JPS6330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、果樹園園等の下草を刈取るロータリ
カツタに関し、特に樹幹の幹周の下草も刈取り可
能としたロータリカツタに関するものである。

〔従来の技術〕 周知のロータリカツタとして、走行車体の進行
方向に対して側方にオフセツトされ、機体の左右
方向に横長のケーシングを有し、このケーシング
の下側に複数の回転刃を設けると共に、ケーシン
グの横長方向ほぼ中央部を水平方向に回動可能に
枢支し、ケーシングの前部一側を樹幹に当接して
ケーシングを回動しながら走行して幹周の下草を
刈取り可能とけしたロータリカツタが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このロータリカツタにおいては、刈高さの調節
には、走行車体の車輪を上下調節して刈刃の地上
高を変えるようにしているため、機構が複雑とな
り、また、コスト高になる問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案は、ケーシングの枢支部に、走行
車体側から動力伝達されて水平方向に回動するベ
ルト伝動系を設け、このベルト伝動系と同軸に、
前記ベルト伝動系と共に回動して回転刃に動力を
伝達し、かつベルト伝動系に対し軸線方向に摺動
可能な回転刃駆動装置を設け、この回転刃駆動装
置と共にケーシングおよび回転刃を上下動調節可
能にすることによつて、車輪を上下動することな
くケーシングおよび回転刃を上下動して刈高さが
調節できて、機構の簡素化、軽量化が図れるロー
タリカツタを提供しようとするものである。

〔実施例〕

以下、図示の実施例を参照して本考案を説明す
る。

第１図および第２図において、符号１は、平面
形状が縦長の長方形とした車体で、この車体１の
前部と後部には左右一対の前輪２および後輪３が
装着され、また、車体１の後端位置に操向ハンド
ル４が取付けられている。この操向ハンドル４
は、車体１の先端部一側に突出したブラケツト５
にピン６を介して左右方向に回動可能に枢支さ
れ、車体１に沿つてその後端よりやや長く延びる
ハンドル支持杆７に、一対のステー８，８を介し
て固着されている。ハンドル支持杆７の後端部に
は、車体１の幅方向に延びるスライド杆９の一端
がピン１０により水平方向に回動可能に枢着さ
れ、このスライド杆９の他端は自由端となつてい
て、車体１の後端に水平方向に回動可能に枢着さ
れたスライド受１１に摺動可能に挿通されてお
り、スライド受１１に設けた固定具１２によつて
適宜の摺動位置で固定でき、操向ハンドル４が車
体１から側方に張出す張出し量を調節するように
なつている。また、操向ハンドル４は、ステー
８，８の先端部に設けたハンドル支持部１３に上
下角度調節可能に取付けられている。

前記車体１の後部の低い位置にエンジン１４が
搭載され、このエンジン１４から、エンジン１４
の前側に設けたギヤボツクス１５より水平方向に
突出した中間軸１６に、ベルト伝動系１７を介し
て動力が伝達される。ギヤボツクス１５、中間軸
１６からは、車体１の下部側方に設けた変速機１
８にベルト伝動系１９を介して、また、後述する
カツタ部２０にベルト伝動系２１を介して、それ
ぞれ動力伝達が行なわれるようになつている。前
記変速機１８で変速された動力は、前輪伝動ケー
ス２２および後輪伝動ケース２３によつてそれぞ
れ前輪２および後輪３に伝達されるが、後輪３に
おいてはその支持軸を直接駆動し、前輪２におい
ては、車体１前部に上下動可能に支持され、両側
に転接輪２４，２４を有する駆動軸２５に伝達さ
れ、この駆動軸２５の外筒２５ａをばね２６によ
り前輪２側に付勢し、転接輪２４，２４を前輪
２，２の外周に転接する摩擦によつて前輪２を駆
動するようになつている。

前記カツタ部２０は、横長のケーシング２７の
前部横長方向中間位置を、前記ギヤボツクス１５
に基端部を水平方向に回動可能に枢支されたスイ
ングアーム２８の先端部に水平方向に回動可能に
枢支していて、その横長方向のほぼ半分位置から
車体１の側方に突出するようにオフセツトされ、
かつ、第１図に示すように、オフセツト側がやや
後退するよう変位している。そして、第１図およ
び第２図では図示省略したが、ケーシング２７を
第１図の状態に保持する複数のばねが張設されて
おり、ケーシング２７のオフセツト側前部に樹幹
を当接させて車体１を前進させたとき、ケーシン
グ２７はスイングアーム２８との枢支部を中心に
反時計方向に回動し、さらにスイングアーム２８
の揺動によつて車体１内にほぼ没入して樹幹位置
を通過し、通過後ばねの作用で元の位置に復帰す
るようになつている。

ケーシング２７の下側には、ケーシング横長方
向両側に回転中心を持つ一対の刈刃２９が、水平
方向に回転するようケーシングに支持され、機体
進行方向に対し同方向に回転して下草を刈取るよ
うにしてある。なお、符号３０はケーシング２７
のオフセツト部分の前側に装着された飛散防止カ
バーである。また、図示されていないが、前記ベ
ルト伝動系１９および２１にはそれぞれテンシヨ
ンクラツチ機構が設けてあり、ロータリカツタの
走行、刈刃２９への動力伝達をハンドル４位置で
制御するようにしている。さらに、刈刃２９は、
刈高さ調節ハンドル３１によつて上下動して刈高
さが調節できるようになつている。

