JPS632978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、Ｖ・Ｔ・Ｒあるいはテープレコー
ダ等磁気記録再生装置の磁気消去ヘツドに関する
ものである。

［従来の技術］ 従来、磁気消去ヘツドは、第１図ないし第２図
に示す如く、ヘツド部１をケース本体２の嵌合部
２ａに組み込んで接着固定した後、バツクモール
ドを施し、かつテープ摺接面２ｂを所定の円弧状
に研磨加工してなるものである。即ち、上記磁気
消去ヘツドのヘツド部１はコイル１ａにフロント
コア１ｂおよびバツクコア１ｃを接着固定すると
共に、テープ摺接面２ｂに位置するフロントコア
１ｂの上、下部にガラス１ｄを介して非磁性体の
セラミツクのダミーブロツク１ｅを接着固定して
一体的に構成し、このヘツド部１をケース本体２
の嵌合部２ａにテープ摺接面２ｂ方向より挿入し
て、接着剤などを用いて固着した後、バツクモー
ルドを施し、テープ摺接面２ｂを円弧状に研磨加
工して磁気消去ヘツドを形成していた。なお、図
中Ｄはテープ摺接幅である。

［考案が解決しようとする問題点］ 従つて、磁気消去ヘツドのヘツド部１に接着部
があり、部品点数が多く、量産化ができにくいだ
けでなく、接着部があるので、製品のバラツキも
多くなり歩留りが悪かつた。また、ヘツドコア１
ｂの先端にダミーブロツクをガラス接着したもの
をケース本体２と嵌合させると傾斜方向誤差が出
て個々のヘツドのバラツキが生じる。

また、テープ摺接面を曲面に研磨加工するとき
研削液が内部に残留して絶縁不良を起こしやすい
などの欠点があつた。

この考案は、上述した事情に鑑みてなされたも
のであり、構成部品点数の削減を計り、量産可能
でかつ安価に製造でき、さらにトラツク位置に対
しフロントコアの消去ギヤツプ位置が正確な磁気
消去ヘツドを提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ そのため、本考案の磁気消去ヘツドは、Ｖ・
Ｔ・Ｒあるいはテープレコーダ等の消去ヘツドに
おいて、摺接面にダミーブロツクを埋設し樹脂に
て一体成形したケース本体と、該ケース本体の裏
面側に開口した嵌合部の底部に配設した有底の案
内溝にフロントコア先端が嵌入位置決めされたヘ
ツド部とを具備し、前記嵌合部は樹脂にて充填さ
れ、前記ケース本体はテープ摺接面を所定の円弧
状に研磨加工されたテープ摺接面とを有すること
を特徴とする。

［作用］ ダミーブロツクをケース本体と一体成形し、さ
らにフロントコア先端を案内溝に嵌入位置づけて
いるのでフロントコアの消去ギヤツプ位置が正確
である。

［実施例］ 以下、この考案による実施例を第３図乃至第５
図に基づいて具体的に説明する。図中、従来例と
対応する箇所及び部品は同一符号を付して説明す
る。

この考案による磁気消去ヘツドは、ヘツド部
１、ケー本体２及びダミーブロツク３とからな
り、ヘツド部１はコイル１ａにフロントコア１ｂ
およびバツクコア１ｃを固着して構成され、従来
例の如くケース本体２のテープ摺接面２ｂに位置
するフロントコア１ｂにガラス１ｄやダミーブロ
ツク１ｅを必要としなくなつた。上記ケース本体
２には、ヘツド部１がケースの裏面側から挿入さ
れるよう裏面が開口した嵌合部２ａが形成され、
ヘツド部１のフロントコア１ｂ先端がケース本体
２のテープ摺接面２ｂに正確に位置決めされるよ
う有底の案内溝２ｃが形成されており、しかもこ
の嵌合部２ａにおける案内溝２ｃの入口部は面取
り部２ｄが施されている。また、上記ケース本体
２のテープ摺接面２ｂ側には案内溝２ｃに到達す
る深さで、かつヘツド部１より下方のテープ摺接
幅Ｄに相当する範囲にダミーブロツク３がケース
本体２の成形時に一体的に埋設される。図中４は
磁気消去ヘツドの取付け孔である。

上記ダミーブロツク３は非磁性体のセラミツク
で成形され、ケース本体２の成形時にテープ摺接
面２ｂ側に嵌め込み埋設されるものである。

従つて、磁気消去ヘツドにおけるケース本体２
はダミーブロツク３を嵌め込んで樹脂にて一体成
形され、このケース本体２の裏面より嵌合部２ａ
にヘツド部１を組み込み、樹脂にて内部モールド
を施した後、テープ摺接面２ｂを所定の円弧状に
研磨加工して製造されるものである。上記テープ
摺接面２ｂの研磨加工は、ダミーブロツク３がま
ず研削され、ケース本体２と共に、ヘツド部１の
フロントコア１ｂが露出する位置まで研磨される
ものである。

［考案の効果］ 以上詳述したように、この考案による磁気消去
ヘツドは、接着部分がなく、ケース本体内は樹脂
で全モールドされているので摺接面の研磨加工に
よる切削液が残つて絶縁不良を引き起こす欠点が
なくなつた。

また、従来例の如く、ヘツド部ガラスやダミー
ブロツクを接着固定する必要がないので部品点数
が少なく、接着部分がないので、大幅な原価低減
が可能となつた。また、ヘツド部が正確に位置決
めされているので、トラツク位置に対し、消去ギ
ヤツプ位置が正確にセツトでき、トラツクずれ、
アジマスロスが起こらず高級消去率を求める録音
機に特に有効であり、製品のバラツキも少なく、
不良品の要因が減り製品の信頼性が一段と向上
し、量産化が促進されるなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図は従来の実施例を示す分解縦
断面図及び斜視図、第３図はこの考案による実施
例を示す分解縦断面図、第４図は第３図のケース
本体のＺ矢視図、第５図はこの考案による実施例
を示す全体斜視図である。 １……ヘツド部、１ａ……コイル、１ｂ……フ
ロントコア、１ｃ……バツクコア、２……ケース
本体、２ａ……嵌合部、２ｂ……テープ摺接面、
２ｃ……案内溝、２ｄ……面取り、３……ダミー
ブロツク、４……取付け孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｖ・Ｔ・Ｒあるいはテープレコーダ等の消去ヘ
   ツドにおいて、摺接面にダミーブロツクを埋設し
   樹脂にて一体成形したケース本体と、該ケース本
   体の裏面側に開口した嵌合部の底部に配設した有
   底の案内溝にフロントコア先端が嵌入位置決めさ
   れたヘツド部とを具備し、前記嵌合部は樹脂にて
   充填され、前記ケース本体はテープ摺接面を所定
   の円弧状に研磨加工されたことを特徴とする磁気
   消去ヘツド。