JPS6332999B2

JPS6332999B2 -

Info

Publication number: JPS6332999B2
Application number: JP9638279A
Authority: JP
Inventors: Takaki Kanazawa
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1979-07-28
Filing date: 1979-07-28
Publication date: 1988-07-04
Also published as: JPS5620796A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は横置型のロータリコンプレツサに係
り、とりわけコンプレツサの潤滑油を給油する機
構を具備したロータリコンプレツサに関する。

冷凍サイクル等において用いられるロータリコ
ンプレツサは、従来ローラー駆動軸を垂直方向に
配設した縦置型として用いられている。しかしな
がらロータリコンプレツサは、その構造上、ケー
シング内上部にモーター部、下部に圧縮機構部が
配設されているため、ケーシング直径寸法よりケ
ーシング縦寸法の方が大きく、縦寸法によりセツ
ト側が限定され、セツトサイクルへの組込性が悪
い。またロータリコンプレツサは、通常ケース内
固定方式をとつているため、回転方式振動はシン
グルベーン圧縮方式では大きく改善しにくく、コ
ンプレツサの振動を十分に防止することができな
い。このためセツトサイクルとの接続パイプ折れ
によるガスリークが発生しやすく、また振動によ
る騒音が発生しやすいという欠点がある。

このような縦置型のロータリコンプレツサの欠
点を解決するために、ロータリコンプレツサをロ
ーラー駆動軸を水平方向に配設するいわゆる横置
型ロータリコンプレツサとして用いる方法が考え
られる。しかしながらロータリコンプレツサを横
置型として用いた場合には、通常ローラー駆動軸
がケーシング内に貯留されている潤滑油内に没入
されないため、ローラー駆動軸を回転支持するコ
ンプレツサ内の各摺動部に潤滑油を確実に給油す
ることが難しくなる。このため、往復運動するブ
レードの背部に密閉空間を設け、この密閉空間を
貯留潤滑油および各摺動部に接続する潤滑路に連
結孔により連通させ、ブレードの往復運動を給油
ポンプとして利用することにより、各摺動部に給
油することができるようにした横置型のロータリ
コンプレツサが開発されている（実開昭54−
31918号）。しかしながらこのロータリコンプレツ
サにおいては、連通孔内に配設された逆流防止装
置が、ばねと滑り子とから構成されているため、
下記のような欠点を有している。すなわち、(イ)可
動部品で構成されているため、ばねの折損事故、
滑り子または連通孔の摩耗による摩耗粉が潤滑油
中に混入し、摺動面が損傷するなどの故障を生じ
やすい。(ロ)密閉空間内から潤滑油を吐出する際、
ばねの力に打ち勝つて吐出しなければならないの
で、負荷が大きくコンプレツサの消費電力が多く
なる。(ハ)逆流防止機能が高いため、コンプレツサ
の各摺動部に給油する給油ポンプとしてはポンプ
効率が高すぎ、給油量が必要以上に大きくなるお
それがあるととに、その分無駄な仕事をしたこと
となり、コンプレツサの効率を低下させる原因と
なる。

本発明はこのような点に鑑みてなされたもので
あり、往復運動するブレードの背部に密閉空間を
設け、この密閉空間を貯留潤滑油および各摺動部
に接続する潤滑路に連通孔により連通させ、この
連通孔内に流体ダイオードを配設し、ブレードの
往復運動により潤滑油を密閉空間内に吸込み、さ
らに潤滑路に吐出して、各摺動部に給油すること
のできる横置型ロータリコンプレツサを提供する
ことを目的とする。

本発明によれば、逆流防止装置として流体ダイ
オードが用いられているので、可動部分で構成さ
れているもののような故障はなく、またコンプレ
ツサの運転効率を低下させることはない。

