JPS6329346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラービデオカメラに関し、特に撮影
画像の垂直エツジ部に生ずる偽色信号を無色化す
る偽色消去回路に関するものである。

近年、半導体技術の急速な発達に伴なつて、カ
ラーテレビカメラの撮像素子も固体化されてい
る。そしてこの場合、固体撮像板を用いたカラー
カメラに於いては、単板構成とするために、第３
図に示すようなベイヤー配列のモザイクフイルタ
（色分解フイルタ）が用いられている。このモザ
イクフイルタ内の区分された各色フイルタに対応
して固体撮像板の画素が配列されている。そして
第４図に示すように、この固体撮像板を色別にサ
ンプリング位相の異なる駆動パルスで各フイルド
毎に交互に走査して、モザイクフイルタを通して
各画素に蓄積された電荷を順次転送することによ
り、固体撮像板から色分離された映像成分を出力
信号として取出している。しかしながらこの場
合、Ｒ信号、Ｂ信号は１ラインおきに取出すた
め、このままでは全ラインにわたつてＲ信号、Ｂ
信号を取出すことはできない。そのためこのよう
な単板構成のカラーカメラにおいては、例えばｎ
＋１ラインの走査期間にＲ信号を取出したいとき
には、このｎ＋１ラインより1H（１水平走査周
期）先行するｎラインのＲ信号を垂直相間がある
ことを利用してこの1H先行するＲ信号をその分
遅延させて利用することにより全ラインにわたつ
て、連続したＲ信号を得ている。これはＢ信号に
ついても同様である。

しかしながら、このような垂直相間を利用した
色分離方式を用いたカラービデオカメラに於いて
は、色情報の切換わる被写体の垂直エツジ部にお
いて、このエツジ部に対応するビデオ信号部分に
存在しないはずの色情報を示す偽色信号が発生さ
れてしまう問題を有している。このために、従来
一般に用いられているモザイクフイルタ使用のカ
ラービデオカメラに於いては、この偽色信号を抑
圧する偽色消去回路が用いられている。

第１図は従来一般に用いられている偽色消去回
路の一例を示す回路図であつて、まずビデオ信号
に含まれる画像のエツジ部がエツジ検出信号Ａと
して取り出される。この場合、エツジ部の検出
は、例えばCCD素子を利用した1Hデイレイライ
ンを利用して、２ラインの信号を画素毎に交互に
サンプリングホールドした信号G_Wと１ラインの
信号を画素毎にサンプリングホールドした信号
G_Lとを取り出し、この信号G_Wと信号G_Lとの不一
致部分を取り出す方法が用いられている。このよ
うにして取り出されたエツジ検出信号Ａは、ロー
パスフイルタ１を介して差動アンプ２に供給さ
れ、その正負差動出力がダイオード３，４を介し
て加算器５に於いて加算されることにより、エツ
ジ検出信号が片方の極性に合わされた状態で取り
出される。

一方、クロマ信号Ｃは3.58MHzのバンドパスフ
イルタ６を介して振幅変調回路７に供給されてお
り、加算器５からコンデンサ８を介して供給され
る同一極性のエツジ検出信号によつて振幅変調が
加えられる。この結果、エツジ検出信号の発生時
点に於けるクロマ信号Ｃの振幅が抑圧されること
になり、これによつて該部分が無彩色の信号とな
る。このような処理がなされて振幅変調回路７か
ら出力されるクロマ信号は、遅延回路９に於い
て、１水平走査期間にわたつて遅延クロマ信号と
遅延されないクロマ信号とが加算器１０に於いて
加算されることにより、エツジ検出信号によつて
偽色信号の抑圧のために無色化された部分が隣接
水平走査期間のクロマ信号とが加算されて、平均
化されたクロマ信号C′として送出さることにより
色ぬけが防止される。

