JPS6327652B2 - - Google Patents

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JPS6327652B2
JPS6327652B2 JP54088298A JP8829879A JPS6327652B2 JP S6327652 B2 JPS6327652 B2 JP S6327652B2 JP 54088298 A JP54088298 A JP 54088298A JP 8829879 A JP8829879 A JP 8829879A JP S6327652 B2 JPS6327652 B2 JP S6327652B2
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vibration
value
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amplitude
rotating machine
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JP54088298A
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Izumi Yamada
Shigeru Ideumi
Masao Kawai
Satoshi Tanisaka
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、タービンや発電機などの大型回転機
械の振動状態を長期的に、かつ連続的に監視する
回転機振動監視装置に関するものである。
従来、この種の振動監視装置においては、振動
振幅の監視が主であり、振動振幅が設定値を越え
た場合に警報を発生し、運転員に振動振幅増加要
因の究明とその対策の実施を促していた。振動振
幅のみを監視する従来法(例えば、日本機械学会
第417回講習会資料第113頁から第122頁「測定デ
ータにもとづく振動診断」)では、異常発生時そ
の原因究明に必要なデータとして残つているの
は、振動振幅の時間変化のみであり、振動要因究
明のためにはデータが不十分な場合が多かつた。
このため振動要因究明のための時間が多くかか
り、タービン発電機停止による経済的損失が大き
いという欠点があつた。
本発明の目的は、振動要因究明のためのタービ
ン発電機停止時間を短くできる回転機振動監視装
置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は回転機振動
監視装置を、回転機に取付けられた振動検出器か
らの振動信号及び回転機の運転状態に関する信号
を入力する手段、あらかじめ定められた運転条件
毎の振動振幅の正常値と現在の運転条件における
振動振幅との差の振幅を演算する手段、この演算
手段で時系列に得られる差振動振幅信号を時間の
関数として記憶する手段及びこの記憶手段から時
系列に差振動振幅信号を取り出し、その差振幅値
の変化値を予め定めた許容変化値と比較して差振
幅値の変化値がこの許容変化値を越えたときに回
転機の異常を示す出力信号を与える手段とから構
成するものである。
次に、上述の本発明の作用を本発明の問題点解
決の基本的な考え方と共に説明する。
振動要因究明のためのタービン発電機停止時間
を短くするためには、タービン発電機を運転しな
がら、異常要因究明に必要なデータを採取するこ
とが必要である。タービン発電機を停止させず
に、これらのデータが採取できれば、要因究明、
対策立案、対策準備等の間もタービン発電機の運
転を続けることができ、タービン発電機の停止時
間を従来の異常振動発生に比べて少なくできるか
らである。また、異常の発生のタイミングを事前
に知ることはできないため、異常要因究明の手が
かりとなるデータを常にフアイリングしておく必
要がある。また、異常振動が充分成長すると、原
因究明のためのデータがあつても、タービン発電
機を停止しなければなくなるため、異常の早期検
出が重要である。異常振動が発生した場合、異常
振動の要因究明がフアイリングしたデータだけで
は不足の場合、異常振動が充分成長していなけれ
ば、タービン発電機を停止せずに必要なデータを
採ることも可能となる。
このような考え方のもとに、本発明では、異常
の徴候を早期にとらえるための手段を用いてい
る。
即ち、上述の本発明では、運転条件毎の振動振
幅の正常値と現在の運転条件における振動振幅と
の差を、回転機に取付けられた振動検出器からの
