JPS6331748Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浮上濃縮槽等の水面上に浮上したフ
ロスを掻取り除去するためのフロス掻取装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来、浮上濃縮槽等の形状が矩形である場合、
走行しつつフロスを掻取つたのちのフロス掻取機
は、次の掻取操作に備えて掻取方向の逆方向に復
行するが、その際フロス層は掻取られたフロスの
重量に相当する分の重量を減じ、全体の浮上によ
り掻取り前に近いレベルにまでフロス表面が上昇
しており、フロス層内に没しているフロス掻取部
分はフロスの掻取を行わずに単にフロス表面を復
行側に押しながら復行移動することになり、フロ
ス層全体に揺動を与え、フロス層内に保持されて
いる気泡の離脱や、気泡を離脱した固形物が浮力
を失つて沈降する等の障害を生じ、作業能率が悪
いうえに分離水の水質低下をきたす欠点があつ
た。

このような欠点を排除するものとして、実公昭
57−36319号公報などにみられるように、槽壁上
に載置された走行台車にフロス掻取装置を昇降自
在に配備し、フロス掻取り後の復行時にフロス掻
取装置を上昇させることによつてフロス層を乱す
ことのないようにしたものが考案されている。

また、フロスを的確かつ効率よく掻取るため
に、前記公報などにみられるような上部に切欠口
を開口したフロス排出用スクリユーコンベアの外
側に放射状に配設されたフロス掻取具が回転する
ものも考案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような実公昭57−36319号
公報などにみられるフロス掻取装置では、各構成
部分が走行台車上に設けられ、走行台車の走行
用、フロス掻取具の回転用、昇降用、及びフロス
排出用スクリユーコンベア用の各駆動装置をそれ
ぞれ必要とし、構造も複雑であり装置全体の形状
も大きくなり、イニシアルコスト、ランニングコ
スト共に高いものとなり、さらにメンテナンスも
容易ではなかつた。

本考案は、構造の簡素化をはかり、コストの低
減化及びメンテナンスの容易化を可能にするフロ
ス掻取装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上部に切欠口を開口したフロス排出
用スクリユーコンベアの外側にフロス掻取具を放
射状に回転可能に配備したフロス掻取装置を浮上
濃縮槽等の側壁上に正逆方向に走行可能に設け、
該フロス掻取装置の走行と同時に前記フロス掻取
具を回転させるように連動せしめ、さらに前記側
壁の上方にリターンレールを並設すると共に、該
リターンレールの前記フロス掻取装置の往行終端
部側を常時下方に折り曲げられ前記側壁に接する
ようなヒンジ構造とし、前記フロス掻取装置の復
行終端部側を常時上方に弾圧されたヒンジ構造と
したことを特徴とするフロス掻取装置である。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面を参照しながら説明す
ると、浮上濃縮槽１等の側壁上にはフロス掻取装
置２が走行可能に設けられ、ワイヤー、チエーン
等で牽引されて正逆方向に走行し、かつ上下動も
許容されている。例えば、図示例のように、駆動
装置３によつて正逆回転するスプロケツト４に無
端チエーン５を上下動可能に緩くかけわたし、こ
の無端チエーン５にアタチメント６でフロス掻取
装置２のフロス排出用スクリユーコンベア７の外
筒８が接続され、フロス掻取装置２が保持されて
いる。

フロス掻取装置２は、ほぼ水平に保たれ上部に
切欠口９を開口したフロス排出用スクリユーコン
ベア７の外筒８の外側に、バケツトなどのフロス
掻取具１０を放射状に回転可能に配備したもの
で、外筒８の両端外周にはこれと摺動自在に側壁
上を転動し得るタイヤ１１が設けられ、タイヤ１
１とフロス掻取具１０とはブラケツト１２で連結
されてこれらが同時に回転するようになつてい
る。

