JPS6330979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動遮断ガスメータに関する。

近時、保安上の理由から、需要家におけるガス
供給管にガスメータとは別個にガス遮断装置を設
け、これをガス漏れ時や地震時等に自動的に作動
させてガスの供給を自動的に遮断する装置が提案
されている。しかしこの自動ガス遮断装置は、ガ
スメータとは別個に設置されることから、設置に
当り、別個に占有空間を要するうえ、既設の配管
については変更工事をも要し、空間の余裕がなく
て設置できないことがあり、又、需要家に長時間
のガス使用停止を強制するなどの欠点があつた。

本考案は前記のようなガス自動遮断装置の機能
を組み込んで前記のような欠点を解消すると共に
各需要家に設置されたガスメータの規定以上の過
流量が流れた場合には、ガス供給を自動的に遮断
して安全性を確保し、しかも過流量を早期に発見
してガスメータの機種の変換等の対処ができるよ
うなガス遮断機構をも組み込んだ自動遮断ガスメ
ータを提案することを目的とするものである。

次に図面に示す本考案の実施例について説明す
る。

１は下部ケース、２は上部ケースで、該ケース
２の上部にガスの入口３と出口４が形成されてい
る。入口３より導入されたガスは弁室５、弁体
６、分配室７を通つて計量室８に入り、その圧力
で膜板９を押し、他方の計量室１０内のガスは分
配室１１、弁体６、分配室１２、出口管１３を通
つて出口４より供給されるようになつている。そ
して、前記弁体６及び膜板９の動作は、翼腕１
４、翼軸１５、ひじ金１６、クランク機構１７、
弁体６の駆動軸１８等により行なわれ、これらの
機構は公知のものである。１９は上部ケース２の
中央部に設けたガス遮断機構で次のように構成さ
れている。上部ケース２の頭部にケース２０を固
設し、該ケース２０内に電磁石２１が固着されて
いる。電磁石２１の中心には作動軸２２が貫通
し、その上部に、電磁石２１に対向する磁性材よ
りなる吸着板２３が固着されていると共に圧力調
整ばね２４により該作動軸２２が上方に付勢され
ている。２５は作動軸２２に固設したノブであ
る。２６は軸２２に固着した磁性材よりなる保持
板で、前記吸着板２３が電磁石２１に吸着した下
降位置においてケース２側に固設した永久磁石２
７に吸着されるような位置に設定されている。作
動軸２２の下部はケース２内に突入しており、そ
の作動軸２２に、ダイアフラム２８とクランク軸
回転止め板２９が固着されている。ダイアフラム
２８の上面は、前記入口３に常時連通する弁室５
内に面して該入口側のガス圧力P₁が作用するよ
うになつており、ダイアフラム２８の下面は、隔
壁３０によつて前記出口管１３と連通させた室３
１に面して出口側のガス圧力P₂が作用するよう
になつている。該ダイアフラム２８は常時ばね３
２により上方へ付勢されている。クランク軸回転
止め板２９は、第２図に示す如く、軸２２の下端
に固着され、軸２２が下動することによりその係
止部２９ａが、前記クランク機構１７の水平回転
部材１７ａの回転軌跡内に位置してその部材１７
ａの動きを止め、これによつて弁体６等の動きを
止めてガスの流れを止めるようになつている。
尚、前記電磁石２１は、例えばガス漏れ警報器に
連結して、ガス漏れ時にガス漏れ警報器のリレー
を作動し電磁石２１を励磁して作動軸２２を下動
させる。

以上のようであるから、ガス漏れ或いは地震時
等にこれを感知する機器より電磁石２１に信号電
流が流れると、電磁石２１が作動して吸着板２３
が吸着されて作動軸２２を下降させる。この下降
によりクランク軸回転止め板２９が第２図の如く
下降し、部材１７ａの動きを止めて弁体６等の動
きを止め、ガスの流れを遮断する。この下降によ
り保持板２６が永久磁石２７に吸着するので、電
磁石２１が消磁しても、その下降状態は確実に保
持される。そしてこのガス遮断状態を解除するに
は、キヤツプ２０ａを外してノブ２５を摘んで作
動軸２２を引き上げることにより行なう。

第３図に本考案を適用するガスメータの圧力損
失（P₁−P₂）特性を示す。特性曲線の示すよう
に入口側の圧力P₁と出口側の圧力P₂との差は通
常ガスメータの圧力損失と呼称され（P₁−P₂）
はガス流量の２乗に比例して上昇する。圧力損失
が流量の２乗に比例して急上昇することを利用し
て本考案の遮断弁閉止力としたものである。

第３図に示す５m³／ｈがこのメータの最大流量
とするとこの時の圧力損失は点Ｐで示され圧力損
失は12mmH₂Oである。さらに極微少流量におい
てΔP＝1.8mmH₂Oの圧力損失がある。従つて５
m³／ｈの流量において弁閉止力として利用できる
圧力損失は12−ΔP＝10.2mmH₂Oである。これが
低流量域の３m³／ｈでは5.8mmH₂Oの上昇で上昇
分は5.8−ΔP＝4.0mmH₂Oで10.2mmH₂Oに対し小さ
な値で遮断弁閉止力にはなり得ない。前記10.2mm
H₂Oの圧力損失によつてダイアフラム２８は、
ばね３２に抗して下動して作動軸２２を下降させ
前記と同様にガスを遮断する。保持板２６の保持
作用、作動軸２２の復帰操作は前記と同様であ
る。

以上のように本考案におけるガスメータにおい
ては、これに自動ガス遮断機能を組み込んだので
前記従来の欠点を解消できると共にこの自動ガス
遮断機構を電気的に作動できるので、ガス漏れや
地震等を感知して電気信号を発する機器よりの外
部信号によつてガスを自動的に遮断できる上に規
定以上のガスが過流出した場合にも前記自動ガス
遮断機構を作動して前記所期の目的を達成できる
など実用上有効なものである。

更に又、電磁石とダイアフラムの作動により昇
降する共通の作動軸の下端に止め板を固着したの
で、外部信号又は過流出の何れの場合にも作動す
る自動遮断ガスメータを簡単な構造で実現できる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
はクランク軸回転止め板部の側面図、第３図はガ
スメータの圧力損失特性を示す図である。 ２……上部ケース、３……入口、４……出口、
１７……クランク機構、２１……電磁石、２２…
…作動軸、２８……ダイアフラム、２９……止め
板、２９ａ……係止部、３２……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガスメータの上部ケース２の外部に設けた電磁
   石２１と、内部に設けたダイアフラム２８と、こ
   れら両者に共通の作動軸２２とを設け、かつ前記
   共通の作動軸２２の下端には止め板２９を固着
   し、前記ダイアフラム２８はその上面を入口３に
   連通し、下面を出口４に連通すると共に、ダイア
   フラム２８を上方に付勢するばね３２を設けて、
   ダイアフラム２８の上面と下面に作用する入口３
   と出口４の圧力差によつて作動軸２２を昇降させ
   るようにし、また止め板２９は作動軸２２の下降
   によつて、弁体６等に連けいするクランク機構の
   回転軌跡内に位置して弁体等の動きを停止させ、
   作動軸２２の上昇によつてクランク機構の回転軌
   跡内より離間するように設定したことを特徴とす
   る自動遮断ガスメータ。