JPH0125899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス漏れや地震の発生により自動的に
ガス流路を遮断するガス遮断器に関するものであ
る。

近年プロパンガスなどのガス漏れによる爆発や
火災事故が多く発生し、その被害も甚大である。
このため各種の警報装置が開発され、特にガス漏
れセンサーと、ブザーとを組合せた構造のものが
一般に多く利用されている。

しかしながら、このように単にブザーによる警
報だけでガス漏れの発生を知らせるものは、ガス
流路の遮断を人手で行なう必要があるため、外出
して不在の場合には何ら役にたたない。

また地震が発生した時、避難に手間どり、火気
の消火やガスの元栓を締め忘れることもあり、こ
のため２次災害による爆発や火災の危険性があつ
た。

本考案はかかる点に鑑みなされたもので、ガス
漏れや地震の発生を検知し、直ちにガスの流路を
元栓側で自動的に遮断し、人が不在の場合でも爆
発や火災の発生を確実に防止して、安全性を高め
たガス遮断器を開発したものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
のである。

図において１はガス遮断器で、プロパンガスの
ボンベ近傍や、都市ガスの元栓近傍に設けられ、
また２は制御部で、室内のガス器具の近くに配置
され、これらはリード線により接続されている。

ガス遮断器１は、ガス調圧弁３の片側に第１の
ソレノイド４が、反対側にロツク機構５が設けら
れている。６はガス調圧弁３から上部が突出した
弁体駆動軸、７はこれに一端が取付けられた第１
のレバー、８はこの上方に設けられ、前記第１の
ソレノイド４とロツク機構５を接続する第２のレ
バー、９はロツク機構５と第２のソレノイド１０
を接続する第３のレバーである。

また制御部２は、メインスイツチ１１、リセツ
トスイツチ１２、メインタイマー１３、第１のタ
イマー１４、第２のタイマー１５、地震センサー
１６およびリレー１７Ａ，１７Ｂとから構成され
ている。

前記ガス調圧弁３は第２図に示すように上部が
円筒状に、下部が中空円板状に形成された本体ケ
ース１８の底部に図示しないガスボンベに接続し
たガス導入口１９が設けられ、これと本体ケース
１８内を通つて連通し、室内のガス器具に接続す
るガス管が取付けられるガス流出口２０が設けら
れている。

２１はガス導入口１９に設けられたノズル、２
２はこれを開閉する弁体である。この弁体２２は
レバー２３を介して弁体駆動軸６に連結され、こ
の弁体駆動軸６の中間には、中空部の上部を覆う
ゴム製のダイヤフラム２４に固定されている。更
にその上部がダイヤフラム２４を貫通し、その先
端が本体ケース１８の上部から突出している。本
体ケース１８内の弁体駆動軸６にはコイルスプリ
ング２５が差し込まれ、弁体駆動軸６の先端は、
常時下方に付勢されている。

またガス調圧弁３の本体ケース１８から突出し
た弁体駆動軸６の上端側には止め金２６が取付け
られている。

第１のレバー７は、軸７Ａに支持され、その一
端側をＵ字形に切欠して、ここを弁体駆動軸６に
遊嵌状に差し込み、止め金２６で上方への抜けが
防止されている。

第２のレバー８は軸８Ａに支持され、中間部に
前記弁体駆動軸６が貫通する長孔２７が形成さ
れ、第１のレバー７の上方に重なつて、その端部
側上面と摺動自在に当接するようになつている。
第２のレバー８は、その一端側が第１のソレノイ
ド４の可動軸４Ａの先端に連結され、他端側に嵌
合溝２８が形成されている。

第３のレバー９は第１図に示すようにスタンド
２９に軸９Ａで支持され、その一端側は第２のソ
レノイド１０の可動軸１０Ａに連結され、他端側
は折曲してその先端に円柱突起３０が水平に突設
されている。

ロツク機構５はスタンド３１の上面に摺動自在
に取付けられた板状のストツパー３２と、このス
トツパー３２の先端中間部を上方に折曲し、これ
と当接するＬ形のレバー３３と、このレバー３３
の下方に当接する前記第３のレバー９の円柱突起
３０と、ストツパー３２の先端が出入自在に嵌合
する第２のレバー８に設けた嵌合溝２８と、スト
ツパー３２と第２のレバー８の軸８Ａとの間に連
結されたコイルスプリング２５とから構成されて
いる。

