JPS63291687A - 製餡廃水中の抗酸化物回収法 - Google Patents

製餡廃水中の抗酸化物回収法

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JPS63291687A
JPS63291687A JP62127330A JP12733087A JPS63291687A JP S63291687 A JPS63291687 A JP S63291687A JP 62127330 A JP62127330 A JP 62127330A JP 12733087 A JP12733087 A JP 12733087A JP S63291687 A JPS63291687 A JP S63291687A
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馬島 剛
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Hiroji Mizuno
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は豆類を製餡する工場から排出される廃水を放流
するに先立って浄化処理を行なうとともに、廃水中に含
まれる有価物、特に抗酸化物を回収する方法に関する。
(従来の技術) 従来より菓子、餅類、パン類あるいはインスタント食品
などの甘味食品等に用いられる餡類のうち例えばつぶ餡
を原料豆類より製造する方法としては、土砂、夾雑物な
どを除去する洗浄工程、必要に応じて水中で煮沸する一
回乃至数回の渋切工程、引続きさらに充分軟化・膨潤す
るまで水中で煮沸するまたは蒸煮する本煮熟工程を順次
経由した上、加糖・混練することが一般に行なわれてい
る。この方法において上記各工程から排出される廃水は
生物化学的酸素要求量(BOD)が著しく高い値を示し
、その汚染度ならびに含有主成分の一例を示せば第1表
の如くである。
第 1 表  つぶ餡工程廃水 また、所謂こし餡の製造法は、上記つぶ箔製法における
本煮熟の後に、磨砕工程、固液分離工程および一次晒し
並びに二次晒し工程、フィルタープレスなどによる脱水
工程を経て加糖・混練する。
この隙に各工程から排出される廃水量並びに水質の典型
例を第2表に示す。
第 2 表  こし餡工程廃水 上記廃水はその高いBOD値に鑑み、環境保全の必要上
から例えば活性汚泥法など慣用の好気的生化学的処理を
施したうえで放流され、副生ずる余剰汚泥などの生汚泥
は直接脱水しコンポスト化または焼却などの処分に付し
ている現状にある。
しかしながら、固形分の多い直接脱水汚泥の燃焼には厖
大な熱エネルギーが消費されるなど、処分費用が嵩むう
えに、活性汚泥処理法は、真人な設備投資と熱動力その
他の維持経費を要し、生産コスト上昇の主因をなしてい
た。
また石油エネルギー危機が叫ばれて以来、省エネルギー
型でしかも有効活用可能性の見込まれるメタンガスを生
成する嫌気性消化法が見直されているが、この方法は長
大な処理時間を要するために設備が大型化し、従って大
゛きい設置空間を占めるという問題点が付帯する。
上述のような多くの問題点を抱えた廃水処理システムの
合理化は産業界の従来均しく渇望するところであった。
一方、前記製餡廃水は、渋切工程および煮熟工程よりな
る煮沸処理において原料豆より抽出された各種成分、例
えば第1表中に示した遊離アミノ酸やタンニン等を多量
に含有しており、それらの中には当然有価成分も含まれ
ると思われるにも拘らず、その回収、有効利用は全く等
閑視されたまま廃水処理に付されていた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、製餡工程の廃水処理システムの合理化研
究の過程で、廃水中に多量の有価物、特に抗酸化性物質
が含有されていることに着目し、その回収利用に成功す
るとともに、かかる回収法を改良された廃水処理工程に
組込むことによって、廃水処理法の大幅な合理化を達成
し得たものである。
本発明の第一の目的は、製餡工場より排出される廃水の
合理化された処理システムを提供するにある。
本発明の第二の目的は、製餡工場廃水中の有価物、特に
抗酸化物を高濃度で回収するにある。
本発明の第三の目的は、酸敗が防止され、鮮度を長期間
保持し得る食品を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成するための基本をなす本発明は、渋切
