JPS6327260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は飲料自動販売機における原料抽出装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

飲料自動販売機あるいは抽出機として、１回の
使用分量ずつ包袋に密封した粉末コーヒや、紅
茶、緑茶等の抽出材料を出し、これに熱湯を加え
て成分を抽出するものとして、実開昭39−16524
号公報のように、２枚の過可能なパツキングペ
ーパー内に一定間隔毎にコーヒ粉末を充填し、こ
の上部にガイドに沿つて上下する熱湯注入筒を設
計、その下部にカツプをおいたコーヒ自動販売装
置が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この従来のものは飲用コーヒ原料が過可能な
パツキングペーパーを通して飲料自販機内で湿気
てしまつたり、飲料自販機内の異臭が浸透してコ
ーヒ粉末が異臭を帯びてしまうという大きな問題
点がある。

またインスタント粉末原料の供給装置として実
公昭43−28895号公報に記載されているものも周
知である。

このものは非通気性の帯状フイルムを２枚袋状
に貼合わせ、その中に粉末原料を定量ずつ区切つ
て封入した連続包袋を機内に格納する装置と、前
記包袋を１区切りずつ開封位置に送出し貼合わさ
れた２枚のフイルムに互に反対方向の張力を加え
ることによつて包袋をつぎつぎに開封する１対の
巻取ロールからなる送出し機構を備え、開封され
た包袋の中身を販売容器に落下させるようにした
飲料自動販売機の粉末原料供給装置である。

しかしながらこのものは、単なるインスタント
粉末原料供給装置であつて原料を湯で抽出して販
売に供するものではなく、したがつて本願考案の
ように美味しくて香りのよいレギユラー飲料を販
売することができないという第１の問題点があ
る。

また、このものは粉末原料を落下させてカツプ
内に落し込むものであるから他所へ飛散し易く、
しかも自販機内のちりやほこり、臭いを巻込んで
しまうという第２の問題点がある。

さらにまた実公昭39−957号公報に示すように、
浸出器中に充填用開口を有する器体、第１および
第２区画を形成する為の上記器体の内側に周縁的
に接触する多孔性分離具および充填用開口を密封
する為の破壊し易い閉塞より成り、上記器体は破
壊し易く、また底部壁および底部壁の周縁から延
長する側壁を有し、また上記側壁の頂部から平面
にて延長する輪縁を有し、上記第１区画は脱水さ
れた酪農生成物の貯蔵に適応され、上記第２区画
は粉末コーヒの貯蔵に適応され、上記閉塞は上記
充填用開口を越えて延長して上記輪縁に結合され
る事を特徴とするコーヒ飲料の生成用浸出器の構
造が提案されている。

ところがこのものは、浸出器自体が単品で独立
したものであり、しかも各浸出器単品毎にその底
部にロシを貼着したものである。

したがつてこのものはこの浸出器を単品毎に抽
出部へ移送する手段と、浸出器の蓋板と底板との
両方にそれぞれ注湯ノズルと排液ノズルとを突き
刺す手段とが必要であり、特に前記浸出器を各単
品毎に抽出部へ移送する手段が浸出器自体が単品
である点で極めて構成複雑かつ大きなスペースと
高価な製作費を要するという第１の大きな問題点
がある。

また、蓋板に注湯ノズルを突き刺して加圧注湯
して抽出するものであるため、注湯用突き刺し手
段４０の直下以外の原料は抽出され難く、抽出効
率が著しく悪いという第２の問題点がある。

この考案は、上記した各問題点を全て除きレギ
ユラーコーヒや紅茶または緑茶のような材料に湯
を滴下してコーヒ、紅茶、緑茶の成分を抽出する
に好都合な抽出機構を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、一定量の原料を連続したカツプ状
の凹みで構成された気密保持容器内に入れて前記
容器の開口部を封止材で封止し側縁にパーフオレ
ーシヨンを形成した原料気密保持収納帯を搬送す
る第１のスプロケツトホイールと、前記封止材を
前記気密保持容器より引き剥がす第２のスプロケ
ツトホイールと、引き剥がされた封止材を巻取る
巻取りドラムと、前記気密保持容器の底部に多数
個の微細過孔を明ける他数本のニードルピンを
有する孔明け機と、角筒体の４面に設けられてい
るニドルピンを清掃するブラシと、湯送管の端部
に取り付けた蓋体と、排出口を有し前記気密保持
容器を収容する漏斗部材とでドリツプ機構するこ
とで達成される。

