JPH084786B2 - 製餡廃水中の抗酸化物回収法 - Google Patents
製餡廃水中の抗酸化物回収法Info
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- JPH084786B2 JPH084786B2 JP12733087A JP12733087A JPH084786B2 JP H084786 B2 JPH084786 B2 JP H084786B2 JP 12733087 A JP12733087 A JP 12733087A JP 12733087 A JP12733087 A JP 12733087A JP H084786 B2 JPH084786 B2 JP H084786B2
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- Japan
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- wastewater
- antioxidant
- bean
- ultrafiltration
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-
- Y02W10/12—
Landscapes
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は豆類を製餡する工場から排出される廃水を放
流するに先立って浄化処理を行なうとともに、廃水中に
含まれる有価物、特に抗酸化物を回収する方法に関す
る。
流するに先立って浄化処理を行なうとともに、廃水中に
含まれる有価物、特に抗酸化物を回収する方法に関す
る。
(従来の技術) 従来より菓子、餅類、パン類あるいはインスタント食
品などの甘味食品等に用いられる餡類のうち例えばつぶ
餡を原料豆類より製造する方法としては、土砂、夾雑物
などを除去する洗浄工程、必要に応じて水中で煮沸する
一回乃至数回の渋切工程、引続きさらに充分軟化・膨潤
するまで水中で煮沸するまたは蒸煮する本煮熟工程を順
次経由した上、加糖・混練することが一般に行なわれて
いる。この方法において上記各工程から排出される廃水
は生物化学的酸素要求量(BOD)が著しく高い値を示
し、その汚染度ならびに含有主成分の一例を示せば第1
表の如くである。
品などの甘味食品等に用いられる餡類のうち例えばつぶ
餡を原料豆類より製造する方法としては、土砂、夾雑物
などを除去する洗浄工程、必要に応じて水中で煮沸する
一回乃至数回の渋切工程、引続きさらに充分軟化・膨潤
するまで水中で煮沸するまたは蒸煮する本煮熟工程を順
次経由した上、加糖・混練することが一般に行なわれて
いる。この方法において上記各工程から排出される廃水
は生物化学的酸素要求量(BOD)が著しく高い値を示
し、その汚染度ならびに含有主成分の一例を示せば第1
表の如くである。
また、所謂こし餡の製造法は、上記つぶ餡製法におけ
る本煮熟の後に、磨砕工程、固液分離工程および一次晒
し並びに二次晒し工程、フィルタ−プレスなどによる脱
水工程を経て加糖・混練する。この際に各工程から排出
される廃水量並びに水質の典型例を第2表に示す。
る本煮熟の後に、磨砕工程、固液分離工程および一次晒
し並びに二次晒し工程、フィルタ−プレスなどによる脱
水工程を経て加糖・混練する。この際に各工程から排出
される廃水量並びに水質の典型例を第2表に示す。
上記廃水はその高いBOD値に鑑み、環境保全の必要上
から例えば活性汚泥法など慣用の好気的生化学的処理を
施したうえで放流され、副生する余剰汚泥などの生汚泥