工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処理を施して豆類を
製餡するに際して、上記渋切工程および煮熟工程の少な
くとも一方より排出される廃水を、濃縮工程および乾燥
工程の少なくとも一方よりなる減容処理に付して抗酸化
物を高濃度で回収することを特徴とする製餡廃水中の抗
酸化物回収法である。
上記減容処理は、好ましくは限外濾過膜と逆浸透膜との
少なくとも一方による:a縮工程を含んでなる。
さらに好ましくは、上記減容処理は限外濾過膜と逆浸透
膜の各保持液の少な(とも一方をスプレィドライ、凍結
乾燥および真空乾燥のいずれかによる乾燥工程に付すこ
とを含む。
また前記限外濾過に先立って予備的濾過により廃水中の
懸濁固形分を実質的に除去することは特に好適である。
本発明方法を適用する廃水は渋切工程より排出される渋
切廃水であることが効果的である。
製餡原料の豆類としては最も普遍的で重要なものは小豆
である。
またかかる抗酸化物回収法を製餡廃水処理システムの一
環に組み込んでなる本発明方法は、渋切工程と煮熟工程
とを含んでなる煮沸処理を施して豆類を製餡するに際し
て上記渋切工程および煮熟工程の少なくとも一方より排
出される廃水を濃縮工程および乾燥工程の少なくとも一
方よりなる減容処理に付して抗酸化物を高濃度で回収す
るとともに、生化学的消化工程を含んでなる廃水処理シ
ステムに組込まれたことを特徴とする製餡廃水中の抗酸
化物回収法である。
かかる方法において、特に廃水が渋切工程より排出され
る廃水であり、減容処理が限外濾過膜による濃縮工程で
ある場合、前記生化学的消化工程は上記限外濾過膜の透
過液の嫌気性消化を含んでなることが好ましい。
また上記嫌気性消化に引続いて他の廃水とともに好気性
消化を施すことが望ましい。
以下に本発明方法の構成をその態様につき添付図面を参
照して詳述する。
本発明の基本をなす抗酸化物回収法のフローシートを第
1図に示す、同図中、PFはプレフィルタ−1UFは限
外濾過膜、ROは逆浸透膜、またSDはスプレードライ
工程をそれぞれ表わす。
本発明方法にいう製餡廃水とは、小豆、隠元豆、鋺豆、
ウズラ豆など多種に及ぶ豆類を原料とする製餡工程より
排出されるものを含むが、以下の説明においては特に代
表的な小豆よりの製餡廃水について述べる。
本発明方法を適用する廃水は、煮沸処理廃水、−すなわ
ち第1表中の渋切工程より排出されるものおよび煮熟工
程より排出されるものを共に含むことができるが、煮熟
廃水よりも寧ろ渋切廃水の方が抗酸化物含有量が多く、
より高い収率を以って抗酸化物の回収がなされることが
判明した。かかる抗酸化物の有効成分が如何なる物質に
由来するか充分明らかではないが第1表に見るように、
煮熟廃水よりも渋切廃水の方がより多量のタンニンを含
有することから、タンニンが何等かの役割を演じている
ものと推定される。一方、アミノ酸成分にも抗酸化能を
有するものが成る程度含まれていることも確認されてい
る。従って両廃水を併合処理すれば、目的とする有価物
を略々無駄なく回収することができる。
本発明方法は、先ず上述の廃水を限外濾過(UF)に付
してタンニンを過剰に含存する保持液を得てそれを回収
することよりなる。
限外濾過は市販の限外濾過膜を備えた限外濾過器を用い
て加圧下に行なわれるが、上記阻止率を限外濾過膜の分
画分子量などの特性に応じて実験的に測定し、適宜な性
能を有する濾過器を選択する。例えば分画分子量6,0
00〜30.000程度の濾過膜は好適に使用し得るこ
とが実験的に確認されている。市販の限外濾過膜のうち
から代表的製品の仕様と煮熟廃水中のアミノ酸阻止率と
タンニン阻止率とを第3表に示す。
前述のようにして得られたタンニンリッチな限外濾過膜
保持液は抗酸化物成分を豊富に含有するのでそのまま製
餡工程へ戻して、加糖混線直前の原料に添加するか、ま
たは充填・包装して抗酸化剤として出荷する。
また、限外濾過の透過液にも尚、可成りの抗酸化成分が
含まれおり、その回収のため、上記透過液にさらに脱水
処理を施して成分濃度を大とすることが好ましく、かか
る脱水処理は公知または慣用の蒸留、蒸発等によること
もできるが、熱エネルギーの節約の観点から、逆浸透膜
(RO)による濃縮が最も望ましい。逆浸透膜としては
、塩阻止率が少なくとも70%程度のものであれば通常
90%以上のアミノ酸阻止率および97%以上のタンニ
ン阻止率を示し、上記濃縮の目的に好適に使用される。