また制御部２に設けられた地震センサー１６は
第４図に示すように軸３４の先端に、鎖３５を介
して重り３６が連結され、前記軸３４の中間に円
板３７が固定され、更にこの下方に感度調整用の
コイルスプリング２５が取付けられ、コ字形のブ
ラケツト３８に取付けられている。前記円板３７
の下面にはスイツチ３９の接点レバー４０が当接
し、前記コイルスプリング２５により常時下方に
付勢されている。

また電源４１に接続されたメインスイツチ１１
は第１図に示すように、メインタイマー１３およ
び第１のタイマー１４を介してリレー１７Ａに接
続されている。このメインタイマー１３は数時間
の範囲で設定可能で、設定時間経過後、電源４１
を遮断するようになつている。

リセツトスイツチ１２は第１のタイマー１４を
介してリレー１７Ａに接続されている。。第２の
タイマー１５はメインタイマー１３、リセツトス
イツチ１２および地震センサー１６のスイツチ３
９に夫々接続し、これらの信号をリレー１７Ｂに
伝達するようになつている。

これら第１および第２のタイマー１４，１５は
夫々１〜２秒程度動作するように設定され、リレ
ー１７Ａ，１７Ｂを介して接続された第１および
第２のソレノイド４，１０の焼損を防止するよう
になつている。

次に上記構成をなすガス遮断器の動作について
説明する。

先ずメインスイツチ１１をオンすると、作動時
間を例えば２時間に設定したメインタイマー１３
が作動を開始する。ガス流路が遮断されている状
態では第２図に示すようにロツク機構５のストツ
パー３２が、第２のレバー８の端部に形成した嵌
合溝２８に嵌合してロツクしている。この状態で
第２のレバー８はほぼ水平に維持され、この下面
で摺動自在に当接している第１のレバー７の一端
側を押し下げ、弁体駆動軸６に嵌合している他端
側は押し上げられている。。弁体駆動軸６が押し
上げられた状態では、この下端に連結したレバー
２３を介して弁体２２が押し下げられ、ノズル２
１を塞いだ形となり、ガス流路は遮断されてい
る。

メインスイツチ１１がオンし、メインタイマー
１３の作動開始と共に第１のタイマー１４が１秒
程度作動し、リレー１７Ａを介して第２のソレノ
イド１０に通電される。第２のソレノイド１０が
励磁されると、その可動軸１０Ａが下降し、これ
に伴つて第３図に示すように第３のレバー９が矢
印方向に回動する。第３のレバー９の一端に突設
した円柱突起３０が押し上がると、Ｌ形状のレバ
ー３３の下面を押し上げて回動させ、その上部で
当接するストツパー３２を矢印方向に押し戻す。
一方、第１のソレノイド４に連結された第２のレ
バー８は常時矢印方向に回動するように付勢され
ているので、ストツパー３２がレバー３３の回動
により押し戻されて、嵌合溝２８から抜けると、
第２のレバー８は矢印方向に回動して傾斜した状
態となる。

この結果、今まで第２のレバー８により押し下
げられていた第１のレバー７は解除され、これと
嵌合したガス調圧弁３の弁体駆動軸６は押縮めら
れていたコイルスプリング２５の弾性力により下
方に押し下げられる。弁体駆動軸６が押し下げら
れると、レバー２３が矢印方向に回動し、ノズル
２１を押えていた弁体２２が上つてガス流路が開
放される。この結果ガス導入口１９から入つたガ
スは内部を通つてガス流出口２０から台所のガス
器具に導かれる。

この場合、ガス器具の使用状態によりガスの流
量や圧力が変化し、例えば口火を点火しただけの
状態と、栓を全開して燃焼させた場合とでは大き
く変化する。このガス流量の変動に応じてガス調
圧弁３のダイヤフラム２４が上下する。このダイ
ヤフラム２４に連結された弁体駆動軸６の上下動
に伴つて、これに嵌合した第１のレバー７は、第
２のレバー８から開放されているので自由に回動
し、ガス流量の変動に影響を与えない。

