JPS63318329A

JPS63318329A - ライニングの固定構造

Info

Publication number: JPS63318329A
Application number: JP30493487A
Authority: JP
Inventors: Masatake Sakagami; 正剛阪上; Koichi Iwata; 岩田　幸一; Yukinori Yamashita; 幸典山下
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1987-02-05
Filing date: 1987-12-01
Publication date: 1988-12-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この発明は、ライニングの固定構造に関し、より詳しく
は、摩擦式ブレーキまたはクラッチにおける、バッキン
グプレートとライニングとの固定構造に関する。

〈従来の技術〉航空機、鉄道車両、自動車、各種産業機械等に多用され
ている摩擦式のディスクブレーキやディスククラッチに
おいては、摩擦摺動部材として、摩擦パッド或いは摩擦
ディスクが構成されている。

上記摩擦パッドおよび摩擦ディスクは、鋳鉄等からなる
バッキングプレートに、炭素材料、セラミックス、その
他の素材からなるライニングが固着されているものであ
り、これらバッキングプレートとライニングとは、接着
剤による接合、中実ビンまたは中空ビンによるピン止め
等によって互いに一体化されている。

〈発明が解決しようとする問題点〉上記摩擦パッドや摩擦ディスクにおいて、バッキングプ
レートとライニングとを接着剤により接合したものは、
使用時における摩擦熱の影響で、接着部が高温にさらさ
れ、接着剤が劣化して接着力を失い、ライニングが脱落
してしまう場合が生じている。この点特に、ライニング
として炭素材料或いはセラミックスを使用した、高速、
高負荷用のブレーキまたはクラッチにおいて顕著に生じ
ている。

一方、バッキングプレートとライニングとをピン止めし
たものについても、使用時における振動、或いは車両等
の振動に起因して、ピンがピン穴から抜脱し、ライニン
グが脱落してしまう場合が生じている。

〈発明の目的〉この発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡
単な構成にて、バッキングプレートとライニングとの固
着状態を長期間確実に維持することができるライニング
の固定構造を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉上記目的を達成するためのこの発明のライニングの固定
構造としては、バッキングプレートとライニングとの対
接部にお、いて互いに対向させた状態で形成されたピン
穴に対して、スプリングピンを弾性収縮させた状態で嵌
入している。

ただし、上記スプリングピンとしては、耐熱性の高いＮ
ｉ基合金又はセラミックスからなるものであってもよい
。

く作用〉上記の構成のライニングの固定構造によれば、バッキン
グプレートとライニングのそれぞれのピン穴に嵌入され
たスプリングピンにより、両者を一体化することができ
るとともに、スプリングピンが弾性収縮された状態でピ
ン穴に対して嵌入されているので、振動等にてスプリン
グピンがピン穴から抜脱するのを防止することができる
。

特に、上記スプリングピンが耐熱性の高いＮｉ基合金又
はセラミックスからなるものである場合には、ライニン
グからの熱伝導によってスプリングピンが高温に加熱さ
れたとしても、当該スプリングビンの弾性を充分確保し
、スプリングピンがピン穴から抜脱するのを防止するこ
とができる。

〈実施例〉以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第１図は、この発明のライニングの固定構造をディスク
ブレーキに適用した場合を示す要部断面図であり、上記
ブレーキには、固定側の摩擦摺動部材としての一対の摩
擦パッド（１）間に、被制動側の摩擦摺動部材としての
摩擦ディスク（２）が介在されている。上記一対の摩擦
パッド（１）のうちの一方は、回転方向の移動が規制さ
れた状態でブレーキ本体（３）に対して固定されている
。また、他方の摩擦パッド（１）は、ブレーキ本体（３
）に固定された油圧シリンダ（４）のピストン（４１）
に固定されており、回転方向の移動が規制された状態で
、軸方向への移動が可能になっている。さらに、摩擦デ
ィスク０）は、回転軸（図示せず）と一体回転可能に設
けられているとともに、回転軸と例えばスプライン結合
させることにより、軸方向への移動が可能になっている
。

各摩擦パッド（１〕は、第２図に示すように、平板状の
バッキングプレート（１０）と、その片面に固着された
ライニング（１１）とにより構成されており、このうち
ライニング（１１）は、炭素材料若しくはセラミックス
、またはこれらに金属を含浸させた複合材料により形成
されている。上記炭素材料としては、セラミック粉末を
混入したものや、炭素繊維にて強化したものであっても
よく、またセラミックスとしては、繊維強化セラミック
スであってもよい。また、バッキングプレート（１０）
は、鋳鉄、炭素鋼、焼結金属等にて形成されている。