逆浸透膜保持液は抗酸化成分の濃縮エキス状でそのまま
抗酸化剤として使用可能である。
前記限外濾過膜の保持液および逆浸透膜保持液は、それ
らをさらに乾燥して粉末状とすることにより、商品価値
を著しく高めることができる。かかる乾燥は公知の手段
を適宜に適用することができ、就中、第1図に示したス
プレィドライ(SD)、その他凍結乾燥、真空乾燥など
が好適である。
前記限外濾過に先立って図示の如く予備的濾過すなわち
平均孔径約10μm程度のプレフィルタ−(PF)を通
して廃水中の夾雑物やSSなどを穫力取除(ことは、限
外濾過膜の効率維持に有効であり頗る好ましい。
次いで第2図は上述の基本的本発明方法を組み込んでな
る廃水処理システムの具体例を示すフローシートである
同図において渋切廃水のUF膜透過液は嫌気処理槽に導
かれ、必要に応じて晒し廃水と合体された上で、必要に
応じ緩撹拌下、温度約30〜60°Cの範囲で嫌気性条
件下に消化される。次いでその他廃水、例えば、洗浄、
波切、晒し、脱水等各工程の廃水と湊合されて活性汚泥
法などによる公知・慣用の好気性消化処理を受ける。こ
れら嫌気性または好気性の生化学的消化は状況によって
何れか一方とすることができるが省エネルギー面および
減容されたUP透過液の消化効率面などを考慮すれば、
少なくとも嫌気性消化を適用することが経済的に最も有
利である。また嫌気性消化に際して、有機物の分解に伴
って発生するメタンガスは捕集して工程の熱源として利
用し得る。
(作 用) 製餡廃水中には原料豆より熱水抽出された各種有機質成
分が含まれており、その中には、例えばタンニンのよう
な成分と、遊離アミノ酸成分とを多量に含有する。タン
ニンは約600〜2.000の高い分子量を示す一方、
アミノ酸類の分子量は約−指手さい。本発明方法におい
て、煮沸処理段階の廃水は、適宜に選択された限外濾過
膜の作用によって高分子量のタンニン等の抗酸化成分が
阻止されて保持液側に多く捕集され効率良く回収される
。尚透過液側に残存する抗酸化性成分は逆浸透膜処理に
付し、逆浸透膜保持液を濃縮エキスとして採取し、また
はさらに乾燥脱水することにより著しく減容することが
できる。また逆浸透膜は塩阻止率が高いため透過液は充
分清浄化され、工程への循環再使用を可能とする。さら
に適宜孔径のプレフィルタ−を設ければ、夾雑物、SS
等を捕捉し、限外濾過膜の良好な効率を長期間維持する
作用がある。
上述のような抗酸化物回収法を組み込んだ製餡廃水処理
システムにおいては、渋切廃水中の抗酸化物が限外濾過
膜保持液として回収され減量された透過液は、比較的小
容量の嫌気処理槽中で効率良く容易に消化されメタンガ
スを発生し、BOD値は激減するため、そのまま放流可
能であるが、他の余剰廃水と合体してさらに好気性処理
に付し容易に浄化することもできる。
(実施例) 以下に本発明方法を実施例についてさらに詳述する。
1旌炎上 懸濁有機質固形分含量460■/i!、、遊離アミノ酸
含量300Iug/℃およびタンニン含量390mg/
lの小豆つぶ箔製造工程の煮熟廃水を、第1図の工程フ
ローシートに示す如く、プレフィルタ−1限外濾過膜、
逆浸透膜を順次通した。
上記工程の実験装置の内容並びに規模は次の通りであっ
た。
〔膜実験装置〕限外濾過・逆浸透兼用装置タンク容!:
2Of、6Of、1501UFポンプ: 1001 /
win X 10 kg/cJROポンプ: 301 
/n+in X 60 kg/ci〔使用膜の性状〕 プレフィルター二平均孔径10μm UF膜    :MOLSEPファイバRO膜    
:5C−L(東し製、酢酸セルロース膜、塩阻止率70
%) プレフィルタ−透過液、限外濾過膜保持液、逆浸透膜保
持液それぞれを凍結乾燥して乾燥粉末とした。
各粉末の抗酸化能を市販の抗酸化剤、トコフェロールと
比較するため、それぞれをリノール酸0.02モル中に
0.01〜10■の範囲で添加し、リノール酸の過酸化
物価(PV)の経時変化を調べた。その結果を第3図の
グラフに示す。図中PVの値が0.3を超えるものは酸
化されていることを示す。同図から明らかな通り、本発
明によって得られた三種の粉末の全てにおいて抗酸化能
が確認され、トコフェロールに比し若干良好な性能を示
した。また添加量0.01■/リノール酸0.02モル
では抗酸化作用は示さないが、10■までの範囲では添
加量の増加に伴って抗酸化能は強くなる。さらに、三種
の膜処理液間では抗酸化能に殆ど差がなかった。
