JP2003106893A - 異常監視装置および異常監視プログラム - Google Patents

異常監視装置および異常監視プログラム

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JP2003106893A
JP2003106893A JP2001302804A JP2001302804A JP2003106893A JP 2003106893 A JP2003106893 A JP 2003106893A JP 2001302804 A JP2001302804 A JP 2001302804A JP 2001302804 A JP2001302804 A JP 2001302804A JP 2003106893 A JP2003106893 A JP 2003106893A
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abnormality
diagnosis target
signal
abnormality monitoring
sensor
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Souichiro Uchinuma
創一朗 内沼
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Yamatake Industrial Systems Co Ltd
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Yamatake Industrial Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ゆっくりとした速度で回転を続ける回転機械等
の異常の有無を監視する異常監視装置に関し、異常の有
無を高精度に検出する装置およびプログラムを提供す
る。 【解決手段】異常監視装置本体500には、振動センサ
210Aおよび音響センサ210Bからの振動波形信号
および音響波形信号が入力されるほか、機械制御装置4
00から、回転機械の現在の回転数および現在の回転位
置(位相)を表わす制御状態情報が入力される。これら
の信号および情報の入力を受け、回転機械300が正常
状態にあるときに各位相範囲ごとに逆フィルタを求め、
異常監視時においては、各逆フィルタを求めた各位相範
囲とそれぞれ同一の各位相範囲に関する波形データを取
り込んで、その波形データに、同一の位相範囲の逆フィ
ルタを作用させて残差信号が求め、その残差信号のパワ
ーレベルに応じて異常の有無を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばゆっくりと
した速度で回転を続ける回転機械や、循環的にループし
て動作するエンドレスのベルトやチェーンを備えた機械
など、循回動作を行なう機械や設備などを診断対象と
し、その診断対象の異常の有無を監視する異常監視装
置、およびコンピュータを異常監視装置として動作させ
る異常監視プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より機器や設備の異常の有無を判定
する様々な設備診断手法による設備診断が実行され、あ
るいは提案されている。この設備診断においては、設備
が破壊され、あるいは直ちに停止する必要がある重大故
障のみを検出対象とするのではなく、むしろ、そのよう
な重大故障に至る前の、例えば回転機械におけるベアリ
ングに傷が入ったり、あるいはある可動部分の摩耗が進
んできたといった程度の、今のところまだ十分に稼動を
続けることができるが、そのままにしておくと将来重大
故障につながるおそれがある異常を検出対象とする必要
がある。
【0003】そのような設備診断手法の典型例として、
例えばその機器や設備が正常状態にあるときの音響振動
波形を得、その音響振動波形をスペクトル解析してその
特徴を調べておき、異常の有無を検出する際にその機器
や設備の音響振動波形を得てスペクトル解析を行い、そ
のスペクトル中に、正常時には見られない特定の周波数
成分のピークが存在するか否か、あるいはピークの組合
せが正常時のそれと同じであるか否か等により異常の検
出を行なうことが知られている。
【0004】また、特開平7−43259号公報には、
その機器や設備が正常状態にあるときの音響振動波形を
得、その音響振動波形に基づいて逆フィルタを作成して
おき、異常の有無を検出する際にその機器や設備の音響
振動波形を得、その音響振動波形にあらかじめ求めてお
いた逆フィルタを作用させて残差信号を求め、この残差
信号を解析することによって機器や設備の異常を検出す
ることが提案されている。
【0005】さらに、特開平8−304124号公報に
は、その機器や設備が正常状態にあるときの複数の音響
振動波形を得、それら複数の音響振動波形のうちの例え
ば1つの音響振動波形に基づいて逆フィルタを作成し
て、その逆フィルタを例えば残りの複数の音響振動波形
に作用させることにより複数の残差信号を求め、それら
複数の残差信号それぞれに基づいて統計的変量を複数求
めておき、異常の有無を検出する際においても、その機
器や設備の複数の音響振動波形を得、あらかじめ求めて
おいた上記の逆フィルタをそれら複数の音響振動波形に
作用させて複数の残差信号を求め、それら複数の残差信
号に基づいて複数の統計的変量を求め、正常状態にある
ときに求めた複数の統計的変量と異常の有無の検出の際
に求めた複数の統計的変量との間で、例えばF検定やt
検定等の手法による検定あるいは推定を行なうことによ
り、その機器や設備の異常の有無を検出することが提案
されている。
【0006】上記のスペクトル解析を行なうことによっ
て機器や設備の異常を検出する手法も、その診断対象機
器や設備の性質によってはかなり有効な手法であり、上
記の逆フィルタを作成しておく手法や統計的検定等を行
なう手法はさらに有効な手法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば高速