以下図面を参照して本発明の実施例について説
明する。

第１図は本発明による横置型ロータリコンプレ
ツサを示す断面図である。図において符号１１は
コンプレツサのケーシングであり、ケーシング１
１内には圧縮機構部１２およびモーター部１３が
配設され、ケーシングは密閉されている。圧縮機
構部１２は、シリンダ１４、モーター１３により
駆動されるローラー駆動軸１５、ローラー駆動軸
１５により回転駆動されシリンダ１４内で偏心回
転するローラー１６、ローラー１６に接しつつ往
復運動するブレード１７およびシリンダ１４の両
側に配設され、シリンダ１４内を密閉するととも
にローラー駆動軸１５を回転自在に支持する２つ
の端板（ベアリング）１８および１９とからなつ
ている。第１図に示すように、端板１８，１９の
下方部には、半径下方向に突出して側板部１８
ａ，１９ａが一体的に成形されている。ケーシン
グ１１内には潤滑油Ｌが貯留されており、この貯
留された潤滑油Ｌ中に端板１８，１９の下方部に
形成された側板部１８ａ，１９ａが没入してい
る。ブレード１７の背部にはシリンダ１４および
側板部１８ａ，１９ｂにより密閉空間２０が形成
されており、この内部にブレード１７をローラー
１６に対し常に弾発するスプリング２１が配設さ
れている。潤滑油Ｌ中に没入した側板部１８ａに
は、ブレード１７の背部の密閉空間２０と貯留潤
滑油Ｌとを連通する連通孔２２が穿設され、この
連通孔２２内に流体ダイオード２３が配設されて
いる。また潤滑油中に没入した側板部１９ａに
は、ローラー駆動軸１５の軸受部まで延びる潤滑
路２４と、密閉空間２０とこの潤滑路２４を連通
させる連通孔２５が穿設され、この連通孔２５内
に流体ダイオード２６が配設されている。

第２図は本発明によるロータリコンプレツサの
ブレード１７の背部の他の実施例を示す部分拡大
断面図であり、第３図は側板部１８ａに穿設され
た連通孔２２内に配設された流体ダイオード２３
の正面図、第４図は側板部１９ａに穿設された連
通孔２５内に配設された流体ダイオード２６の正
面図である。流体ダイオードは第３図、第４図に
示すように、円板状の空隙室２３ａ，２６ａと、
この空隙室２３ａ，２６ａの軸心部に一端を連通
した第１の流体導通路２３ｂ，２６ｂおよび空隙
室２３ａ，２６ａの周縁部に一端を連通した第２
の流体導通路２３ｃ，２６ｃとを有する渦巻形状
をしている。第２図に示した実施例においては、
流体ダイオード２６の第２の流体導通路２６ｃ
に、潤滑路２４（第１図参照）の代りにパイプ２
７が接続されている。このパイプ２７は、例えば
ローラー駆動軸１５の中央に軸線方向に設けられ
た油穴に接続され、この油穴に潤滑油を供給する
ことにより、ローラー駆動軸１５の軸受部など各
摺動部へ給油しうるようにされている。

このような構成からなる本発明によるロータリ
コンプレツサの作用ならびに効果について説明す
る。ローラー駆動軸１５を回転駆動すると、ロー
ラー１６がシリンダ１４内で偏心回転し、これに
よりブレード１７が往復運動する。このブレード
１７の往復運動により、ブレード１７の背部の密
閉空間２０にポンプ作用が生じ、潤滑油Ｌの密閉
空間内への吸込および潤滑路への吐出が行われ
る。すなわちブレード１７が前進運動を開始する
と、密閉空間２０が拡大し、負圧が生ずる。この
場合、側板部１８ａに配設された流体ダイオード
２３には順流作用が起り、第１の流体導通路２３
ｂから空隙室２３ａさらに第２の流体導通路２３
ｃへの流れが生ずる。これにより貯留潤滑油Ｌが
密閉空間２０内に流入する。また側板部１９ａに
配設された流体ダイオード２６には逆流作用が起
り、第２の流体導通路２６ｃから空隙室２６ａさ
らに第１の流体導通路２６ｂへの流れが生じよう
とするが、この場合には流入抵抗が大幅に増大
し、潤滑路２４あるいはパイプ２７からの潤滑油
の密閉空間２０内への逆流が防止される。ブレー
ド１７が続いて後退運動を開始すると、密閉空間
２０は圧縮され、内部の圧力が高くなる。この場
合には、流体ダイオード２３は逆流となり、潤滑
油Ｌの連通孔２２からの流出が止められ、一方流
体ダイオード２６は順流となつて、密閉空間２０
内の潤滑油Ｌが連通孔２５、第１の流体導通路２
６ｂ、空隙室２６ａ、第２の流体導通路２６ｃを
通つて、潤滑路２４あるいはパイプ２７中に送ら
れ、各摺動部への給油がなされる。

