JPS6332773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車、船舶、鉄道車両等におい
てウインドシールドガラスを払拭するためのワイ
パ装置におけるワイパアームの改良に関する。

この種ワイパ装置におけるワイパアームとして
は、第１図および第２図に示されるように、揺動
自在のピボツトシヤフト１に基端２Ａが取付けら
れたアームヘツド２と、先端側にワイパブレード
３を支持するとともに、基端において前記アーム
ヘツド２の先端に揺動軸４により、前記ワイパー
ブレード３により接触すべきウインドシールドガ
ラス面５と略直角な面内で揺動自在に取付けられ
たリテーナ６と、前記アームヘツド２の前記揺動
軸４に対して前記ウインドシールドガラス面５か
ら離間する方向にオフセツトされた位置に、前記
リテーナ６と略同一面内で揺動自在に揺動軸７に
より枢支されたスプリングガイド８と、このスプ
リングガイド８と前記リテーナ６側のストツパ１
２間に装架され、該リテーナ６の先端側を前記ウ
インドシールドガラス面５に押圧する方向に付勢
する圧縮コイルばね９と、前記スプリングガイド
８と一体的に形成され、前記圧縮コイルばね９の
中心部を長手方向に貫通突出し、さらに前記スト
ツパ１２の貫通孔１２Ａから突出するガイドバー
１１とを有してなるものがある。図の符号１３は
ストツパを固定するためのリベツトを示す。

前記リテーナ６より先の部分は、ワイパブレー
ド３の取替え時等の便宜のために、アームヘツド
２に対して起き上ることすなわちロツクバツクで
きるようにされている。

上記のような従来の圧縮コイルばね９を利用し
たワイパアームは、部品点数が多く、また、スプ
リングガイド８のガイドバー１１は、ストツパ１
２に形成された貫通孔１２Ａを貫通するようにし
て取付けられるものであるため、組付け作業時
は、この圧縮コイルばね９を撓ませながらアーム
ヘツド２とリテーナ６とを揺動軸４によつてかし
めなければならず、専用の治具を必要とし、しか
も、組付作業および圧縮コイルばね交換等のメン
テナンス作業が非常に困難であるとともに、成品
の品質にばらつきが生じるという問題点があつ
た。

この考案は前記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、部品点数が少なく、また、組付作
業およびメンテナンス作業が容易であつて、かつ
品質を安定させることができるワイパアームを提
供することを目的とする。

この考案は、揺動自在のピボツトシヤフトに基
端が取付けられたアームヘツドと、先端側にワイ
パブレードを支持するとともに、基端において前
記アームヘツドの先端に揺動軸により、前記ワイ
パブレードにより払拭すべきウインドシールドガ
ラス面と略直角な面内で揺動自在に取付けられた
リテーナと、前記アームヘツドの前記揺動軸に対
して前記ウインドシールドガラス面から離間する
方向にオフセツトされた位置に、前記リテーナと
略同一面内で揺動自在に揺動軸により枢支された
スプリングガイドと、このスプリングガイドと前
記リテーナ側のストツパ間に装架され、該リテー
ナの先端側を前記ウインドシールドガラス面に押
圧する方向に付勢する圧縮コイルばねと、前記ス
プリングガイドと一体的に形成され、前記圧縮コ
イルばねの中心部を長手方向に貫通突出し、さら
に前記ストツパを貫通突出するガイドバーと、を
有するワイパアームにおいて、前記ストツパを、
一端において、前記ガイドバー先端よりもリテー
ナ自由端側位置で、前記揺動軸と平行な支持軸を
介して前記リテーナに揺動自在に枢支するととも
に、自由端側において、前記ガイドバー先端が挿
通される貫通孔を形成し、かつ、該ストツパの長
さを、その自由端側が、前記ガイドバーに装架さ
れた自由状態の前記圧縮コイルばね先端に当接す
るとき、前記スプリングガイドの揺動軸とストツ
パ先端間の距離と該ストツパ長さとの和が、該揺
動軸と前記ストツパの支持軸間の距離よりも大き
くなるようにして上記目的を達成するものであ
る。

またこの考案は、前記ストツパの側面およびこ
れと対向する前記リテーナの内側面との間に、該
ストツパの立上りを規制する掛止機構を設けるこ
とにより上記目的を達成するものである。

さらにこの考案は、前記圧縮コイルばねの先端
と前記ストツパとの接触点を前記スプリングガイ
ドの揺動軸と前記ストツパの支持軸とを通る直線
よりもウインドシールドガラス面から離れた位置
にまで乗り越え可能とすることにより上記目的を
達成するものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

