JPS6328642A - レトルト殺菌用多層容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、レトルト殺菌可能で、高度な耐気体透過性を
有し、さらにはレトルト殺菌後も高度な耐気体透過性を
保持することが出来る。透明又は半透明な多ｌ藝容器に
；関するもので１食品又は医薬品を長期間にわたって保
存し得る包装材料とじて使用される。

〈従来の技術及びその問題点〉 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は優れたガスバ
リヤ−性、保香性、透明性により、多１ｉ＃容器等の包
装材料のガスバリヤ−層として使用することにより、包
装された食品又は医薬品の酸素等による劣化を防ぎ、長
期保存が可能となるため、多用されている。

しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体は低湿度
状幅では優れた酸素ガスバリヤ−性を示すが、高湿度状
幅や含水率ｂ″−高い場合には酸素ガスバリヤ−性は大
巾に低下する。その為、−ｆｆにはポリエチレン、ポリ
プロピレン等の低透湿性の疎水性高分子を両面にｆｉｌ
！し使用される。

エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酸素ガスバリ
ヤ−性が優れている理由として、分子間あるいは分子内
水素結合が他の高分子に比べ強力な点が挙げられる他に
、分子鎖の対称性、ｊ性などが相乗して寄与しているこ
とが挙げられる。

これに対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の
含水率が高くなると、吸着された水分子はまず親水性の
ＯＨ基に結合し、含水率の増加に伴って吸着水は分子間
の水素結合を破壊し、酸素分子拡散の為に必要な分子運
動を可能ならしめ、酸素透過係数の増加をもたらすもの
と考えられている。

この状恒からさらに含水率が増大すれば、吸着水の他に
自由水が存在するようになって、更に分子間力は弱まり
１分子運動に対する可塑化効果により、酸素透過係数は
益々大きくなると考えられている。

このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を透
明なレトルト殺菌用多層容器として使用する場合、レト
ルト殺菌における１２０℃程度の熱水又は蒸気に対する
耐熱性の点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物の両側にポリプロピレン層積１−するのが一役的であ
る。

しかしながら、レトルト殺菌時の加熱加圧状報では、ポ
リプロピレンの透湿度は常温時に比べ１５〜２０倍増大
する為、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層の含
水率は急激に増加し、それとともに酸素ガスバリヤ−性
は大巾に低下するＯこの様なレトルト殺菌により１．俊
素ガスバリヤー性が大巾に低下した多層容器は、レトル
ト殺菌後の保存により、序々にエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物層の水分ｂ″−−外部出されることによ
り、酸素ガスバリヤ−性は回復するものの、長期間を要
し、その用途は比較的劣化に対する許容酸素量の大きい
内容物や、保存期間の短いもの、に限定されている。

これらの問題点を改良するために、主に３つの方法が検
討されており、その１はエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物自体に耐熱水性な付与する方法であり、その２
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が吸収した水の放出
速度？早め、酸素ガスバリヤ−性の回復を早める方法で
あり、その５は、水の浸入を防ぐ保護ｊ−をエチレン−
酢酸ビニル共重合体層の両側に設け、酸素ガスバリヤ−
性の低下を抑える方法である。

第１の方法については、エチレン−６４ビニル共重合体
ケン化物におけるエチレン含有率を増大させることによ
り、耐水性、耐熱水性が向上するが、それに半って本来
の酸素ガスバ１ツヤー性が大巾に低下するため実用的で
はない。また、第２の方法としては、外層のポリプロピ
レンｊ―の厚すヲ内層のポリプロピレン層の厚さに比べ
薄くするこトニヨリ、レトルト殺菌後の保存時における
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が吸収した水の
外気への放出速度を早め、１素ガスバリヤ−性の回復を
早めるものである。しかし、この方法は外１−ポリプロ
ピレンが薄いため、レトルト殺菌時のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物層の吸水量が多い。

