JPS6328623B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般に静脈流体を施すための注入ポン
プに係り、特に、特別設計の廃棄式カセツトを用
いた特定形式の蠕動型注入ポンプに係る。

集中治療及び冠動脈疾患集中治療や、研究室及
び分娩室や、新生児及び小児科等に於いては、静
脈（IV）流体を施すのに、伝統的な重力式流注
システムに代るものとして注入ポンプが次第に使
用されてきている。比較的簡単な注射器型のもの
から更に複雑なピストン及びシリンダ並びに蠕動
型のものまで多数の色々な形式の注入ポンプがあ
る。本発明は蠕動型注入ポンプのみに係るもので
あるから、これに限定して説明する。

現在では、市場に於いても公知技術においても
多数の色々な蠕動型注入ポンプが一般的に存在し
ている。明らかなように、これらの特定形式のポ
ンプに共通して云えることは、流体を送るための
管に蠕動作用を用いているという点である。典型
的なリニア型ポンプに於いては、一連の指状突起
が逐次に前進したり引つ込んだりして流体を患者
へと移動させる。典型的なロータリ型ポンプに於
いては、回転デイスクに取り付けられた複数個の
ローラが管の１部を交互に締めつけたり解放した
りして流体を患者へと移動させる。以下の説明よ
り明らかなように、本発明はリニア型ポンプより
もむしろロータリ型ポンプに係るものである。

これまでに提案されたロータリ型の蠕動注入ポ
ンプの１例が、1975年12月23日付の米国特許第
3927955号（Spinosa氏）及び1974年10月15日付
の米国特許第3841799（Spinosa氏）に開示されて
いる。これら特許の各々には治療カセツトポンプ
と称するものが開示されており、このポンプは流
体分与ボトルから患者へと流体を付与するための
１つの連続流体輸送管を備えている。この管の或
る区分がカセツト内に配置されそして弧状路を形
成するようにカセツトの基部に対して配置され
る。上記弧状路は実質的に180゜より大きく、そし
て少なくとも１つの実施例においてはほとんど完
全に360゜である。この弧状路内に配置された複数
個のローラが、上記支持された管区分を通して液
体を蠕動的に移動するようにこの区分に作用す
る。

前記Spinosa氏の特許に開示された蠕動ポンプ
は公知の幾つかの蠕動ポンプに優る１つの効果を
有している。特に、前記Spinosa氏の特許には、
カセツト管と共に組立てられて１つのユニツトと
して供給され、各ユニツトが完全な廃棄式カセツ
トを構成することが述べられている。然し乍ら、
これら特許に開示された特定ポンプには或る欠点
が存在する。先ず第１に、Spinosa氏の特許では
１つの連続した管が用いられている。蠕動作用を
受けるこの管の特定区分はこれがこうむり勝ちな
典型的な酷使に耐えねばならず、従つてこの管区
分の品質は比較的良いものでなければならない。
然し乍ら、これはカセツトの全コストに比べて比
較的高価なものとなる。一方、管がその使用寿命
中に受ける意図された及び予期された乱用に耐え
ることのできないような管を用いてコストを少な
くすることは非合理である。第２に、この管は
Spinosa氏がカセツトと称しているものに入る時
にしつかりと位置保持されず且つカセツトから出
る時もしつかりと位置保持されない。その結果、
管が移動するポンプヘツドの方向にクリープを生
じる傾向がある。これは次いでポンプの精度に悪
影響を及ぼすことになり且つ管の形状を引き伸ば
す様にせしめる。更には、管を実際上その流体分
与ボトルから切り離す様にもせしめる。第３に、
管は180゜以上の弧状路に亘つて装着され、そして
１実施例に於いては実際上ほとんど360゜の弧状路
に亘つて装着されるので、全カセツトにヒンジ装
着部を設けることが必要であるが、これはカセツ
トの設計を複雑にしたりその製造コストを実質的
に増加したりするだけでなく、相対的な位置やポ
ンプヘツドに対して信頼性を低下する要因を追加
することにもなる。

これまでに提案されそしてこれまでに実際上入
手できる様にされた別の形式の蠕動型ポンプは、
長さの短い可撓性の管をその両端で固定保持ブロ
ツクに固定したものを備えている。ポンプ室と称
するこの管の中央部分は、ロータプレート上に三
角形に配列された３つの円筒ローラのまわりに張
りめぐらされる。もちろんポンプ室の１端は流体
の貯蔵器（IVボトル）に接続されそしてその他
端は患者に接続される。操作中、可撓性の管であ
るポンプ室は締め付けられて閉じ、ローラのまわ
りで鋭く曲げられるがその内腔はローラ間で開い
たまゝである。ロータプレートが回転すると、そ
れらの閉塞点がポンプ室管に沿つて前進し、そし
て貯蔵部から管の入口端へと新たな流体が吸い出
され、閉塞点間に閉じこめられた流体が管の出口
端へと押し出され流路を構成する。このポンプ室
即ち管を通る流量は管の直径及び弾性特性に左右
され且つロータプレートを回転するモータの速度
に左右される。流量を変えられる様に制御ノブで
もつてモータの速度をセツトできるが、これは或
る限度までしかなされず、実際には0.33乃至650
c.c.／時の流量レンジをカバーするには３つ以上の
別々の管状が必要である。

以上に述べた蠕動ポンプはその両端が結合され
ているのでほとんどクリープを生じることがない
が、別の或る欠点を有している。例えば、この特
定ポンプは個別のカセツトを全く用いておらず又
用いることを全く提案しておらず、そうではなく
て管をポンプ装置に直結している。これは極めて
やつかいであり、そして更に重大なことは、ポン
プヘツドのまわりでの管の組立てが不適当なもの
になることがある。更に、管をポンプヘツドのま
わりに配置するという特殊なやり方であるため
に、伸びの影響を受け易く、これは次いで流量の
変動を生じて不正確さを招くことになる。更にこ
の特定形式のポンプでは、比較的広範な流量レン
ジを与えるためには多数の管に依存し、もちろん
これは時間浪費であり且つ複雑なものにされる。