この実施例において、前記第１図および第２図
に示される従来のワイパアームと同一または相当
部分には、第１図および第２図と同一の符号を付
することにより説明明を省略するものとする。

この実施例は、第３図ないし第５図に示される
ように、揺動自在のピボツトシヤフト１に基端２
Ａが取付けられたアームヘツド２と、先端側にワ
イパブレード３を支持するとともに、基端におい
て前記アームヘツド２の先端に揺動軸４により、
前記ワイパブレード３により払拭すべきウインド
シールドガラス面５と略直角な面内で揺動自在に
取付けられたリテーナ６と、前記アームヘツド２
の、前記揺動軸４に対して前記ウインドシールド
ガラス面５から離間する方向、にオフセツトされ
た位置に、前記リテーナ６と略同一面内で揺動自
在に揺動軸７により枢支されたスプリングガイド
８と、このスプリングガイド８と前記リテーナ６
側のストツパ２２間に装架され、該リテーナ６の
先端側を前記ウインドシールドガラス面５に押圧
する方向に付勢する圧縮コイルばね９と、前記ス
プリングガイド８と一体的に形成され、前記圧縮
コイルばね９の中心部を長手方向に貫通突出し、
さらに前記ストツパ２２を貫通突出するガイドバ
ー１１と、を有するワイパアームにおいて、前記
ストツパ２２を、一端において、前記ガイドバー
１１先端よりもリテーナ６自由端側位置で、前記
揺動軸７と平行な支持軸１４を介して前記リテー
ナ６に揺動自在に枢支するとともに、自由端側に
おいて、前記ガイドバー１１先端が挿通される貫
通孔２２Ａを形成し、かつ、該ストツパ２２の長
さを、その自由端側が、前記ガイドバー１１に装
架された自由状態の前記圧縮コイルばね９先端に
当接するとき、前記スプリングガイド８の揺動軸
７とストツパ２２先端間の距離と該ストツパ２２
長さとの和が、該揺動軸７と前記ストツパ２２の
支持軸１４間の距離よりも大きくなるようにした
ものである。

また、前記圧縮コイルばね９の先端と前記スト
ツパ２２との接触点は、前記スプリングガイド８
の揺動軸７と前記ストツパ２２の支持軸１４とを
通る直線よりもウインドシールドガラス面５から
離れた位置にまで乗り越え可能とされている。

また、前記ストツパ２２の側面には引掛爪１５
が切起こされて外方に突出され、また、この引掛
爪１５に対向する前記リテーナの６の内側面に
は、前記引掛爪１５が係止される引掛孔１６が形
成され、ストツパ２２が支持軸１４を中心とし
て、断面コ字形状のリテーナ６内に揺動挿入され
た時、該引掛爪１５が引掛孔１６に係止して、リ
テーナ６からのストツパ２２の立上りを規制する
ようにされている。

この実施例に係るワイパアームを組立てる場合
は、第５図に示されるように、揺動軸４によつて
アームヘツド２にリテーナ６を組付け、さらに、
アームヘツド２に揺動軸７によつてスプリングガ
イド８を取付けた状態で、該スプリングガイド８
のガイドバー１１に圧縮コイルばね９を嵌装し、
また、支持軸１４により、ストツパ２２をリテー
ナ６に揺動自在に支持し、ついで圧縮コイルばね
９を貫通突出したガイドバー１１の先端を、リテ
ーナ６から立上つた状態のストツパ２２の先端の
貫通孔２２Ａに挿入する。

このままの状態で、ストツパ２２の先端を、リ
テーナ６方向に押込むと、スプリングガイド８は
揺動軸７を中心として、また、ストツパ２２は支
持軸１４を中心として、それぞれリテーナ６方向
に揺動され、この時、ストツパ２２の先端により
圧縮コイルばね９が圧縮される。

圧縮コイルばね９は、その中心軸線が前記揺動
軸７と支持軸１４を通る直線上にある一点を思案
点として、これを乗越えるターンオーバー作用に
よつて、該思案点位置で最も圧縮され、これを乗
越えた時の復元力によつて、スプリングガイド８
およびストツパ２２の自由端がリテーナ６の裏面
方向に押圧するように作用する。

この時、ストツパ２２の側壁に設けた引掛爪１
５がリテーナ６側の引掛孔１６に係合されるの
で、ガイドバー１１およびストツパ２２は共に、
圧縮コイルばね９のターンオーバー作用に加え
て、引掛爪１５と引掛孔１６の係合によて、リテ
ーナ６からの立上りが規制されることになる。

従つて、この実施例においては、圧縮コイルば
ね９およびストツパ２２をワンタツチで取付けで
きるので、従来の如く、作業者が圧縮コイルばね
を圧縮しながらかしめ作業することが不要とな
り、作業が極めて容易かつ確実となる。