で回転するモータを異常有無検出の診断対象とする場合
は、例えばそのベアリング等に異常が生じると1回転ご
とにその異常に起因する現象があらわれることが多く、
そのモータが1回転あるいは数回転する間の、そのモー
タの回転に起因する音あるいは振動を取り込んで時系列
信号を得、その時系列信号に基づく異常の有無を判定す
るようにすれば、その演算を行なっている間もそのモー
タがさらに回転を続け、その演算の間異常検出の対象と
ならなくても問題は少ない。
【0008】これに対し、例えば非常にゆっくりと回転
する回転機械の場合に同様に1回転あるいは数回転の間
時系列信号を取り込もうとすると、演算に用いるデータ
の数(例えば1024点等)の関係から極めて粗いサン
プリング間隔となる。これに対し、例えばベアリングの
傷等に起因して発せられる音響はその周波数が超音波領
域やAE(Acaustic Emission)領域
にあることが多く、それらの領域の周波数まで再現でき
る程度に高速サンプリングを行なって得た時系列信号に
基づく演算でないと異常を検出することが難しい。その
ような高速サンプリングを行ない、かつその回転機械の
一回転分の時系列信号を得ようとすると、異常検出のた
めに一回に用いるデータの数が尨大な数となってしま
い、通常のコンピュータ等で演算を行なうことは実用上
ほとんど不可能に近い。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、例えばゆっく
りとした速度で回転する回転機械や一周するのに時間を
要するエンドレスベルトやエンドレスチェーン等を備え
た機械など、循回動作を行なう機械や設備などを診断対
象とし、その診断対象の異常の有無を高精度に検出する
ことのできる異常監視装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の異常監視装置は、循回動作を行なう診断対象の異常
の有無を監視する異常監視装置において、診断対象の作
動状態を反映した所定の物理量を捉えて、その物理量を
表わす、時間的に継続した信号を得るセンサと、上記セ
ンサで得られた信号のうちの、診断対象の一周を間断な
くあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に区切
ったときの各位相範囲に対応する各部分信号に基づい
て、診断対象の異常の有無を判定する異常監視部とを備
えたことを特徴とする。
【0011】本発明は、診断対象の一周を複数の位相範
囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部分信号に
基づいて診断対象の異常の有無を判定するものであるた
め、一周に時間がかかる診断対象であっても、異常の有
無を高精度に検出し続けることができる。
【0012】ここで、上記本発明の異常監視装置におい
て、診断対象が正常な状態にあるときにセンサにより得
られる基準信号のうちの、その診断対象の一周を間断な
くあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に区切
ったときの各位相範囲に対応する各部分基準信号ごと
に、逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうことに
より、その各位相範囲に対応する各基準データを求める
基準演算部を備え、上記異常監視部は、センサにより異
常監視時に得られる診断信号のうちの、その診断対象の
一周を上記複数の位相範囲と同一の複数の位相範囲に区
切ったときの各位相範囲に対応する各部分診断信号に、
その部分診断信号に対応する位相範囲と同一の位相範囲
の部分基準信号に基づいて求められた逆フィルタを作用
させることにより、残差信号を求める演算を含む演算を
行ない、その演算の結果に基づいて、診断対象の異常の
有無を判定するものであることが好ましい。
【0013】ここで、上記の「逆フィルタを求める演算
を含む演算」は、逆フィルタを求める演算のみで構成さ
れている場合を含む概念であり、その場合は、逆フィル
タを上記の基準データとすることができる。また、「逆
フィルタを求める演算を含む演算」は、逆フィルタを求
める演算が含まれていればよく、前述のように、複数の
基準信号のうちの例えば1つの基準信号に基づいて逆フ
ィルタを作成し、その逆フィルタを他の複数の基準信号
に作用させて複数の統計的変量を求める演算であっても
よい。その場合は、そのようにして求めた複数の統計的
変量が基準データとなり得る。
【0014】また、上記の「逆フィルタを作用させるこ
とにより残差信号を求める演算を含む演算」も上記と同
様であり、残差信号を求める演算のみで構成されていて
もよく、あるいは前掲の特開平7−43259号公報に
記載されているように、その残差信号のパワーの移動平
均値を求めるなど、その残差信号を演算して異常の有無
を判定するのに都合のよいデータを求める演算や、ある
いは、前掲の特開平8−304124号公報に記載され
ているような複数の診断信号に逆フィルタを作用させて
複数の残差信号を求め、それら複数の残差信号に基づい
て複数の統計的変量を求める演算であってもよい。
【0015】逆フィルタを用いると信号上から定常的な
騒音を消し去ることができ、診断対象の異常の有無を一
層高精度に判定することができる。
【0016】また、上記本発明の異常監視装置におい
て、診断対象が正常な状態にあるときにセンサにより得
られる基準信号に基づいて逆フィルタを求める演算を含
む演算を行なうことにより基準データを求める基準演算
部を備え、上記異常監視部は、センサにより異常監視時
に得られる診断信号のうちの、その診断対象の一周を間
断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に
区切ったときの各位相範囲に対応する各部分診断信号に
基準演算部で求められた逆フィルタを作用させることに
より残差信号を求める演算を含む演算を行ない、その演