その為、酸素ガスバリヤ−性の低下度合が大きく、その
回復速度が速いとしても長期的に見て累積透過酸素量が
若干低減出来る程度であり、さらに、レトルト殺菌後初
期においては、逆に容器内の酸素濃度が高くなるため、
内容物によっては劣化を助長する恐れがある。

第５の方法としては、特開昭５７−１７０７４８公報に
より、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物１−の両
側を乾燥剤を含む層で保護することにより、レトルト殺
菌時に浸入する水を捕捉し、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物１１の含水率の増加を低減化し、酸素ガス
バリヤ−性の低下ケ抑える方法が提案されている。この
方法では、レトルト殺菌による酸素ガスバリヤ−性の低
下は抑えられるｈｔ、乾燥剤を含む（１０〜２０ｗｔ％
）ことにより、当然のことながら透明性は犠牲となり不
透明な容器となり、商品アピール効果が半減し、さらに
は乾燥剤層を含む多層容器？製造することは装置的にも
技術的にも複雑となり、容器コストを押し上げるという
問題点があった。

以上の通り、従来エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物ケ酸素ガスバリヤ−層とするレトルト殺菌可能な多層
容器において、透明性を保持し。

かつ、レトルト殺菌による酸素ガスバリヤー性の低下を
防ぐことが出来、かつ従来と同様な加工方法により安価
に！！！造出来るものは得られておらず。

待望されていた。

く問題点を解消するための手段〉 本発明は以上の事情に鑑み、種々検討の結果得られたも
のである。

すなわち１本発明は少なくとも５層以上のプラスチック
多層容器において、外層及び内層がポリプロピレンと密
度０．９５．ｌｉ’７７以上の高密度ポリエチレンの混
合物で、その混合比がポリプロピレン／高密度ポリエチ
レン：９５１５〜６０／４０であり、中間層がエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物であり、さらにそれらを
接層する層を含む透明又は半透明なレトルト殺菌可能な
多層容器である。

すなわち１本発明は、外層及び内層としてポリプロピレ
ンと高密度ポリエチレンの混合物を用いることにより、
ポリプロピレン単体の場合に比べ。

レトルト殺菌による酸素ガスバリヤ−性の低下？大巾番
（抑えることが出来、かつ、高密度ポリエチレンの添加
量が比較的少ない範囲においても、顕著な効果があるた
め、内容物が目視出来る程度の透明性を保持出来ること
を見出したため提案された。

以下本発明を図によって詳細て説明する。

第１図は本発明による多層容器の断面を示す図であり、
外層及び内層がポリプロピレンと高密度ポリエチレンの
混合物（１）であり、中間１−がエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物（２）、そしてそれらの接７ｉｉ１層
（３）より成る少なくとも５層以上の構成である。

本発明で用いるポリプロピレンは、ホモポリプロピレン
、エチレンープロピレンコホリマーテアリ、その中でも
高密度ポリエチレンとの混合により、透明性の低下度合
の小さいエチレン−プロピレンランダムコポリマーが好
ましい。

また、高密度ポリエチレンとしては密度０゜９５，９／
ｃ−ｎ以上のものを使用し、ポリプロピレンとの混合比
はポリプロピレン／高密度ポリエチレン＝９５１５〜６
０　／　４０　、好ましくは９０／１０〜７０／３０で
ある。

本発明の多層容器がレトルト殺菌によっても。

酸素ガスバリヤ−性の低下が少ない基本的な理由は、高
密度ポリエチレンはポリプロピレンに比べ。

レトルト殺菌温度（１１０〜１２０℃）での透湿度が１
１５〜１１５　と低く、高密度ポリエチレンとポリプロ
ピレンの混合物も、ポリプロピレンに比べ透湿度が小さ
くなる為、レトルト殺菌中のエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物の含水率の増加ｂ″−抑えられ、容器とし
ての酸素ガスバリヤ−性の低下を小さくすることが出来
ると考えられる。