しかしながら、上記構成による偽色消去回路に
おいては、上記信号G_Wと信号G_Lのレベル差を取
り出してエツジ検出信号としているが、信号G_W
と信号G_Lのレベル差が画像のエツジ部分のみで
あつて、ブランキング部分のレベルが等しければ
何ら問題とはならないが、実際には信号G_Wと信
号G_Lともに、CCD素子の転送ノイズや直流レベ
ルの変動等によつてブランキング部分のレベルが
等しく無くなつてしまう。この結果、エツジ検出
信号には、画像のエツジ部分以外の部分に不必要
な信号が表れてしまい、このエツジ検出信号に含
まれる不必要な信号によつてバースト信号までが
抑圧されて、そのレベルが変動してしまうことに
なる。また、クロマ信号が振幅変調回路を常に通
過する構成であるために、クロマ信号のＳ／Ｎ比
が低下してしまう等の種々問題を有している。

従つて、本考案による目的は、偽色信号の抑圧
時にバースト信号に対してレベル変動を与えない
とともに、クロマ信号のＳ／Ｎ比低下をも防止し
たカラービデオカメラ用偽色消去回路を提供する
ことである。

このような目的を達成するために本考案は、偽
色の発生する画面のエツジ部を検出したエツジ検
出信号と複合ブランキング信号を混合回路に於い
て混合し、この混合出力を用いてカラーエンコー
ダに入力されるサブキヤリヤ信号にミユーテイン
グをかけることにより、複合ブランキング信号の
発生期間外に於けるエツジ検出信号の発生時にク
ロマ信号を抑圧して無彩色化するものである。以
下、図面を用いて詳細に説明する。

第２図は本考案によるカラービデオカメラ用偽
色消去回路の一実施例を示す回路図であつて、第
１図と同一部分は同一記号を用いて示してある。
同図に於いて１１ａ，１１ｂはローパスフイルタ
１を介して供給される両極性のエツジ検出信号を
互いに逆極性で基準値V₁，V₂と比較するコンパ
レータであり、その出力は加算器５に於いて互い
に加算されて片極性のエツジ検出信号A′として
出力される。１２はエツジ検出信号A′と、複合
ブランキング信号Ｂとを混合する混合回路、１３
はサブキヤリヤ信号SCを入力とする中心周波数
が3.58MHzのバンドパスフイルタ、１４はミユー
テイング回路であつて、混合回路１２の出力によ
りサブキヤリヤ信号に、ミユーテイング制御がか
けられる。１５はミユーテイング回路１４から出
力されるサブキヤリヤ信号を90゜遅延させる遅延
回路、１６はカラーエンコーダであつて、周波数
が同一で位相が90゜異なるサブキヤリヤ信号SC′，
SO″と、輝度信号Ｙ、色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙ
を、それぞれ入力としてクロマ信号Ｃを発生す
る。そして、このクロマ信号Ｃはバンドパスフイ
ルタ１７を介して取り出された後に、遅延回路１
８に於いて、１水平走査期間にわたつて遅延され
たクロマ信号とが加算器１９に於いて加算される
ことにより、相間補間が行なわれた後に再びカラ
ーエンコーダ１６に戻されるように構成されてい
る。従つて、カラーエンコーダ１６はこれらの信
号を基にして各種処理を行なうことによつて
NTSC方式によるビデオ信号Ｂが出力されるよう
に構成されている。

このように構成された偽色消去回路に於いて、
画像中に於ける偽色の発生しやすいエツジ部を検
出したことを示す微分出力状をなした両極性のエ
ツジ検出信号Ａは、ローパスフイルタ１を介して
ノイズ分が取り除かれた後に、コンパレータ１１
ａ，１１ｂに供給される。この場合、コンパレー
タ１１ａ，１１ｂは両極性のエツジ検出信号Ａを
それぞれ逆極性の入力端に取り込んで基準信号
V₁，V₂と比較している。従つて、コンパレータ
１１ａ，１１ｂは、それぞれエツジ検出信号Ａの
正極部分と角極部分が基準値V₁，V₂を越えた時
に出力が取り出されることになり、このコンパレ
ータ１１ａ，，１１ｂの出力は更に加算器５に於
いて互いに加算されることにより、すべての信号
を片極性としたエツジ検出信号A′が出力される。
このようにして発生されたエツジ検出信号A′は、
混合回路１２に於いて複合ブランキング信号Ｂと
混合されることにより、複合ブランキング期間に
於けるエツジ検出信号A′が除去された状態の混
合信号が出力される。