前記刈高さ調節ハンドル３１は、第３図に示す
ように、スイングアーム２８の先端に固着された
円筒状の外筒３２の上端部にベアリング３３を介
して水平方向に回動するように支持され、外筒３
２内に回動かつ軸線方向に摺動可能に嵌挿された
ケーシング支持杆３４の中心部に刻設されたねじ
孔３５に螺装されるねじ杆３６を有している。前
記外筒３２下部の外周には、前記ベルト伝動系２
１のプーリ２１ａが、ベアリング３７を介して軸
支されている。また、ケーシング支持杆３４の下
端には前記ケーシング２７が固着され、その上側
のケーシング支持杆３４の外周には、ベアリング
３８を介して２段プーリ３９が軸支されている。
このプーリ３９からは、第４図および第５図に示
すように、ケーシング２７から垂下するように軸
支された左右一対の刈刃２９をそれぞれ駆動する
よう動力伝達が行なわれる。さらに、２段プーリ
３９のハブ部には、上方に向け４本の摺動杆４０
が上方に向け固着してあり、この摺動杆４０は、
前記プーリ２１ａのハブ部に穿設した孔４１に摺
動自在に挿通され、プーリ２１ａの回転動力を２
段プーリ３９に伝達するようになつている。

このように構成されたロータリカツタは、前，
後輪２，３を駆動して車体１を走行させると共
に、刈刃２９を回転させて果樹園等の下草刈りに
使用される。このとき、ケーシング２７は、その
オフセツト部分に樹幹を当接していないと第１図
に示すようにほぼ横長姿勢に保持されて、ケーシ
ングの長さとほぼ等しい幅で下草を刈取る。樹幹
の幹周の下草を刈取るときは、ケーシング２７の
オフセツト部分に樹幹を当接させ、車体１を前進
させることで、ケーシング２７はその枢支部を中
心に回動し、かつスイングアーム２８が揺動して
幹周のほぼ半分の下草を刈取り、樹幹の反対側か
ら同様に刈取ることによつて樹幹の全周部分の下
草を刈取ることができる。

そして、下草の刈高さを調節するときは、刈高
さ調節ハンドル３１を回動することによりねじ杆
３６が回動しケーシング支持杆３４を上下に摺動
させ、これと共にケーシング２７および刈刃２９
が２段プーリ３９と共に上下動し、例えば第４図
に示す刈刃２９の地上高ｈを、第５図に示すh′に
移動して刈高さを変える。このケーシング支持杆
３４の上下摺動に伴つて摺動杆４０も孔４１に沿
つて上下摺動し、ベルト伝動系２１の回転動力を
２段プーリ３９に伝達して刈刃２９を回転駆動す
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案のロータリカツタに
よれば、ケーシング２７の枢支部に、走行車体１
側から動力伝達されて水平方向に回動するベルト
伝動系２１を設け、このベルト伝動系２１と同軸
に、ベルト伝動系２１と共に回動して回転刃２９
に動力を伝達し、かつベルト伝動系２１に対し軸
線方向に摺動可能な回転刃駆動装置を設け、この
回転刃駆動装置と共にケーシング２７および回転
刃（刈刃２９）を上下動調節可能にしたので、従
来のロータリカツタのように支持車輪を上下動し
て刈高さを調節する場合に比べ、刈高さ調節ハン
ドル３１を回動するだけで簡単に刈高さが調節で
き、しかも回転刃への動力伝達を行う状態のまま
上下調節ができて機構の簡素化および軽量化が図
れ、操作が簡単となり、また、生産コストを低減
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すロータリカツタ
全体の平面図、第２図は同側面図、第３図は要部
の断面図、第４図および第５図は使用態様を示す
部分側面図である。 １……車体、２……前輪、３……後輪、４……
操向ハンドル、１４……エンジン、１５……ギヤ
ボツクス、１６……中間軸、１７，１９，２１…
…ベルト伝動系、２１ａ……プーリ、２０……カ
ツタ部、２７……ケーシング、２８……スイング
アーム、２９……刈刃、３１……刈高さ調節ハン
ドル、３２……外筒、３４……ケーシング支持
杆、３５……ねじ孔、３６……ねじ杆、３９……
プーリ、４０……摺動杆、４１……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 走行車体の進行方向に対して側方にオフセツト
   され、機体の左右方向に横長のケーシングを有
   し、このケーシングの下側に複数の回転刃を設け
   ると共に、ケーシングの横長方向ほぼ中央部を水
   平方向に回動可能に枢支し、ケーシングの前部一
   側を樹幹に当接してケーシングを回動しながら走
   行して幹周の下草を刈取り可能としたロータリカ
   ツタにおいて、 前記ケーシングの枢支部に、走行車体側から動
   力伝達されて水平方向に回動するベルト伝動系を
   設け、このベルト伝動系と同軸に、前記ベルト伝
   動系と共に回動して回転刃に動力を伝達し、かつ
   ベルト伝動系に対し軸線方向に摺動可能な回転刃
   駆動装置を設け、この回転刃駆動装置と共にケー
   シングおよび回転刃を上下動調節可能に構成した
   ことを特徴とするロータリカツタ。