JPH0434290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は、ガス遮断弁機能をヒユーズコツク
に一体に組付けた遮断弁内蔵ヒユーズコツクに関
する。

《従来の技術》 ガス供給系の安全を保つための機器として、ヒ
ユーズコツクおよびガス遮断弁がある。

ヒユーズコツクはガス配管の末端に装着され、
ガス流量が所定以上になると内部に設けた弁体が
その流速により弁座面に押付けられてガス通路を
遮断する機能をもつた構造であり、末端の圧力回
復によりガス通路を開く構造となつている。

ガス遮断弁は、同じくガスの減圧状態を機構的
に検出して遮断するヒユーズコツクに類似する動
作機構をもつたもののほか、ガス漏れ警報器など
の検知器の警報出力によりソレノイドを駆動して
ガスを遮断するもので、その構造は様々なものが
知られている。特に最近では前記ガス洩れ警報器
に連動してソレノイド式に遮断動作するものが多
く出回つており、減圧状態が作動圧力に達しなく
てもガス洩れがあつた場合にはただちに駆動でき
るものが実用化され始めている。

しかし、これらは夫々短所があり、ヒユーズコ
ツクはガス漏れ量が作動圧に達しない限り駆動し
ない。また、ガス遮断弁は検知器側の検出感度に
左右され、ガスが一定濃度以上にならないと動作
しない。

したがつて、ヒユーズコツク単体だけでは、ガ
スが排気されていない場合であつても器具の栓を
締めると作動が停止するため、再点火の際に爆発
などの危険性を含む。また、遮断弁単体である
と、ガス洩れ検知器が作動状態となるまでは駆動
信号が送られず、漏れ量が少量であつて、換気の
良い箇所では不安要素がある。

以上により、さらに安全性を増すには配管中に
ヒユーズコツク、およびガス遮断弁を併設するこ
とが必要である。

《考案が解決しようとする問題点》 しかしながら、これらはそれぞれ単体としては
種々の構造のものがあるが、双方の機能をもつも
のは従来はなかつた。

また、一般的に遮断弁は最近になつて普及して
きたものであるため、新築以外は後から配管に組
込まれ、ガス洩れ警報器の増設などに伴い、ガス
遮断弁を既設配管の途中に接続するようにしてい
る。

この場合には、配管接続作業が面倒で、接続部
も多くなるため、この部分における信頼性および
配管強度が低下し、かつ工事費などの余分なコス
トがかかつていた。

さらには、ガス遮断弁を屋外に設置し、室内側
の警報器に連動させる場合には、配線を屋外に引
き出さなければならず、外壁を貫通するなどの作
業を必要とし、配線引き廻しおよび外観処理等も
面倒なものとなつていた。

この考案は、以上の問題点を解決するもので、
ヒユーズコツクにガス遮断弁機能を組付けること
により、両者の機能を損うことなく双方の機構に
おける部品の共用化を図り、これにより機構の簡
素化と配管接続作業の簡素化および接続部の増加
による信頼性、強度低下を防止することを目的と
する。

《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この考案では、弁ハ
ウジングのガス通路に設けた弁座と、この弁座の
上流側に位置し、弁座に密接した際にガス通路を
遮断する弁体と、この弁体を前記弁座に離接する
方向に揺動自在に支持するとともに、弁体を弁座
から離れる方向に付勢し、所定流量以上のガスが
流れた際に、弾性的にたわんで弁体を弁座に密接
させる弾性部材と、中間部分を支点にして揺動自
在に設けられ、一端部を前記弁体の背部に押し当
てて、前記弁体を前記弁座に密接させる作動レバ
ーと、この作動レバーの他端部を押して、前記一
端部が前記弁体の背部を押す方向に移動するよう
に作動レバーを揺動させるプランジヤと、前記弁
ハウジングの外側に設けられ、前記プランジヤを
作動するソレノイドと、前記弁ハウジングに外部
から貫通して設けられ、前記作動レバーの他端部
を押して、前記一端部が前記弁体から離れる方向
に移動するように作動レバーを揺動させるリセツ
ト棒とを備えたことを特徴とする。

《作用》 以上の構成によれば、ガスの流速およびガス漏
れ検知出力のいずれでも弁体はガス通路を遮断
し、いずれかの状態が維持していた場合に復帰動
作しても再度遮断されることになる。

《実施例》 以下、この考案の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。

第１図はこの考案に係る遮断弁内蔵ヒユーズコ
ツク（以下単にヒユーズコツクと略記する）１を
用いたガス配管説明図、第２図、第３図は同ヒユ
ーズコツク１の断面図である。

先ず第１図において、ガスボンベ２、圧力調整
器３およびガスメータ４は屋外にガス管５を介し
て直列に接続されている。ガスメータ４の吐出側
ガス管５は外壁６を通じて屋内Ｒに引き込まれ、
その供給端に前述のヒユーズコツク１が配管接続
されている。

