JPS6332582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は田植機における予備苗台の改良に関
し、該予備苗台における受板を機体内方に収納可
能としたものである。

ところで、主として乗用型の田植機において
は、機体の両側部に予備苗台を設けることにより
植付作業部への苗の補給を迅速に行い得るように
なされるのであるが、該予備苗台は機体の左右両
側部に外側方に突出した状態で設けられるため機
体の幅方向寸法が著しく広くなるのであり、その
ためトラツクでの輸送時或は倉庫への収容時等に
大きなスペースを要することになつて輸送効率や
収容効率を著しく悪化させるのである。

本考案はこのような事情に対処するもので、機
体の左右両側部に設けられる予備苗台における棚
状の受板を、これを支持する支柱に対して機体外
側方に突出した状態から機体内方に収納可能とす
ることにより、該予備苗台を使用しない場合には
機体の幅方向寸法をコンパクト化し得るようにな
し、これによりトラツクでの輸送時或は倉庫への
収容時等に要するスペースを小さくして輸送効率
或は収容効率等を向上せしめ得るようになすと共
に、上記機体内方に収納した際に左右の受板が機
体中央部において干渉しないようにしたものであ
る。

以下これを実施例により説明すると、第１図に
おいて１は乗用型田植機におけるトラクタ式の機
体で、前部にエンジン２が搭載されていると共
に、走行装置として夫々左右一対の前輪３及び後
輪４が具備され、且つ該機体の後部は乗用式の操
縦部５とされている。６は該機体１の後方に連結
された植付作業機で、該作業機はフロート７、苗
載せ台８及び植付装置９等により構成されてい
る。１０，１０は第２図に示すように上記機体１
の前部における左右両側部に夫々装備された予備
苗台で、各予備苗台は機体の側部から立設された
前後の支柱１１，１２、及び両支柱間に複数段の
棚状として且つ機体外側方に突出した状態で支持
された複数の受板１３…１３から構成されてい
る。

次に第３，４図により各受板１３の支柱１１，
１２に対する支持部の構成を説明すると、１４，
１４は両支柱１１，１２の対向面側に同一高さと
して固設されたＬ型の支持部材、１５，１５は受
板裏面の両側部に沿つて固設された案内部材で該
案内部材と受板裏面の間に形成された間隙ａに上
記支持部材の水平部１４ａが差し込まれた状態で
係合され、これにより各受板１３が第２図に実線
で示す機体外側方に突出せしめられた状態から鎖
線で示す機体内方に収納した状態にスライド可能
とされると共に、上記支持部材１４，１４の各支
柱１１，１１及び１２，１２に対する左右両側部
での固設位置を上下方向へ段違い状に配置させる
ことにより、第２図に示すように前記機体両側部
の予備苗台１０，１０における各受板１３…１３
が機体内方への収納時に機体中央部で干渉しない
ようになされているのである。ここで、図示の実
施例においては案内部材１５の両端部に支持部材
１４の両端面に夫々当接することにより受板の抜
けを防止するストツパー１５ａ，１５ａが設けら
れている。

上記の構成によれば、田植作業時においては予
備苗台１０，１０における各受板１３…１３を第
２図に実線で示すように機体外側方に突出させた
状態にセツトすれば、該受板上に夫々予備苗を載
置することができ、これにより第１図に示す苗載
せ台８への苗の補給が迅速に行われることになる
と共に、当該田植機の全体ないし機体１をトラツ
クで輸送し或は倉庫に収容する場合等は第２図の
鎖線で示すように予備苗台１０，１０における各
受板１３…１３を機体内方にスライドさせて収納
することにより機体の幅方向寸法を著しくコンパ
クト化することができ、これによりトラツクでの
輸送時或は倉庫への収容時等に要するスペースが
挟くて済むことになるばかりか、上記各受板を機
体内方へコンパクトに収納させることができるの
である。

尚、第５図に示す実施例においては、特に受板
が外側方に稍高くなるように傾斜せしめられてい
る場合に該受板が機体内方に自然にスライドする
ことを防止するため、受板１３′の裏面に外側方
への突出状態において支持部材１４′の端面に係
止される突起１３a′が設けられている。その場
合、受板を機体内方に収納するときは該受板を稍
持ち上げた上でスライドさせることになる。ま
た、第６図は受板を支柱に対してスライド可能に
支持させる構成の他の実施例を示すもので、該実
施例においては受板１３″の両側の縁部を案内部
１３a″，１３a″とすると共に、支柱１１″，１
２″に各案内部を上下から挾持する上下一対の支
持部材１５a″，１５b″を夫々固設する構成とされ
ているが、該支持部の構成しては、要するに受板
が支柱に対して引出し状にスライド可能として支
持される構成であればよいのである。

以上のように本考案は、田植機の機体の左右両
側部に予備苗台が装備される構成において、各予
備苗台における棚状の受板を支柱に対して機体外
側方に突出させた状態から機体内方にスライド可
能として支持させると共に、上記受板が機体内方
に収納された際に機体中央部で干渉しないよう段
違い状に配置する構成としたから、各受板を外側
方に突出させた状態においては、従来同様に予備
苗を載置することができて苗の迅速な補給ないし
作業の能率向上が実現されると共に、当該田植機
の全体又は機体をトラツクで輸送する場合或は倉
庫に収容する場合等においては、上記受板を機体
内方に上下複数段として収納することが可能とな
り、かつ外部への突出物をなくしうることになつ
て該機体の幅方向寸法を著しくコンパクト化する
ことが可能となり、これによりトラツク一台当り
の輸送台数或は倉庫への収容台数が増大せしめら
れることになつて流通コストが低減せしめられ、
また使用者においても非使用時に挟いスペースで
の保管が可能になる等の効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す田植機全体の側
面図、第２図は同じく一部欠截拡大正面図、第３
図は第２図−線で切断した要部拡大縦断側面
図、第４図は第３図−線で切断した要部拡大
縦断正面図、第５，６図は夫々他の実施例を示す
要部拡大縦断正面図及び側面図である。 １……機体、１０……予備苗台、１１，１２…
…支柱、１３……受板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の左右両側部に夫々装備される予備苗台で
   あつて、上記機体の側部から立設された支柱及び
   該支柱に複数段の棚状として支持された受板から
   構成され、且つ各受板が機体外側方に突出した状
   態から機体内方に収納した状態にスライド可能と
   されると共に、上記各受板が機体内方に収納され
   た際に機体中央部において干渉しないよう段違い
   状に配置されていることを特徴とする田植機の予
   備苗台。