算の結果に基づいて、診断対象の異常の有無を判定する
ものであってもよい。
【0017】異常の有無を高精度に判定するという観点
からすると、上記のように、各部分基準信号から生成し
た各逆フィルタを、各部分基準信号を得たときの位相範
囲と同一の位相範囲にあるときに得た各部分診断信号に
作用させることが好ましいが、その場合、複数の位相範
囲それぞれについて逆フィルタを求める演算を含む演算
を行なって演算データを求める必要があり、位相範囲を
細かく区切る必要がある場合には、異常検出の前準備と
して多数の位相範囲についてその演算を行なう必要があ
り、その前準備の手間が大変であるとともに、多数の位
相範囲に対応する多数の基準データを記憶しておく必要
があることからメモリ容量の大きなメモリを必要とし、
コストアップの要因ともなる。
【0018】これに対し、基準データについては位相範
囲にこだわらずに1つのみ求めておき、その求めた1つ
の基準データを、各位相範囲ごとの各部分診断信号にそ
れぞれ作用させるように構成すると、前準備の手間が大
幅に削減され、かつメモリ容量も少なくて済む。
【0019】回転対称の回転機械や、エンドレスベルト
あるいはエンドレスチェーンが循環している機械等を診
断対象とする場合、その機械が正常に動作しているとき
の音や振動は一周の位相にかかわらずほとんど安定して
いる(統計的に同等である)場合がほとんどである。し
たがって、このような場合は、位相範囲にこだわらずに
基準データを1つのみ求め、全ての位相範囲についてそ
の1つの基準データを適用しても、異常検出の観点から
もほとんど問題のないレベルの精度を得ることができ
る。
【0020】また、上記本発明の異常監視装置におい
て、上記異常監視部は、各部分診断信号を交互もしくは
循環的に分担して受け取り、自分が分担して受け取った
部分信号に基づいて、診断対象の異常の有無を判定する
複数の単位監視部を備えたものであってもよい。
【0021】このように、センサから得た信号を開断な
くあるいは一部重複して順次切り出した各部分信号を交
互に(単位監視部が2つの場合)あるいは循環的に(単
位監視部が3つ以上の場合)分担して受けとって、交互
あるいは循環的に異常の有無を検出するように構成する
と、異常判定に時間を有する場合であっても、異常有無
検出の空白期間を生じさせることなく、異常有無検出を
継続することができる。
【0022】ここで、上記本発明の異常監視装置は、循
回動作を行なう診断対象の例として、回転機械を診断対
象とするものであってもよく、あるいは、循環的にルー
プして動作する機械を診断対象とするものであってもよ
い。
【0023】また、上記目的を達成する本発明の異常監
視プログラムは、コンピュータ内で動作し、そのコンピ
ュータを、循回動作を行なう診断対象の異常の有無を監
視する異常監視装置として動作させる異常監視プログラ
ムにおいて、このコンピュータは、診断対象の作動状態
を反映した所定の物理量を捉えて、その物理量を表わ
す、時間的に継続した信号を得るセンサが接続されたも
のであって、そのセンサで得られた信号のうちの、診断
対象の一周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複
数の位相範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各
部分信号に基づいて、診断対象の異常の有無を判定する
異常監視部を有することを特徴とする。
【0024】ここで、上記本発明の異常監視プログラム
において、診断対象が正常な状態にあるときにセンサに
より得られる基準信号のうちの、その診断対象の一周を
間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲
に区切ったときの各位相範囲に対応する各部分基準信号
ごとに、逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうこ
とにより、各位相範囲に対応する各基準データを求める
基準演算部を有し、上記異常監視部は、センサにより異
常監視時に得られる診断信号のうちの、診断対象の一周
を上記複数の位相範囲と同一の複数の位相範囲に区切っ
たときの各位相範囲に対応する各部分診断信号に、その
部分診断信号に対応する位相範囲と同一の位相範囲の部
分基準信号に基づいて求められた逆フィルタを作用させ
ることにより、残差信号を求める演算を含む演算を行な
い、その演算の結果に基づいて、診断対象の異常の有無
を判定するものであることが好ましい。
【0025】あるいは、上記本発明の異常監視プログラ
ムにおいて、診断対象が正常な状態にあるときにセンサ
により得られる基準信号に基づいて逆フィルタを求める
演算を含む演算を行なうことにより基準データを求める
基準演算部を有し、上記異常監視部は、センサにより異
常監視時に得られる診断信号のうちの、診断対象の一周
を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範
囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部分診断信
号に基準演算部で求められた逆フィルタを作用させるこ
とにより残差信号を求める演算を含む演算を行ない、そ
の演算の結果に基づいて、診断対象の異常の有無を判定
するものであってもよい。
【0026】さらに、上記本発明の異常監視プログラム
において、上記異常監視部は、各部分診断信号を交互も
しくは循環的に分担して受け取り、自分が分担して受け
取った部分信号に基づいて、診断対象の異常の有無を判
定する複数の単位監視部を有するものであってもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0028】図1は、本発明の異常監視装置の基本的な
一実施形態を示すブロック図である。
【0029】この異常監視装置10は、たとえばゆっく
りと回転する回転機械や、エンドレスベルトあるいはエ