振動信号及び回転機の運転状態に関する信号に基
づいて演算している。さらに、演算手段で時系列
に得られる差振動振幅信号を時間の関数として記
憶する手段に記憶し(フアイリング)、この記憶
手段から時系列に差振動振幅信号を取り出し、そ
の差振幅値の変化値を予め定めた許容変化値と比
較して差振幅値の変化値がこの許容変化値を越え
たときに回転機の異常を示す出力信号を与えるよ
うにしている。
このようにすることにより、従来より異常振動
を高感度で検出でき、異常振動を早期に検出する
ことができる。即ち、正常時でもタービン発電機
の振動振幅は発電機出力等で変化する。通常は、
これらの運転条件変化による振動の変化範囲を越
えて振動が大きくなつたとき異常と判定するので
あるが、上述のように各運転条件の正常振動振幅
と現在の振動振幅の差を監視すれば、従来より異
常振動を高感度で検出できる。さらに、この振動
振幅の差は正常時であれば一定のはずであるが、
異常振動発生時、この振動振幅の差は時間経過に
従つて増加傾向を示す。従つて、振動振幅の差の
時間変化率を上述の本発明のように監視すれば、
差の監視よりさらに高感度で異常振動発生を検出
できる(尚、振動振幅の差の値を監視する方が応
答は早く、その時間変化率の監視の方は応答は遅
いが感度が高い点で、それぞれに特徴が有る。)。
これにより、回転機に異常が発生しても振動振幅
がタービン発電機を停止するまでいたるほど成長
しない状態で異常を検出することが出来ることに
なる。そして、演算手段で時系列に得られる差振
動振幅信号を時間の関数として記憶しているの
で、このデータのフアイルの内容を、運転員の指
示で参照すれば、異常発生時、どの時点から異常
が発生し始めているか、どのようにそれが成長し
ているか、どんな運転条件で異常が発生しやすい
かなど、異常の診断に必要な情報を得ることがで
きる。また、異常振動の要因究明がフアイリング
したデータだけでは不足の場合でも、異常振動が
充分成長していないので、タービン発電機を停止
せずに運転条件を種々変更して必要なデータを採
ることも可能となる。
以上により、異常振動が成長しないうちに振動
要因究明のためのデータを採取でき、タービン発
電機の異常振動発生の対策のための停止時間を短
く出きる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
第1図に本発明の一実施例である回転機振動監
視装置の構成を示す。高圧タービン101、低圧
タービン102、発電機103から成る回転機の
軸振動を振動検出器111〜116で検出する。
振動前処理装置2は、振動振幅を演算し、適当な
電気信号に変換する機能を有する。プラントデー
タ前処理装置240は、回転数信号243、発電
機出力信号241、真空度信号242などを適当
な電気信号に変換する機能を有する。ここで、適
当な電気信号とは、以降の処理が、デイジタル処
理であることから、アナログ信号をデイジタル信
号に変換することを指す。プラントデータ前処理
装置240の入力である運転条件信号は、第1図
に示すように、241〜243の3信号である
が、プラントによつては、他にタービン発電機の
据え付け架台の曲がりを示す信号等が必要となる
場合もあるので、試運転時に、振動変化と関連の
あるプラントデータを抽出しておき、必要が有れ
ば入力信号を増やす。データ処理装置(A)3は、振
動振幅やプラントデータを時系列的に整理して、
運転条件毎の振動振幅やその変化傾向から異常を
検知する機能を有する。データ処理装置(B)4は、
時系列的に整理されたデータを運転条件別に整理
して、主に経年的な異常を検知する機能を有す
る。表示装置5は、監視結果の表示やフアイリン
グ装置6の内容の表示を行なうもので、記録用の
プリンタ、警報器、CRT、表示制御器から成る。
フアイリング装置は、時系列的に整理されたデー
タと、条件別に整理されたデータを記録する装置
であり、ここでは記録媒体として、フロツピーデ
イスクを用いている。
以上本発明の回転機振動監視装置の概要を述べ
たが、以下本発明の主たる構成要素であるデータ
処理装置(A)、データ処理装置(B)について詳細に説
明する。
データ処理装置3では、突発的に発生する異常
や、ある程度成長してしまつた異常の検出を行な
う。回転軸構成部品の脱落により発生するアンバ
ランス振動が前者の一例である。架台沈下などア
ライメント変化から誘発されるラビング振動、自
励振動が後者の例である。
データ処理装置3では、一般的に採用されてい
る警報値以上の振動振幅で警報を発するようにな