以下の説明より明らかとなる様に、本発明は特
定の蠕動注入ポンプと、該ポンプに使用するため
の、管を備えた特定の廃棄式カセツトとに関する
ものである。又、明らかな様に、本発明によつて
構成されたこの全ポンプ組立体には前記した様な
種々の欠点がない。

本発明の１つの目的は、ポンプ及びそれと別個
の廃棄式カセツトを備えた蠕動型注入ポンプ組立
体を提供することであり、設計が複雑でなく且つ
使用する際に信頼性のある様なポンプ組立体を提
供することである。

本発明の別の目的は、廃棄式カセツトをポンプ
組立体内の作用位置に速かに然も確実に設置でき
る様なポンプ組立体を提供することである。

本発明の更に別の目的は、廃棄式カセツトをそ
の作用位置にいつたん配置した時にこのカセツト
を確実に位置固定することである。

本発明の更に別の目的は、複雑でなく且つ信頼
性のある蠕動ポンプヘツドを備えた蠕動型注入ポ
ンプ組立体を提供することである。

本発明の更に別の目的は、設計が複雑でなく、
製造が経済的であり、組立て易く、然も使用中に
信頼性のある様な個々の廃棄式カセツトを提供す
ることである。

本発明の更に別の目的は、品質に低下によるこ
となく経済的に作ることのできる管状構成体を用
いてカセツトを提供することである。

本発明の更に別の目的は、カセツトの管状構成
体がクリープを生じたり引き伸ばされたり或いは
その他の変形を受けたりしない様に設計された廃
棄式カセツトを提供することである。

本発明の更に別の目的は、管状構成体内の気泡
等を検出し易い様に設計された廃棄式のカセツト
を提供することである。

前記した様に、本発明によつて構成された蠕動
型注入ポンプは廃棄式カセツトとポンプ構成体と
を備えている。カセツトは静脈液体を通す様に用
いられる連続した管状構成体と、この管状構成体
の所定の管状区分を所定の且つ容易にアクセスで
きる位置にしつかりと支持するためのカセツト本
体とを備えている。ポンプ構成体は第１の不作動
位置と第２の離間された作動位置との間で移動す
る様に廃棄式カセツトを支持する手段と、廃棄式
カセツトがその作動位置にある時にこのカセツト
の所定の管状区分と共働して、管状構成体を通し
て流体を蠕動的にポンプ送りする手段とを備えて
いる。

ここに示す好ましい実施例に於いて、上記管状
構成体は可撓性の第１管状区分と、この第１区分
の１端に接合されているがそれとは別のものであ
る第２の管状区分と、上記第１管状区分の他端に
接合されているがそれとは別のものである第３の
管状区分とを備えている。この好ましい実施例に
於いてカセツト本体は所定の曲率半径を持つた弧
状の管支持面と、この管支持面の１端に隣接した
位置に上記第１管状区分の１端をしつかりと支持
する第１手段と、上記管支持面の反対端に隣接し
た位置に上記第１管状区分の反対端をしつかりと
支持する第２手段とを備えている。これらの第１
及び第２支持手段は上記管支持面全体に亘り且つ
上記管支持面と連続的に接触した状態で上記可撓
性の第１管状区分の中間部分を位置固定する。

種々の図面を通じて同じ成分を同じ参照番号で
示した添付図面を参照して、本発明を以下に詳細
に説明する。

先ず第１図を参照すれば、本発明によつて構成
されそして後述の蠕動型注入ポンプに用いる様に
された廃棄式カセツト１０が示されている。この
カセツトは管状構成体を備えており、これは好ま
しい実施例に於いては複数個の別々の接続された
区分で構成される。又、カセツトはカセツト本体
も備えており、これは全蠕動型注入ポンプ組立体
の作動中にこの管状構成体を確実に位置保持す
る。

第２図を参照すれば、解説のために組立てられ
ない状態で管状構成体１４が特に示されている。
第２図に於いて明らかな様に、管状構成体は第１
管状区分１８を備え、そして以下で明らかとなる
様に、蠕動作用を直接受けるのはこの区分のみで
ある。従つてこの区分は連続した蠕動作用を通常
伴なう様な酷使に耐えるに充分な高品質のもので
あることが重要である。本発明の好ましい実施例
に於いては、この特定の管状区分が直径（内径）
2.5乃至5.0mm（0.100乃至0.200インチ）であり、
そして好ましくは3.88mm（0.155インチ）であり、
且つ医学グレードのシリコーンゴム管で構成され
る。

又、管状構成体１４は第２管状区分２０、特に
一般型のルアチツプ（luer tip）も備えており、
これは外部の管（図示せず）に接続するのに用い
られる最前端区分２２を有している。このチツプ
の小直径の最後端区分２４は管状区分１８の１端
に接続するために該端に挿入する様に用いられ、
そしてその中間の周辺フランジ２６が２つの端区
分を分離している。

又、管状構成体１４は第３の管状区分２８も備
えており、該区分２８は区分１８とは別個のもの
でありそして該区分２８の１端は何らかの適当な
手段例えば一般のプラスチツクコネクタ３０によ
つて管状区分１８の他方の自由端に接続するのに
用いられる。第２図に示された様に、管状区分２
８は前記した管状区分１８よりも直径が小さい。
例えば、或る実施例に於いては区分１８が3.88mm
（0.155インチ）であるのに対して区分２８が2.95
mm（0.118インチ）である。従つてコネクタ３０
は管状区分１８に挿入するのに適した大きさにさ
れた１端区分３２と、管状区分２２８に挿入する
様に実質的に小直径の反対端区分３４とを備えて
いる。そして周辺フランジ３６がこれらの２つの
端区分を分離している。以下で明らかとなる様に
管状区分２８は蠕動作用を受けないので、前記区
分１８と同じ品質のもので構成される必要はな
く、従つてこの区分２８はより経済的に作ること
ができる。然し乍ら、これも又以下で明らかとな
る様に、本発明の好ましい実施例に於いては、管
状構成体を通るIV流体内の気泡を監視し且つ流
体の屈折率の変化を監視するにもこの特定区分が
用いられる。従つて、この区分２８は少なくとも
半透明であり好ましくは完全に透明である様な物
質で構成されるのが重要である。好ましい実施例
に於いてはこの管が透明な塩化ポリビニルで構成
され、そしてその内径は2.25乃至4.5mm（0.090乃
至0.180インチ）であり、好ましくは2.95mm
（0.118インチ）である。

