JPS633020B2 - - Google Patents
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- JPS633020B2 JPS633020B2 JP54056918A JP5691879A JPS633020B2 JP S633020 B2 JPS633020 B2 JP S633020B2 JP 54056918 A JP54056918 A JP 54056918A JP 5691879 A JP5691879 A JP 5691879A JP S633020 B2 JPS633020 B2 JP S633020B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
本発明はAl−Si−Cu系またはAl−Si−Cu−
Mg系合金による鋳物の改善された製造法に関す
るものであつてエンジン部の如きに用いられるに
適した耐熱衝撃性に優れた製品を比較的簡易且つ
低コストに製造しようとするものである。 ここで述べるAl−Si−Cu系合金とはJIS規格
AC2A、AC2BおよびAC4Bで代表されるAl−Si
−Cu系合金をまたAl−Si−Cu−Mg系合金とは
JIS規格AC4D、AC8A、AC8BおよびAC8Cで代
表されるAl−Si−Cu−Mg系合金を指す。 これらAl−Si−Cu系合金、Al−Si−Cu−Mg
系合金は鋳造性よく、適当な強度靭性を有しまた
耐熱衝撃性も秀れているところから自動車、船舶
等のエンジン廻り部品その他の機械部品鋳物とし
て巾広く用いられている。 而して従来これら合金鋳物製造に際して必要と
する強度靭性を附与するためには鋳込後の鋳物を
溶体化処理した後焼入、人工時効処理を施こさね
ばならず、この場合溶体化処理は500〜530℃の温
度で数時間〜十数時間の長時間の温度保持が必要
とされ、またさらに人工時効処理にしても140〜
230℃の温度で数時間乃至十数時間とこれまで長
時間の処理が必要なため生産効率上また熱経済上
好ましくなかつた。 また、熱処理型合金におけるこのような不利を
避けるために特公昭37−10901号に見られるよう
に鋳込直後の鋳物を一挙に室温まで急冷し、造型
と合金成分の過飽和固溶体の生成を同時に行わせ
た後人工時効処理を施こす方法が提案されてい
る。 しかし乍ら、この方法を本系合金に適用した場
合には合金中のCuの固溶が十分に行われないた
めに熱処理後の鋳物に十分な強度が得られず、ま
た固溶の不均斉のため鋳物各部において強度のバ
ラツキが見られ、変形量も著しく耐熱衝撃性も不
十分であるなどの欠点を生ずる。 発明者らは本系合金鋳物におけるこれらの欠点
不利を改善すべく種々研究を行つた結果、本系合
金に少量のアンチモンを添加した場合には鋳込直
後の合金鋳物を焼入するに際し、鋳物が未だ高温
域にあるうちに中間的な高温保持を行なうときは
極く短時間の保持を行なうのみで共晶Siを適切に
球状化させることができ、人工時効処理後の鋳物
に従来品に匹適するか、またはこれを凌駕する強
度、靭性を附与し、しかも耐熱衝撃性については
従来品より遥かに卓越した特性を附与することが
できることを見出した。 即ち、本発明はSb0.03%〜1.0%を含むAl−Si
−Cu系またはAl−Si−Cu−Mg系合金溶湯を金
型に鋳込み、凝固完了後の鋳物が450℃以下の温
度に降下しないうちに480〜530℃の温度に保たれ
た加熱炉中に装入して同温度範囲内において短時
間の中間高温保持を加えた後水または温水中に焼
入し、ついで140〜230℃の温度において1時間以
上の人工時効処理を施こすことを特徴とするアル
ミニウム合金鋳物の製造法である。 本発明によるときは鋳造直後の鋳物を短時間の
高温保持を加えるのみで直ちに焼入、人工時効を
施こせばよく、長時間の溶体化処理を施こす必要
がなく、また時効処理に要する時間も短時間で十
分であることから鋳物製造に要する時間を大巾に
短縮できるのみならず、これ等の処理を連続化で
きるので生産効率を著しく高めることができるば
かりでなく熱経済上極めて有利である。 次に本発明を第1図に示す模式工程図に基づい
て従来法と比較しながら説明する。 第1図において実線は本発明法、破線は従来法