は直接脱水しコンポスト化または焼却などの処分に付し
ている現状にある。
から例えば活性汚泥法など慣用の好気的生化学的処理を
施したうえで放流され、副生する余剰汚泥などの生汚泥
は直接脱水しコンポスト化または焼却などの処分に付し
ている現状にある。
しかしながら、固形分の多い直接脱水汚泥の燃焼には
厖大な熱エネルギーが消費されるなど、処分費用が嵩む
うえに、活性汚泥処理法は、莫大な設備投資と熱動力そ
の他の維持経費を要し、生産コスト上昇の主因をなして
いた。
厖大な熱エネルギーが消費されるなど、処分費用が嵩む
うえに、活性汚泥処理法は、莫大な設備投資と熱動力そ
の他の維持経費を要し、生産コスト上昇の主因をなして
いた。
また石油エネルギー危機が叫ばれて以来、省エネルギ
ー型でしかも有効活用可能性の見込まれるメタンガスを
生成する嫌気性消化法が見直されているが、この方法は
長大な処理時間を要するために設備が大型化し、従って
大きい設置空間を占めるという問題点が付帯する。
ー型でしかも有効活用可能性の見込まれるメタンガスを
生成する嫌気性消化法が見直されているが、この方法は
長大な処理時間を要するために設備が大型化し、従って
大きい設置空間を占めるという問題点が付帯する。
上述のような多くの問題点を抱えた廃水処理システム
の合理化は産業界の従来均しく渇望するところであっ
た。
の合理化は産業界の従来均しく渇望するところであっ
た。
一方、前記製餡廃水は、渋切工程および煮熟工程より
なる煮沸処理において原料豆より抽出された各種成分、
例えば第1表中に示した遊離アミノ酸やタンニン等を多
量に含有しており、それらの中には当然有価成分も含ま
れると思われるにも拘らず、その回収、有効利用を全く
等閑視されたまま廃水処理に付されていた。
なる煮沸処理において原料豆より抽出された各種成分、
例えば第1表中に示した遊離アミノ酸やタンニン等を多
量に含有しており、それらの中には当然有価成分も含ま
れると思われるにも拘らず、その回収、有効利用を全く
等閑視されたまま廃水処理に付されていた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等は、製餡工程の廃水処理システムの合理化
研究の過程で、廃水中に多量の有価物、特に抗酸化性物
質が含有されていることに着目し、その回収利用に成功
するとともに、かかる回収法を改良された廃水処理工程
に組込むことによって、廃水処理法の大幅な合理化を達
成し得たものである。
研究の過程で、廃水中に多量の有価物、特に抗酸化性物
質が含有されていることに着目し、その回収利用に成功
するとともに、かかる回収法を改良された廃水処理工程
に組込むことによって、廃水処理法の大幅な合理化を達
成し得たものである。
本発明の第一の目的は、製餡工場より排出される廃水
の合理化された処理システムを提供するにある。
の合理化された処理システムを提供するにある。
本発明の第二の目的は、製餡工場廃水中の有価物、特
に抗酸化物を高濃度で回収するにある。
に抗酸化物を高濃度で回収するにある。
本発明の第三の目的は、酸敗が防止され、鮮度を長期
間保持し得る食品を提供することにある。
間保持し得る食品を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成するための基本をなす本発明は、渋
切工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処理を施して豆類
を製餡するに際して、上記渋切工程および煮熟工程の少
なくとも一方より排出される廃水を、濃縮工程および乾
燥工程の少なくとも一方よりなる減容処理に付して抗酸
