JPS6329520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、洗濯物用物干器等を物干竿等に懸
吊するための物干器等の吊下げ具、特に風等に対
する脱落防止構造を有する吊下げ具に関する。

従来の技術 従来、脱落防止手段付きのこの種吊下げ具とし
て、フツク体の基端部に、昇降自在な押圧片とこ
の押圧片を上方に付勢するコイルバネとを設ける
ことにより、吊下げ状態において物干竿が押圧片
の先端部で下方から弾力支持されるようにして、
物干し器の脱落を防止するもの（例えば実公昭49
−26207号）や、フツク体の基端部に弾性ゴムを
止着するとともに上端に該ゴムの掛止部を突設
し、フツク体を物干竿等に吊下げたのちゴムをフ
ツク体の鉤口側から回して前記掛止部に掛け止め
るようにして脱落を防止するもの（例えば実公昭
48−26898号）などが知られている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、上記のような吊下げ具では物干竿等へ
の掛脱時に押圧片の引きおろし操作やゴムの掛け
はずし操作が必要であり面倒であつた。しかも押
圧片を備えたものは構造が複雑でコスト高につ
き、またゴムによるものはフツク体の竿への定着
力が弱く、物干器が竿に沿つて摺動し易いという
ような欠点もあつた。

この考案は上記欠点を解消し、物干竿等への掛
脱を簡易にして容易に外れたり竿等に沿つて摺動
することがなく、かつ構造至簡な物干し器等の吊
下げ具を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 而してこの考案に係る物干器等の吊下げ具は、
第１図ないし第４図の実施例で示すように、吊下
げフツク体１の基端部１ａに、フツク体の先端部
に向つて弾性ヒンジ部４とこれに連続する当り部
８が、鉤口３の中間の位置まで突設されるととも
に、異なる曲率半径の複数の円弧状凹部６ａ，６
ｂからなる押え部６を上側縁に有する抑止片５
が、該押え部６を吊下げフツク体１内中心部に臨
ませて、前記当り部８に上方突出状に一体形成さ
れてなることを特徴とするものである。

作 用 物干竿等へ吊下げるに際しては、フツク体１の
当り部８とフツク体１の先端部との間を物干竿に
押込むことにより、当たり部８及び抑止片５は上
方に回動するとともに、物干竿は当り部８によつ
て弾接案内されつつフツク体１内部へと進入す
る。そして物干竿の直径部が当り部８とフツク体
１の先端との間を通過すると、ヒンジ部４の弾性
作用により当り部８、抑止片５は回動復帰し、物
干竿の太さに応じて押え部６の曲率半径の異なる
複数の円弧状凹部のいずれかが選択的に竿の外周
に弾接する。従つて物干竿は抑止片５とフツク体
１との間で挟圧され、これにより吊下具が物干竿
に定着され、その抜落が防止されるとともに、風
等による揺動も抑制される。

実施例 第１図〜第４図において、吊下げフツク体１は
その端部が湾曲状に曲成されて、頂部に吊掛け部
２が形成されると共に、先端部と基端部１ａとの
間に斜め下方に開口する鉤口３が形成されてい
る。

前記ヒンジ部４は、抑止片５をその押え部６が
フツク体１内中心部に臨む所定位置に付勢するも
のであり、厚さ方向を基端部１ａの長さ方向にし
て、その先端をフツク体１の先端部に向けて基端
部１ａから一体的に突出成形された短尺肉薄の弾
性小片からなる。

ヒンジ部４の先端には、物干竿導入案内用の凹
凸面を有する当り部８が鉤口３に臨んで連続状に
形成され、さらに当り部８の一側縁には抑止片５
がフツク体１に対して側方に突出した位置関係
で、折曲げ状に一体形成されている。抑止片５は
略三角形状を呈し、その上側縁に形成された押え
部６は異なる曲率半径の複数の円弧状凹部からな
り、この実施例では２つの円弧状凹部６ａ，６ｂ
からなる。これらの円弧状凹部は物干竿の外径に
対応するものであり、太竿に対しては曲率半径の
大きい円弧状凹部６ｂが、細竿に対しては曲率半
径の小さい円弧状凹部６ａが選択的に作用され
る。また抑止片５の側面上部には物干竿から取外
す際、抑止片５をフツク体１の直線部１ｂ方向へ
移動操作するための指掛片７が突設されるととも
に、当り部８の下端には、鉤口３方向への過度の
撓曲によるヒンジ部４の折損防止用のストツパ９
が設けられている。