管状区分２８の他方の自由端は標準副構成体３
８に適当に接続され、この副構成体はスタータ４
０と、スタータスイツチ４２と、これらをを接続
する中間の管区分４４とを備えている。この特定
の構成体は、全管状構成体を通して重力による流
れを開始することによつてIV流体から気泡を除
去する様に設けられている。スタータ４０の自由
端を密封するためにエンドキヤツプ４６が設けら
れている。

前記したものに加えて、管状構成体１４は第２
のエンドキヤツプ４８も備えており、これはルア
チツプ２２の自由端のまわりに接続するのに用い
られる。この特定のエンドキヤツプはルアチツプ
を単に密封するために一般的なやり方で設けられ
てもよいが、本発明の好ましい実施例に於いて
は、ルアチツプの内部と周囲環境との間に少なく
とも１つの、好ましくは複数個の、屈曲路を形成
する様にルアチツプと共働する。これらの屈曲路
を設ける理由は、屈曲路によつて細菌が入るのを
防止しつつも管状構成体内に殺菌媒体例えば酸化
エチレン（Eto）を入れることができる様にする
ためである。この一般的な方法、即ち屈曲路を用
いて殺菌媒体を入れ然して細菌を入れない様にせ
しめる方法は従来から知られたものであり、従つ
てこれ以上は説明しない。 然し乍ら、この特定
エンドキヤツプ４８は従来のものではない。図示
された様に、このエンドキヤツプは長手方向に延
びた本体を備えており、この本体はその１端50に
於いては閉じておりそしてその反対端に於いては
ルアチツプ２２を受け入れるために開いている。
又、このキヤツプは複数個の長手方向に延びたリ
ブ５２も備えており、これらのリブはエンドキヤ
ツプ本体内部でその開いた端からその閉じた端へ
と延びておりそしてエンドキヤツプ本体の内面の
まわりで円周方向に離間されている。これらのリ
ブはルアチツプの外面にしつかり係合してルアチ
ツプとエンドキヤツプとが複数個の屈曲スペース
即ち通路を形成する様に設計され、これはルアチ
ツプとエンドキヤツプとが一緒に組立てられて示
された第６図に最も良く示されている。

管状構成体１４について説明したが、今度はカ
セツト本体１６について説明する。カセツト本体
１６は第１図に関連して第３図乃至第８図に最も
良く示されている。このカセツト本体は２つの区
分即ち前部区分５４及び後部区分５６のみで構成
されるのが好ましい。これら区分の各々は注入成
形されるか又はその他のやり方で単１ユニツトに
一体的に形成され、そして以下に述べる様に作用
するに充分な程耐久性のある適当な物質で構成さ
れる。或る実施例に於いては、カセツト本体１６
のこれらの区分がABSプラスチツクで構成され
る。

さて第８図に関連して第３図、４図及び５図を
参照し、カセツト本体１６の前部区分５４につい
て特に説明する。これらの図面に示された様に、
前部区分５４は連続的な前部プレート５８を備え
ており、解説上このプレートを基準フレームとし
て使用することにする。第１図に示した様に、こ
の前部プレートはカセツト本体の１端６０から反
対端６２へと延び且つ底端６４から不規則形状の
上端へと延びる。この前部区分５４は連続的なフ
ランジ６６を有し、これは前部プレート５８から
後方へと延びそして弧状の管支持面６８と称する
ものを形成する。第３図及び８図に於いて最も良
くわかる様に、上方を向いたこの面は所定の曲率
半径を有している。実際には、図示された様に、
この面は１端７０で始まつて他端７２で終わる、
円の約180゜を形成する。

又、第３図及び８図に最も良く示されている様
に、カセツト本体１６の前部区分５４は第１チヤ
ンネル形成フランジ構成体７４及び第２チヤンネ
ル形成フランジ構成体７６を備えており、これら
は前部プレート５８から内側へそして真上へと延
び且つ端７０及び７２の１方の側即ち面６８へと
各々延びる。その名称が意味する様に、チヤンネ
ル形成フランジ構成体７４は前部プレート５８及
びフランジ構成体の後端に向つて内側に延びる開
チヤンネル７８を形成する。以下の説明で明らか
となる理由により、このチヤンネルは４つの別々
のサブチヤンネル７８ａ，７８ｂ，７８ｃ及び７
８ｄに分割される。これらは全部その形状が異な
るものである。同様に、フランジ構成体７６は開
チヤンネル８０を形成し、これもチヤンネル７８
と同様に前部プレート５８に向つてフランジ構成
体の後側へと延び、そして又異なつた形状の４つ
の別々のチヤンネル、特にチヤンネル８０ａ，８
０ｂ，８０ｃ及び８０ｄに分割される。

フランジ６６及びフランジ構成体７４，７６に
加えて、カセツト本体１６の前部区分５４はフラ
ンジ８２も備えており、これは区分５４の後端６
２に於いてフランジ構成体７６よりも垂直方向上
方に且つその後方に延びている。実際には、第１
図に最も良く示された様に、フランジ８２は後端
の延長部と称するものである。このフランジは、
第１図及び３図に最も良く示された様に、貫通開
口８４を形成し、これは以下で明らかとなる理由
によりチヤンネル８０のサブチヤンネル８０ｄか
ら所定距離だけ離間される（第３図）。又、カセ
ツト本体は、面６８を越えて上方に延びる前部プ
レート５８の部分によつて形成された側壁６９と
して以下で明らかにされるものも備えている。