上記バッキングブレー）　（１０）には、複数のピン穴
（ｈｌ）が貫通形成されており、ライニング（１１）に
は、上記ピン穴（ｈｌ）と同一寸法のピン穴（ｈ２）が
、バッキングプレート（１０）との対接部において上記
ピン穴（ｈｌ）に対向させた状態で形成されている。

そして、上記バッキングプレート（１０）とライニング
（１１）とは、それぞれのピン穴（ｈｔ）（ｈ２）に嵌
入された金属製のスプリングピン（ロールピン）（Ｐ）
によって互いに一体化されている。上記スプリングピン
（Ｐ）の自由状態における外径は、ピン穴（ｈｔ）（ｈ
２）の内径よりも若干大きくなるように設定されており
、スプリングピン（Ｐ）は上記ビン穴（旧）（ｈ２）に
対して、径方向へ弾性収縮された状態で嵌入されている
。

上記スプリングピン（Ｐ）の材質としては、ディスクブ
レーキの使用条件を考慮して適宜選択されるが、一般に
は、従来から提供されているみがき特殊帯鋼やステンレ
ス鋼からなるものが使用される。ただし、ライニング（
１１）をＣ／Ｃ（炭素繊維強化炭素複合材料）やセラミ
ックスで構成した高負荷用のディスクブレーキについて
は、ステンレス鋼よりも耐熱性の高いＮｉ基合金又はセ
ラミックスからなるものを使用するのが好ましい。これ
は、ライニング（１１）からの熱伝導によってスプリン
グピン（Ｐ）がかなり高温に加熱されたとしても、当該
スプリングピン（Ｐ）の塑性変形が防止され、その弾性
を充分確保することができる結果、かかる高温使用時に
おいても、スプリングピン（Ｐ）がピン穴（ｈｌ）（Ｒ
２）ピン穴から抜脱するのを防止することができるから
である。

一方、摩擦ディスク０については、第３図に示すように
、円盤状のバッキングプレート（２０）と、その両側面
に固着されたライニング（２１）とにより構成されてお
り、これらバッキングプレート（２０）およびライニン
グ（２１）は、それぞれ前記摩擦パッド（１）のバッキ
ングプレート（１０）、ライニング（１１）と同様な材
料によって形成されている。なお、ライニング（２１）
は、周方向に沿って複数片に分割されている。そして、
上記バッキングプレート（２０）とライニング（２１）
とは、摩擦パッド（１）と同様、ピン穴（ｈｔ）（ｈ２
）に対して弾性収縮させ状態で嵌入されたスプリングピ
ン（Ｐ）によって互いに一体化されている。なお、上記
バッキングプレート（２０）の内周には、回転軸に対す
る嵌合用の、スプライン溝（２０ａ）が形成されている
。

以上の構成であれば、油圧シリンダ（４）を作動させて
、ピストン（４１）に固定された摩擦パッド（１）を摩
擦ディスク（り側に進出させることにより、一対の摩擦
パッド（１）にて、回転中の摩擦ディスク（２）を挟み
込んで、摩擦パッド（１）のライニング（１１）と摩擦
ディスク■のライニング（２１）との間に生じる摩擦抵
抗により、摩擦ディスク■を制動させることができる。

この際、摩擦パッド（１）のライニング（１１）、並び
に摩擦ディスク■のライニング（２１）に、摩擦抵抗に
対応する回転トルクが作用するが、この回転トルクをそ
れぞれのピン穴（ｈｌ）（ｈ２）に嵌入されたスプリン
グピン（Ｐ）によって受は止めることができる、そして
、スプリングピン（Ｐ）が、ピン穴（ｈｌ）　（ｈ２）
に対して弾性収縮された状態で嵌入されているので、上
記圧接時における振動および衝撃が、スプリングピン（
Ｐ）に対して繰り返して作用しても、スプリングピン（
Ｐ）とライニング（１１）（２１）、並びにスプリング
ピン（Ｐ）とバッキングプレート（１０）（２０）との
嵌合が外れるおそれがなく、バッキングプレート（１０
）（２０）とライニング（Ｉｔ）（２１）との一体性を
、長期間にわたって確実に維持することができる。

この発明のライニングの固定構造は、上記したディスク
ブレーキのほか、ディスククラッチにおいて構成される
摩擦ディスクについても適用して実施することができ、
このほかこの発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計
変更を施すことができる。

く試験例１〉以下に示す摩擦パッドと摩擦ディスクとを、スポット型
ディスクブレーキにセットして摩擦試験を行った。ただ
し、ライニングおよび摩擦ディスクの構造は、図示した
構造と同様である。

