の信号線
   からなる直列伝送手段で接続された分散試験端末
   器は前記被試験装置に接続するコネクタを介して
   被試験装置に信号を送る信号発生部と該被試験装
   置より信号を検知する検知部とからなる試験実行
   装置と、この試験実行装置を管理する試験プログ
   ラムを有するデイジタル処理装置を有し、上記中
   央管理装置側の伝送装置と上記分散試験装置側の
   伝送装置の間は直列データで信号の授受が行わ
   れ、上記中央管理装置側の伝送装置と上記中央管
   理装置の間および上記分散試験端末器側の伝送装
   置と上記デイジタル処理装置の間は並列データで
   信号の授受が行われ、上記中央管理装置は上記デ
   イジタル処理装置に対し起動信号を与えるもので
   あることを特徴とする車両自動試験装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、直列データ
   で信号の授受がおこなわれる伝送装置は光伝送方
   式の光フアイバーを使用する車両自動試験装置。