このヒユーズコツク１の吐出ポートにはゴムホ
ース７を介してガスコンロその他のガス器具８が
接続されている。

ガス器具８の近傍にはガス漏れ警報器９が配置
され、その信号ケーブル１０をヒユーズコツク１
に接続している。

なお、ガス洩れ警報器９と連動する従来のガス
遮断弁単体は一般的には接続スペースの関係で同
第１図Ａで囲われた屋外ガス管５中に接続されて
おり、信号ケーブル１０も外壁６を貫通して配線
していた。

前記ヒユーズコツク１は、第２図、第３図に示
すように、一端にガス供給ポート１０１を、他端
にがガス吐出ポート１０２を夫々形成した弁ハウ
ジング１０３と、弁ハウジング１０３の内部に形
成された弁座１０４に対向して枢支軸１０５に揺
動可能に枢支された弁体１０６と、弁ハウジング
１０３の上部を貫通して昇降可能に保持されたリ
セツト棒１０７と、弁ハウジング１０３の外側の
下面に固定されたソレノイド１０８と、ソレノイ
ド１０８内に保持され、弁ハウジング１０３の底
面を貫通して上方に向つて突出するプランジヤ１
０９とを備えている。

前記弁ハウジング１０３のガス供給ポート１０
１の外周部には前記ガス配管５末端に設けたニツ
プル５ａに遊嵌されたユニオンナツト１１０がパ
ツキンＰを介してねじこみ結合している。

また、前記吐出ポート１０２の外周は同じくニ
ツプルが形成され、これに前記ゴム管７を嵌合す
ることで、ガス末端をガス器具８に接続してい
る。

前記弁体１０６は、前記枢支軸１０５に枢支さ
れた巻バネ１１１の一端に設けられ、前記弁座１
０４の周囲に設けたＯ−リング１１２に対向して
いる。

枢支軸１０５にはＬ字形の作動レバー１１３が
同軸上に枢支され、前記巻バネ１１１の他端側を
このレバー１１３に当接させている。

レバー１１３の上側の一端部は前記弁体１０６
の背面に位置しており、巻バネ１１１の付勢力に
よつて、常時弁体１０６の後傾位置に付勢され、
レバーの１１３前面に当接し、この状態でレバー
１１３および弁体１０６とも後方に付勢され、前
記弁座１０４を開状態に保持している。

開状態で、前記レバー１１３の他端側は前記プ
ランジヤ１０９の突出端に当接し、後傾位置を規
制されている。

前記リセツト棒１０７の上端にはリセツトボタ
ン１１４が一体化されている。リセツトボタン１
１４と弁ハウジング１０３の頂部にはスプリング
１１５が介在され、常時リセツトボタン１１４を
リセツト棒１０７とともに上方位置に付勢してい
る。

前記ソレノイド１０８は弁ハウジング１０３の
下面にビス等を介して固定されたケース１１６
と、ケース１１６内にあつて、前記プランジヤ１
０９の外周に位置するソレノイドコイル１１７
と、ソレノイドコイル１１７から外部に引出され
た前述の信号ケーブル１０と、ソレノイドコイル
１１７の下部に設けたマグネツト１１８を備え、
ソレノイドコイル１１７の非励磁状態でマグネツ
ト１１８の吸引力によりプランジヤ１０９を下部
側に吸引し、励磁状態での反撥によりプランジヤ
１０９を突出付勢するようになつている。

次に以上の構成のヒユーズコツク１の作用を説
明する。

吐出ポート１０２の開状態でガス漏れが生じ、
所定流量以上のガスが流動すると弁体１０６は巻
バネ１１１の付勢力に抗して前傾し、これらが弁
座１０４に接することで通路遮断する。同時にガ
ス漏れ警報器９の検知により、前記レバー１１３
も一体となつて前傾する。

なお、この作用は一般的にはヒユーズコツクと
同一の作用である。

また、ガス漏れ警報器９によりガス漏れの検出
のみがされると、その検知出力により信号ケーブ
ル１０を介してソレノイドコイル１１７が励磁
し、この反撥力によりプランジヤ１０９は突出し
レバー１１３とともに弁体１０６を前傾させるこ
とにより通路遮断する。

以上の自動遮断作用は単独または双方の複合作
用によつて行われる。

この状態から復帰するには、前記リセツトボタ
ン１１４を押し、レバー１１３の下端を押し下げ
ればレバー１１３は第３図に実線で示す元位置に
復帰する。復帰動作と同時に前記プランジヤ１０
９の押し下げ動作も行える。

ガス器具８側が正常復帰し、屋内のガスが換気
され、ガス器具８の栓が閉じているのならば、弁
体１０６は巻バネ１１１のばね圧により復帰し、
正常にガス流通が行われる。

