JPS6328822B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両走行システムに関し、更に詳しく
は支持レール上を転動する車両重量を定常的に支
持する車輪と、該支持レールに沿つて敷設された
案内レール側壁に横から接して転動する車両横
（左右）方向案内用の案内輪を台車に取付けた側
壁案内方式の車両走行システムに関する。

敷設軌道上を支持車輪によつて走行する台車方
式の車両走行システムにおいては、通常の鉄道用
車輪のようにフランジが無いため、曲線区間にお
ける案内を別の案内側壁或いは該側壁に設けた案
内レールと案内輪とによつて行なう必要がある。
後者の案内レールを用いる場合にはフランジ付案
内輪を用いることもある。これらの場合、円滑な
案内性を得るためには左右の車輪を共通車軸で軸
支するよりも各々独立した別々の車軸で軸支する
ようにし、各々の車軸を水平面内で或る角度範囲
にわたり施回動できるようにするのが一般的であ
る。しかしながらこのような片軸独立支持方式の
場合に限らず共通軸を用いた場合にも車軸折損が
起きたときに台車に支承された車両荷重の支持が
失なわれることにより直ちに走行不能に落ち入
り、後続車両の運行の障害、すなわちシステムダ
ウンを余儀無くされる。また支持車輪に空気タイ
ヤを用いた場合にもパンクにより同じ支障を招来
する。

本発明の目的は、前述の如き片軸独立支持方式
の台車を用いてその操向ガイドと台車転倒防止の
ために案内輪を横から案内レールに当てるように
した車両走行システムにおいて、車軸折損時に少
なくとも所定距離を案内輪だけで支持走行できる
ようにすると共に、定常的に案内輪による操向案
内で支持車輪もこれに連動して比較的急な曲線路
をも走行できるようにし、しかも車輪やその軸支
構造、案内輪等の台車各部の保守修理作業を容易
にすることのできる車両走行システムを提供する
ことである。

以下本発明の車両走行システムを実施例図面と
共に詳述すれば、第１図において１は一対の平行
に敷設された支持レールで、この支持レール１は
その上面を平らな平行面２とした角形鋼管によつ
て構成することでその走行面２の通り精度を高く
保つようにしてある。この支持レールの両脇には
溝形鋼からなる案内レール３が支持部材４によつ
て添設されており、両側の案内レール３でその溝
形鋼の内面を向い合せに対面させ、溝形鋼のウエ
ブ３ａの内面が走行面２に対して直角な縦面とし
てレール３に沿つて延在するようになつている。
５は案内輪１２の案内方向に連動して自動的に支
持車輪１０が操向される台車フレームであり、図
面では単一の梁部材として示してあるが台車構体
の主体としての部材一般がこれに含まれることは
勿論である。この台車フレーム５はコイルばね又
は空気ばねなどのばね装置６を有し、このばね装
置６を介して図示しない車両の重量及び運動、方
向を支承、案内するようになつている。

台車フレーム５の両側端には、振動吸収ダンパ
７を介して操向桿８が水平面内でダンパ７を中心
に或る角度範囲にわたり施回動可能に取付けられ
ており、操向桿８のダンパ７の直下部分に好まし
くは軸ばね装置および軸ダンパを介して軸枠９が
支持され、この軸枠９によつて車輪１０の車軸１
１が軸支されている。

操向桿８の両端には、車輪１０の前後位置で案
内レール３のウエブ３ａの内面を転動する案内輪
１２が横向きに配置されている。すなわち車輪１
０の前後において両側の操向桿８の各端部間に連
結桿１３が各々ピン１４により滑接に取付けら
れ、各連結桿１３と操向桿８とで平行四辺形リン
クが構成されるようになされており、この各連結
桿１３の両端にそれぞれ案内輪１２が横向きに軸
支されている。