裏血皿l 被処理廃水を、懸濁有機質固形分320■/2、遊離ア
ミノ酸含量50■/I!、、タンニン含量740mg/
1.の小豆つぶ箔製造工程の渋切廃水とする他は前記実
施例と同様にして、三種の乾燥粉末を得た。
各粉末の抗酸化能を実施例1と同様にしてトコフェロー
ルと対比した結果を第4図のグラフに示す。同図から明
らかな通り、渋切廃水において三種の粉末の全てにおい
てトコフェロールよりも格段に優れた抗酸化能が確認さ
れた。
災隻皿主 容13fの嫌気処理槽に嫌気性菌固定化用担体として多
孔質セラミックスを装填し、煮熟廃水および晒し廃水を
それぞれ処理した。その結果を第4表に示す。
第 4 表  嫌気処理 “HRT  :水理学的滞留時間 幻D−BOD :?8解性BOD 処理条件は、高温槽温度55±2℃とした。
上表から明らかな通り、煮熟廃水および晒し廃水の嫌気
性処理は適宜に条件を選択することによりHRT 0.
6〜0.65日という短時間でBOD値を著しく低減さ
せることができ、この効果は渋切廃水の減量された限外
濾過膜透過液と晒し廃水とを混合した液でも変わること
な(、後続の好気処理を極めて容易化した。
(発明の効果) 本発明方法は畝上のような構成になり、優れた作用を有
するものであって、従来、徒らに廃棄していた製餡廃水
中に含まれる豊富な抗酸化成分などの有価物を回収し再
利用することができ、特にその濃縮回収に限外濾過膜と
逆浸透膜とを用いたから、頗る安価に高い収率を以って
有価物を取得し得る。また限外濾過膜保持液として捕集
した抗酸化成分およびそれをさらに乾燥した粉末状抗酸
化成分または逆浸透膜で濃縮したエキスおよびそれをさ
らに乾燥した粉末状抗酸化成分は、著しく減容され且つ
包装取扱いともに至便であるから、流通段階ならびに使
用に際し極めて好都合な商品価値の高い製品となる。さ
らにまた、限外濾過直前にプレフィルタ−を設けること
により限外濾過膜の効率を長時間良好に維持することが
できる。
逆浸透膜透過液は再生水として製餡工程に循環再使用し
得るから節水効果もある。
このような顕著な効果を伴う抗酸化物回収法を製餡廃水
処理システムに組込むことにより、廃水処理シテスムの
徹底した合理化が達成される。
このような廃水処理システム自体の合理化に加え、有価
物回収再利用による付加価値は、両々相俟って、大きい
経済的利益をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の基本工程フローシート、第2図
は、廃水処理システムに組込まれた本発明方法の工程フ
ローシート、 第3図は、本発明方法によって得られた抗酸化物の効果
を示すグラフであり、また 第4図は、本発明方法の好ましい態様によって得られた
抗酸化物の効果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、渋切工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処理を施し
    て豆類を製餡するに際して、上記渋切工程および煮熟工
    程の少なくとも一方より排出される廃水を、濃縮工程お
    よび乾燥工程の少なくとも一方よりなる減容処理に付し
    て抗酸化物を高濃度で回収することを特徴とする製餡廃
    水中の抗酸化物回収法。 2、減容処理が、限外濾過膜と逆浸透膜との少なくとも
    一方による濃縮工程を含んでなる特許請求の範囲第1項
    記載の製餡廃水中の抗酸化物回収法。 3、渋切工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処理を施し
    て豆類を製餡するに際して、上記渋切工程および煮熟工
    程の少なくとも一方より排出される廃水を濃縮工程およ
    び乾燥工程の少なくとも一方よりなる減容処理に付して
    抗酸化物を高濃度で回収するとともに、生化学的消化工
    程を含んでなる廃水処理システムに組込まれたことを特
    徴とする製餡廃水中の抗酸化物回収法。 4、排水が渋切工程より排出される廃水であり、減容処
    理が限外濾過膜による濃縮工程である特許請求の範囲第
    3項記載の方法において、前記生化学的消化工程が上記
    限外濾過膜の透過液の嫌気性消化を含んでなる製餡廃水
    中の抗酸化物回収法。
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