つている。さらに、そのときの振幅と、あらかじ
め設定された正常振幅との差から、警報値以下の
振動の異常も検知できるようにしている。また、
振動振幅の変化傾向から異常を検知する機能も有
している。
データ処理装置3では、時々刻々と得られるデ
ータをそのままフアイルしたのでは、記憶容量が
膨大となるため、以下の工夫をしている。一つは
時系列データの平均化であり、一つは一定変化幅
毎のデータのみフアイルすることである。以上の
動作を、第2図のフローチヤートを用いて詳細に
説明する。
データ処理装置3は、前処理装置2,240か
ら、振動振幅、回転数などの値を時々刻々と取り
込み、駆動振幅と警報値(TH1)を比較し、越
えたら異常と判定する。異常が検出されたら、表
示装置5により異常処理(警報発生、異常検出位
置やその振幅値の表示など)を行なう。その後、
一定時間(t1)経過するまで連続的にデータを取
り込み、データ処理装置3のメモリに貯える。次
に、メモリに貯えられた振動振幅と、あらかじめ
得られている各運転条件毎の正常時の振幅との差
をとり、その差があらかじめ設定されたスレツシ
ヨルドレベル(TH2)より大きいとき異常と判
定し、同様の異常処理を行なう。この異常検出法
の特徴は、運転条件毎に正常と考えられる振動振
幅を定義してることにある。通常、同一運転条件
では、その振動振幅の変化幅は小さい。このた
め、TH2の値を小さくでき、異常が高感度で検
出できることになる。次に、データ量を減らすた
め、あらかじめ設定された時間間隔のデータの平
均値をとり、その時間間隔の代表値として、フア
イリング装置6に記録する。以後、異常はその変
化傾向から判別されるため、この平均化によるデ
ータ圧縮法に何ら問題ない。一定時間(t2)経過
後、この平均値の記録データについて異常判定を
実施する。振動の実測値と正常時の振幅の差は、
本来時間的に一定してるはずである。ここでは、
この振幅の差が明瞭な増加傾向にある場合と、あ
らかじめ定められた設定値(TH3)以上に振動
振幅が急変した場合を異常と判定する。前者で
は、一定時間内の時系列的に整理されたデータの
正常値との差を、最小2乗法により誤差が最小と
なるように時間の関数として直線近似し、その直
線が時間軸に対してなす傾きの大きさが、あらか
じめ設定された値(k1)を越えたとき異常とす
る。また、後者では、比較的短期間内で発生し、
消滅する振動の急変をとらえるため、時系列的に
整理されたデータの連続する3点のデータの前後
の2点間の変化がTH3以上でかつ、その3点に
いたる以前の値と、その3点以後の変化の傾き
が、あらかじめ設定された値k2より小さいとき異
常と判定する。
次に、これらのデータをさらに圧縮するため、
各データの一定変化幅毎のデータのみフアイルに
残し、他のデータは捨てて、時系列的に整理しな
おす。そして、一定時間経過後(t3)、一定変化
幅毎に整理されたデータについて異常判定を実施
する。ここでは、振動振幅の正常値との差の変化
の傾きを前と同様の手段で求めて、設定値k3より
大きいとき異常と判定する。一定時間(t4)経過
したら、条件別データ処理に移る。
以上説明した時系列データフアイルの内容の一
例を第3図に示す。横軸は時間では、右端が最も
現在の時刻に近いデータである。
(a)が最初に取り込まれた駆動データ、(b)があら
かじめ定められたサンプル数についての平均値、
(c)は(b)の一定変化幅31毎のデータである。このよ
うなデータ圧縮法を用いることにより、比較的小
容量の記憶装置を用いて、振動状態の長期的監視
が可能となる。
また、第4図は、この時系列データ処理装置3
にて異常と判断された場合のデータフアイルの内
容を示した図である。(a)は、振動が急激に成長
し、警報値に達した場合である。(b)は、振幅は警
報値に達していないが、正常値との差の値が、
TH2を越えたため異常と判定された場合である。
(c)は、正常値との差の値が増加傾向を示し、その
傾きがk1を越えたため異常と判定された場合であ
る。これらは、各々、(a)自励振動が発生した場
合、(b)回転軸の構成部品が脱落してアンバランス
振動が発生した場合、(c)ラビング振動が発生した
場合に対応する。
次にデータ処理装置4について説明する。
データ処理装置4は、時系列的に整理されたデ
ータを運転条件毎にかつ適当な期間毎に整理し、
その長期的変化を高感度で検出する。データ処理
装置4の動作を第5図のフローチヤートで示す。
データ処理装置4では、ある一定期間分の時系列
処理の結果(一定変化幅毎のデータ)を、運転条