を示す。 図中の記号は次の通りである。 (従来法) A→B 凝固完了 B→C 自然冷却 C→D 昇温加熱 D→E 溶体化処理 E→F 焼入 F→G−H 人工時効処理 (本発明法) A→B(B′) 凝固完了 B(B′)→E′ 中間高温保持 E′→F′ 焼入 F′→G′→H′ 人工時効処理 従来法によればAl−Si−Cu系合金、Al−Si−
Cu−Mg系合金鋳物は720℃前後に溶解した合金
溶湯を金型に鋳込んで凝固完了後の高温から室温
まで自然冷却し(A→B→C)、次いで500〜530
℃の溶体化処理温度まで加熱昇温した後同温度で
4〜16時間の高温保持を行ない(C→D→E)、
しかる後水または60〜100℃の温水中に焼入れし、
(E→F)、さらに140〜230℃の温度に4〜12時間
の時効処理を施こすことによつて製造されてい
る。 従つて従来法によるときは一連の熱処理に要す
る時間は少く見積つても12時間、一般的には30時
間前後が必要とされている。 これに対し本発明の場合には金型に鋳込まれた
溶湯が凝固完了後、未だ高温のうちに鋳物を480
〜530℃の温度に保たれた加熱炉中に装入して短
時間(2時間以内)の中間的な高温保持を加えた
後(A→B→E′)、直ちに水または温水中に焼入
し(E′→F′)、しかる後、140〜230℃の温度にお
いて1時間〜12時間程度の人工時効処理を施こす
ことによつて上記した従来法に匹適する強度と靭
性を有する鋳物をうることができ、しかも耐熱衝
撃性においては従来法よりも著しく優れた特性を
得ることができ、加うるに全体として鋳造製造に
要する時間を大巾に短縮することができ、また作
業の連続化も容易である。 連続化に際しては鋳込後の鋳物を中間高温保
持、焼入れまでの工程を行つてもよく、またさら
に人工時込処理まで含めてもよい。 連続化装置としては各加熱炉にトンネル炉を用
い、各工程間の鋳物の移送をリンクコンベヤー等
によつて行なうなど公知の設備を使用できる。 本発明によるものが上記のように耐熱衝撃性に
おいて卓越した特性を示す事由の仔細については
必ずしも明かになし得ないが、前記したような
Al−Si−Cu系またはAl−Si−Cu−Mg系合金に
Sbを含有せしめることによつて該合金組織中に
形成される稲穂状に連続した共晶Siをそれなりに
分散微細化せしめ、しかも斯うして分散独立化し
た共晶Siがその後の480〜530℃における短時間の
中間高温保持によつて適切に球状化され従つて共
晶Siの近傍において発生する微細割れの発生およ
びその伝播を回避することによるものと推定さ
れ、何れにしても従来の単なる前記合金(Sbな
し)に数時間以上の溶体化処理を施したものの倍
近いような耐熱衝撃特性を得しめることができ
る。 次に本発明の実施例について説明すると以下の
如くである。 実施例 1 (強度試験) 第1表はJISAC2B、AC4BおよびAC8Cの各合
金について表中に記載の各組成を有する合金を溶
解炉内で溶解し、溶け落ち後脱ガス脱滓処理を施
した後、約150℃に予熱したJISH5202舟型金型に
720℃で注湯し、凝固完了後 (a) 従来法(1) 室温まで自然放冷した後溶体化処理、焼入、
人工時効処理を施したもの。 (b) 従来法(2) 直ちにこれを水中に焼入した後、人工時効処
理を施したもの。 (c) 本発明法 直ちに加熱炉中に装入、短時間の中間高温保
持を行つた後焼入れ、人工時効処理を施したも
の。 について引張強さ、耐力、伸びなどの機械的性質
を測定した結果を示したものである。 なお、実施例1AC2B合金については合金中に
アンチモンの代りにこの種合金において、組織改
良のために一般的に添加されるナトリウムを添加
したものについて本発明法と同様の熱処理法を施
した場合の比較試験結果を(d)比較例としてその測
定値を併記した。 なお各実施例における熱処理条件は第2表に示
す通りである。
Mg系合金による鋳物の改善された製造法に関す
るものであつてエンジン部の如きに用いられるに
適した耐熱衝撃性に優れた製品を比較的簡易且つ
低コストに製造しようとするものである。 ここで述べるAl−Si−Cu系合金とはJIS規格
AC2A、AC2BおよびAC4Bで代表されるAl−Si
−Cu系合金をまたAl−Si−Cu−Mg系合金とは
JIS規格AC4D、AC8A、AC8BおよびAC8Cで代
表されるAl−Si−Cu−Mg系合金を指す。 これらAl−Si−Cu系合金、Al−Si−Cu−Mg
系合金は鋳造性よく、適当な強度靭性を有しまた
耐熱衝撃性も秀れているところから自動車、船舶