以上に述べた種々の特徴に加えて、カセツト本
体１６の前部区分５４はその製造に必要な種々の
フランジ又はその他の手段を備えている。更に、
第３図に最も良く示した様に、この区分は開口８
８を形成する複数個のフランジ乃至はフランジ付
き区分８６を備えている。以下で明らかとなる様
に、これらの開口８８は２つの区分５４，５６を
一緒に接続するため後部区分５６の１部を構成す
る接続ピンと共働する様に用いられる。

さて、第１図に関連して第６図及７図を参照
し、後部区分５６について説明する。図示された
様に、この後部区分はたいていは単一のプレー
ト、特に後部プレート９０で構成され、これは前
記した前部プレート５８とほゝ同じ形状としてい
る。この後部区分は主として２つの目的を果た
す。先ず第１に、この後部区分が前部区分５４の
後側に正しく組立てられた時には、この後部区分
が前記チヤンネル７８及び８０の長さに沿つてこ
れらチヤンネルを閉じ、従つて実際上各チヤンネ
ルはその両端に於いてのみ開いた通路となる。第
２に、この後部区分、実際上は後部プレート、は
第２の側壁９２と後述の側部トラツク９１とを形
成し、側壁９２は前記側壁６９と真向いに管支持
面６８から上方に延びる。これは第１図及び８図
に最も良く示されている。後部区分５６を前部区
分５４に組立てるため、後部区分は複数個の支持
ピンを備えており、これらは前記開口８８に挿入
するため計画的に配置される。これら２つの区分
はこれらのピンとそれに対応する開口とを密着嵌
合するだけで接続されてもよいし、或いは必要で
あれば適当な接着剤やその他の結合手段を設けて
もよい。

カセツト本体１６について説明したが、今度は
カセツト本体によつて前記管状構成体１４を支持
する仕方について説明する。第８図に最も良く示
された様に、後部プレート９０と共働する前記フ
ランジ構成体７４によつて形成されたチヤンネル
７８は管状区分１８の１端部分を面６８の端７０
隣接した位置にしつかりと支持するための手段を
なす。実際上、後部プレートと共働するチヤンネ
ル付きフランジは管状区分１８の１端部分をしつ
かりと位置支持するだけでなく、チツプ２０もし
つかりと位置支持する。更に、好ましい実施例に
於いては、このチヤンネル付きフランジは別個の
接着剤やシール剤を必要とせずに管状区分とチツ
プとを一緒に密封接続するため管状区分とチツプ
との接続部に強制嵌合を与える。特に、第３図に
関連して第８図から明らかな様に、サブチヤンネ
ル７８ａ，７８ｂ，７８ｃ及び７８ｄはルアチツ
プを管状区分１８の１端に接続することによつて
生じる形状に相当する合成形状を表わす。これら
のサブチヤンネルは、カセツト本体の前部区分と
後部区分とを一緒に組立てる時に上記所望の強制
嵌合を与える様に寸法が若干小さくされるのが好
ましい。

同様に、後部プレート９０と共働するチヤンネ
ル付きフランジ７６は面６８の端７２に隣接した
ところに管状区分１８の反対端部分をしつかりと
支持するための手段をなす。チヤンネル７８を構
成する種々のサブチヤンネルと同様に、チヤンネ
ル８０のサブチヤンネル８０ａ，８０ｂ，８０ｃ
及び８０ｄは管状区分１８とコネクタ３０と区分
２８の１部とを接続する時のこれら成分の形状に
相当する形状を与える。更に、これらのサブチヤ
ンネルも、後部プレート９０と結合されて管状区
分１８，２８及びコネクタ３０のまわりに強制嵌
合を与え、別の接着剤を使用せずにこれら区分及
びコネクタをしつかりと密封接続する様に、寸法
が若干小さくされるが好ましい。

管状区分１８の両端部分が面６８の両端７０及
び７２に隣接した位置にしつかりと支持された状
態では、この管状区分の中間部分が管支持面６８
に亘つて該面と連続的に接触して位置保持される
ことが特に第８図より明らかである。第１図に於
いて最も良くわかる様に、管状区分のこの中間部
分は側壁６９と９２との間に位置されそして点７
０から７２までの全弧長に沿つてカセツト本体の
外部から容易にアクセスできる。

前記した様に、管状区分２８の１端はチヤンネ
ル８０内で管状区分１８と接続される。第１図及
び８図に於いて最も良くわかるように、管状区分
２８はこのチヤンネル８０から出て、直立フラン
ジ２の前記開口８４を通つて延び、そして図示さ
れていないが、最終的には第２図に示されたスタ
ータ構成体３８の特にスタータスイツチ４２に接
続される。然し乍ら、ここで注意しなければなら
ない点は、参照番号１００で一般的に示された管
状区分２８の１部がチヤンネル８０と開口８４と
の間に延び、そしてこの容易にアクセスできる露
出位置に保持されるという点である。この理由に
ついては以下の説明より明らかとなろう。

廃棄式カセツト１０の組立を完成するため、チ
ヤンネル７８を越えて延びたチツプ２０の部分に
前記したエンドキヤツプ４８が配置される。第８
図に示された様に、このキヤツプの開口はチヤン
ネルフランジ７４には係合せず、これらキヤツプ
とフランジとの間に若干のギヤツプを残す様に配
置される。このギヤツプは前記リブ５２で形成さ
れたスペースと関連して前記した屈曲路を形成す
る。この様にして、カセツト全体を完全に組立て
た後であればこれを殺菌バスに入れることができ
る。

