JPS633213B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、主として一般家庭、各種事務所の空
調機として多用されている送風式冷暖房機（冷
房、暖房の専用機も、冷・暖房切替式の兼用機も
含む）で、詳しくは、機体の前面に室内空気吸入
窓を設け、この吸入窓後部の機体内に、そこから
吸入した室内空気と熱媒との間接熱交換により冷
気又は暖気を生成する熱交換器を設け、この熱交
換器の上方に前記の冷気又は暖気を機体の前方に
強制排出する送風器及び排風窓を設けてある送風
式冷暖房機に関する。

〈従来の技術〉 上記の構成からなる従来の送風式冷暖房機は、
吸入窓や排風窓の位置、開口面積等において居住
ゾーンでの冷暖房効果を十分に配慮した設計がな
されているものの、あくまでも室内空気を単一経
路において循環流動させる型式のものであつた。

また、上述の単循環型式の冷暖房機に、室内空
気を概ね上下方向で強制循環させるサーキユレー
タを併用することも従来から一部で実施されてい
る。

〈発明が解決しようとする問題点〉 前者の単循環型式冷暖房機の単独運転使用によ
る場合は、暖房時において室内空気のドラフト効
果によつて冷暖房機による吸入ゾーンよりも下層
域に冷たい空気が滞留し易くて室内の上下温度差
が大きい。その結果、消費熱エネルギーの割に足
元が冷たいといつた問題があり、これの改善のた
めに暖気を下向きに噴出すると、その噴出域が局
所的に異常高温になり、暖気の直撃と相俟つて不
快感を伴なう欠点がある。また冷房時において室
内に吹出された冷気がドラフト効果によつて自然
降下し、室内の温度分布の面で暖房時に比べて遥
かに良好であるものの、居住ゾーンでの冷房効率
を促進せんとして冷気の吹出し方向を下向きにす
るのが一般的であり、そのため冷気の直撃によつ
て不快感はもちろん、健康面でも好ましいもので
なかつた。

更に、サーキユレータの併用運転の場合は、該
サーキユレータが概ね天井付近に設置され、室内
空気を下向きに吹出すものであるから、室内空気
はサーキユレータ付近で短絡的に循環するに過ぎ
ず、また冷気を撹拌するのみで却つて冷暖房機に
よる室内空気の循環作用を乱して温度分布の改善
には殆んど効果のないものであつた。

〈問題点を解決するための手段〉 上記の実情に鑑みて鋭意研究の結果、室内空気
の合理的な循環作用によつて室内温度差の縮少化
を図り、快適かつ健康面でも良好な冷暖房効果を
発揮する送風式冷暖房機を提供することを目的と
し、かかる目的達成のために開発された本発明に
係る送風式冷暖房機は、冒頭詳記のものにおい
て、前記排風窓の位置よりも高所の室内空気の吸
引口及び前記吸入窓の位置よりも低所の室内空気
吸引口を、各々に装着した開閉扉を介して選択的
に開口可能な状態で機体に設けるとともに、これ
ら口から選択的に吸引した室内空気を前記の冷気
又は暖気に混流させる状態に吹出す送風器を設け
てあるという構成に特徴を有するものである。

〈作用〉 このような特徴構成を有する本発明に係る送風
式冷暖房機によれば、 (イ) 暖房時においては、機体の吸入窓からの室内
空気吸入ゾーンよりも下層域に滞留気味の冷た
い空気を前記の低所吸引口から積極的に吸引
し、これを熱交換器の所で生成された暖気と混
流させる状態で室内に吹出すことによつて、暖
気の過熱が避けられるとともに、室内、特に居
住ゾーンの上下温度差を縮少でき、足元の冷感
を解消できる。

(ロ) 冷房時においては、機体の排風窓よりも高所
に滞留気味の熱い空気を前記の高所吸引口から
積極的に吸引し、これを熱交換器の所で生成さ
れた冷気と混流させる状態で室内に吹出すこと
によつて、冷気の過冷現象を避けられるととも
に、室内上層域の温度を低下させて室内上下の
温度差を縮小できる。

(ハ) 暖房時、冷暖時の何れの場合も、前述混流気
の吹出し方向を水平又はやや上向きに設定する
ことが可能で、冷気又は暖気の人体への直撃を
回避した状態で使用することができる。