ンドレスチェーン等を回転させる機械等、循回動作を行
なう診断対象20の異常の有無を監視する異常監視装置
であって、センサ11、基準演算部12、および異常監
視部13から構成されている。異常監視部13は、さら
に複数の単位監視部13A,13B,…,13Nに分か
れていてもよい。
【0030】この異常監視装置10のセンサ11では、
診断対象20の状態を反映した所定の物理量(例えば音
や振動等)が捉えられ、その物理量を表わす、時間的に
継続した信号が得られる。
【0031】また、基準演算部12では、診断対象20
が正常な状態にあるときにセンサ11により得られる基
準信号に基づいて逆フィルタを求める演算を含む演算が
行なわれ、これにより基準データが求められる。この基
準演算部12により求められる基準データは、逆フィル
タ自体であってもよく、前述したような統計的変量であ
ってもよい。この実施形態では逆フィルタ自体が基準デ
ータとして採用されている。
【0032】診断対象20が複数の動作状態を有するも
のの場合は、基準演算部12では、その診断対象20が
各動作状態にあるときに得た各基準信号に基づいて各動
作状態に対応する各逆フィルタが求められる。ただし、
1つの動作状態、あるいは1つの動作状態とみなすこと
のできる状態が連続するものの場合等においては、動作
状態にこだわらずに逆フィルタ1つのみを求めてもよ
い。
【0033】例えば、診断対象20がゆっくりと回転す
る回転機械の場合は、その回転機械の一回転を間断なく
あるいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に区切っ
たときの各位相範囲が各動作状態とみなし、それら各位
相範囲に対応する各部分基準信号ごとに逆フィルタを求
められてもよく、あるいは回転の位相にかかわらず同一
の動作状態とみなすことができるときは、位相範囲にこ
だわらずに逆フィルタを1つだけ求めてもよい。
【0034】また、異常監視部13を複数の単位監視部
13A,13B,…,13Nで構成したとき、これら複
数の単位監視部13A,13B,…,13Nでは、セン
サ11により異常監視時に得られた診断信号を間断なく
あるいは一部重複して順次切り出した各部分診断信号を
交互もしくは循環的に分担して受け取り、受け取った部
分診断信号に基づいて、診断対象20の異常の有無が検
出される。具体的には、これらの異常監視部13A,1
3B,…,13Nでは、各部分診断信号に、センサ11
でそれら各部分診断信号を得たときの診断対象20の各
動作状態とそれぞれ同一の各動作状態に対応する逆フィ
ルタを作用させることにより各残差信号が求められる。
あるいは動作状態にこだわらずに逆フィルタ1つのみを
求めたときは、各部分診断信号に、同一の逆フィルタを
作用させて各残差信号が求められる。さらに、それら各
残差信号のパワーが求められ、それらの各パワーをしき
い値と比較することにより診断対象20の異常の有無が
判定される。
【0035】この診断対象20がゆっくりと回転する回
転機械の場合は、複数の単位監視部13A,13B,
…,13Nは、センサ11により異常監視時に得られる
診断信号を、その回転機械の一回転を逆フィルタの演算
の際に区切った複数の位相範囲と同一の複数の位相範囲
に対応する複数の部分診断信号に区切ったときの、各部
分診断信号を交互もしくは循環的に分担して受け取り、
受け取った部分診断信号に、基準演算部12により得ら
れたその部分診断信号に対応する位相範囲と同一の位相
範囲の部分基準信号に基づいて求められた逆フィルタを
作用させることにより残差信号を求め、その残差信号の
パワーをしきい値と比較することにより、その回転機械
の異常の有無が判定される。
【0036】ただし、異常監視部13に複数の単位監視
部13A,13B,…,13Nを必要とするのは、1つ
の部分診断信号に対する異常有無判定のための演算が終
了しないうちに次の部分診断信号に対する異常有無判定
のための演算を開始する必要がある場合など、演算速度
が信号取り込みの速度に追いつかない場合であって、十
分な高速度での演算が可能な場合は、単位監視部を複数
備える必要はなく、単位監視部1つ分の機能を持った異
常監視部で次々に入力されてくる各部分診断信号に基づ
く異常有無判定の演算を繰り返し行なってもよい。
【0037】図2は、本発明の異常監視装置の一実施形
態として動作する異常監視コンピュータの外観斜視図で
ある。本発明の一実施形態としての異常監視装置は、こ
の診断用コンピュータ100のハードウェアとその内部
で実行されるソフトウェアとからなる異常監視装置本体
と、さらにここでは不図示のセンサ等との組合せにより
実現されている。
【0038】この異常監視コンピュータ100は、CP
U、RAMメモリ、磁気ディスク、通信用ボード等を内
蔵した本体101、本体からの指示によりその表示画面
102a上に画面表示を行なうCRTディスプレイ10
2、この異常監視コンピュータ内に、オペレータの指示
や文字情報を入力するためのキーボード103、表示画
面上の任意の位置を指定することによりその位置に表示
されているアイコン等に応じた指示を入力するマウス1
04を備えている。
【0039】本体101には、CD−ROM105(図
3参照)が取り出し自在に装填され、装填されたCD−
ROM105をドライブするCD−ROMドライブも内
蔵されている。
【0040】ここでは、CD−ROM105に、異常監
視プログラムが記憶されており、そのCD−ROM10
5が本体101内に装填され、CD−ROMドライブに
よりそのCD−ROM105に記憶された異常監視プロ
グラムがその異常監視コンピュータ100の磁気ディス
ク内にインストールされる。異常監視コンピュータ10
0の磁気ディスク内にインストールされた異常監視プロ
グラムが起動されると、この異常監視コンピュータ10
0は、本発明の異常監視装置のうちのセンサ等を除く異
常監視装置本体の一実施形態として動作する。
【0041】図3は、図2に示す異常監視コンピュータ
100のハードウェア構成図である。