件毎に整理する。この際、同一運転条件のデータ
が複数個あつた場合は、その平均値を代表値とす
る。データ処理装置4では、各期間毎の同一運転
条件における振動振幅の傾きが、あらかじめ定め
られた設定値k3より大なら異常と判定し、警報発
生などの異常処理を行なう。一定時間(t5)経過
したら、より長期間毎についても同様のデータ処
理をして振幅の傾きが設定値k4(<k3)を越えた
とき異常と判定し、よりゆるやかな変化も検出で
きるようにしている。第6図は、データ処理の各
段階におけるデータフアイルの内容を示してい
る。(a)は、振動振幅と発電機出力を時間で整理し
てフアイリイングして例である。振幅や出力を一
定変化幅毎にフアイルしてあるため、時間変化率
が小さいときは、単位時間当りのデータ数が少な
く、変化率が大きいときは、単位時間当りのデー
タ数が多くなつている。61は発電機出力を、6
2は振動振幅を示している。(b)は、(a)を運転条件
毎に整理したデータである。比較的短い期間のデ
ータは、必ずしもすべての運転条件について得ら
れるわけではない。(c)は、より長い期間の整理デ
ータであり、ほとんどの運転条件でのデータが得
られている。第7図に、データ処理装置4で異常
と判定された場合のデータフアイルの内容を示
す。(a)、(b)は、同一運転条件における月毎の振動
振幅を、時系列的に整理したものである。このデ
ータは異常判定時に使用されたもので、異常と判
定された場合のみ、判定時のデータが残されてい
る。なお、(a)は発電機のロータの構成部品が微少
に動き続けてアンバランス振動が増加していつた
場合、(b)は、回転軸に発生したクラツクがゆつく
りと成長し、倍周波振動が増加した場合である。
このように、長期間の振動を監視することによ
り、振動にわずかしかあらわれてない異常を早期
に検出することができる。
以上、本発明の主要部であるデータ処理装置
(A)、データ処理装置(B)を主に説明した。本発明に
より、異常が発生初期に検出されるとともに、異
常発生時、データフアイルの内容を参照すること
により、検出された異常振動がいつごろから発生
し、どのように増加し、どんな運転条件で発生す
るかがわかり異常の対策の実施がスピーデイに行
なわれる。
この実施例の効果として次のものがある。
(1) 振動振幅値の代表値に平均値を用いたり、振
動振幅の変化率の小さいデータは荒くフアイリ
ングする等のデータ圧縮によりフアイリング装
置の記憶容量を小さくて済むようにしている。
これにより装置を小型化、低コストにできる。
(2) 過去の振動の時間変化等のデータがフアイリ
ングされており、異常発生時即参照できるよう
になつてるため、振動要因究明に不足している
データがどんなものか判断しやすい。このため
に、振動要因究明のためのデータ収集に要する
時間が少なくて済み、振動が成長することによ
りタービン発電機が停止する可能性が少なくな
るので、経済性を改善できる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
本実施例は、異常検出感度を高めさらにより異
常要因究明を早く実施できるよう、前実施例より
多くの情報から総合的に振動監視することを特徴
とする。振動に関しては、周波数情報と位相情報
をも含めて監視し、さらに回転軸と固定部との接
触(ラビング)の有無を音響的に早期検出する。
さらにこれらの情報を用いて、自動的に診断をす
る機能を付加した。
第8図は本発明の第2の実施例の振動監視装置
の構成を示した図である。前の実施例と違う部分
について、以下簡単に説明する。振動前処理装置
20には、振動振幅情報のみでなく周波数および
位相情報の抽出機能も備えられている。あらた
に、ラビングによつて発生する音響信号を検出す
るヒストグラム処理装置280を付加している。
なお、音響検出器は、油切、ステームシールなど
ラビングの発生しやすい位置に取り付けた。デー
タ処理装置(A)30には前実施例の機能に加え、音
響および振動の振幅と平均周波数の同時監視の2
つの異常判別機能を加えた。また、データ処理装
置(B)40にも、振動と平均周波数の同時監視によ
る異常判別機能を付加している。さらに、これら
の情報から、異常種別究明などの診断を行なう診
断装置45を設けた。
以下、順に周波数情報、位相情報、ラビングに
よる音響情報を得る手段とその適用法について述
べる。
振動の周波数情報としては、単なる周波数分析
結果を採用してもよいが、ここでは平均周波数を
採用している。平均周波数(特開昭51−87941号