上記構成の吊下げ具は弾性合成樹脂等による一
体成形品である。なお、フツク体１の下端には、
吊盤１０及び吊鎖１１を介して洗濯物用物干器本
体が吊持され、あるいは直接ハンガー本体等が取
付けられてなるものである。

図示実施例の吊下げ具は、これを物干竿等に吊
下げるには、物干竿Ａに鉤口３を対峙せしめたの
ち物干竿Ａが押込まれるようにフツク体１を押圧
する。すると、物干竿Ａの進入に伴い、当り部８
及び抑止片５は第２図に示すように、ヒンジ部４
の弾性力に抗してフツク体１の直線部１ｂ方向に
回動するが、抑止片５はフツク体１よりも側方に
突出しているから、フツク体の直線部１ｂに接触
することはない。こうして物干竿Ａは当り部８に
よつて弾接案内されつつフツク体１内へと進み、
直径部が当り部８とフツク体１の先端との間を通
過するとヒンジ部４の弾性作用により抑止片が鉤
口３方向に回動復帰し、物干竿Ａの太さに応じて
円弧状凹部６ａ，６ｂのいずれかが選択的に竿Ａ
の外周に斜め下方からしつくりと弾接する。従つ
てフツク体１内の竿Ａはフツク体１と抑止片５と
によつて弾力的に挟持され、フツク体１はしつか
りと竿Ａに定着される。

逆に吊下げ具を物干竿から取外すには、抑止片
５の指掛片７に指を引つ掛けて抑止片５をフツク
体１の直線部１ｂ方向に移動せしめ、鉤口３を大
きく開放して外せば良い。

なお実施例に示した指掛片７、ストツパ９はこ
の考案においては必須の構成要件ではない。また
抑止片５の押え部６が曲率半径の異なる２つの円
弧状凹部６ａ，６ｂからなるものを示したが、３
つ以上の円弧状凹部からなるものであつても良
い。

考案の効果 この考案に係る吊下げ具は上記のような構成で
あるから、物干竿等への吊下げ状態においては竿
はフツク体と抑止片により弾力的に挟持されるた
め、フツク体はしつかりと竿に定着され、風等に
より容易に竿を沿つて移動したり脱外することを
防止できる。しかも物干竿と接する抑止片の押え
部は円弧状凹部からなるものであるから、物干竿
の外周に良好に適合し、フツク体の竿への定着を
一層確実に保持しうる。かつまた押え部の円弧状
凹部は曲率半径の異なる複数のものから構成かれ
ているから、物干竿の太さに応じて適当な円弧状
凹部を選択することにより、物干竿の太さが変わ
つても充分な定着力を確保しうる。また本考案に
係る吊下具の吊下げ操作は、鉤口を竿に対峙せし
めて竿がフツク体内に押込まれる方向にフツク体
に力を加えることにより、物干竿は当り部に弾接
案内されつつフツク体内部へと進入していくか
ら、抑止片の人為的な移動操作を要することなく
自動的に行うことができ、掛け外し操作を簡易な
ものとなしうる。さらには構成が簡易であり、合
成樹脂により全体を一体成形可能なものであるか
ら、製作が容易で安価に提供できるとともに、故
障のおそれも少なく耐久性に富む利点をも有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は物干器の下部を昇略して示した斜視図、第２
図は吊下げ具の物干竿への吊下げ途中の状態を示
す側面図、第３図は第１図−線の断面図、第
４図は正面図である。 １……吊下げフツク体、１ａ……基端部、３…
…鉤口、４……ヒンジ部、５……抑止片、６……
押え部、６ａ，６ｂ……円弧状凹部、８……当り
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吊下げフツク体１の基端部１ａに、フツク体の
   先端部に向つて弾性ヒンジ部４とこれに連続する
   当り部８が、鉤口３の中間の位置まで突設される
   とともに、異なる曲率半径の複数の円弧状凹部６
   ａ，６ｂからなる押え部６を上側縁に有する抑止
   片５が、該押え部６を吊下げフツク体１内中心部
   に臨ませて、前記当り部８に上方突出状に一体形
   成されてなる物干器等の吊下げ具。