若し器具８側に漏れがあつた場合にはガスの流
速が大きいままであるため、リセツト棒１０７に
よる復帰操作を行つたとしても、レバー１１３の
みが元位置に復帰するのみで、弁体１０６は第３
図の実線で示すように、弁座に当接した状態を保
持する。

また、換気がなされていないならば、当然ガス
洩れ警報器９は作動したままであるから、リセツ
ト棒１０７を押出し、プランジヤ１０９を元位置
に押し込めても、ソレノイド１０８は駆動状態で
あるから、プランジヤ１０９は再突出し、ふたた
び弁体を閉じる。

したがつて、ガス器具８を解放したままの状
態、および換気が完全に行われていない状態で
は、ガスの遮断状態は維持され、感染に危険状態
が解除された場合に始めて再解放されるのであ
る。

《効果》 以上実施例により詳細に説明したように、この
考案によれば、従来のヒユーズコツク単体の機能
を全く損わないガス洩れ検知器に連動するガス遮
断弁機能を付与でき、従来のように夫々の単体を
ガス配管中に組込むものに比し配管接続を簡単に
でき、かつ接続個所増加による信頼生低下や強度
低下がなく、また低コストに取付けることができ
る。

なお実施例で示したようにガス管末端に本考案
品を取付ける場合には従来のヒユーズコツクと交
換をするのみでよく、またガス洩れ警報器に対す
る配線も屋内配線でよいので更に取付けが簡単と
なる。

また、弁体は軽動作によつて作動するため、ソ
レノイドは軽動作で弁体を動かすに足るトルクで
よく、軽量小型で安価となる。

さらに、例えば下流側のホースの破損によつ
て、大量のガスが流れた場合には、弾性部材の付
勢力に抗して弁体が弁座に密接して、ガス通路を
遮断することができ、またガス漏れ等の異常が発
生した場合には、例えば異常信号を電気出力に替
えてソレノイドに入力することにより、プランジ
ヤ及び作動レバーを介して弁体を弁座に密接さ
せ、これによりガス通路を遮断することができ
る。しかも、異常信号に対してはリセツト棒によ
り、作動レバーを介して弁体を弁座から離間さ
せ、弁座部の通路を開状態に復帰することがで
き、また下流側でのホースの破損等に対しては、
破損部の復旧が完了したならば、弾性部材の付勢
力によつて弁体が弁座から自然に離間し、弁座部
の通路を開状態に自然に復帰することができる。
そして、作動レバーと弁体とが異なるもので構成
されているから、例えば下流側のホースの破損に
より弁座部の通路が遮断されている場合には、リ
セツト棒を操作しても通路が開口することがな
く、不注意等によるガス漏れを完全に防止するこ
とができる。さらにまた、プランジヤやリセツト
棒は作動レバーの他端部を押すことによつて弁体
を移動するものであるから、作動レバーの他端部
の位置によりプランジヤやリセツト棒及びソレノ
イドを弁ハウジングの自由な位置に設けることが
できる。また、作動レバーの揺動支点から一端部
あるいは他端部までの距離を変えることにより、
弁体を大きな力で移動するようにしても、また高
速で移動するようにも自由に設計することができ
る。さらに、ソレノイドが弁ハウジングの外側に
設けられているから、電気的な火花がガス流路内
で発生することがなく、防爆上きわめて安全であ
るという顕著な作用効果を奏することできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る遮断弁内蔵ヒユーズコ
ツクを用いたガス配管説明図、第２図、第３図は
同ヒユーズコツクの断面図である。 １……遮断弁内蔵ヒユーズコツク、１０１……
ガス供給ポート、１０２……ガス吐出ポート、１
０３……弁ハウジング、１０４……弁座、１０６
……弁体、１０７……リセツト棒、１０８……ソ
レノイド、１０９……プランジヤ、１１１……巻
バネ（弾性部材）、１１３……作動レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁ハウジングのガス通路に設けた弁座と、この
   弁座の上流側に位置し、弁座に密接した際にガス
   通路を遮断する弁体と、この弁体を前記弁座に離
   接する方向に揺動自在に支持するとともに、弁体
   を弁座から離れる方向に付勢し、所定流量以上の
   ガスが流れた際に、弾性的にたわんで弁体を弁座
   に密接させる弾性部材と、中間部分を支点にして
   揺動自在に設けられ、一端部を前記弁体の背部に
   押し当てて、前記弁体を前記弁座に密接させる作
   動レバーと、この作動レバーの他端部を押して、
   前記一端部が前記弁体の背部を押す方向に移動す
   るように作動レバーを揺動させるプランジヤと、
   前記弁ハウジングの外側に設けられ、前記プラン
   ジヤを作動するソレノイドと、前記弁ハウジング
   に外部から貫通して設けられ、前記作動レバーの
   他端部を押して、前記一端部が前記弁体から離れ
   る方向に移動するように作動レバーを揺動させる
   リセツト棒とを備えたことを特徴とする遮断弁内
   蔵ヒユーズコツク。