全カセツト１０について説明したが、それによ
りもたらされる種々の効果が明らかとなろう。医
療用としての斯の種ポンプに対する要求は予め無
菌化しておき緊急時に直ちに使用出来ると云う事
である。このため廃棄式をとらざるを得ないが廃
棄式採用の欠点はコスト高である。然し安価に生
産出来てもこれが信頼性を損ねたり着脱に時間が
かゝると云うのでは役立たない。本発明ポンプは
予め消毒しておき使用に際して管状構成体両端の
エンドキヤツプを取り外せばよく、上記斯の種ポ
ンプに対する要求を完全に満足する。更に詳述す
れば先ず第１に、管状構成体が複数個の区分から
構成されるので、蠕動作用を受けるべき区分のみ
が、充分高品質であつてその他は恐らくは比較的
安価である物質で構成されればよい。その結果、
管状構成体全体が経済的なものとなる。然し乍
ら、蠕動作用を受けるこの管状区分は、その両端
がしつかりと位置支持されているのでクリープ作
用を受けることはない。この点に関しては、これ
ら区分を接続するのに別個の接着剤やその他の結
合装置が必要とされず、これは組立を簡単にし且
つ汚染の恐れを排除し然もコストを節減する。更
に、誤操作の恐れがほとんどない様にして管状構
成体をカセツト本体に速やかに且つ確実に組立で
きることが明らかであろう。更に、いつたん組立
てると、蠕動作用を受けるべき管状構成体の特定
区分がカセツト本体に対して位置固定される。そ
の結果、以下の説明より明らかな様に、カセツト
本体をポンプに位置固定すれば（これは確実に行
なうことができる）、蠕動作用を受けるべき適当
な位置に管状区分が自動的に設置される。又、以
下の説明より明らかな様に、この特定のカセツト
設計の重要な特徴は、管状構成体の第２区分、特
に管状区分２８の部分１００を、該構成体を通る
液体の気泡やその他屈折率変動を検出する一定位
置に自動的に設置することである。

廃棄式カセツト１０、このカセツトを組立てる
方法、及びその効果の幾つかについて以上に述べ
たが、今度はポンプ１０２について説明する。こ
のポンプは廃棄式カセツト１０と共に全蠕動型注
入ポンプ組立体１０４（第９図）の１部を構成す
る。以下で詳細に説明する様に、ポンプ１０２は
このポンプを構成する種々の成分を収容し且つ支
持するのに用いられる全筐体１０６を備えてい
る。第９図に示された様に、この筐体はフロント
パネル１０８を備えており、これはスタート／ス
トツプボタン１１０並びに２つのセツトホイー
ル、即ち注入されるべきIV流体の量（ミリリツ
トル）をセツトするための３数字ホイール１１２
と、注入されるべき流体の速度（ミリリツトル／
時）をセツトするための３数字ホイール１１４と
を含む多数の指示器を表わしている。又、フロン
トパネル１０８は第９図より自明であるその他の
多数の指示器も表わしている。これらの指示器に
は、AIR―IN―LINE（管路に空気があることを
示す）指示器や、OCCLUSION（閉塞）指示器
や、BATTERY LOW（低電圧）指示器や、
INFUSION COMPLETE（注入完了）指示器や、
その時点までに付与された流体の量を指示する指
示構成体１１３が含まれる。これらのセツト指示
器やスタート／ストツプボタンは以下で簡単に説
明する。

前記したものに加えて、ポンプ１０２は、第１
０図乃至１３図に最も多く示された様に、第１の
不作動位置と第２の離間された固定式の作動位置
との間で移動する様に前記廃棄式カセツト１０を
支持する構成体１１４を備えている。又、このポ
ンプは、カセツトがその第２の作動位置にある時
に前記管状構成体１４の区分２８と共働して管状
構成体を経てIV流体を蠕動的にポンプ送りする
ための構成体１１６も備えている。これらの構成
体１１４及び１１６に加えて、ポンプは、廃棄式
カセツト１０がその第２の作動位置にある時に管
状構成体の管状区分２８の前記部分１００と自動
的に共働して、IV流体がこの部分１００を通る
時にこの流体の屈折率の変化を自動的に検出する
構成体１１８も備えている。

さて、第１０図及び１１図を参照し、構成体１
１４について特に説明する。これらの図面から明
らかな様に、構成体１１４は固定フランジ１２０
を備えており、このフランジは筐体１０６の１部
を構成する垂直に延びた支持プレート１２２の前
面に適当に装着される。このフランジは筐体を横
切つて水平に延びそして垂直区分１２４を備えて
いる。この垂直区分は支持プレート１２２から離
間されそして以下に述べる理由で貫通通路１２６
を備えている。

又、この構成体１１４は支持プレート１２２の
真前でフランジ１２０の上に配置されたカセツト
支持体１２８も備えている。このカセツト支持体
は水平セグメント１３０を備えており、これは水
平に延びて上方を向いたカセツト支持面１３２を
形成し、この支持面は以下で明らかとなる様にカ
セツトの底６４を支持する。又、カセツト支持体
１２８はフランジ１２の直立区分１２４の真前で
セグメント１３０の前縁から垂下したスカート１
３４も備えており、そして以下で明らかとなる理
由によりスカート１３４の底縁から上方に垂直に
延びたスロツト１３６も備えている。このカセツ
ト支持体１２８は２つの垂直に延びたトラツク即
ちレール１３８（第９図）間で限定された垂直移
動を行なうに装着され、これらレールはカセツト
支持体の両側で筐体１０６に適当に位置保持され
る。以下で明らかとなる様に、構成体１１４は第
１０図に示された第１位置と、第１２図に示され
た第２の、位置固定された、垂直方向に高い位置
との間でカセツト支持体を移動するための全副構
成体を備えている。

カセツト支持体１２８は２つの支持ピン１４０
（１方しか示されていない）によつて前記移動を
行なう様に支持される。これらの支持ピンは大き
なヘツド１４２を備えており、これはカセツト支
持体の区分１３０の下面に係合しそして支持体か
ら下方にその反対端付近へと延びている。これら
の支持ピンはフランジ１２０の共働開口を通して
延び、そしてフランジの下面にしつかりと接続さ
れた固定管状部材１４４にスライド可能に装着さ
れる。圧縮リング１４６が各ピンのヘツド１４２
とその固定管状部材１４４の底との間で各ピン１
４０のまわりに同心的に配置される。これらの圧
縮バネはピン１４０、従つてカセツト支持体１２
８を、第１０図及び１１図に示されたその第１の
下方位置に保持する。