参照)は、周波数分析結果からも演算できるが、
ここでは単に振動信号から直接アナログ的に算出
する方法を採用した。平均周波数演算器の構成を
第9図に示す。平均周波数は、振動信号200の
微分信号のRMS(実効値)と、振動信号200の
RMSの比として得られる。前者は、微分器20
1とRMS演算器202により演算でき、後者は
RMS演算器203によつて演算できる。それら
の比は、割算器204で演算する。平均周波数を
演算する過程で振動振幅も演算される。205が
平均周波数信号、206が振動振幅信号である。
周波数情報として平均周波数を採用する利点は、
演算装置が小型でかつ、1パラメータで振動の周
波数分布を表現できるため、フアイリングのため
の記憶容量が少くて済む点があげられる。平均周
波数は、振動の主たる周波数に近い値をとる性質
を有しており、その値が回転周波数に一致すれば
アンバランスによる振動、回転周波数より低い値
のときは、自励振動もしくは分数調波振動が発生
していると判断できる。このように、振動の状態
をとらえるのに、振幅情報のみでなく、周波数情
報も導入する効果は大である。また、異常検出に
おいても、例えば自励振動の発生初期には、振動
振幅がほとんど変化しないで、低周波成分がやや
増加することがある。このような異常の検出は、
平均周波数の変化と振幅の比較的小さな変化の両
パラメータの監視による方が確実である。そこで
本実施例では、振幅およびその傾きの異常判定値
を第1の実施例より小さくし、平均周波数の異常
判定値(上限と下限設定)を設け、振幅および平
均周波数が同時に設定レベルを越えたとき異常と
判定する監視機能をあらたに付加した。この監視
機能は、データ処理装置30、データ処理装置4
0の両方に付加されている。
次に、振動の位相情報を得る手段について述べ
る。通常、振動の位相とは、回転周波数成分の位
相をさし、ここでは、単にフアイルするだけで、
異常監視のパラメータとしては使用してない。第
10図は、回転基準信号を参照信号とし、振動信
号の正弦成分と余弦成分を求め、正弦成分と余弦
成分の逆正接として振動の位相を求める位相演算
装置である。振動信号211はAD変換器212
によりデイジタル化される。シフトレジスタ21
5には、正弦波の振幅値が記憶されており、いわ
ばデイジタル的な正弦波と余弦波の発生器であ
る。余弦波は、シフトレジスタ215の途中の端
子(位相的に90度遅れている。)から取り出せる
ようになつている。なお、クロツクパルスは、回
転数信号248(パルス)を、クロツクパルス発
生器213にて倍周して得られる。回転パルス1
個に対して何個のパルスを発生するかは、分析周
波数設定器214で設定する。通常は、回転周波
数の分析用に設定しておく。振動信号211と、
余弦波、正弦波との積はそれぞれ乗算器216,
217の出力として得られる。乗算器216,2
17の出力は、加算器218,219と遅延素子
220,221により積分される。遅延素子22
0,221は1クロツクの遅れを有するものであ
る。遅延素子220,221の出力は、振動信号
211,212の回転周波数の余弦成分と正弦成
分であり、これらから逆正接(tan-1)を位相演
算器222で演算する。224が位相信号であ
る。また、この位相演算装置では、回転周波数成
分の振幅値を、絶対値演算器223で求めてい
る。この絶対値演算器223には、2乗、加算、
平方根の3つの演算機能が含まれている。絶対値
は、正弦成分と余弦成分のそれぞれの2乗の和の
平方根として得られる。なお、この位相演算装置
では、分析周波数設定器214の設定により適当
な周波数の位相と振幅をも演算できることは言う
までもない。必要な場合はデータ処理装置30に
より分析命令を発し、結果をフアイリング装置6
に記録できるようになつている。なお、本位相演
算装置で得られる位相情報により、ラビング振動
の特徴である位相のふれまわりについて知ること
ができる。また、あらかじめ、回転軸の構成部品
の脱落を考慮して影響係数を求めておけば、この
位相情報と振幅情報から脱落の位置も推定でき
る。このように、振動診断のために位相情報をフ
アイリングしておく効果は大である。
次に、ラビングすなわち回転部と固定部の接触
により発生する音響記号を抽出する装置の概要に
ついて説明する。このラビングによる音響信号を
検出する効果として、ラビングによる熱振動が
発生する以前にラビングの発生をとらえられる、
ラビングの発生位置が明確になる、などがあげ
られる。第11図は、ラビングにより発生する音
響信号をとらえるためのヒストグラム処理装置
