JPS6331061Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、静電潜像が形成される感光体と、該
感光体を帯電する帯電器と、帯電された感光体に
原稿の光像を露光する露光手段と、静電潜像を可
視像化する現像手段とを有する複写機に関する。

従来技術 複写機は、複写しようとするオリジナルの画像
をできるだけ忠実に再現して複写できるように構
成されるべきものであるが、その反面、この再現
性の向上は弊害を招く恐れも包含するものであ
る。即ち、例えば紙弊、有価証券又は証明書等が
実物と識別できない程に忠実に複写された場合、
この複写物が悪用され又は混乱を生ぜしめる原因
ともなりかねない。特にカラー複写機を用いてこ
れらを複写したときには、上記危険の生ずる可能
性は一層増大するものと考えられる。

目 的 本考案は上記不都合の生じない複写機を提供
し、複写物と実物とを容易に識別し得るようにす
ることを目的とする。

構 成 この目的を、本考案は感光体上であつて感光層
上またはその切欠部に設けられた固定情報のパタ
ーンと、該パターンが前記現像手段により可視像
化されるとき、前記帯電器による帯電々位と同極
性の電位を保持させる保持手段とを有するにより
達成した。

以下、本考案の好ましい実施例を図面に従つて
説明する。

第１図において、複写機本体に回転可能に支承
された感光体ドラム１の表面には、感光層（例え
ばセレン）２が被覆されている。ドラム１が矢印
方向に回転駆動されるとき、上記感光層は帯電器
３により帯電され、次いで露光手段４で露光作用
を受ける。これにより感光層上に原稿（図示せ
ず）に相当する静電潜像が形成され、この潜像は
現像手段５で顕像化され、次いでこの顕像は転写
シート６に転写されて複写物が得られる。

第２図に示す如く、感光体ドラム１上には本考
案により固定情報としてのコピーであることを示
す表示（コピー表示）、例えば「これはコピーで
す」なる表示の逆像が形成されている。本例にお
けるこの表示のパターンＡは、感光体ドラム表面
の感光層上に誘電体（例えばポリエステル樹脂
等）のパターンを被覆することにより形成され
る。この構成により、上述の如く感光体ドラム表
面が帯電器３で帯電されたとき、このコピー表示
のパターンＡも帯電されるが、このパターンＡは
誘電体（絶縁体）であるため露光部４で露光され
てもその電位が減衰することはない。従つて、本
実施例ではパターンＡが誘電体であることが、現
像時に帯電々位と同極性の電位を保持せしめる手
段を構成している。そして、この表示部分は現像
部５で必ず顕像化され、これが転写シート６に必
ず表示されることになる。かくして複写物上には
それがコピーである表示がなされ、実物（原稿）
と複写物とを混同する恐れは生じない。尚、上記
逆像のパターンＡは転写シート６上に正像として
転写されることは当然である。

上記実施例ではコピー表示部分Ａを誘電体で構
成したが、これを導電体で形成し、この部分に感
光体の帯電極性と同極性の電圧を印加するように
しても、この表示部分は必ず可視像化されるた
め、上記実施例と同一結果を得ることができる。
この場合、感光層上に導電体を被覆することによ
りコピー表示部分を形成することもできるが、第
３図に示す如く、導電体より成るベース部材７上
に感光層２が被覆されている感光体ドラムにおい
ては、感光層２を部分的に除去しベース部材７を
露出させこの部分７ａを他のベース部材部分から
電気的に絶縁させることによりコピー表示部分Ａ
を形成し、帯電器による感光体１の帯電極性と同
極性の電圧、例えば正の電圧を、電源８によつて
ベース部分７ａに印加しておくようにすれば、構
成が簡単となり好都合である。この実施例におい
ては、電源８が保持手段となり、その印加電圧を
調整することにより、複写されるコピー表示の濃
度を調整することもでき好都合である。

また第４図に示す如く、感光層２の上に更に誘
電体（絶縁体）層９が被覆されている形式の感光
体ドラムにおいては、コピー表示部分に相当する
感光層２部分を除去し、その部分を誘電体層だけ
で構成することによりこの表示部分Ａを形成して
も、第１図及び第２図の実施例と同一効果が得ら
れる。

尚、上記実施例では説明の便宜上感光体ドラム
上に、コピー表示部分を形成する場合を説明した
が、ドラムに必らず、例えばベルト、平板状の感
光体に対しても全く同様にコピー表示を形成でき
る。また第１図に示した形式以外の複写機、例え
ばカラー複写機に対しても上記実施例と同様に本
考案を具体化できることも当然である。

本考案は図示した形式の複写機のほか、フアク
シミリ等の静電記録装置に対しても適用できるこ
とは当然であり（例えばフアクシミリの発信機又
は受信機にコピー表示手段を設ける）、従つて本
明細書で使用している複写機なる語は、フアクシ
ミリ等をも含むものである。

効 果 以上の如く、本考案に係る複写機によればコピ
ーされた複写物上にそれが複写物であることを表
示できるので、複写機の性能が一層向上してもオ
リジナルと複写物とを混同する恐れは回避され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した複写機の一例を示す
概略図、第２図はコピー表示のある感光体ドラム
の斜視図、第３図は第２図とは別の実施例におけ
る感光体ドラムの断面部分図、第４図はさらに他
の実施例を示す断面説明図である。 １……感光体、２……感光層、３……帯電器、
４……露光手段、５……現像手段、７……ベース
部材、８……電源、９……誘電体層、Ａ……パタ
ーン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 静電潜像が形成される感光体と、該感光体を
   帯電する帯電器と、帯電された感光体に原稿の
   光像を露光する露光手段と、静電潜像を可視像
   化する現像手段とを有する複写機において、 前記感光体上であつて感光層上またはその切
   欠部に設けられた固定情報のパターンと、該パ
   ターンが前記現像手段により可視像化されると
   き、前記帯電器による帯電々位と同極性の電位
   を保持させる保持手段とを有することを特徴と
   する複写機。 (2) 前記パターンが、誘電体により形成されてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の複写
   機。 (3) 前記パターンが、導電体により形成され、前
   記保持手段が導電体に帯電極性と同極性の電圧
   を印加する電源である、実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の複写機。