【0042】このハードウェア構成図には、中央演算処
理装置(CPU)111、RAM112、磁気ディスク
コントローラ113、CD−ROMドライブ115、マ
ウスコントローラ116、キーボードコントローラ11
7、ディスプレイコントローラ118、通信用ボード1
19、およびA/D変換ボード120が示されており、
それらはバス110で相互に接続されている。
【0043】CD−ROMドライブ115は、図2を参
照して説明したように、CD−ROM105が装填さ
れ、装填されたCD−ROM105をアクセスするもの
である。
【0044】通信用ボード119は、診断対象を制御す
る機械制御装置(図示せず)に接続され、機械制御装置
から、診断対象の制御状態(稼動状態にあるか静止状態
にあるか、あるいは回転機械を診断対象とする場合にお
けるその回転機械の現在の回転角度(位相)等)を表わ
す制御状態情報が入力される。
【0045】またA/D変換ボード120には、異常監
視用の信号を得るためのセンサ図1に示す振動センサお
よび音響センサ22等が接続されている。このA/D変
換ボード120は、センサでピックアップされた信号を
入力しサンプリングしてメモリに一旦格納し、その後順
次一部ずつ重なったメモリ領域ごとに読み出して内部に
取り込む役割りを担っている。
【0046】また、図3には、磁気ディスクコントロー
ラ113によりアクセスされる磁気ディスク114、マ
ウスコントローラ116により制御されるマウス10
4、キーボードコントローラ117により制御されるキ
ーボード103、およびディスプレイコントローラ11
8により制御されるCRTディスプレイ102も示され
ている。
【0047】図4は、本発明の異常監視プログラムの一
実施形態を模式的に示した図である。
【0048】ここでは、この異常監視プログラム130
は、CD−ROM105に記憶されており、CD−RO
M105が図2,図3に示す異常監視コンピュータ10
0に装填されてドライブされ、そのCD−ROM105
に記憶された異常監視プログラム130がその異常監視
コンピュータ100にインストールされて実行されるこ
とにより、その異常監視コンピュータ100が、診断対
象の状態を検出するセンサと合わせて、本発明の異常監
視装置の一実施形態として動作する。
【0049】図4に示す異常監視プログラム130は、
基準演算部131と異常監視部132とから構成されて
いる。また、この異常監視部132は、複数の単位監視
部132A,132B,……,132Nにより構成され
ている。
【0050】基準演算部131は、図1に示す異常監視
装置10の基準演算部12に相当し、異常監視部132
は、図1の異常監視装置10の異常監視部13に相当
し、複数の単位監視部132A,132B,……,13
2Nは複数の単位監視部13A,13B,……,13N
にそれぞれ相当するが、図1に示す異常監視装置10
の、センサ11を除く構成が、図3,4に示す異常監視
コンピュータ100と、そこにインストールされた図5
に示す異常監視プログラムとで構成される場合、図1に
示す異常監視装置10の基準演算部12および異常監視
部13A(複数の単位監視部13A,13B,……,1
3N)は、いずれも、コンピュータのハードウェア、O
S(オペレーションシステム)、およびアプリケーショ
ンプログラムとしての異常監視プログラムの複合で構成
されているものに対し、図5に示す異常監視プログラム
130は、それらのうちのアプリケーションプログラム
の部分のみで構成されている。図5の異常監視プログラ
ム130を構成する各部の作用は、図10の異常監視装
置10の対応する各部の作用と同一であり、重複説明は
省略する。
【0051】図5は、ゆっくりと回転する回転機械30
0を診断対象としたときのシステム構造図である。
【0052】この回転機械300は、機械制御装置40
0による回転数制御を受けてゆっくりと回転する。その
回転機械300の回転に伴って発生する振動および機械
作動音響は、それぞれ振動センサ210Aおよび音響セ
ンサ210Bでピックアップされ、振動波形信号および
音響波形信号となって異常監視装置本体500に入力さ
れる。
【0053】この異常監視装置本体500は、図2,図
3に示す異常監視コンピュータおよびその異常監視コン
ピュータ内で実行される異常監視プログラムにより構成
されている。
【0054】この異常監視装置本体500には、振動セ
ンサ210Aおよび音響センサ210Bからの振動波形
信号および音響波形信号が入力されるほか、機械制御装
置400から、回転機械の現在の回転数および現在の回
転位置(位相)を表わす制御状態情報が入力される。
【0055】この異常監視装置本体500では、これら
の信号および情報の入力を受け、回転機械300が正常
状態にあるときにその回転機械300の一回転を順次一
部ずつ重複させながら複数に分けた各位相範囲ごとに逆
フィルタが求められ、異常監視時においては、比較診断
により交互に分担して、各逆フィルタを求めた各位相範
囲とそれぞれ同一の各位相範囲に関する波形データを取
り込んで、その波形データに、その波形データの位相範
囲と同一の位相範囲の逆フィルタを作用させて残差信号
が求められ、その残差信号のパワーレベルに応じて異常
の有無が判定される。正常状態で、各位相毎の変化が少
ない場合は、任意の位相範囲についてのみ逆フィルタが
求められ、その逆フィルタが、全ての位相範囲について
の異常判定に使用される。
【0056】ここで、この回転機械300が複数の回転
数のうちのいずれかの回転数に制御されるときは、逆フ
ィルタの演算は、各回転数ごと、かつ各位相範囲ごとに
求められ、異常監視時には、そのときの回転機械300
の回転数と同一の回転数について求められた逆フィルタ
が採用される。回転機械300の回転数が変化するとき
は、回転数に応じて位相範囲の分け方を変更してもよ
い。
【0057】図6は、無端ベルトを循環させるベルトコ
ンベアを診断対象としたときのシステム構造図である。
【0058】ここでは、ベルトの走行異常時に発せられ