カセツト支持体をその偏倚された第１位置か
ら、第１２図及び１３図に示されたその延ばされ
た第２位置へと移動するために、副構成体１３８
は手動の切換ハンドル１４８を備えており、これ
はフロントパネル１０８の上縁付近でその真前に
配置されている。この切換ハンドルはシヤフト１
５０の１端にしつかりと接続され、そしてシヤフ
ト１５０はフロントパネルの共働開口を通り、カ
セツト支持体１２８の垂下スカート１３４にある
前記スロツト１３６を通り、その後、前記通路１
２６を通り、そして最後に後部プレート１２２の
共働開口を通つて延びる。このシヤフトは２つの
バネ負荷されたピン１４０間でそれ自身の軸のま
わりで回転する様に装着される。カセツト支持体
１２８の水平に延びた区分１３０の真下で、フラ
ンジ１２０の直立区分１２４と後部プレート１２
２との間には、カム部材１５２がシヤフトのまわ
りに配置されている。

第１６図に最も良く示されている様に、このカ
ム部材は前面１５４と、後面１５６と、下方の曲
つたカム面１５８とを備えており、カム面１５８
はこのカム部材の最下端１６０からまつすぐな区
分１６２へと延び、そしてこの区分１６２はカム
部材の最上端１６４へと延びる。上方の曲つたカ
ム面１６６は点１６４から下方に延びて第２のま
つすぐな面１６８と結合し、この面１６８は最下
点１６０で終わる。以下の理由で、このカム部材
は、その底面に於いて前面１５６から内側に延び
るスロツト１７０を備え、これは水平に延びて下
方を向いた固定用の突出部１７２を形成する。カ
ム部材の反対面、即ち後面１５４は前記シヤフト
１５０が貫通される通路１７６のまわりに設けら
れた端ぐり１７４を備えている。

第１０図乃至１４図を参照すれば、カム部材１
５２はスロツト１７０がフランジ１２０の直立区
分１２４に対面し且つ端ぐり１７４が後部プレー
ト１２２に対面する様にシヤフト１５０のまわり
に配置されることが明らかである。このカム部材
はシヤフトに対して長手方向にスライド移動する
様にシヤフトのまわりに装着され然もシヤフトと
共に回転移動する様に固定される。これは長手方
向に延びたスプライン構成体（図示せず）の様な
一般の手段によつて容易に達成できる。第１０図
及び１１図に特に示された様に、カセツト支持体
１２８がその第１の下方位置にある時は、カム部
材のまつすぐな面１６２がフランジ１２０の水平
区分に対面する。バネ１７８が端ぐり１７４内に
配置され、そしてこのバネはカム部材が前記位置
にある時にフランジ１２０の垂直区分１２４に対
してカム部材を偏倚するためカム部材と後部プレ
ート１２２との間に延びる。カセツト支持体１２
８をその垂直上方位置に移動するためには、手動
の切換ハンドル１２８が反時計方向に（第９図）
90゜回転される。これはカム部材を、第１０図及
び１１図に示したその位置から、第１２図及び１
３図に示したその垂直方向の直立位置まで90゜回
転せしめる。この移動が行なわれる時には、カム
面１５８がフランジ１２０の水平区分に於いて移
動し、一方カム面１６６はカセツト支持体１２８
の水平区分１３０の下面に対して支持されてカセ
ツト支持体をその延びた位置へと移動せしめる。
カム部材がその垂直方向に直立した位置にある状
態では、底縁１６０がフランジ１２０の水平区分
に対して支持され、一方上縁１６４は区分１３０
の下面に対して支持されるということに注意され
たい。又、この垂直方向に直立した位置に於いて
は、前記したスロツト１７０により、カム部材が
更に外方向に押しやられ、従つて第１２図及び１
３図に最も良く示された様に縁１７２がフランジ
１２０の垂直方向に直立した区分１２４の上縁に
対して支持される様になるということにも注意さ
れたい。突出部１７２とフランジ１２０とのこの
共働作用は、カムを解離する様に切換ハンドル１
４８が確実に内側に移動されない限りカム部材の
回転移動を阻止し、従つてカセツト支持体をその
上方位置にロツクする。面１６８は点１６０とで
もつて鋭い90゜エツジを形成するということにも
注意されたい。これは、カム部材が位置固定され
る機会を得る前にカム部材がその90゜位置にオー
バーライドする恐れを最小にする。

カセツト支持体１２８と、これを移動する副構
成体１３８とを備えた構成体１１４について説明
したが、今度は構成体１１６について説明する。
この構成体１１６は前記した様に前記管状構成体
１４と共働して、この管状構成体を通して液体を
蠕動的にポンプ送りするものである。構成体１１
６はポンプヘツド２００を備えており、これは第
９図及び１４図に最も良く示されている。このポ
ンプヘツドは円筒状の筐体２０４を備えており、
これは２つの一体的に形成された区分２０６及び
２０８で構成されるのが好ましい。これら区分は
互いに共働して複数個の部分的に閉じたポケツト
２１０を形成し、これらポケツトは筐体の周辺に
等しく離間される。図示された特定のポンプヘツ
ドに於いては、この様なポケツトが４つ示されて
いる。又、ポンプヘツドはそれに等しい数の複数
個のデイスク状の、シヤフトなしのローラ２１２
も備えており、これらローラはそれ自身の各軸の
まわりで自由に回転する様に対応ポケツト２１０
内に各々配置される。筐体は次いで中央の駆動シ
ヤフト２１４の１端のまわりに同心的にしつかり
と装着される。本発明の好ましい実施例に於いて
は、筐体２０４を構成する２つの区分２０６及び
２０８とスロツトなしのローラ２１２とが同じ材
料で構成され、例えば好ましい実施例ではナイロ
ンで構成され、そして図示された形状になる様に
一体的に成形されるのが好ましい。２つの区分２
０６及び２０８は例えばネジ２１６の様な適当な
手段によつて一緒に保持することができる。シヤ
フト２１４及び筐体は接着剤又はその他の適当な
手段によつてこのシヤフトを区分２０８内の共働
開口にしつかりと連結することによつて一緒に結
合される。