さて、本発明では、前記支持レール１と案内レ
ール３とを含んでなる走行軌道に、前記車輪１０
および案内輪１２を有する台車に支持された車両
を走行させるが、案内輪１２によつて車輪１０の
前後で操向を行なうので比較的急な曲線路でも車
輪１０の操向が良く良従し、急曲線路の安定した
走行を実現することができる。この場合、連結桿
１３によつて両側の案内輪間の応力を受ける構造
であるので、案内レール３による車両転倒防止も
果たすことができる。特に注目すべきは車軸１１
の折損（一軸折損）時の案内輪１２の働きであ
り、この場合には、車軸折損を起した車輪の前後
で案内輪１２が、その下端面を案内レール３の下
側フランジ３ｂの内面に接しながら回転して、台
車への荷重を支持しつつ台車移動を維持できるよ
うにする。例えば台車１台当りの支持荷重を1.2
トンとすると、一軸折損時にはその半分の600Kg
を片側の前後案内輪１２が分担し、設計上これに
耐えるに充分な軸受および構造強度が各部に与え
られる。

案内輪１２の下端面は正常走行時にはフランジ
３ｂと接しておらず、案内輪周面がウエブ３ａ内
面を転動しているだけであるが、車軸折損時には
前述のように案内輪１２下端面がフランジ３ｂ内
面に接面され、従つて案内輪１２と案内レール３
とを、例えば案内輪１２を導電体である鉄車輪、
或いはゴム輪で構成するなどして正常走行時に電
気的に絶縁しておき、ゴム案内輪１２の下端面側
に導電体製のリング等を取付けておいて車軸折損
時にこのリングがフランジ３ｂ内面と接触するよ
うにしておくと、このリング案内レールが導電性
の金属体、例えば鋼鉄であれば電気接点信号を得
ることができ、車軸折損の検知に利用することも
可能である。

また前記のように操行桿８と連結桿１３とはピ
ン１４により滑接に結合されており、このピン１
４を抜くことで車輪１０と操向桿８などを含む台
車フレーム部分と、その前後それぞれの案内輪付
き連結桿１３部分との三つの部分に分割すること
ができ、これは台車を車体（図示せず）に取付け
た状態のままで行ない得るものである。従つて車
軸折損時の台車修理や保守点検において必要部分
のみを別にすることができるから、これらの作業
が容易になる利点があり、例えばピン１４を外す
ことで車体を台車フレーム部分ごと軌道外へクレ
ーンによつて吊り出すことも可能である。

本発明は叙上の通りであり、車軸折損時にも駅
間に相応した所定距離を案内輪１２による支持で
そのまま走行を継続させることができ、従つて連
続輸送システムや無人運行システムに利用して、
故障車両ないしそれを含む列車編成をストツプさ
せずに最寄り駅さらには留置線まで案内輪支持で
走行させ得るのでシステムダウンを少なくするこ
とができる。またピン結合を外すことにより容易
に案内輪付連結桿部分を分けることができるか
ら、各部の保守修理作業がやり易いという利点も
得られるものである。更に公知のリニアモータや
例えば特公昭55−20902号公報に示されたような
磁石式連続輸送装置など、いずれも地上一次駆動
方式のものにあつては、第１図に鎖線で示す如く
台車中央で駆動用磁石１５を台車フレーム５に枢
支させ、連結桿１３とも連結して台車の運動方向
に磁石１５が連動して操向されるようにするのが
好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図であ
る。 １……支持レール、２……走行面、３……案内
レール、５……台車フレーム、８……操向桿、９
……軸枠、１０……支持車輪、１１……車軸、１
２……案内輪、１３……連結桿、１４……ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上面を車輪走行面とする支持レールの両側上
   方に互いに内面を向い合わせにした一対の溝形鋼
   案内レールを添設した走行軌道に、前記支持レー
   ル上面の車輪走行面上を転動する車輪および前記
   案内レールのウエブ内面上を転動する案内輪を有
   する台車を走行させる車両走行システムであつ
   て、 前記車輪を軸支する軸枠が、台車フレームに対
   して水平面内で回動可能な操向桿に取付けられ、 前記案内輪が、前記操向桿の両端に各々水平に
   軸支されて前記車輪の前後双方で案内レールのウ
   エブ内面を転動するようになされ、且つ前記車輪
   の車軸折損時には案内輪の下端面が案内レールの
   下側のフランジ内面で支持されて台車を含む車両
   荷重を支えつつ転動可能になされていることを特
   徴とする車両走行システム。