化物を高濃度で回収することを特徴とする製餡廃水中の
抗酸化物回収法である。
切工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処理を施して豆類
を製餡するに際して、上記渋切工程および煮熟工程の少
なくとも一方より排出される廃水を、濃縮工程および乾
燥工程の少なくとも一方よりなる減容処理に付して抗酸
化物を高濃度で回収することを特徴とする製餡廃水中の
抗酸化物回収法である。
上記減容処理は、好ましくは限外濾過膜と逆浸透膜と
の少なくとも一方による濃縮工程を含んでなる。
の少なくとも一方による濃縮工程を含んでなる。
さらに好ましくは、上記減容処理は限外濾過膜と逆浸
透膜の各保持液の少なくとも一方をスプレイドライ、凍
結乾燥および真空乾燥のいずれかによる乾燥工程に付す
ことを含む。
透膜の各保持液の少なくとも一方をスプレイドライ、凍
結乾燥および真空乾燥のいずれかによる乾燥工程に付す
ことを含む。
また前記限外濾過に先立って予備的濾過により廃水中
の懸濁固形分を実質的に除去することは特に好適であ
る。
の懸濁固形分を実質的に除去することは特に好適であ
る。
本発明方法を適用する廃水は渋切工程より排出される
渋切廃水であることが効果的である。
渋切廃水であることが効果的である。
製餡原料の豆類としては最も普遍的で重要なものは小
豆である。
豆である。
またかかる抗酸化物回収法を製餡廃水処理システムの
一環に組み込んでなる本発明方法は、渋切工程と煮熟工
程とを含んでなる煮沸処理を施して豆類を製餡するに際
して上記渋切工程および煮熟工程の少なくとも一方より
排出される廃水を濃縮工程および乾燥工程の少なくとも
一方よりなる減容処理に付して抗酸化物を高濃度で回収
するとともに、生化学的消化工程を含んでなる廃水処理
システムに組込まれたことを特徴とする製餡廃水中の抗
酸化物回収法である。
一環に組み込んでなる本発明方法は、渋切工程と煮熟工
程とを含んでなる煮沸処理を施して豆類を製餡するに際
して上記渋切工程および煮熟工程の少なくとも一方より
排出される廃水を濃縮工程および乾燥工程の少なくとも
一方よりなる減容処理に付して抗酸化物を高濃度で回収
するとともに、生化学的消化工程を含んでなる廃水処理
システムに組込まれたことを特徴とする製餡廃水中の抗
酸化物回収法である。
かかる方法において、特に廃水が渋切工程より排出さ
れる廃水であり、減容処理が限外濾過膜による濃縮工程
である場合、前記生化学的消化工程は上記限外濾過膜の
透過液の嫌気性消化を含んでなることが好ましい。
れる廃水であり、減容処理が限外濾過膜による濃縮工程
である場合、前記生化学的消化工程は上記限外濾過膜の
透過液の嫌気性消化を含んでなることが好ましい。
また上記嫌気性消化に引続いて他の廃水とともに好気
性消化を施すことが望ましい。
性消化を施すことが望ましい。
以下に本発明方法の構成をその態様につき添付図面を
参照して詳述する。
参照して詳述する。
本発明の基本をなす抗酸化物回収法のフローシートを
第1図に示す。同図中、PFはプレフィルター、UFは限外
濾過膜、ROは逆浸透膜、またSDはスプレードライ工程を
それぞれ表わす。
第1図に示す。同図中、PFはプレフィルター、UFは限外
濾過膜、ROは逆浸透膜、またSDはスプレードライ工程を
それぞれ表わす。
本発明方法にいう製餡廃水とは、小豆、隠元豆、豌
豆、ウズラ豆など多種に及ぶ豆類を原料とする製餡工程
より排出されるものを含むが、以下の説明においては特
に代表的な小豆よりの製餡廃水について述べる。
豆、ウズラ豆など多種に及ぶ豆類を原料とする製餡工程
より排出されるものを含むが、以下の説明においては特