等のエンジン廻り部品その他の機械部品鋳物とし
て巾広く用いられている。 而して従来これら合金鋳物製造に際して必要と
する強度靭性を附与するためには鋳込後の鋳物を
溶体化処理した後焼入、人工時効処理を施こさね
ばならず、この場合溶体化処理は500〜530℃の温
度で数時間〜十数時間の長時間の温度保持が必要
とされ、またさらに人工時効処理にしても140〜
230℃の温度で数時間乃至十数時間とこれまで長
時間の処理が必要なため生産効率上また熱経済上
好ましくなかつた。 また、熱処理型合金におけるこのような不利を
避けるために特公昭37−10901号に見られるよう
に鋳込直後の鋳物を一挙に室温まで急冷し、造型
と合金成分の過飽和固溶体の生成を同時に行わせ
た後人工時効処理を施こす方法が提案されてい
る。 しかし乍ら、この方法を本系合金に適用した場
合には合金中のCuの固溶が十分に行われないた
めに熱処理後の鋳物に十分な強度が得られず、ま
た固溶の不均斉のため鋳物各部において強度のバ
ラツキが見られ、変形量も著しく耐熱衝撃性も不
十分であるなどの欠点を生ずる。 発明者らは本系合金鋳物におけるこれらの欠点
不利を改善すべく種々研究を行つた結果、本系合
金に少量のアンチモンを添加した場合には鋳込直
後の合金鋳物を焼入するに際し、鋳物が未だ高温
域にあるうちに中間的な高温保持を行なうときは
極く短時間の保持を行なうのみで共晶Siを適切に
球状化させることができ、人工時効処理後の鋳物
に従来品に匹適するか、またはこれを凌駕する強
度、靭性を附与し、しかも耐熱衝撃性については
従来品より遥かに卓越した特性を附与することが
できることを見出した。 即ち、本発明はSb0.03%〜1.0%を含むAl−Si
−Cu系またはAl−Si−Cu−Mg系合金溶湯を金
型に鋳込み、凝固完了後の鋳物が450℃以下の温
度に降下しないうちに480〜530℃の温度に保たれ
た加熱炉中に装入して同温度範囲内において短時
間の中間高温保持を加えた後水または温水中に焼
入し、ついで140〜230℃の温度において1時間以
上の人工時効処理を施こすことを特徴とするアル
ミニウム合金鋳物の製造法である。 本発明によるときは鋳造直後の鋳物を短時間の
高温保持を加えるのみで直ちに焼入、人工時効を
施こせばよく、長時間の溶体化処理を施こす必要
がなく、また時効処理に要する時間も短時間で十
分であることから鋳物製造に要する時間を大巾に
短縮できるのみならず、これ等の処理を連続化で
きるので生産効率を著しく高めることができるば
かりでなく熱経済上極めて有利である。 次に本発明を第1図に示す模式工程図に基づい
て従来法と比較しながら説明する。 第1図において実線は本発明法、破線は従来法
を示す。 図中の記号は次の通りである。 (従来法) A→B 凝固完了 B→C 自然冷却 C→D 昇温加熱 D→E 溶体化処理 E→F 焼入 F→G−H 人工時効処理 (本発明法) A→B(B′) 凝固完了 B(B′)→E′ 中間高温保持 E′→F′ 焼入 F′→G′→H′ 人工時効処理 従来法によればAl−Si−Cu系合金、Al−Si−
Cu−Mg系合金鋳物は720℃前後に溶解した合金
溶湯を金型に鋳込んで凝固完了後の高温から室温
まで自然冷却し(A→B→C)、次いで500〜530
℃の溶体化処理温度まで加熱昇温した後同温度で
4〜16時間の高温保持を行ない(C→D→E)、
しかる後水または60〜100℃の温水中に焼入れし、
(E→F)、さらに140〜230℃の温度に4〜12時間
の時効処理を施こすことによつて製造されてい
る。 従つて従来法によるときは一連の熱処理に要す
る時間は少く見積つても12時間、一般的には30時
間前後が必要とされている。 これに対し本発明の場合には金型に鋳込まれた
溶湯が凝固完了後、未だ高温のうちに鋳物を480
〜530℃の温度に保たれた加熱炉中に装入して短
時間(2時間以内)の中間的な高温保持を加えた
後(A→B→E′)、直ちに水または温水中に焼入
し(E′→F′)、しかる後、140〜230℃の温度にお
いて1時間〜12時間程度の人工時効処理を施こす
ことによつて上記した従来法に匹適する強度と靭
性を有する鋳物をうることができ、しかも耐熱衝
撃性においては従来法よりも著しく優れた特性を
得ることができ、加うるに全体として鋳造製造に
要する時間を大巾に短縮することができ、また作
業の連続化も容易である。 連続化に際しては鋳込後の鋳物を中間高温保