(特開昭52−67379号参照)の機能を説明するため
のタイムチヤートである。回転部と固定部の接触
により発生する音響は、回転に同期して発生する
ため、回転に同期して発生する音響信号のみを強
調するヒストグラム処理法は、ラビング検出の
S/N比を向上させる点で有効である。(a)は、1
回転に1パルス発生する回転基準パルスであり、
(b)はあらかじめ定められた回転角度毎に発生する
回転角度パルスである。(c)は、音響検出器(加速
度検出器、AE検出器など)の出力波形である。
(c)のエンベロープ波形が(d)で、(e)はエンベロープ
が適当なスレツシヨルドレベルDを越えたときの
コンパレータ出力波形である。回転基準パルス(a)
の発生タイミングを角度0度とし、各回転角度パ
ルス(b)の発生タイミング毎にコンパレータ出力(e)
の値を読みとり(高レベル“1”、低レベル
“0”)、それを各回転角度毎に累積すれば、(f)の
ようなヒストグラムが得られる。ヒストグラムの
頻度は、音響信号がランダムに発生していれば、
回転角度によらず一定である。ラビングにより回
転に同期して音響信号が発生すると、ある回転角
度に頻度のピークが発生する。このように、回転
同期成分が有ればヒストグラム上にピークが表
れ、回転同期成分がなければヒストグラムが平坦
となるため、回転同期成分の有無が容易に見分け
られる。このヒストグラム分析により、回転軸の
熱曲りに起因する振動が発生する以前にラビング
を検出できる。なお、音響信号のヒストグラム分
析結果のフアイリングにおいて、突出度(頻度の
ピーク値と平均値の差と、標準偏差の比)と、突
出角度(ピークが発生した回転角度)をその代表
値としている。
なお、ラビング発生の有無は、突出度があらか
じめ設定されたレベルを越えたことにより検知す
るようにしている。本実施例では、データ処理装
置30にこの異常判定機能を付加している。これ
により振動監視装置のラビングに関する検出感度
はより高まつている。
診断装置45は、振動情報(振幅、周波数、位
相)、音響情報、運転条件から異常要因の診断を
実施する装置である。診断装置45は、データ処
理装置30、データ処理装置40が異常を検知し
たとき、これらの装置から診断要求が発せられて
作動する。診断に際し、異常振動検出点、振
動振幅の増加傾向、異常振動検出点以外の振動
振幅の値、異常発生時の運転条件および、その
時刻近傍で変化した運転条件、振幅増加に主に
寄与した周波数、位相の変化傾向とその値、
ヒストグラムの突出度の変化などが診断情報とし
て用いられる。診断装置45では、起動要求によ
りどの段階で異常が検出されたかを判断し、その
段階のフアイリングデータを読み出し、上述の診
断情報を量子化し、あらかじめ与えられた診断ラ
イブラリを参照して診断する。量子化において、
例えば、運転条件は単に数値に置きかえ、変化傾
向すなわち傾きや絶対値は単にクラス分けして数
値に置きかえている。診断結果は、表示装置5に
表示する。
以下、本診断装置45で採用した、平均周波数
と実効値による振動幅の増加要因推定法について
説明する。ここで言う振幅の増加要因とは、振幅
の増加がどの周波数成分の増加に起因するかに対
応する。
振動の周波数成分が主に回転周波数とその倍数
次、分数次および回転体の固有振動数の各成分か
ら構成されることから、振動振幅RMSと平均周
波数AFは次の2式のようにあらわすことができ
る。
i、j:それぞれ分数次、倍数次を示す添字 N:回転周波数(Hz) Ao:固有振動数成分の振幅 fo:固有振動数 k:考慮すべき周波数の次数 振動が比較的小さい場合に、その振動の周波数
成分は、回転周波数成分と他の1周波数(倍数次
もしくは分数次)成分から成ると仮定する。この
仮定を用いると、実測された平均周波数と実効値
を(1)、(2)式に代入することにより、振動に含まれ
る周波数とその振幅が演算できる。また、振動振
幅の増加は、単一の周波数成分の増加に起因する
と仮定する。この仮定から、実測された実効値を
(1)式に代入すれば、振動振幅の増加量が計算でき
る。振動の増加がどの周波数成分の増加によるか
知るため、上述の増加量を(2)式の各周波数成分に
代入して平均周波数を計算する。実測に最も近い
結果が得られたときに代入した周波数成分が、そ
の振動増加に起因したと判定する。以上の推定結
果が正しいことは、経験的に確かめられている。
なお、この程度の計算は、一般的な計算装置を用
いれば、比較的簡単に実施できる。この増加した
周波数成分の推定機構は、診断装置45に組み込
まれている。