に代表的な小豆よりの製餡廃水について述べる。
本発明方法を適用する廃水は、煮沸処理廃水、すなわ
ち第1表中の渋切工程より排出されるものおよび煮熟工
程より排出されるものを共に含むことができるが、煮熟
廃水よりも寧ろ渋切廃水の方が抗酸化物含有量が多く、
より高い収率を以って抗酸化物の回収がなされることが
判明した。かかる抗酸化物の有効成分が如何なる物質に
由来するか充分明らかではないが第1表に見るように、
煮熟廃水よりも渋切廃水の方がより多量のタンニンを含
有することから、タンニンが何等かの役割を演じている
ものと推定される。一方、アミノ酸成分にも抗酸化能を
有するものが或る程度含まれていることも確認されてい
る。従って両廃水を併合処理すれば、目的とする有価物
を略々無駄なく回収することができる。
ち第1表中の渋切工程より排出されるものおよび煮熟工
程より排出されるものを共に含むことができるが、煮熟
廃水よりも寧ろ渋切廃水の方が抗酸化物含有量が多く、
より高い収率を以って抗酸化物の回収がなされることが
判明した。かかる抗酸化物の有効成分が如何なる物質に
由来するか充分明らかではないが第1表に見るように、
煮熟廃水よりも渋切廃水の方がより多量のタンニンを含
有することから、タンニンが何等かの役割を演じている
ものと推定される。一方、アミノ酸成分にも抗酸化能を
有するものが或る程度含まれていることも確認されてい
る。従って両廃水を併合処理すれば、目的とする有価物
を略々無駄なく回収することができる。
本発明方法は、先ず上述の廃水を限外濾過(UF)に付
してタンニンを過剰に含有する保持液を得てそれを回収
することよりなる。
してタンニンを過剰に含有する保持液を得てそれを回収
することよりなる。
限外濾過は市販の限外濾過膜を備えた限外濾過器を用
いて加圧下に行なわれるが、上記阻止率を限外濾過膜の
分画分子量などの特性に応じて実験的に測定し、適宜な
性能を有する濾過器を選択する。例えば分画分子量6,00
0〜30,000程度の濾過膜は好適に使用し得ることが実験
的に確認されている。市販の限外濾過膜のうちから代表
的製品の仕様と煮熟廃水中のアミノ酸阻止率とタンニン
阻止率とを第3表に示す。
いて加圧下に行なわれるが、上記阻止率を限外濾過膜の
分画分子量などの特性に応じて実験的に測定し、適宜な
性能を有する濾過器を選択する。例えば分画分子量6,00
0〜30,000程度の濾過膜は好適に使用し得ることが実験
的に確認されている。市販の限外濾過膜のうちから代表
的製品の仕様と煮熟廃水中のアミノ酸阻止率とタンニン
阻止率とを第3表に示す。
前述のようにして得られたタンニンリッチな限外濾過
膜保持液は抗酸化物成分を豊富に含有するのでそのまま
製餡工程へ戻して、加糖混練直前の原料に添加するか、
または充填・包装して抗酸化剤として出荷する。
膜保持液は抗酸化物成分を豊富に含有するのでそのまま
製餡工程へ戻して、加糖混練直前の原料に添加するか、
または充填・包装して抗酸化剤として出荷する。
また、限外濾過の透過液にも尚、可成りの抗酸化成分
が含まれており、その回収のため、上記透過液にさらに
脱水処理を施して成分濃度を大とすることが好ましく、
かかる脱水処理は公知または慣用の蒸留、蒸発等による
こともできるが、熱エネルギーの節約の観点から、逆浸
透膜(RO)による濃縮が最も望ましい。逆浸透膜として
は、塩阻止率が少なくとも70%程度のものであれば通常
90%以上のアミノ酸阻止率および97%以上のタンニン阻
止率を示し、上記濃縮の目的に好適に使用される。
が含まれており、その回収のため、上記透過液にさらに
脱水処理を施して成分濃度を大とすることが好ましく、