持、焼入れまでの工程を行つてもよく、またさら
に人工時込処理まで含めてもよい。 連続化装置としては各加熱炉にトンネル炉を用
い、各工程間の鋳物の移送をリンクコンベヤー等
によつて行なうなど公知の設備を使用できる。 本発明によるものが上記のように耐熱衝撃性に
おいて卓越した特性を示す事由の仔細については
必ずしも明かになし得ないが、前記したような
Al−Si−Cu系またはAl−Si−Cu−Mg系合金に
Sbを含有せしめることによつて該合金組織中に
形成される稲穂状に連続した共晶Siをそれなりに
分散微細化せしめ、しかも斯うして分散独立化し
た共晶Siがその後の480〜530℃における短時間の
中間高温保持によつて適切に球状化され従つて共
晶Siの近傍において発生する微細割れの発生およ
びその伝播を回避することによるものと推定さ
れ、何れにしても従来の単なる前記合金(Sbな
し)に数時間以上の溶体化処理を施したものの倍
近いような耐熱衝撃特性を得しめることができ
る。 次に本発明の実施例について説明すると以下の
如くである。 実施例 1 (強度試験) 第1表はJISAC2B、AC4BおよびAC8Cの各合
金について表中に記載の各組成を有する合金を溶
解炉内で溶解し、溶け落ち後脱ガス脱滓処理を施
した後、約150℃に予熱したJISH5202舟型金型に
720℃で注湯し、凝固完了後 (a) 従来法(1) 室温まで自然放冷した後溶体化処理、焼入、
人工時効処理を施したもの。 (b) 従来法(2) 直ちにこれを水中に焼入した後、人工時効処
理を施したもの。 (c) 本発明法 直ちに加熱炉中に装入、短時間の中間高温保
持を行つた後焼入れ、人工時効処理を施したも
の。 について引張強さ、耐力、伸びなどの機械的性質
を測定した結果を示したものである。 なお、実施例1AC2B合金については合金中に
アンチモンの代りにこの種合金において、組織改
良のために一般的に添加されるナトリウムを添加
したものについて本発明法と同様の熱処理法を施
した場合の比較試験結果を(d)比較例としてその測
定値を併記した。 なお各実施例における熱処理条件は第2表に示
す通りである。
【表】
【表】
* 溶体化処理炉、時効処理炉の各炉における鋳
物昇温時間を各1時間とした。
第1表の結果より次のことが判る。 即ち、実施例1 2および3共に(c)の本発明法
による場合には鋳造後直ちに焼入を行なうに際し
中間的な高温保持を1時間程度行なうのみで焼入
後人工時効処理を施して得られた試料の強度は(a)
の長時間の溶体化処理を経たものに比べて、同等
であるか、寧ろこれを凌駕する値を示し、また鋳
造後中間高温保持を施さずして焼入れ、人工時効
した(b)の試料に較べてはるかに勝るものである。 また実施番号1における(d)の試料において見ら
れるように本発明のような熱処理工程の短縮効果
はアンチモンの代りにナトリウムを使用したもの
では得られない。 又前記したような各実施例によるものについて
実体熱衝撃試験を実施し、即ち第1表に示した各
合金を用い溶解し、脱ガス脱滓処理を施した後、
溶湯鍛造法を用いて鋳込温度720℃、溶湯加圧力
500Kg/cm2で径100mm高さ20mmの自動車用ピストン
ヘツドを夫々鋳込み、これを第2表におけると同
様の(a)、(b)(c)3種類の熱処理法を施した後、熱衝
撃試験用の試料(中心部に5mmφの孔を有する
100mmφ、厚み3mmφの円盤状試料)を各切り出
して供試片とした。試験は供試片の中心部をバー
ナーで急熱し、試験片全体の温度が350℃に達し
た後直ちに水中(20℃)に急冷する。この急熱急
冷操作を1サイクルとして加熱中心部の孔に熱応
力による亀裂が発生するまでのサイクル数および
亀裂の伝播速度を測定することによつて各供試片
の耐熱衝撃特性を比較した結果を代表的に亀裂長
さ2mmとなるサイクル数として示すと、次の第3
表の通りである。
物昇温時間を各1時間とした。
第1表の結果より次のことが判る。 即ち、実施例1 2および3共に(c)の本発明法
による場合には鋳造後直ちに焼入を行なうに際し
中間的な高温保持を1時間程度行なうのみで焼入
後人工時効処理を施して得られた試料の強度は(a)
の長時間の溶体化処理を経たものに比べて、同等
であるか、寧ろこれを凌駕する値を示し、また鋳
造後中間高温保持を施さずして焼入れ、人工時効
