JPS6331956Y2

JPS6331956Y2 -

Info

Publication number: JPS6331956Y2
Application number: JP1982102580U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-07
Filing date: 1982-07-07
Publication date: 1988-08-25
Also published as: JPS597840U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、自動車等に用いられる遮音制振材に
関し、詳しくは、エンジン音、走行者、振動等が
車内に伝達するのを防ぐために用いられる遮音制
振材に関する。

自動車においては、車内の静粛性を高めるため
に、エンジンルームと車内との間及び床面に遮音
制振材が用いられている。

車内の騒音については、特に500Hz以下の周波
数域が問題となる場合が多く、この範囲の周波数
を遮断するためには、特にすぐれた遮音制振材が
必要とされる。

この遮音制振効果を高めたものとして、鉄板の
二重壁構造内に粘弾性材を挿入したものがある
が、重量増になり、また使用場所により形状等の
制約を受け、使用できない場合もあつた。

このような場合に使用されていた従来の遮音制
振材は、第１図の断面図で示すように、アスフア
ルトシート１１、フエルト１２、塩化ビニル樹脂
シート１３よりなり、このような構成の遮音制振
材１０が、ボデイの鉄板Ａに車内の内側より貼着
されて用いられていた。この場合に、遮音制振効
果は、鉄板Ａにアスフアルトシート１１が密着し
ている時が最も良好である。したがつて、密着性
を高めることが必要となり、貼着されたアスフア
ルトシートを150〜220℃に加熱することにより、
この密着を完全にすることがなされていた。しか
し、貼着される鉄板形状が複雑な場合、急激な凹
凸形状を有する場合には、鉄板形状に追随するこ
とができず、密着が不完全なものとなる。また、
走行中の振動、経時変化により、密着が部分的に
不完全になるおそれも有していた。

本考案は、遮音制振効果の増大を主目的とし、
あわせて、軽量性をも兼ね備えた遮音制振材を開
示するものである。

第２図は、本考案による遮音制振材の一実施例
断面図を示し、遮音制振材２０は、表面材２１と
膨張材２２とからなる。

表面材２１は、厚紙、アスフアルトを含有した
厚紙、熱可塑性合成樹脂含有厚紙、パルプ等の繊
維質を主材としたボード、等の剛性を有し、成形
の可能なものからなる。

膨張材２２は、連続気泡よりなる軟質合成樹脂
フオームに、温度上昇により粘性を発現し、温度
低下により固化する物質からなる含浸剤を含浸さ
せ、圧縮したものである。

連続気泡よりなる軟質合成樹脂フオームとし
て、軟質ポリウレタンフオーム、軟質塩化ビニル
フオーム等が用いられる。特に軟質ポリウレタン
フオームは、配合変化により性状を容易に変える
ことができ、用途、形状に応じた性状を選択で
き、好ましいものであり、密度0.01〜0.2ｇ／cm³、
好ましくは0.014〜0.025ｇ／cm³、硬度は、JIS Ｋ
6401法において２Kg〜20Kg、好ましくは６Kg〜
15Kg、通気抵抗は、ASTM Ｄ 1564法において
５〜250／min、好ましくは50〜200／minの
ものが用いられる。

含浸剤は、温度上昇により粘性を発現し、温度
低下により固化する物質からなり、前記の軟質合
成樹脂フオームに連続気泡を介して含浸される。
この含浸剤として、ブチルゴムラテツクス、ろう
状物質、石油樹脂類、ロジン、ロジンエステル、
エチレン−酢酸ビニル共重合体（EVA）、アスフ
アルト、アスフアルトと合成ゴムの混合物質、た
とえば、SBS（スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロツクコポリマー）、SBR（スチレン−ブタジ
エンランダムコポリマ−）、CRラテツクス（クロ
ロプレンゴムラテツクス）等が挙げられる。これ
らの含浸剤は、含浸時に液状を呈し、含浸後は一
定の硬さを示し、加熱等の温度上昇により粘性を
発現するものである。また、含浸剤には、必要に
応じて、カーボン等の無機材料、顔料、可塑剤が
混入される。軟質合成樹脂フオームの性状、後述
する圧縮程度等により、この含浸剤の含浸量は異
なるが、一般に軟質ポリウレタンフオーム10当
り0.5Kg〜５Kgである。

膨張材は、前記の軟質合成樹脂フオームに、所
定温度に加熱され液状とされた前記の含浸剤が所
定量含浸され、室温冷却され、その後、1/2〜1/2
０、好ましくは1/5〜1/8に圧縮されて形成される。
この室温冷却により、含浸剤は一定の硬さを示
し、圧縮された軟質合成樹脂フオームの復元力に
打ち勝ち、圧縮された状態を保つ。

このようにして形成された膨張材は、接着剤等
により表面材に積層される。

第３図は、本考案による遮音制振材の自動車ボ
デイへの取り付け実施例を説明する断面図であ
る。イにおいて、ボデイを構成する鉄板Ｄの車内
側にボルト等の固定部品Ｃを用いて、鉄板Ｄと所
定間隔を有して遮音制振材２０が取り付けられ
る。この後、含浸剤が粘性を発現する温度に加熱
される。この含浸剤が粘性を発現することによ
り、圧縮されていた軟質合成樹脂フオームの復元
力を押えることができなくなり、膨張材２２は膨
張し、ロに示すように鉄板Ｄに密着する。この際
においても、膨張材が幾分圧縮された状態となる
ように、遮音制振材の取り付け時における鉄板Ｄ
との隙間が設定される。これによつて、膨張材２
２は、常に鉄板Ｄと完全に密着することになる。

前記した含浸剤の粘性発現のための加熱は、通
常、自動車ボデイの塗装の乾燥時の加熱を利用し
て行なわれ、別工程による必要がない。

本考案による遮音制振材は、圧縮された軟質合
成樹脂フオームの復元力を利用して鉄板に密着が
なされるもので、鉄板形状が複雑な場合において
も、完全な密着を可能とし、走行時の振動、経時
変化によつて、密着の不完全な部分を生じるおそ
れがなく、常に最良な制振効果が得られ、また、
アスフアルトシートを用いてないために軽量であ
る利点も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の遮音制振材を説明する断面
図、第２図は、本考案による遮音制振材一実施例
断面図、第３図は鉄板への取り付けを説明する断
面図である。２０……本考案による遮音制振材、２１……表
面材、２２……膨張材、Ａ，Ｄ……鉄板、Ｃ……
固定部品。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

剛性を有する表面材に膨張材が積層されてな
り、該膨張材が、連続気泡よりなる軟質合成樹脂
フオームに、温度上昇により粘性を発現し、温度
低下により固化する物質からなる含浸剤を高温の
液状態で含浸させ、該フオームを圧縮状態下冷却
し含浸剤を固化させて前記フオームの形状を圧縮
形状に固定して、その後の加熱時に形状固定が解
除され形状を復元しうるようにしたものである遮
音制振材。