る異音を捉えるために集音マイクが配備され、その集音
マイクにより得られた音響波形信号が異常監視装置本体
に入力される。
【0059】このベルトコンベアは、機械制御装置によ
り、ベルト送り速度が複数の速度のうちのいずれかに制
御される。そのベルト送り速度の情報は、制御状態情報
として異常監視装置本体に入力される。
【0060】異常監視装置本体では、ベルトの走行異常
がないことが確認された状態において、機械制御装置に
より制御される各送り速度ごとに逆フィルタが求めら
れ、異常監視時においては、2つもしくは3つ以上のタ
スクが、集音マイクにより得られた信号のうちの、ベル
トの一周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数
の位相範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部
分信号を交互もしくは循環的に分担して受け取り、各タ
スクでは、自分が受け取った部分信号に基づいて、全体
として間断なくベルト走行異常による異音が検出され
る。あるいは、1つのタスクが異常検出動作を十分に高
速に行なうことができるときは、その1つのタスクで、
間断なく、ベルト走行異常による異音を検出するように
構成してもよい。
【0061】尚、上記各実施形態は、振動あるいは音響
を捉えて異常検出を行なう例であるが、振動あるいは音
響以外の物理量を捉えて異常監視を行なってもよい。
【0062】次に、逆フィルタおよびその逆フィルタを
用いた異常の有無の検出方法について説明する。
【0063】任意の時系列信号は、適当な線型系に白色
雑音を入力したときの出力と見なすことができる。与え
られた時系列信号から対応する線型系を決定すること
は、線型予測分析と呼ばれ、確立した手法が存在する。
通常そのようにして求められるものに、自己回帰モデル
(ARモデル)がある。これは標本化、離散化された時
系列信号をX(n)、n=1、2、・・・ とする時、第n
時点の信号X(n)をそれ以前のM個の時点のデータか
ら次のようにして決定するものである。
【0064】
【数1】
【0065】ここでe(n)は線型系への仮想的な入力
信号で、白色雑音である。時系列信号が与えられた時、
そのデータから係数の組{Ak}を求めることにより、
その時系列信号に対する自己回帰モデルが決定される。
【0066】いま係数の組{Ak}が求まった時、時系
列信号データ{X(n)}を用いてY(n)を次のよう
に定義する。この時Y(n)はX(n)の線型予測値と
いわれる。
【0067】
【数2】
【0068】そこで次のような量を計算すると、
(1)、(2)式から、 X(n)−Y(n)=e(n) …(3) となり、残差は白色雑音となる。つまり、第n時点の時
系列信号データX(n)から、それ以前のMケのデータ
から求めた予測値Y(n)を減じると、入力の白色雑音
が得られる。ここでは、X(n)から予測値Y(n)を
減じて残差e(n)を求めることを、逆フィルタを作用
させると称している。このようにある時系列信号を適切
な自己回帰モデルで表すことができれば、それを用いて
構成された逆フィルタを元の時系列信号に作用させるこ
とにより、白色雑音を得る。すなわち入力信号は逆フィ
ルタにより、白色化される。この場合、入力時系列信号
は逆フィルタの設計時に用いた信号そのものでなくても
よく、その自己回帰モデルが同一のものすなわち同じ特
性の信号であれば、出力として白色化された信号を得る
ことができる。ただし、時系列信号の特性が設計に用い
たそれと異なっていた場合には、逆フィルタを作用させ
ても白色化はされず、白色雑音は得られない。
【0069】そこで、正常時の作動音や振動等(作動音
等)を担持する第1の時系列信号を用いて、逆フィルタ
を予め構成しておき、任意の時点で作動音等を担持する
新たな第2の時系列信号を得、この第2の時系列信号に
逆フィルタを作用させて出力を監視することにより、正
常時とは異なる時系列信号(残差信号)を検出すること
が出来る。
【0070】本実施形態では、具体的には、以下の信号
処理方法を採用することができる。
【0071】先ず、図1の基準演算部12において、診
断対象が正常な状態にあるときに得られた音信号データ
あるいは振動信号データを1024点用いて、FFT
(高速フーリェ変換)を行い、それから電力スペクトル
を求める。次にそれをIFFT(逆高速フーリェ変換)
して自己相関関数を求め、それを用いてLevinso
nのアルゴリズム(例えば三上著「ディジタル信号処理
入門」CQ出版発行参照)により計算し、逆フィルタの
係数{Ak}を求める。
【0072】その後、異常監視部13A,13B,…,
13Nでは、その逆フィルタを作用させて残差信号が求
められるが、その残差信号を求めるための演算は、本実
施形態では、係数{a[k]}を用いて移動平均計算によ
り行なわれる。
【0073】ここでは残差信号のパワーの移動平均を求
めるために、まず残差信号の時系列から、128データ
を取り出し、FFT、パワースペクトル計算、IFFT
を経て自己相関関数を求め、その原点のピーク値からパ
ワーを求める。その後データの始点を50点ずつずらし
ながら、パワーを順次求める。
【0074】逆フィルタとしては、一例として、次数M
=27、係数{a[k]}は、表1のものが採用される。
【0075】
【表1】 a[ 0]= 1.000000 a[ 1]=−2.887330 a[ 2]= 3.947344 a[ 3]=−3.535249 a[ 4]= 2.447053 a[ 5]=−1.620133 a[ 6]= 1.315352 a[ 7]=−1.268161 a[ 8]= 0.937471 a[ 9]=−0.380573 a[10]=−0.040919 a[11]= 0.284076 a[12]=−0.353665 a[13]= 0.397849 a[14]=−0.533185 a[15]= 0.501902 a[16]=−0.238178 a[17]=−0.003048 a[18]= 0.192420 a[19]=−0.166854 a[20]=−0.010498 a[21]= 0.061383 a[22]= 0.017323 a[23]=−0.014146 a[24]=−0.131247 a[25]= 0.239157 a[26]=−0.242444 a[27]= 0.115678 図7〜図10は正常状態にある設備から得られる波形の