かかる脱水処理は公知または慣用の蒸留、蒸発等による
こともできるが、熱エネルギーの節約の観点から、逆浸
透膜(RO)による濃縮が最も望ましい。逆浸透膜として
は、塩阻止率が少なくとも70%程度のものであれば通常
90%以上のアミノ酸阻止率および97%以上のタンニン阻
止率を示し、上記濃縮の目的に好適に使用される。
逆浸透膜保持液は抗酸化成分の濃縮エキス状でそのま
ま抗酸化剤として使用可能である。
ま抗酸化剤として使用可能である。
前記限外濾過膜の保持液および逆浸透膜保持液は、そ
れらをさらに乾燥して粉末状とすることにより、商品価
値を著しく高めることができる。かかる乾燥は公知の手
段を適宜に適用することができ、就中、第1図に示した
スプレイドライ(SD)、その他凍結乾燥、真空乾燥など
が好適である。
れらをさらに乾燥して粉末状とすることにより、商品価
値を著しく高めることができる。かかる乾燥は公知の手
段を適宜に適用することができ、就中、第1図に示した
スプレイドライ(SD)、その他凍結乾燥、真空乾燥など
が好適である。
前記限外濾過に先立って図示の如く予備的濾過すなわ
ち平均孔径約10μm程度のプレフィルター(PF)を通し
て廃水中の夾雑物やSSなどを極力取除くことは、限外濾
過膜の効率維持に有効であり頗る好ましい。
ち平均孔径約10μm程度のプレフィルター(PF)を通し
て廃水中の夾雑物やSSなどを極力取除くことは、限外濾
過膜の効率維持に有効であり頗る好ましい。
次いで第2図は上述の基本的本発明方法を組み込んで
なる廃水処理システムの具体例を示すフローシートであ
る。
なる廃水処理システムの具体例を示すフローシートであ
る。
同図において渋切廃水のUF膜透過液は嫌気処理槽に導
かれ、必要に応じて晒し廃水と合体された上で、必要に
応じ緩攪拌下、温度約30〜60℃の範囲で嫌気性条件下に
消化される。次いでその他廃水、例えば、洗浄、渋切、
晒し、脱水等各工程の廃水と湊合されて活性汚泥法など
による公知・慣用の好気性消化処理を受ける。これら嫌
気性または好気性の生化学的消化は状況によって何れか
一方とすることができるが省エネルギー面および減容さ
れたUF透過液の消化効率面などの考慮すれば、少なくと
も嫌気性消化を適用することが経済的に最も有利であ
る、また嫌気性消化に際して、有機物の分解に伴って発
生するメタンガスは捕集して工程の熱源として利用し得
る。
かれ、必要に応じて晒し廃水と合体された上で、必要に
応じ緩攪拌下、温度約30〜60℃の範囲で嫌気性条件下に
消化される。次いでその他廃水、例えば、洗浄、渋切、
晒し、脱水等各工程の廃水と湊合されて活性汚泥法など
による公知・慣用の好気性消化処理を受ける。これら嫌
気性または好気性の生化学的消化は状況によって何れか
一方とすることができるが省エネルギー面および減容さ
れたUF透過液の消化効率面などの考慮すれば、少なくと
も嫌気性消化を適用することが経済的に最も有利であ
る、また嫌気性消化に際して、有機物の分解に伴って発
生するメタンガスは捕集して工程の熱源として利用し得
る。
(作 用) 製餡廃水中には原料豆より熱水抽出された各種有機質
成分が含まれており、その中には、例えばタンニンのよ
うな成分と、遊離アミノ酸成分とを多量に含有する。タ
ンニンは約600〜2,000の高い分子量を示す一方、アミノ
酸類の分子量は約一桁小さい。本発明方法において、煮
沸処理段階の廃水は、適宜に選択された限外濾過膜の作
用によって高分子量のタンニン等の抗酸化成分が阻止さ
れて保持液側に多く捕集され効率良く回収される。尚透
過液側に残存する抗酸化性成分は逆浸透膜処理に付し、
逆浸透膜保持液を濃縮エキスとして採取し、またはさら