このように本発明によれば、ブレードの往復運
動を給油ポンプとして利用できるので、横置型ロ
ータリコンプレツサの各摺動部に潤滑油を確実、
容易に給油することができる。また給油機構が簡
単であり、部品点数が少なくてすむので、給油機
構部を設けたことによりロータリコンプレツサの
外径、全長等が大きくならず、低コストとなる。

また、逆流防止装置として流体ダイオードが用
いられているので、折損、摩耗などの故障を生ず
ることなく、常に安定した給油作用を行うことが
できる。さらに、ばねで押圧された弁機構などが
ないため、逆流防止装置を作動させるための余分
のエネルギーが不要であり、ロータリコンプレツ
サの消費電力を多くすることがない。また、流体
ダイオードは順流、逆流の抵抗比が適度に小さい
ので、運転中には潤滑油が適度に逆流し、給油量
が必要以上に多くなることはない。これにより、
コンプレツサの吐出ガスに潤滑油が過度に混入
し、冷凍サイクル機器に悪影響を及ぼしたり、油
面が低下したりすることがない。とりわけ流体ダ
イオードは焼結の型成形でできるので、端板と同
時に製造可能であり、製造が簡単かつ安価であ
る。さらに潤滑油の給油を確実に行うことができ
るので、横置型ロータリコンプレツサを縦置型ロ
ータリコンプレツサと同等の能力で使用すること
ができる。また騒音が発生しにくい、振動防止が
容易であるなど横置型ロータリコンプレツサの長
所を生かすことができる。また冷凍サイクル等へ
の組込みの際、縦方向寸法により限定されないの
で、セツトでの取付性が大幅に改善される。

なお本発明の実施例においては、両方の側板部
に流体ダイオードを配設した例を示したが、流体
ダイオードの配設はいずれか一方の側板部であつ
てもよい。また、側板部を端板と一体成形した例
を示したが、これを端板とは別部材で形成しても
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるロータリコンプレツサの
断面図、第２図はブレード背部の他の実施例を示
す部分断面図、第３図および第４図は第２図に示
した両端板に配設された流体ダイオードを示す正
面図である。１１……ケーシング、１４……シリンダ、１５
……ローラー駆動軸、１６……ローラー、１７…
…ブレード、１８，１９……端板、２０……密閉
空間、２２，２５……連通孔、２３，２６……流
体ダイオード、２４……潤滑路。

Claims

【特許請求の範囲】

１シリンダ内において偏心回転するローラーに
接しつつ往復運動するブレードを有する横置型の
ロータリコンプレツサにおいて、前記ブレードの
背部にはコンプレツサケーシング内に貯留された
潤滑油中に没設されている２つの端板の下方部に
設けられた側板部により密閉空間が形成されてお
り、前記２つの側板部のうちいずれか一方の側板
部には貯留潤滑油と前記密閉空間とを連通する連
通孔が穿設され、他方の側板部にはコンプレツサ
内の各摺動部へ接続する潤滑路と前記密閉空間と
を連通する連通孔が穿設され、少なくとも一方の
前記連通孔内には流体ダイオードが配設されてい
ることを特徴とするロータリコンプレツサ。