した(b)の試料に較べてはるかに勝るものである。 また実施番号1における(d)の試料において見ら
れるように本発明のような熱処理工程の短縮効果
はアンチモンの代りにナトリウムを使用したもの
では得られない。 又前記したような各実施例によるものについて
実体熱衝撃試験を実施し、即ち第1表に示した各
合金を用い溶解し、脱ガス脱滓処理を施した後、
溶湯鍛造法を用いて鋳込温度720℃、溶湯加圧力
500Kg/cm2で径100mm高さ20mmの自動車用ピストン
ヘツドを夫々鋳込み、これを第2表におけると同
様の(a)、(b)(c)3種類の熱処理法を施した後、熱衝
撃試験用の試料(中心部に5mmφの孔を有する
100mmφ、厚み3mmφの円盤状試料)を各切り出
して供試片とした。試験は供試片の中心部をバー
ナーで急熱し、試験片全体の温度が350℃に達し
た後直ちに水中(20℃)に急冷する。この急熱急
冷操作を1サイクルとして加熱中心部の孔に熱応
力による亀裂が発生するまでのサイクル数および
亀裂の伝播速度を測定することによつて各供試片
の耐熱衝撃特性を比較した結果を代表的に亀裂長
さ2mmとなるサイクル数として示すと、次の第3
表の通りである。
【表】
即ち本発明による実施例1〜3の夫々cのもの
は何れにしても長時間の溶体化処理および人工時
効処理を施したaのものに対して亀裂発生時期に
関し2倍に近い耐熱衝撃性を有することが確認さ
れた。更に上記した実施例3のAC8Cのものを代
表的に選んでその熱衝撃試験時における亀裂伝播
速度を測定した結果を要約して示すと第2図の如
くであつて、本発明によるものがこの亀裂伝播速
度もゆるやかであつて極めて耐熱衝撃性にすぐれ
ていることが判る。 以上述べたように、本発明は従来強靭性低下の
ため鋳造物を直ちに焼入、人工時効処理をする簡
便熱処理法の適用が困難であり従つて極めて長時
間の熱処理操作が必要であるとされていた鋳物用
Al−Si−Cu系合金およびAl−Si−Cu−Mg系合
金においてSbを0.03〜1.0%含有させると共にそ
の鋳込、凝固完了後高温を保つている間に極く短
時間の中間的高温保持を行なうのみで焼入、人工
時効処理を施こすことにより、従来法によるもの
に較べ強靭性を低下させることなしに大巾に熱処
理時間を短縮することができ、しかも耐熱衝撃性
において頗る優れた特性を得しめるもので工業的
にその効果の大きいアルミ合金鋳物製造法である
といえる。
は何れにしても長時間の溶体化処理および人工時
効処理を施したaのものに対して亀裂発生時期に
関し2倍に近い耐熱衝撃性を有することが確認さ
れた。更に上記した実施例3のAC8Cのものを代
表的に選んでその熱衝撃試験時における亀裂伝播
速度を測定した結果を要約して示すと第2図の如
くであつて、本発明によるものがこの亀裂伝播速
度もゆるやかであつて極めて耐熱衝撃性にすぐれ
ていることが判る。 以上述べたように、本発明は従来強靭性低下の
ため鋳造物を直ちに焼入、人工時効処理をする簡
便熱処理法の適用が困難であり従つて極めて長時
間の熱処理操作が必要であるとされていた鋳物用
Al−Si−Cu系合金およびAl−Si−Cu−Mg系合
金においてSbを0.03〜1.0%含有させると共にそ
の鋳込、凝固完了後高温を保つている間に極く短
時間の中間的高温保持を行なうのみで焼入、人工
時効処理を施こすことにより、従来法によるもの
に較べ強靭性を低下させることなしに大巾に熱処
理時間を短縮することができ、しかも耐熱衝撃性
において頗る優れた特性を得しめるもので工業的
にその効果の大きいアルミ合金鋳物製造法である
といえる。
図面は本発明の技術的内容を示すもので、第1
図は本発明法と従来法によるAl−Si−Cu系合金
もしくはAl−Si−Cu−Mg系合金の模式工程図、
第2図は本発明法と従来法の2法とについて合金
の耐熱衝撃性を比較して示した図面である。
図は本発明法と従来法によるAl−Si−Cu系合金
もしくはAl−Si−Cu−Mg系合金の模式工程図、
第2図は本発明法と従来法の2法とについて合金
の耐熱衝撃性を比較して示した図面である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Sb0.03%〜1.0%を含むAl−Si−Cu系または
Al−Si−Cu−Mg系合金溶湯を金型に鋳込み、凝
固完了後の鋳物が450℃以下の温度に降下しない
うちに480〜530℃の温度に保たれた加熱炉中に装