さらに、側壁の上方にはリターンレール１３が
水平に並設され、リターンレール１３のフロス掻
取装置２の往行終端部側１４を常時自重等により
ピン１５を支点に下方に折り曲げられるようなヒ
ンジ構造とし、またフロス掻取装置２の復行終端
部側１６をバネ１７等によつて常時上方に弾圧さ
れるようにピン１８を支点とするヒンジ構造とし
てある。

しかして、駆動装置３によつて駆動されるスプ
ロケツト４の回転により無端チエーン５が走行す
ると、フロス掻取装置２が引つ張られ、タイヤ１
１は側壁上を転動する。このタイヤ１１の転動と
同時にフロス掻取具１０も回転し、無端チエーン
５と共に走行しながら順次フロスを掻取り、上部
に至つてフロス排出用スクリユーコンベア７内へ
落下させ、槽外へ排出する。このようにフロスを
掻取りながら、タイヤ１１がリターンレール１３
の往行終端部側１４を押し上げて該端部側１４を
超えると、駆動装置３を逆転させて無端チエーン
５を逆方向に走行させる。したがつて、フロス掻
取装置２は復行することになるが、この時タイヤ
１１はピン１５を支点に下方に折り曲げられてい
るリターンレール１３の往行終端部側１４に乗り
上げて上昇し、フロス掻取具１０もフロス面より
上昇してリターンレール１３上を復行し、リター
ンレール１３の復行終端部側１６に至ると、フロ
ス掻取装置２の重量によつて復行終端部側１６は
バネ１７等の弾力に抗してピン１８を支点として
下方に下がり、該端部側はタイヤ１１が通過後上
方に復帰するから、次のフロス掻取時にリターン
レール１３に乗り上げることがなく、前記のよう
なフロスの掻取りが行われる。

なお、タイヤ１１に代えてピニオンを使用する
こともでき、その場合には側壁上及びリターンレ
ール１３上にラツクを設置して、これにピニオン
を噛合させるとよい。

また、フロス排出用スクリユーコンベア７のス
クリユーの回転は、図示しない独立した駆動装置
によつて行うことができるが、タイヤ１１又は前
記のピニオンとギヤ、チエーン等を介してスクリ
ユー軸がラチエツト機構等（図示せず）を介在さ
せて一定方向にのみ増速回転するように連動させ
れば、１台の駆動装置でフロスの掻取り、排出作
業を行うことができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、フロス掻取
装置の走行、フロスの掻取り、昇降の各工程を１
台の駆動装置によつてすべて行うことができ、構
造の簡素化、コストの低減化及びメンテナンスの
容易化を可能にすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す概略図で、第１
図は平面図、第２図は側面図、第３図は正面図で
ある。 １……浮上濃縮槽、２……フロス掻取装置、３
……駆動装置、４……スプロケツト、５……無端
チエーン、６……アタチメント、７……フロス排
出用スクリユーコンベア、８……外筒、９……切
欠口、１０……フロス掻取具、１１……タイヤ、
１２……ブラケツト、１３……リターンレール、
１４……往行終端部側、１５……ピン、１６……
復行終端部側、１７……バネ、１８……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上部に切欠口を開口したフロス排出用スクリ
   ユーコンベアの外側にフロス掻取具を放射状に
   回転可能に配備したフロス掻取装置を浮上濃縮
   槽等の側壁上に正逆方向に走行可能に設け、該
   フロス掻取装置の走行と同時に前記フロス掻取
   具を回転させるように連動せしめ、さらに前記
   側壁の上方にリターンレールを並設すると共
   に、該リターンレールの前記フロス掻取装置の
   往行終端部側を常時下方に折り曲げられ前記側
   壁に接するようなヒンジ構造とし、前記フロス
   掻取装置の復行終端部側を常時上方に弾圧され
   たヒンジ構造としたことを特徴とするフロス掻
   取装置。 ２ 前記フロス掻取装置が、正逆方向に走行する
   無端チエーンに係止されて走行するものである
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のフロス掻
   取装置。 ３ 前記フロス排出用スクリユーコンベアを、前
   記フロス掻取装置の走行に連動して回転せしめ
   るべく構成したものである実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項記載のフロス掻取装置。