第９図に関連して第１０図乃至１３図に最も良
く示されている様に、ポンプヘツド２００はカセ
ツト支持体１２８の面１３２の真上に配置され
る。実際には、以下で明らかとなる理由により、
ポンプヘツドと面１３２との間の正確な距離はカ
セツト支持体がその上方位置にある時に正確に固
定される。上記したシヤフト２１４は第１０図乃
至１３図に特に示された様にポンプツドの後端か
ら後部プレート１２２の共働開口を経て延びる。

又、構成体１１６はモータ２１７も備えてお
り、このモータは適当な手段例えばブラケツト支
持体２１９によつて支持プレート１２２の後側に
装着される。このモータは、可変速度駆動回路を
有しそして一般的なやり方で例えば電気的に付勢
される何らかの適当な一般型式のものであるが、
これはシヤフトを好ましくは段々に回転し且つシ
ヤフトの軸のまわりで筐体２０４を回転するため
にシヤフト２１４の他方の自由端に接続される。

構成体１１４及び１１６について説明したが、
今度は構成体１１８について説明する。この構成
体１１８は第１５図に関連して第１１図及び１３
図に最も良く示されている。前記した様に、この
構成体は全蠕動ポンプ組立体の作動中に管状区分
２８の前記部分１００に流れるIV流体の屈折率
の変化を自動的に検出するために設けられてい
る。構成体１１８は筐体２２０を備え、この筐体
２２０はその後端が後部プレート１２２に適当に
装着され（第１１図）、そして後部プレートから
ポンプヘツド２００（第９図）の真上をその１方
の側へと前方に延びている。この筐体は横断スロ
ツト２２２を備えており、これは下方に開いてお
りそしてその横方向の広がりは両側部分２２４及
び２２６によつて画定される。若干Ｌ字型をした
上部カバーが筐体の上に配置されている。

又、構成体１１８は一般の光源２３０と検出器
２３２とを含む一般の光電検出器構成体も備えて
おり、光源及び検出器は筐体２２０内でスロツト
２２２の両側に各々配置される。一般の回路（図
示せず）が組合わされたこの構成体は、管状構成
体１４の前記部分１００にIV流体が通過する時
にこのIV流体の気泡又はその他屈折率の変化を
検出するために設けられている。この点について
は、以下で明らかとなる様に、全ポンプ組立体が
作動中である時に管状構成体の部分１００がスロ
ツト２２２内に自動的に配置される。

ポンプ１０２の構成体１１４，１１６及び１１
８について説明したが、今度はポンプのこれら
種々の構成体が全ポンプ組立体の作動中に互いに
共働する方法及び前記廃棄式カセツト１０と共働
する方法について説明する。ポンプ組立体が初め
不作動状態にありそしてカセツト支持体１２８が
第１０図及び１１図に示されたその下方の不作動
位置に置かれているものと仮定しよう。カセツト
支持体がこの位置にある状態では、廃棄式カセツ
トが面１３２の上に配置され、従つて第９図に最
も良く示された様にそのガイドフランジ９１（第
６図）がレール１３８の共働グループ内に安住さ
れる。これはカセツトが適正に位置される様にす
る。実際には、ガイドフランジが適正に位置され
ない限り、カセツトはトラツクを上方に移動せず
従つてカセツト支持体の移動を妨げる。カセツト
が適正に位置されると、前記した様に切換ハンド
ル１４８が90゜回転されて、カセツト支持体をそ
の第２位置に移動する。前記した様に、この切換
ハンドルはカム部材１５２とフランジ１２０の区
分１２４の上縁との相互作用によつて位置固定さ
れる。

さて第１２図及び１３図を参照すれば、カセツ
ト支持体及びカセツトがこの上方の作動位置で示
されている。先ず切め第１２図について説明すれ
ば、シヤフトなしのローラ２１２の１つが第９図
に示したその最下位置にある時にこのシヤフトな
しのローラ２１２が管状構成体１４の管状区分１
８の中間部分を完全にはさみつけて閉塞する様に
せしめることが明らかである。管状区分とこのシ
ヤフトなしのローラ（実際には軸２１４のまわり
で移動する時の全てのシヤフトなしローラ）との
この相対的な位置設定が正確に且つ確実になされ
る。なぜならば、カセツト支持面１３２とポンプ
ヘツドとの相対的な位置設定が正確になされるか
らである。又、カセツトがその上方の作動位置に
移動する時には、管状区分２８の部分１００が光
電検出構成体と直接的に整列されて構成体１１８
の前記スロツト２７２内に自動的に配置されると
いうことにも注意されたい。上記した種々の成分
が上記した種々の相対的位置にある状態で、スタ
ート／ストツプボタンが作動されてモータ２１７
を付勢し、第９図で見てポンプヘツド２００を時
計方向に回転する。これは蠕動作用する様に個々
のローラを管状構成体の管状区分１９に係合せし
め、この管状構成体を経てIV流体を移動せしめ
る。同時に、この流体は光電池構成体によつて常
時監視される。