に乾燥脱水することにより著しく減容することができ
る。また逆浸透膜は塩阻止率が高いため透過液は充分洗
浄化され、工程への循環再使用を可能とする。さらに適
宜孔径のプレフィルターを設ければ、夾雑物、SS等を捕
捉し、限外濾過膜の良好な効率を長期間維持する作用が
ある。
成分が含まれており、その中には、例えばタンニンのよ
うな成分と、遊離アミノ酸成分とを多量に含有する。タ
ンニンは約600〜2,000の高い分子量を示す一方、アミノ
酸類の分子量は約一桁小さい。本発明方法において、煮
沸処理段階の廃水は、適宜に選択された限外濾過膜の作
用によって高分子量のタンニン等の抗酸化成分が阻止さ
れて保持液側に多く捕集され効率良く回収される。尚透
過液側に残存する抗酸化性成分は逆浸透膜処理に付し、
逆浸透膜保持液を濃縮エキスとして採取し、またはさら
に乾燥脱水することにより著しく減容することができ
る。また逆浸透膜は塩阻止率が高いため透過液は充分洗
浄化され、工程への循環再使用を可能とする。さらに適
宜孔径のプレフィルターを設ければ、夾雑物、SS等を捕
捉し、限外濾過膜の良好な効率を長期間維持する作用が
ある。
上述のような抗酸化物回収法を組み込んだ製餡廃水処
理システムにおいては、渋切廃水中の抗酸化物が限外濾
過膜保持液として回収され減量された透過液は、比較的
小容量の嫌気処理槽中で効率良く容易に消化されメタン
ガスを発生し、BOD値は激減するため、そのまま放流可
能であるが、他の余剰廃水と合体してさらに好気性処理
に付し容易に浄化することもできる。
理システムにおいては、渋切廃水中の抗酸化物が限外濾
過膜保持液として回収され減量された透過液は、比較的
小容量の嫌気処理槽中で効率良く容易に消化されメタン
ガスを発生し、BOD値は激減するため、そのまま放流可
能であるが、他の余剰廃水と合体してさらに好気性処理
に付し容易に浄化することもできる。
(実施例) 以下に本発明方法を実施例についてさらに詳述する。
実施例1 懸濁有機質固形分含量460mg/、遊離アミノ酸含量30
0mg/およびタンニン含量390mg/の小豆つぶ餡製造工
程の煮熟廃水を、第1図の工程フローシートに示す如
く、プレフィルター、限外濾過膜、逆浸透膜を順次通し
た。
0mg/およびタンニン含量390mg/の小豆つぶ餡製造工
程の煮熟廃水を、第1図の工程フローシートに示す如
く、プレフィルター、限外濾過膜、逆浸透膜を順次通し
た。
上記工程の実験装置の内容並びに規模は次の通りであ
った。
った。
プレフィルター:平均孔径10μm UF膜:MOLSERファイバ RO膜:SC−L(東レ製,酢酸セルロース膜,塩阻止率70
%) プレフィルター透過液、限外濾過膜保持液、逆浸透膜
保持液それぞれを凍結乾燥して乾燥粉末とした。
%) プレフィルター透過液、限外濾過膜保持液、逆浸透膜
保持液それぞれを凍結乾燥して乾燥粉末とした。
各粉末の抗酸化能を市販の抗酸化剤、トコフェロール
と比較するため、それぞれをリノール酸0.02モル中に0.
01〜10mgの範囲で添加し、リノール酸の過酸化物価(P
V)の経時変化を調べた。その結果を第3図のグラフに
示す。図中PVの値が0.3を超えるものは酸化されている
ことを示す。同図から明らかな通り、本発明によって得
られた三種の粉末の全てにおいて抗酸化能が確認され、
トコフェロールに比し若干良好な性能を示した。また添
加量0.01mg/リノール酸0.02モルでは抗酸化作用は示さ
ないが、10mgまでの範囲では添加量の増加に伴って抗酸
化能は強くなる。さらに、三種の膜処理液間では抗酸化
能に殆ど差がなかった。
と比較するため、それぞれをリノール酸0.02モル中に0.