入して同温度範囲内において短時間の中間高温保
持を加えた後水または温水中に焼入し、次いで
140〜230℃の温度において1時間以上の人工時効
処理を施すことを特徴とする耐熱衝撃性に優れた
アルミニウム合金鋳物の製造法。 2 合金溶湯の鋳込み、中間高温保持、焼入の各
操作またはこれにさらに人工時効処理を加えた各
操作を連続して行なう特許請求の範囲第1項記載
の耐熱衝撃性に優れたアルミニウム合金鋳物の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5691879A JPS55149772A (en) | 1979-05-11 | 1979-05-11 | Production of aluminum alloy casting |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5691879A JPS55149772A (en) | 1979-05-11 | 1979-05-11 | Production of aluminum alloy casting |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55149772A JPS55149772A (en) | 1980-11-21 |
JPS633020B2 true JPS633020B2 (ja) | 1988-01-21 |
Family
ID=13040854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5691879A Granted JPS55149772A (en) | 1979-05-11 | 1979-05-11 | Production of aluminum alloy casting |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS55149772A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH086159B2 (ja) * | 1987-08-07 | 1996-01-24 | 宇部興産株式会社 | アルミニウム合金の熱処理方法 |
ATE556155T1 (de) * | 2001-02-02 | 2012-05-15 | Cons Eng Co Inc | Verfahren zur herstellung und wärmebehandlung einer mehrzahl von metallgusteilen |
KR20030006175A (ko) * | 2001-07-11 | 2003-01-23 | 허윤길 | 알루미늄 주조방법 및 장치 |
JP5175905B2 (ja) * | 2010-08-31 | 2013-04-03 | トヨタ自動車株式会社 | 軽合金の鋳造方法 |
WO2016176382A1 (en) | 2015-04-28 | 2016-11-03 | Consolidated Engineering Company, Inc. | System and method for heat treating aluminum alloy castings |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS499290A (ja) * | 1972-05-12 | 1974-01-26 | ||
JPS50144617A (ja) * | 1974-05-13 | 1975-11-20 |
-
1979
- 1979-05-11 JP JP5691879A patent/JPS55149772A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS499290A (ja) * | 1972-05-12 | 1974-01-26 | ||
JPS50144617A (ja) * | 1974-05-13 | 1975-11-20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55149772A (en) | 1980-11-21 |
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