蠕動型ポンプ組立体１０４を作動するのに必要
な種々の電気成分には触れずに全ポンプ組立体１
０４について説明した。本発明の目的としては、
これらの電気成分、並びに実際にはポンプ組立体
を作動するに必要な全電気回路は一般のものであ
ることを理解されたい。例えば、スタート／スト
ツプボタンをモータ２１７に接続する回路は適当
なリミツトスイツチを含んでもよく、然してこの
リミツトスイツチはカセツト支持体及びカセツト
がそれらの作動位置に置かれるまでータの付勢を
阻止する様に前記構成体１１４と共働するもので
ある。更に、管状構成体を通してIV流体を供給
すべき速度はポンプヘツドが駆動される速度に左
右されるので、速度セレクタ１１２にセツトされ
た速度に基いてモータの速度を校正された形態で
変えるためにモータと速度セレクタ１１２との間
に適当な回路を設けてもよい。更に、選択された
流体量に達した時にモータを自動的に消勢するた
めモータとセレクタ２１０との間に適当な回路を
接続してもよい。更に、その他の指示器を含む適
当な回路を容易に設けることができる。作動中の
所与の時間までにいかに多くの流体を付与したか
を正確に表わす連続的な表を、構成体１１３によ
り示された様に一般的なやり方で作ることもでき
る。それに加えて、全組立体は管路内に閉塞が生
じたかを決定する一般の手段を含んでもよく、そ
して適当な指示ライトが設けられてもよい。この
点に於いて、閉塞を感知する１つの一般的なやり
方は管状構成体内の背圧を感知することである。

前記した様に、全組立体１０４を作動する種々
の回路は一般的なものである。然し乍ら、この回
路の或るもの及び作動特性の或るものは従来とは
異なつたやり方で設けられる。例えば、本発明の
譲受人に譲渡された米国特許出願第874212号
（Brown氏）に於いては、モータ１２０が段階的
に付勢及び消勢される様な特殊なやり方を用いた
蠕動型注入ポンプが開示されている。又、上記特
許出願には閉塞を感知する特殊な方法が開示され
ている。又、上記特許出願には構成体１１８に組
合わされた検出器用の特殊形式の回路構成体も開
示されている。従来のものとは異なるこれらの考
え方については上記特許出願を参照されたい。然
し乍らこの点に於いては、上記特許出願に開示さ
れた従来とは異なる色々な考え方を本発明の組立
体に容易に組み入れることができるが、本発明の
組立体は前記した様に従来型の回路及びそれに関
連した成分のみでもつて機能できるということを
理解されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により構成された廃棄式カセツ
トの斜視図、第２図は第１図のカセツトの１部を
構成する管状構成体の平面図、第３図は第１図の
カセツトの１セグメントを示す側面図、第４図は
第３図に示されたカセツトセグメントの上面図、
第５図は第３図のカセツトセグメントの側面図、
第６図は第１図のカセツトの第２セグメントの前
面図、第７図は上記第２セグメントの側面図、第
８図は管状構成体を示したカセツトの前面断面
図、第９図は本発明により構成された全蠕動ポン
プ組立体の前面図、第１０図及び第１１図は各々
第９図の１０―１０線及び１１―１１線に沿つた
断面図、第１２図及び１３図は第１０図及び１１
図に類似した図であるが、第９図の組立体を別の
作動位置で示した図、第１４図乃至１６図は第９
図の組立体を構成する種々の成分の斜射図であ
る。 １０……廃棄式カセツト、１４……管状構成
体、１６……カセツト本体、１８……第１管状区
分、２０……第２管状区分、２８……第３管状区
分、３８……標準副構成体、５４……カセツト本
体の前部区分、５６……カセツト本体の後部区
分、５８……前部プレート、６８……弧状の管支
持面、７４……第１チヤンネル形成フランジ構成
体、７６……第２チヤンネル形成フランジ構成
体、７８，８０……開チヤンネル、８２……フラ
ンジ、８４……貫通開口、９０……後部プレー
ト、１００……管状区分２８の部分、１０２……
ポンプ、１０４……蠕動型注入ポンプ組立体、１
０８……フロントパネル、１１４，１１６，１１
８……構成体、１２０……固定フランジ、１２２
……支持プレート、１２８……カセツト支持体、
１３６……スロツト、１３８……レール、１４０
……支持ピン、１４８……手動切換ハンドル、１
５０……シヤフト、１５２……カム部材、２００
……ポンプヘツド、２１７……モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 医療用の蠕動型ポンプ組立体に於いて、廃棄
   式カセツトと、ポンプ構成体とを具備して成り、
   上記廃棄式カセツトは管状構成体とカセツト本体
   とを備え、そして上記管状構成体は、 両端部分と、これら両端部分を結ぶ中間部分と
   を有する可撓性の弾力ある第１管状区分と、 上記第１管状区分の一端に接合されてはいるが
   それとは別個の半透明又は透明の第２管状区分
   と、 上記第１管状区分の他端に接合されてはいるが
   それとは別個の第３管状区分、 上記管状構成体の両端を閉じるエンドキヤツプ
   とよりなり、 上記カセツト本体は 所定の曲率半径を有する弧状の管支持面であつ
   て、その長さに沿つて上記カセツト本体の上部か
   ら容易に手に入れられる弧状の管支持面と、 上記第１管状区分の上記両端部分の一方を上記
   管状支持面の一端に隣接した位置に固定支持する
   第１支持手段と、 上記第１管状区分の上記両端部分の中の他方を
   上記管支持面の他端に隣接した位置に固定支持す
   る第２支持手段と、 上記カセツト本体に対する周囲環境に露出され
   た固定位置に上記第２管状区分の１部を支持する
   支持手段とを備え、 上記第１及び第２支持手段は上記管支持面全体
   に亘り上記管支持面に連続的に接触した状態で上
   記中間部分を位置固定し、そして 上記ポンプ構成体は 上記廃棄式カセツトを支持する手段と、 上記カセツトを確実に固定するロツク手段と、 上記液体が上記第２管状区分の上記１部に流れ
   る際に上記液体の屈折率の変化を自動的に検出す
   る手段と、 上記第１管状区分と共働して、上記管状構成体
   を通して上記液体をしごき送りするローラ手段と
   より成る事を特徴とする医療用蠕動型ポンプ組立
   体。