01〜10mgの範囲で添加し、リノール酸の過酸化物価(P
V)の経時変化を調べた。その結果を第3図のグラフに
示す。図中PVの値が0.3を超えるものは酸化されている
ことを示す。同図から明らかな通り、本発明によって得
られた三種の粉末の全てにおいて抗酸化能が確認され、
トコフェロールに比し若干良好な性能を示した。また添
加量0.01mg/リノール酸0.02モルでは抗酸化作用は示さ
ないが、10mgまでの範囲では添加量の増加に伴って抗酸
化能は強くなる。さらに、三種の膜処理液間では抗酸化
能に殆ど差がなかった。
実施例2 被処理廃水を、懸濁有機質固形分320mg/、遊離アミ
ノ酸含量50mg/、タンニン含量740mg/の小豆つぶ餡
製造工程の渋切廃水とする他は前記実施例と同様にし
て、三種の乾燥粉末を得た。
ノ酸含量50mg/、タンニン含量740mg/の小豆つぶ餡
製造工程の渋切廃水とする他は前記実施例と同様にし
て、三種の乾燥粉末を得た。
各粉末の抗酸化能を実施例1と同様にしてトコフェロ
ールと対比した結果を第4図のグラフに示す。同図から
明らかな通り、渋切廃水において三種の粉末の全てにお
いてトコフェロールよりも格段に優れた抗酸化能が確認
された。
ールと対比した結果を第4図のグラフに示す。同図から
明らかな通り、渋切廃水において三種の粉末の全てにお
いてトコフェロールよりも格段に優れた抗酸化能が確認
された。
実施例3 容量3の嫌気処理槽に嫌気性菌固定化用担体として
多孔質セラミックスを装填し、煮熟廃水および晒し廃水
をそれぞれ処理した。その結果を第4表に示す。
多孔質セラミックスを装填し、煮熟廃水および晒し廃水
をそれぞれ処理した。その結果を第4表に示す。
処理条件は、高温槽温度55±2℃とした。
上表から明らかな通り、煮熟廃水および晒し廃水の嫌
気性処理は適宜に条件を選択することによりHRT0.6〜0.
65日という短時間でBOD値は著しく低減させることがで
き、この効果は渋切廃水の減量された限外濾過膜透過液
と晒し廃水とを混合した液でも変わることなく、後続の
好気処理を極めて容易化した。
気性処理は適宜に条件を選択することによりHRT0.6〜0.
65日という短時間でBOD値は著しく低減させることがで
き、この効果は渋切廃水の減量された限外濾過膜透過液
と晒し廃水とを混合した液でも変わることなく、後続の
好気処理を極めて容易化した。
(発明の効果) 本発明方法は叙上のような構成になり、優れた作用を
有するものであって、従来、徒らに廃棄していた製餡廃
水中に含まれる豊富な抗酸化成分などの有価物を回収し
再利用することができ、特にその濃縮回収に限外濾過膜
と逆浸透膜とを用いたから、頗る安価に高い収率を以っ
て有価物を取得し得る。また限外濾過膜保持液として捕
集した抗酸化成分およびそれをさらに乾燥した粉末状抗
酸化成分または逆浸透膜で濃縮したエキスおよびそれを
さらに乾燥した粉末状抗酸化成分は、著しく減容され且
つ包装取扱いともに至便であるから、流通段階ならびに
使用に際し極めて好都合な商品価値の高い製品となる。
さらにまた、限外濾過直前にプレフィルターを設けるこ
とにより限外濾過膜の効率を長時間良好に維持すること
ができる。逆浸透膜透過液は再生水として製餡工程に循
環再使用し得るから節水効果もある。
有するものであって、従来、徒らに廃棄していた製餡廃
水中に含まれる豊富な抗酸化成分などの有価物を回収し
再利用することができ、特にその濃縮回収に限外濾過膜
と逆浸透膜とを用いたから、頗る安価に高い収率を以っ
て有価物を取得し得る。また限外濾過膜保持液として捕
集した抗酸化成分およびそれをさらに乾燥した粉末状抗
酸化成分または逆浸透膜で濃縮したエキスおよびそれを
さらに乾燥した粉末状抗酸化成分は、著しく減容され且
つ包装取扱いともに至便であるから、流通段階ならびに
使用に際し極めて好都合な商品価値の高い製品となる。
さらにまた、限外濾過直前にプレフィルターを設けるこ
とにより限外濾過膜の効率を長時間良好に維持すること
ができる。逆浸透膜透過液は再生水として製餡工程に循
環再使用し得るから節水効果もある。
このような顕著な効果を伴う抗酸化物回収法を製餡廃
水処理システムに組込むことにより、廃水処理システム
の徹底した合理化が達成される。
水処理システムに組込むことにより、廃水処理システム
の徹底した合理化が達成される。
このような廃水処理システム自体の合理化に加え、有
価物回収再利用による付加価値は、両々相俟って、大き
い経済的利益をもたらすものである。
価物回収再利用による付加価値は、両々相俟って、大き
い経済的利益をもたらすものである。
第1図は、本発明方法の基本工程フローシート、 第2図は、廃水処理システムに組込まれた本発明方法の
工程フローシート、 第3図は、本発明方法によって得られた抗酸化物の効果
を示すグラフであり、また 第4図は、本発明方法の好ましい態様によって得られた
抗酸化物の効果を示すグラフである。
工程フローシート、 第3図は、本発明方法によって得られた抗酸化物の効果
を示すグラフであり、また 第4図は、本発明方法の好ましい態様によって得られた