〈実施例〉 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図において、ａは冷暖房機の機
体で、該機体ａの前面下方に室内空気の吸引窓１
を有する吸引室２が設けられているとともに、こ
の吸引室２内に前記窓１の上枠３から機体ａの後
側下枠４に向かう傾斜姿勢で、吸入室内空気と熱
媒との間接熱交換により冷気又は暖気を生成する
熱交換器５が設けられ、この熱交換器５の下方
に、モータＭ及びコンプレツサーＣの収容室６が
設けられ、更に前記熱交換器５の上方に送風器７
及びこの送風器７に連通する排風室８が設けら
れ、この排風室８の前面に前記冷気又は暖気を室
内に排出するための排風窓９が設けられている。
１２は前記排風室８上方の機体ａ部分に取付けた
別の送風器で、機体ａ天井壁に形成の孔を送風口
１３にして前記排風室８内に連通接続されている
とともに、裾開き状混流器１４の案内作用を介し
て吸引空気を前記の冷気又は暖気と混流させて排
風窓９から室内に吹出すべく構成されている。１
５は前記送風器１２を被覆するカバーケーシング
であつて、このカバーケーシング１５の一側板部
分に前記の排風窓９の位置よりも高所の室内空気
を前記送風器１２を介して吸引する吸引口１６が
形成されているとともに、この吸引口１６とは反
対側の前記カバーケーシング１５の他側板部分
に、機体ａの側部に沿つて縦姿勢に設けた吸引ダ
クト１８の上端が開口接続され、この吸引ダクト
１８の下端には、前記吸入窓１の位置よりも低所
の室内空気を前記送風器１２を介して吸引する吸
引口１９が形成されている。これら上下の両吸引
口１６及び１９には各々開閉扉１７及び２０が装
着されていて、この両扉１７及び２０の開閉選択
によつて前記両吸引口１６，１９を選択的に開口
可能な状態に構成してある。図中１０及び１１は
前記吸入窓１及び排風窓９に各々装着した開閉扉
であり、１６Ａ及び１９Ａは防塵スクリーン、
m₁，m₂は送風器７，１２の駆動用モータであ
る。

上記構成の送風式冷暖房機においては、一般的
に冷房の場合は低所の吸引口１９を閉じ、高所の
吸引口１６を開いてそこから吸引される室内空気
を、冷気と混流させて室内に吹出すように使用
し、また暖房の場合は、高所の吸引口１６を閉
じ、低所の吸引口１９を開いてそこから吸引され
る室内空気を暖気と混流させて室内に吹出すよう
に使用するのである。また、空調対象室の容積や
形態等によつては送風器１２を作動停止させて冷
気又は暖気のみを室内に吹出すように使用するこ
ともできるのである。

第３図及び第４図は別の実施例を示すもので、
前記吸引ダクト１８の下端部に水槽２１を形成
し、この水槽２１内に下端部分が浸漬される状態
でダクト１８内に通風回転ベルト２４をモータ
m₃を介して駆動及び停止自在に張設して加湿装
置２５を構成することにより、暖房時において前
記口１９から吸引される室内空気を適宜に加湿し
て室内湿度を任意に調節でき、一層快適な暖房結
果を得ることができる利点がある。

〈発明の効果〉 以上詳述したことからも明らかなように、本発
明による時は、 (1) 室内空気を全体的に上下二経路で循環させる
ことにより、室内空気の滞留に起因した上下温
度差の発生を極力抑制して、殊に居住ゾーンの
温度均一化を図り、快適な冷暖房空間をつくる
ことができる。

(2) 居住ゾーン内に局所的な高温域の発生がない
とともに、冷気又は暖気の人体への直撃的な吹
出しを避けれるので、不快感が全くなく、健康
面への悪影響もない。

といつた顕著な効果が得られるに至つたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の一実施例を示し、
第１図は縦断側面図、第２図は第１図−線断
面図、第３図及び第４図は別の実施例を示し、第
３図は縦断側面図、第４図は第３図の−線断
面図である。 １は室内空気吸入窓、５は熱交換器、７，１２
は送風器、９は排風窓、１６，１９は室内空気吸
引口、１７，２０は開閉扉、１８は吸引ダクト、
２４は通風回転ベルト、２５は加湿装置である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機体ａの前面に室内空気吸入窓１を設け、こ
   の吸入窓１後部の機体ａ内に、そこから吸入した
   室内空気と熱媒との間接熱交換により冷気又は暖
   気を生成する熱交換器５を設け、この熱交換器５
   の上方に前記の冷気又は暖気を機体ａの前方に強
   制排出する送風器７及び排風窓９を設けてある送
   風式冷暖房機において、前記排風窓９の位置より
   も高所の室内空気の吸引口１６及び前記吸入窓１
   の位置よりも低所の室内空気吸引口１９を、各々
   に装着した開閉扉１７及び２０を介して選択的に
   開口可能な状態で機体ａに設けるとともに、これ
   ら口１６，１９から選択的に吸引した室内空気を
   前記の冷気又は暖気に混流させる状態に吹出す送
   風器１２を設けてあることを特徴とする送風式冷
   暖房機。 ２ 前記下側の吸引口１９を形成した吸引ダクト
   １８がその下端に通風回転ベルト２４を利用した
   加湿装置２５を備えたものである特許請求の範囲
   第１項に記載の送風式冷暖房機。