一例を示すものであり、図7は正常状態にある設備から
採取された音信号の信号波形、図8はこの音信号に逆フ
ィルタを作用させた後の残差信号の信号波形、図9はこ
の残差信号の電力スペクトル、図10は残差信号の電力
の移動平均を示している。
【0076】図11〜図14は、設備が異常状態にある
ときに得られた波形の一例を示すもので、各図は、それ
ぞれ図7〜図10と同じ形式の信号波形を示している。
正常状態及び異常状態にある設備からそれぞれ得られた
音信号の波形を示す図7及び図11を直接比較しても、
これらから直ちに正常・異常を判断することは困難であ
る。しかし、これらに逆フィルタを作用させて得られた
残差信号を示す図8及び図12相互を分析することによ
り、正常・異常の判断が可能となる。
【0077】図8及び図12を比較すると容易に理解で
きるように、設備が正常状態にあるときは、残差信号の
振幅は極めて小さいが、これと比較し、設備が異常状態
になるとその振幅は極めて大きくなる。従って、残差信
号における電力の最大値を基準として正常・異常の判断
が可能となる。例えば設備が正常状態にあるときに得ら
れた信号の最大電力よりも10dB以上大きな残差信号
の振幅を有する場合を異常、これ未満の残差信号の振幅
を有する場合を正常と判定することで、正常・異常の判
断を行なうことができる。
【0078】また、図9及び図13に示されたように、
残差信号をフーリエ変換して得られたスペクトルにおい
ては、異常が発生すると電力スペクトルの増大が生ず
る。例えば、図9の電力のピークは100dB以下であ
るが、図13においては電力のピークはほぼ120dB
に達している。
【0079】更に、残差信号の電力の移動平均を示す図
10及び図14相互の比較を行うと、異常によってこの
移動平均が増大することがわかる。例えば、設備が正常
状態にあるときの移動平均の最大値よりも20dB以上
大きな移動平均データを示す場合は異常、これ未満のデ
ータを示す場合は正常と判定できる。この方法を採用す
ると、異常の有無の判定が特に容易となり、短時間での
異常検出が可能であるため、現場における実時間的な検
出を行うことができて、特に好適である。なお、異常の
種類によっては、電力の移動平均の分析よりも上記電力
スペクトルの分析による検出の方が、より正確に欠陥の
存在を検出できる。
【0080】以上説明した実施形態は、本発明にいう基
準データとして逆フィルタを作成しておき、残差信号を
求めてその残差信号に基づいて異常の有無の検出を行な
うものであるが、本発明は必ずしもこの検出方法を採用
する必要はなく、例えば前述したスペクトル解析の手法
や、統計的推定又は検定を行なう手法を採用してもよ
い。
【0081】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、例えばゆっくりとした速度で回転する回転機械等速
転動作を行なう診断対象の異常の有無を空白期間を置く
ことなく検出し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常監視装置の基本的な一実施形態を
示すブロック図である。
【図2】本発明の異常監視装置の一実施形態として動作
する異常監視コンピュータの外観斜視図である。
【図3】図2に示す異常監視コンピュータのハードウェ
ア構成図である。
【図4】本発明の異常監視プログラムの一実施形態の模
式図である。
【図5】ゆっくりと回転する回転機械を診断対象とした
ときのシステム構造図である。
【図6】無端ベルトを循環させるベルトコンベアを診断
対象としたときのシステム構造図である。
【図7】正常状態にある診断対象から得られた音信号の
波形図である。
【図8】図7の信号に逆フィルタを作用させて得られた
信号波形図である。
【図9】図8の信号から得られた電力スペクトル図であ
る。
【図10】図8の信号から得られた電力の移動平均を示
す図である。
【図11】異常状態にある診断対象から得られた音信号
の波形図である。
【図12】図11の信号に逆フィルタを作用させて得ら
れた信号波形図である。
【図13】図12の信号から得られた電力スペクトル図
である。
【図14】図12の信号から得られた電力の移動平均を
示す図である。
【符号の説明】
10 異常監視装置 11 センサ 12 基準演算部 13A,13B,…,13N 異常監視部 20 診断対象 100 診断用コンピュータ 210A 振動センサ 210B 音響センサ 300 回転機械 400 機械制御装置 500 異常監視装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AD02 AD22 BA15 CA13 DA09 FA02 FA06 2G064 AA11 AB02 AB07 AB08 AB16 AB22 CC05 CC17 CC35 CC42 CC46 CC47 CC54 5H223 AA05 AA09 AA19 DD03 EE06 FF04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 循回動作を行なう診断対象の異常の有無
    を監視する異常監視装置において、 診断対象の作動状態を反映した所定の物理量を捉えて、
    該物理量を表わす、時間的に継続した信号を得るセンサ
    と、 前記センサで得られた信号のうちの、前記診断対象の一
    周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相
    範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部分信号