また、圧縮コイルばね９を交換する場合も、単
にストツパ２２の先端をリテーナ６から立上らせ
ることによつて、容易に行なうことができる。

更に、この実施例においては、ストツパ２２を
介して、スプリングガイド８および圧縮コイルば
ね９を強固に支持できるので、ストツパ２２の補
強部材等の必要がなく、このための部品点数を削
減できることになる。

なお、上記実施例は、圧縮コイルばね９の先端
とストツパ２２の先端との接触点が、これらをリ
テーナ６内に押込んだ時、スプリングガイド８の
揺動軸７と、ストツパ２２の支持軸１４を通る直
線を越えてターンオーバーするようにしたもので
あるが、本考案はこれに限定されるものでなく、
必ずしもターンオーバーしなくてもよい。但しこ
の場合は、実施例に示されるような引掛爪１５お
よび引掛孔１６からなるような、ストツパ２２お
よびガイドバー１１のリテーナ６からの立上りを
規制する係止機構を設ける必要がある。

また、この係止機構は、上記実施例において
は、引掛爪１５および引掛孔１６から構成されて
いるが、本考案はこれに限定されるものでなく、
他の係止機構であつてもよい。

本考案は上記のように構成したので、組立時に
おける圧縮コイルばねおよびストツパの取付けを
ワンタツチで行うことができ、従つて、作業が極
めて容易でかつ確実に行うことができるという優
れた効果を有する。

また、圧縮コイルばねの交換時の作業もワンタ
ツチで行なうことができるので、メンチナンス性
が向上され、更に、ストツパ補強の為の部材等を
要しないので、部品点数の節減をすることができ
るという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のワイパアームを示す斜視図、第
２図は第１図の−線に沿う拡大断面図、第３
図は本考案に係るワイパアームの実施例の要部を
示す断面図、第４図は同実施例の下面図、第５図
は組立過程の要部を示す斜視図である。 １……ピボツトシヤフト、２……アームヘツ
ド、２Ａ……基端、３……ワイパブレード、４…
…揺動軸、５……ウインドシールドガラス面、６
……リテーナ、７……揺動軸、８……スプリング
ガイド、９……圧縮コイルばね、１１……ガイド
バー、１４……支持軸、１５……引掛爪、１６…
…引掛孔、２２……ストツパ、２２Ａ……貫通
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 揺動自在のピボツトシヤフトに基端が取付け
   られたアームヘツドと、先端側にワイパブレー
   ドを支持するとともに、基端において前記アー
   ムヘツドの先端に揺動軸により、前記ワイパブ
   レードにより払拭すべきウインドシールドガラ
   ス面と略直角な面内で揺動自在に取付けられた
   リテーナと、前記アームヘツドの前記揺動軸に
   対して前記ウインドシールドガラス面から離間
   する方向にオフセツトされた位置に、前記リテ
   ーナと略同一面内で揺動自在に揺動軸により枢
   支されたスプリングガイドと、このスプリング
   ガイドと前記リテーナ側のストツパ間に装架さ
   れ、該リテーナの先端側を前記ウインドシール
   ドガラス面に押圧する方向に付勢する圧縮コイ
   ルばねと、前記スプリングガイドと一体的に形
   成され、前記圧縮コイルばねの中心部を長手方
   向に貫通突出し、さらに前記ストツパを貫通突
   出するガイドバーと、を有するワイパアームに
   おいて、前記ストツパを、一端において、前記
   ガイドバー先端よりもリテーナ自由端側位置
   で、前記揺動軸と平行な支持軸を介して前記リ
   テーナに揺動自在に枢支するとともに、自由端
   側において、前記ガイドバー先端が挿通される
   貫通孔を形成し、かつ、該ストツパの長さを、
   その自由端側が、前記ガイドバーに装架された
   自由状態の前記圧縮コイルばね先端に当接する
   とき、前記スプリングガイドの揺動軸とストツ
   パ先端間の距離と該ストツパ長さとの和が、該
   揺動軸と前記ストツパの支持軸間の距離よりも
   大きくなるようにしたことを特徴とするワイパ
   アーム。 (2) 前記ストツパの側面およびこれと対向する前
   記リテーナの内側面との間に、該ストツパの立
   上りを規制する掛止機構を設けたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のワイ
   パアーム。 (3) 前記圧縮コイルばねの先端と前記ストツパと
   の接触点を前記スプリングガイドの揺動軸と前
   記ストツパの支持軸とを通る直線よりもウイン
   ドシールドガラス面から離れた位置にまで乗り
   越え可能としたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項または第２項記載のワイパア
   ーム。