１、摩擦パッド（１）バッキングプレート ■材料・・・鋳鉄 ■厚み・・・４Ｍ（２）ライニング ■材料・・・炭素繊維強化炭素材料 ■厚み・・・１０　ｍｍ ■ビン人尿さ・・・３　ｍｍ ■、摩擦ディスク（１）バッキングプレート ■材料・・・鋳鉄 ■外径・・・２４０ｍｍ ■厚み・・・５　ｍｍ（２）ライニング ■材料・・・炭素繊維強化炭素複合材料■外径・・・２
４０　ｍｍ　（ただし３分割）■厚み・・・５　ｍｍ ■、ピン穴の内径・・・６　ｍｍ ■、スプリングピンの外径・・・６．５ｍｍ■、スプリ
ングピンの材質・・・Ｄ９６０ＣＭまた、摩擦試験は、
慣性制動方式で行い、５．０ｋｇ・１ｓｅｃ”の慣性荷
重を摩擦ディスクに付与し、この摩擦ディスクを９３Ｏ
ｒｐｍで回転させ、摩擦ディスクによる押し付は力を１
５ｋｇ／ｃｕｔに維持し、慣性制動を１００回繰り返し
た。ただし、制動開始から回転停止に至るまでの時間は
４０ｓｅｃに設定した。

この結果、上記試験完了後においても、バッキングプレ
ートとライニングとは、スプリングピンによって強固に
固定されていることが確認された。

く試験例２〉ライニングをＳｉＣで、バッキングプレートを繊維強化
Ｓｉ３Ｎ４でそれぞれ形成し、他の構成は実施例１と同
じ摩擦パッドおよび摩擦ディスクを、実施例１°と同じ
条件で摩擦試験を行った。

く試験例３〉ライニングをＳｉＣおよびＢ４　Ｃを添加した炭素材料
で形成し、他の構成は実施例１と同じ摩擦パッドおよび
摩擦ディスクを、実施例１と同じ条件で摩擦試験を行っ
た。

〈試験例４〉試験例１の条件のうち、スプリングピンの材質を５ＵＳ
３１０Ｓ、慣性加重を６．５　ｋｇ−ｍ−ｓｅＣ２に変
更して同様の試験を行った。

く試験例５〉試験例１の条件のうち、スプリングピンの材質を、イン
コネルＸ−７５０、慣性加重を、６．５ｋｇ＝ｉ・５ｅ
ｅ２、ディスク回転数を１２１０ｒｐ１１に変更して同
様の試験を行った。

く試験例６〉試験例１の条件のうち、スプリングピンの材質を３１３
　Ｎ　４　、慣性加重を８．０　ｋｇｌｍ−ｓｅｅ２、
ディスク回転数を１３９０ｒｐａ＋に変更して同様の試
験を行った。

く比較例１〉実施例１と同一の材料、形状のバッキングプレートとラ
イニングとを、熱硬化性樹脂系接着剤で接着して、実施
例１と同じ条件で摩擦試験を行った。

この結果、１０回目の制動中において、摩擦パッドのラ
イニングが剥離して脱落した。また、この時点における
摩擦ディスクについては、ライニングを、手によってバ
ッキングプレートから簡単に剥離させることができた。

く比較例２〉実施例２と同一の材料、形状のバッキングプレートとラ
イニングとを、外径６　ｍｍの中空ピンによって一体化
させた摩擦パッドおよび摩擦ディスクについて、試験例
１と同じ条件で摩擦試験を行った。

この結果、６５回目の制動中において、摩擦パッドに嵌
入させたピンが抜は落ちて、ライニングが脱落した。ま
た、この時点における摩擦ディスクについては、ライニ
ングとバッキングプレートの間で、大きなガタッキを生
じていた。

〈発明の効果〉以上のように、この発明のライニングの固定構造によれ
ば、バッキングプレートとライニングとを、これらに対
して弾性収縮させ状態で嵌入されたスプリングピンによ
って一体化したものであるから、振動等にてスプリング
ピンがピン穴から抜脱するおそれがなく、非常に苛酷な
使用条件下においても、バッキングプレートとライニン
グとの一体性を長期間確実に維持することができるとい
う特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す要部断面図、第２図
は摩擦パッドの斜視図、第３図は摩擦ディスクの斜示図。（１）・・・摩擦パッド、（２］・・・摩擦ディスク（
１０）（２０）・・・バッキングプレート、（１１）　
（２１）・・・ライニング、（ｈｌ）　（ｈ２）・・・
ピン穴、（Ｐ）・・・スプリングピン。

Claims

【特許請求の範囲】１、摩擦式ブレーキまたはクラッチにおけるバッキングプレートとライニングとの固定構造であって、バッキングプレートとライニングとの対接部において互いに対向させた状態で形成されたピン穴に対して、スプリングピンを弾性収縮させた状態で嵌入していることを特徴とするライニングの固定構造。２、スプリングピンが、耐熱性の高いＮｉ基合金又はセラミックスからなる上記特許請求の範囲第１項記載のライニングの固定構造。