一方、サブキヤリヤ信号SCは、バンドパスフ
イルタ１３に於いてノイズ成分が取り除かれた後
に、サブキヤリヤ信号SC′として取り出されてミ
ユーテイング回路１４に供給される。この場合、
ミユーテイング回路１４は、混合回路１２から供
給されるミユーテイング制御信号のうちで、エツ
ジ検出信号A′に対応する部分に於いてのみサブ
キヤリヤ信号SCにミユーテイングがかけられる
ことになる。従つて、複合ブランキング信号Ｂの
発生期間以外の期間に於けるエツジ検出信号Ａの
発生時に、カラーエンコーダ１６に供給されるサ
ブキヤリヤ信号SC′，SC″の供給が防止されるこ
とになる。この結果、カラーエンコーダ１６から
出力されるクロマ信号Ｃが、ブランキング期間以
外の期間に於けるエツジ検出信号Ａの発生時に抑
圧されることになり、これに伴なつて該時点に於
けるクロマ信号Ｃが無彩色化されて偽色信号が消
去される。これに対し、加算回路１９はバンドパ
スフイルタ１７から出力されるクロマ信号と遅延
回路８を介して、１水平走査期間にわたつて遅延
されたクロマ信号とを加算して出力することによ
り、エツジ検出信号の発生時に於いてサブキヤリ
ヤ信号SCにミユーテイングがかけられたことに
よるクロマ信号Ｃの色ぬけが保間される。この場
合、偽色信号の抑圧は複合ブランキング信号の発
生期間以外の期間に於いて行なわれるために、バ
ースト信号には何ら影響を与えない。また、偽色
の抑圧は、サブキヤリヤ信号にミユーテイングを
かけることによつて行なわれているために、クロ
マ信号のＳ／Ｎを下げることはない。

なお、上記実施例に於いては、サブキヤリヤに
ミユーテイングをかけてクロマ信号を抑圧した場
合について説明したが、本考案はこれに限定され
るものではなく、カラーエンコーダから発生され
るクロマ信号そのものに直接ミユーテイングをか
けても良いことは言うまでもない。

以上説明したように、本考案による偽色消去回
路は、複合ブランキング信号の発生時以外の期間
に於ける画像中のエツジ検出時にサブキヤリヤ信
号およびクロマ信号のいずれかにミユーテイング
をかけて偽色の含まれる部分に於けるクロマ信号
を抑圧するとともに、この抑圧されたクロマ信号
と１水平期間にわたつて遅延されたクロマ信号と
を合成することによつて色ぬけを保間したもので
ある。よつて偽色の抑圧時にバースト信号のレベ
ル変動が防止されるとともに、クロマ信号は振幅
変調回路を通らないために、Ｓ／Ｎ比の低下が防
止される等の種々優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカラービデオカメラ用偽色消去
回路の一例を示す回路図、第２図は本考案による
カラービデオカメラ用偽色消去回路の一実施例を
示す回路図、第３図は本考案に係るモザイクフイ
ルタの配列例を示す図、第４図は同モザイクフイ
ルタの色配列に対応する駆動パルスのサンプリン
グの位相関係を示す図である。 １……ローパスフイルタ、５，１９……加算
器、１２……混合回路、１３，１７……バンドパ
スフイルタ、１４……ミユーテイング回路、１
５，１８……遅延回路、１６……カラーエンコー
ダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビデオ信号のエツジ部を検出して片極性のエツ
   ジ検出信号を発生するエツジ検出信号発生部と、
   このエツジ検出信号と複合ブランキング信号とを
   入力と混合することにより、複合ブランキング信
   号の発生期間に於けるエツジ検出信号を消去した
   状態の出力を発生する混合回路と、この混合回路
   の出力信号を制御入力としてサブキヤリア信号と
   クロマ信号のいずれか一方にエツジ検出信号の発
   生に対応してミユーテイングをかけるミユーテイ
   ング回路とを備えたカラービデオカメラ用偽色消
   去回路。