抗酸化物の効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 廣二 愛知県小牧市篠岡3丁目26番地の5 (56)参考文献 特開 昭51−36756(JP,A) 特開 昭48−88243(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】渋切工程と煮熟工程とを含んでなる煮沸処
理を施して、小豆、隠元豆、豌豆、ウズラ豆からなる群
より選ばれた少なくとも1種の豆類を製餡するに際し
て、上記渋切工程および煮熟工程の少なくとも一方より
排出される廃水を限外濾過工程を含む減容処理に付して
抗酸化物を高濃度溶液として回収することを特徴とする
製餡廃水中の抗酸化物回収法。 - 【請求項2】減容処理が、前記限外濾過工程による透過
液の逆浸透膜による濃縮工程を含んでなる特許請求の範
囲第1項記載の製餡廃水中の抗酸化物回収法。 - 【請求項3】減容処理が、前記限外濾過工程および/ま
たは逆浸透膜の保持液に対する乾燥工程を含んでなり抗
酸化物を粉末状で回収する特許請求の範囲第2項記載の
製餡廃水中の抗酸化物回収法。 - 【請求項4】上記限外濾過工程の透過液を少なくとも嫌
気性消化工程を経て廃棄する特許請求の範囲第1項記載
の製餡廃水中の抗酸化物回収法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12733087A JPH084786B2 (ja) | 1987-05-25 | 1987-05-25 | 製餡廃水中の抗酸化物回収法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12733087A JPH084786B2 (ja) | 1987-05-25 | 1987-05-25 | 製餡廃水中の抗酸化物回収法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63291687A JPS63291687A (ja) | 1988-11-29 |
JPH084786B2 true JPH084786B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=14957256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12733087A Expired - Lifetime JPH084786B2 (ja) | 1987-05-25 | 1987-05-25 | 製餡廃水中の抗酸化物回収法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084786B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO1992019113A1 (en) * | 1991-05-01 | 1992-11-12 | Ogilvie Mills Ltd. | Process for manufacturing vital wheat gluten with substantially no objectionable flavor or aroma |
JP2795812B2 (ja) * | 1994-09-13 | 1998-09-10 | 敷島製パン株式会社 | 抗う蝕性剤の製造方法及び該製造方法により得られる抗う蝕剤 |
EP3157352A4 (en) | 2014-06-18 | 2018-05-30 | The Coca-Cola Company | Method for reducing low molecular weight species in caramel |
CN104357060B (zh) * | 2014-10-23 | 2016-06-29 | 浙江师范大学 | 香莓源抗氧化剂的制备方法 |
CN108862477A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-23 | 常州大学 | 一种去除微污染水体中离子的方法 |
CN108862476A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-11-23 | 常州大学 | 一种去除微污染水体中腐殖酸的方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4888243A (ja) * | 1972-03-03 | 1973-11-19 | ||
JPS5136756A (en) * | 1974-05-11 | 1976-03-27 | Dainippon Toryo Kk | Daizunijiruno shorihoho oyobi sonosochi |
-
1987
- 1987-05-25 JP JP12733087A patent/JPH084786B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63291687A (ja) | 1988-11-29 |
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