以下、第12図のような異常が発生した場合の
診断例について説明する。(a)は、データ処理装置
40で異常と判定された場合のデータである。こ
こでは、振動振幅121と平均周波数122のみ
を示してある。(a)の状態において、前述の増加し
た周波数成分の推定機構により、振幅の増加は回
転周波数の2倍成分によると判定されている。ま
た、どの運転条件においても、回転周波数成分増
加による異常は検出されてない。診断の結果は軸
剛性、支持剛性の非対称であつた。
(b)は、データ処理装置30で検出された異常例
である。突出度123の変化により異常が検出さ
れた後、振動振幅の正常値からの差の変化率が設
定値を越え異常と判定された。(b)状態において振
幅の増加が回転周波数成分によると推定されてい
る。また、図示していないが、振動位相と突出角
度の変化傾向が一致してると判定されている。診
断結果は、ラビング振動であり、その位置は低圧
タービンの調速器側油切となつていた。
(c)は、データ処理装置40で検知された異常例
である。発電機出力10MWにおける振動振幅の増
加が設定値を越えたことにより、異常と判定され
た。(c)の状態において、図示してないが、振動振
幅の増加が回転周波数成分によると判定されてい
る。異常の検出点は発電機軸受となつている。ま
た、異常検出のタイミングが1月毎の異常判定時
である。診断の結果は、発電機ロータの構成部品
の動き等によるアンバランス振動であつた。
この第2の実施例によれば、第1の実施例の固
有の効果以外に以下の効果がある。(1)振動以外の
情報も導入しているため、振動要因判定結果の信
頼性が高くなり、診断結果の信頼性が向上する。
以上説明したように、本発明によれば、振動に
異常が発生した場合、原因究明と対策に要する時
間が短くて済み、タービン発電機の異常振動によ
る停止時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の回転機振動監
視装置の構成を示す図、第2図は、データ処理装
置3の動作を示すフローチヤート、第3図はデー
タ整理の過程を示した図、第4図は異常振動検出
例の説明図、第5図はデータ処理装置4の動作を
示すフローチヤート、第6図はデータの整理過程
を示した図、第7図は異常振動検出例を示す図、
第8図は本発明の第2の実施例の回転機振動監視
装置の構成図、第9図は、平均周波数演算器の構
成図、第10図は、位相演算装置の構成図、第1
1図はヒストグラム処理の流れを示すタイムチヤ
ート、第12図は異常診断法を説明するための異
常振動検出例を示す図である。 2,20……振動前処理装置、240……プラ
ントデータ処理装置、280……ヒストグラム処
理装置、3,30……データ処理装置(A)、4,4
0……データ処理装置(B)、45……診断装置、5
……表示装置、6……フアイリング装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 回転機に取付けられた振動検出器からの振動
    信号及び回転機の運転状態に関する信号を入力す
    る手段、あらかじめ定められた運転条件毎の振動
    振幅の正常値と現在の運転条件における振動振幅
    との差の振幅を演算する手段、上記演算手段で時
    系列に得られる差振幅値信号を時間の関数として
    記憶する手段及び上記記憶手段から時系列に差振
    幅値信号を取り出し、その差振幅値の変化値を予
    め定めた許容変化値と比較して差振幅値の変化値
    が上記許容変化値を越えた時に上記回転機の異常
    を示す出力信号を与える手段を具備して成る回転
    機振動監視装置。 2 特許請求の範囲第1項記載の装置において、
    上記演算手段から与えられた差振幅値信号を一時
    記憶する手段と、一定時間毎に上記一時記憶手段
    に蓄えられた差振幅値信号の平均の差振幅値を演
    算する手段とを設け、上記平均値演算手段で求め
    られた平均差振幅値を上記記憶手段に記憶され、
    平均差振幅値の変化値から上記回転機の異常を検
    出することを特徴とする回転機振動監視装置。 3 特許請求の範囲第1項又は第2項記載の装置
    において、上記差振幅値の時系列に記憶されたデ
    ータを最小2乗法で直線近似して得られる直線の
    傾きを、差振幅値の変化値とすることを特徴とす
    る回転機振動監視装置。
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