    に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定する異常
    監視部とを備えたことを特徴とする異常監視装置。
  2. 【請求項2】 前記診断対象が正常な状態にあるときに
    前記センサにより得られる基準信号のうちの、該診断対
    象の一周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数
    の位相範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部
    分基準信号ごとに、逆フィルタを求める演算を含む演算
    を行なうことにより、該各位相範囲に対応する各基準デ
    ータを求める基準演算部を備え、 前記異常監視部は、前記センサにより異常監視時に得ら
    れる診断信号のうちの、該診断対象の一周を前記複数の
    位相範囲と同一の複数の位相範囲に区切ったときの各位
    相範囲に対応する各部分診断信号に、該部分診断信号に
    対応する位相範囲と同一の位相範囲の部分基準信号に基
    づいて求められた逆フィルタを作用させることにより、
    残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結
    果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の異常監視装
    置。
  3. 【請求項3】 前記診断対象が正常な状態にあるときに
    前記センサにより得られる基準信号に基づいて逆フィル
    タを求める演算を含む演算を行なうことにより基準デー
    タを求める基準演算部を備え、 前記異常監視部は、前記センサにより異常監視時に得ら
    れる診断信号のうちの、該診断対象の一周を間断なくあ
    るいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に区切った
    ときの各位相範囲に対応する各部分診断信号に前記基準
    演算部で求められた逆フィルタを作用させることにより
    残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結
    果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の異常監視装
    置。
  4. 【請求項4】 前記診断対象は回転機械であることを特
    徴とする請求項1記載の異常監視装置。
  5. 【請求項5】 前記診断対象は循環的にループして動作
    する機械であることを特徴とする請求項1記載の異常監
    視装置。
  6. 【請求項6】 コンピュータ内で動作し、該コンピュー
    タを、循回動作を行なう診断対象の異常の有無を監視す
    る異常監視装置として動作させる異常監視プログラムに
    おいて、 このコンピュータは、診断対象の作動状態を反映した所
    定の物理量を捉えて、該物理量を表わす、時間的に継続
    した信号を得るセンサが接続されたものであって、 前記センサで得られた信号のうちの、前記診断対象の一
    周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数の位相
    範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部分信号
    に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定する異常
    監視部を有することを特徴とする異常監視プログラム。
  7. 【請求項7】 前記診断対象が正常な状態にあるときに
    前記センサにより得られる基準信号のうちの、該診断対
    象の一周を間断なくあるいは順次一部ずつ重複する複数
    の位相範囲に区切ったときの各位相範囲に対応する各部
    分基準信号ごとに、逆フィルタを求める演算を含む演算
    を行なうことにより、該各位相範囲に対応する各基準デ
    ータを求める基準演算部を有し、 前記異常監視部は、前記センサにより異常監視時に得ら
    れる診断信号のうちの、該診断対象の一周を前記複数の
    位相範囲と同一の複数の位相範囲に区切ったときの各位
    相範囲に対応する各部分診断信号に、該部分診断信号に
    対応する位相範囲と同一の位相範囲の部分基準信号に基
    づいて求められた逆フィルタを作用させることにより、
    残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結
    果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定するも
    のであることを特徴とする請求項6記載の異常監視プロ
    グラム。
  8. 【請求項8】 前記診断対象が正常な状態にあるときに
    前記センサにより得られる基準信号に基づいて逆フィル
    タを求める演算を含む演算を行なうことにより基準デー
    タを求める基準演算部を有し、 前記異常監視部は、前記センサにより異常監視時に得ら
    れる診断信号のうちの、該診断対象の一周を間断なくあ
    るいは順次一部ずつ重複する複数の位相範囲に区切った
    ときの各位相範囲に対応する各部分診断信号に前記基準
    演算部で求められた逆フィルタを作用させることにより
    残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結
    果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を判定するも
    のであることを特徴とする請求項6記載の異常監視プロ
    グラム。
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