ガス器具の栓を閉めると、第３図に示すように
ガス調圧弁３内のガス流路はそのまま開放されて
いる。この後、制御部２のリセツトスイツチ１２
を押すと、第２のタイマー１５およびリレー１７
Ｂが作動して第１のソレノイド４が励磁されて可
動軸４Ａが下降する。可動軸４Ａに一端側が連結
された第２のレバー８は回動し、他端側に形成さ
れた嵌合溝２８が上方に回動し、コイルスプリン
グ２５により引張られていたストツパー３２が嵌
合して第２図に示すようにロツクされる。第２の
レバー８が回動するとき、この下方に摺動在に当
接した第１のレバー７が押し下げられ、弁体２２
がノズル２１を塞いでガス流路は元栓側で確実に
遮断される。

従つてガス器具の栓が完全に閉められていなく
ともリセツトスイツチ１２を押すことにより元栓
が閉じられて安全である。

またメインスイツチ１１をオンしてから設定し
た２時間が経過すると、第２のタイマー１５とリ
レー１７Ｂが作動して、第１のソレノイド４を励
磁し、同様にガス流路が元栓側で遮断されるの
で、リセツトスイツチ１２を押し忘れても安全で
ある。

またガス器具を再び使用する場合には、リセツ
トスイツチ１２を押すと、第１タイマー１４とリ
レー１７Ａが作動して、第２のソレノイド１０が
励磁され、第３図に示すようにガス流路が開放さ
れる。

地震が発生し、ガス器具の近くに設置してある
制御部２が揺れると、地震センサー１６の重り３
６が、第４図で仮想線で示すように一時的に転倒
して戻る。このとき鎖３５を介して連結された軸
３４が引き上げられる。この結果、軸３４に取付
けた円板３７が上昇し、これに伴つてスイツチ３
９の接点レバー４０が回動し、オン状態となる。
スイツチ３９がオンになると、第２のタイマー１
５およびリレー１７Ｂを介して第１のソレノイド
４が数秒間励磁する。このため第１のソレノイド
４に連結した第２のレバー８が回動して第２図に
示すようにロツクされ、ガス流路は元栓側で遮断
される。

なお上記実施例ではセンサーとして地震センサ
ー１６を用いた場合について示したが、ガス漏れ
を電気的に検知し、これをブザーなどにより知ら
せるガス漏れセンサーを用いても良く、また両者
を併設したものでも良く、更に火災センサーを併
設しても良い。

またメインタイマー１３は、長時間使用しない
場合の二重安全機構として用いたが、本考案では
必要に応じて設ければ良い。

以上説明した如く、本考案に係るガス遮断器に
よれば、ガス漏れや地震の発生を検知し、直ちに
ガスの流路を元栓側で自動的に遮断し、人が不在
の場合でも爆発や火災の発生を確実に防止して安
全性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例によるも
ので、第１図はガス遮断器の概略平面図、第２図
はガス流路を遮断した状態のガス遮断部を一部破
断して示す正面図、第３図はガス流路を開放した
状態のガス遮断部を一部破断して示す正面図、第
４図は地震センサーを示す側面図である。 １……ガス遮断部、２……制御部、３……ガス
調圧弁、４……第１のソレノイド、５……ロツク
機構、６……弁体駆動軸、７……第１のレバー、
８……第２のレバー、９……第３のレバー、１０
……第２のソレノイド、１１……メインスイツ
チ、１２……リセツトスイツチ、１３……メイン
タイマー、１４……第１のタイマー、１５……第
２のタイマー、１６……地震センサー１７……リ
レー、１８……本体ケース、２１……ノズル、２
２……弁体、２４……ダイヤフラム、２５……コ
イルスプリング、２８……嵌合溝、３０……円柱
突起、３２……ストツパー、３６……重り、３９
……スイツチ、４０……接点レバー、４１……電
源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部を流通するガスによりダイヤフラムが膨張
   収縮してダイヤフラムに連結した弁体駆動軸を動
   作させるガス調圧弁と、ガス調圧弁の本体ケース
   より突出した前記弁体駆動軸の先端に、これと連
   動するように一端側を連結した第１のレバーと、
   この第１のレバーの上方に設けられ、その他端側
   上面と摺動自在に当接する第２のレバーと、この
   第２のレバーの一端側に接続された第１のソレノ
   イドと、他端側に設けられたロツク機構と、この
   ロツク機構と一端側で接続し、他端側が第２のソ
   レノイドと連結した第３のレバーと、前記第１の
   ソレノイドに接続されたガス漏れまたは地震など
   のセンサーとからなるガス遮断器。