ここで１本発明の最も重要な点は、多ｊ−容器のレトル
ト殺菌後の潰素ガスバリヤー性が、高密度ポリエチレン
の添加率に正比例の関係で向上するのでなく、添加率が
少ない範囲で急激に向上する点である。レトルト殺菌条
件での透湿度を測定することは困難であるので、この様
な現象の理論的解析はなされていないが、ポリプロピレ
ンと高密度ポリエチレンの混合比とレトルト殺菌１日後
の多Ｔ−容器の酸素透過率及び透明性（ヘーズ：ＪＩＳ
Ｋ７１０５）の関係を実証的に確認した結果を第２図に
示す。第２図より高密度ポリエチレンの添加率が０〜４
０％の範囲でレトルト殺菌後の酸素透過率は急激に低下
し、４０％以上ではその減少塞は低く、逆に容器の透明
性が悪くなり、内容物が目視出来なくなることがわかる
。

この様な結果より、レトルト殺菌後の酸素ガスバリヤ−
性と透明性を共に満足するのは、ポリプロピレンと高密
度ポリエチレンの混合比がポリプロピレン／高密度ポリ
エチレン：９５１５〜６０／４０の範囲である。

また、高密度ポリエチレンの密度は透湿度に大きく影？
Ｊ　ｔ、、密度が［Ｌ９５ｇ／ｄ以下の場合、容器とし
ての透明性ケ保持出来る添加率４０％以下では、実用上
レトルト殺菌による容器の酸素ガスバリヤ−性の低下を
抑える効果ｂ″−少なく適さない。

本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
は、−役に市販されるエチレン含有率２０〜６０モル％
、ケン化度９６モル％以上のものｂｔ従来通り使用出来
、接層（―とじては、市販のポリフロピレン／エチレン
酢酸ヒニル共重接層ケン化物接看用明指１例えば無水マ
レイン改グラフトポリプロピレン等が使用出来る。

以下本発明を実施例により説明する。

〔実施例１〕 共押出し多層シート製造装置により、表−１に示す樹脂
を６台の押出機より同時押出しし、溶融樹脂合流部にて
合流後、Ｔダイよりシート状に押出し冷却することによ
り、表−２に示す、ポリプロピレンと高密度ポリエチレ
ンの混合比率を変えた。エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物を酸素ガスバリヤ−層とする９種類の総厚５２
０μの３種５層シートを得た。

表−１ 表−２ 得られた多層シートの各層厚さは全て同等で以下の通り
であった。

外層（２００μ）／接着層（４０μ）／エチレンー酢酸
ビニル共重合体ケン化物層（４０μ）／接着層（４０μ
）／内層（２００μ）。

次に各多層シートをプラグアシスト真空成形法により、
絞り比（深さ／開口径）０．２のトレー容器に成形し、
内容物として水を充填後、二軸延伸ポリエステル（１２
μ）／アルミ箔（９μ）／ポリプロピレン（５０μ）構
成の蓋材ヲヒートシールし密封した。

さらに、それら充填密封された多層容器を、レトルト殺
菌装置により、１２０°Ｃ−３０分間の熱水式レトルト
殺菌を行った。

以上の様にして得られたレトルト殺菌された多層容器の
レトルト殺菌１日後の酸素透過率及び容ａ画面部の透明
性をヘーズ（曇価：　Ｊ　Ｉ　５Ｋ７１０５）とし測定
し表−６に示し、その、結果を第２図に示す。またレト
ルト殺菌された水ｂ″−充填密封された状根の各多層容
器ｆ２０°ｃ−６５％ＲＨで１力月間保存後酸素透過率
を測定した結果を同様に表−３に示す。

表−５ 表−３の結果より、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物なガ叉バリヤー１−とするレトルト殺菌用多１−容
器として、外１−及び内層にポリプロピレンを使用した
もの（試料ＡＩ）に比べ、本発明の外層及び内層にポリ
プロピレンと高密度ポリエチレンの混合物を使用したも
の（試料Ａ２〜Ａ５）は、レトルト殺菌による酸素ガス
バリヤ−性の低下度合いが小さく、また、内容物を目視
出来る透明性を保持することが出来る。

〔実施例−２〕 実施例−１で得た多１Ｔ−容器のうち、試料Ａ１（外１
−及び内層はポリプロピレン）　、　試ｎ　Ａ　２（外
層及び内層はポリプロピレン／高密度、Ｉ−’＋７エチ
レン＝９０／１０）、及び試料Ａ５（外層及び内層はポ
リプロピレン／高密度ポリエチレン＝６０／４０）に内
容物として中華料理のへ宝菜と充填密封し、１２０°Ｃ
−３０分間のレトルト殺菌を行ない、２０°Ｃ−６５％
ＲＨ及び３７°Ｃ−７５％ＲＨで保存し、経時により外
観及び味を評価した。その結果を表−４に示す。

表−４ 従来品としての試料煮１の多層容器では、１力月後に内
容物の若干の濁りｂ″−認められ、酸化によると考えら
れるフレーバー変化が見られ、この時点で商品性が無い
と判断された。さらに継続して保存したところ、６力月
後には、さらに酸化臭が強くなり、１年後には極度の酸
化劣化が認められた。

これに対し本発明の多層容器試料煮２及び試料黒５では
、１年後において試料、ｆＬ２で内容物の若干の濁りが
認められたものの味の変化はなく、実用上問題のない長
期保存性な示した。

〈実施例−５〉 外層及び内層にポリプロピレン（エチレン−プロピレン
ランダムコポリマー）と高密度ポリエチレン（密度０．
９５８ｇ／Ｇｄ）の混合物で、その混合比がポリプロピ
レン／高密度ポリエチレン＝８５／１５．中間層にエチ
レン含有率３８モル％。

ケン化度９９モル％のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物、接着層に無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ンを使用し、５層の１ｏｏｏｍｇ容量の輸液容５を共押
出しブロー成形法により成形した。得られた輸液容器の
胴部の厚さは総厚４００μであり、各層厚さは外層（１
５５μ）／接着層（３０μ）／エチレンー酢酸ビニル共
重合体ケン化物（６０μ）／接着層（３０μ）／内層（
１５５μ）であった。

この中に下記処方の輸液を１ｏｏｏｍｌ充填密封し、１
１０℃−６０分間のレトルト殺菌を行なった。

その後２０°Ｃ−６５％ＨＲで保存したところ。

従来のポリプロピレンを外層及び内層とした多層輸液容
器では、レトルト殺菌後６週間でアミノ酸及びビタミン
Ａが酸化分解し半減したのに対し、本発明の輸液容器で
は１力月後においてもほぼ初期の濃度が保持され、その
高い保存性ｂ′−確認された。

〈発明の効果〉 （１）本発明の多層容器は、レトルト殺菌によるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の酸素ガスバリヤ−性
の低下度合いが、従来の多層容器に比べ非常に少なく、
その結果容器を通して内容物に浸入する累ＦＸ酸素透過
量が低減化され、内容物の保存性を大巾に向上出来る、 （２）本発明の多層容器は、内容物を目視可能な透明性
を保持しており、商品効果が高い。

（３）本発明の多層容器は、従来の多層容器製造装置及
び工程をそのまま使用出来、かつ材料コストもほぼ同等
であるので、製造コストを上げることなく容器性能を大
巾に向上出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は本発明の
多層容器の断面図を示すものであり、第２図はポリプロ
ピレンと高密度ポリエチレンの混合比と、容器の酸素透
過率及びヘーズの関係な示すグラフである。 （１）・・・ポリプロピレンと高密度ポリエチレンの混
合物 （２）・・・エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物（
３）・・・　接Ｎ樹Ｈ旨

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 少なくとも５層以上のプラスチック多層容器において、
   外層及び内層が、ポリプロピレンと密度０．９５ｇ／ｃ
   ｍ＾３以上の高密度ポリエチレンの混合物で、その混合
   比がポリプロピレン／高密度ポリエチレン＝９５／５〜
   ６０／４０であり、中間層がエチレン−酢酸ビニル共重
   合体ケン化物であり、さらにそれらを接着する層を含む
   、透明又は半透明なレトルト殺菌可能な多層容器。