〔作用〕

この考案の抽出機構は第１および第２のスプロ
ケツトホイールで原料気密保持収納帯を一定量ず
つ搬送し、第２のスプロケツトホイールと巻き取
りドラムとで１個分の気密保持容器の封止材を引
き剥がすと共に気密保持容器の底部に孔明け針で
多数個の微細過孔を明けた後、この容器をドリ
ツプ機構内に収容して湯送管を通して送られてき
た熱湯で原料を抽出し、抽出が終わつたら前記容
器をドリツプ機構より取り出し、孔明け機を回動
させて角筒体の側面のニードルピンの清掃をブラ
シを左右動させて行なつたあと次の容器のドリツ
プに備える。

〔実施例〕

第１図は、焙煎し中細挽したコーヒ豆、紅茶等
の原料１を帯状の樹脂フイルムに一定の間隔を存
して底の平らなカツプ状の凹みで構成された気密
保持容器２を連続的に形成した原料容器連結帯３
の前記各容器内に一定量づつ入れてから同様の材
料からなる封止材４を各気密保持容器２の開口部
を塞ぐようにヒートシールし、両側縁にパーフオ
レーシヨン５およびリード部６を設けた原料気密
保持収納帯７である。

この原料気密保持収納帯７における原料容器連
結帯３の剛性は封止材４と原料容器連結帯３との
接着力よりも強く設定し封止材４を引いたときヒ
ートシール部が剥れても封止材４は切れず、しか
も原料容器連結帯３は上記の力の程度では折れ曲
ることがない剛性を有しており、またヒートシー
ル部は通常は完全に気密保持できるように構成さ
れている。

この原料気密保持収納帯７は予じめ蛇行するよ
うにしてセツトされていて飲料自動販売機内に収
納される。

次にこの原料気密保持収納帯７より気密保持容
器２内の原料１をドリツプ機構に供給する機構と
ドリツプ動作について説明する。

第２図ａに示すように、前記原料気密保持収納
帯７の先端部にはダミー容器３ａとリード部６が
予じめ設けられており、ドリツプ機構８の前方に
配設された１対のスプロケツトホイール９のスプ
ロケツトに、このリード部６のパーフオレーシヨ
ン５を係止されると共に、封止材４の先端を巻取
りドラム１０のスプールに設けられている穴に挿
入し、原料容器連結帯３のダミー容器３ａをガイ
ドピン１０ａの下面を介してドリツプ機構８にセ
ツトしておく。

顧客により料金の投入と図示してない選択釦が
押されると、内部にヒータ１１を配設し角筒体１
２の外面に無数のしかも微細なニードルピン１３
を取付けた濾過孔明け機１４が垂直に上昇して、
気密保持容器２の平坦な底部に原料１が洩れ落ち
ない程度の微細過孔２ａを明ける。

この孔明けが終ると第２図ｂに示すように濾過
孔明け機１４は下降し、スプロケツトホイール９
が回動し、原料容器連結帯３を右行せしめると共
に、その上にヒートシールした封止材４をパーフ
オレーシヨン５に突入したスプロケツトで強力に
引つぱつて剥離し、この剥離に伴つて繰出される
封止材４は巻取りドラム１０に巻回されるのであ
るが、この原料容器連結帯３はガイドピン１０ａ
の下面を摺動して右行するから前記剥離動作によ
り気密保持容器２の上動を阻止しており、この動
作の進行に伴つて封止材４を剥された部分の原料
容器連結帯３はその気密保持容器２内の原料１は
零れることなく円滑に蓋体１５と漏斗部材１６間
に送り込まれる。

このあと、第２図ｃに示すように、漏斗部材１
６が上昇し、蓋体１５と漏斗部材１６がＯリング
を介して液密的に連接し終ると、第２図ｄに示す
ように図示してない貯湯タンクよりカツプ一杯分
に相当する量の熱湯が湯送管１７を通して蓋体１
５内に加圧注入される。

加圧注入された熱湯は気密保持容器２に明けた
微細過孔２ａより透過するよう漏斗部材１６側
に圧送されることにより、ドリツプされたレギユ
ラーコーヒは排出口１９より、すでに図示してな
いカツプ自動供給装置より取出されたコツプ２１
内に、予じめ選択した量の砂糖、クリーム等と共
に注入される。

この間に、濾過孔明けにより微細なニードルピ
ン１３に付着した孔明け残滓は角筒体１２の1/4
回転毎に上昇するブラシ２０で除去される。

一杯分のコーヒのドリツプが完了すると第２図
ｅに示すように漏斗部材１６およびブラシ２０が
下降し、次の顧客のためのスタンバイ状態に入
り、以下第２図ａ〜第２図ｄの動作でレギユラー
コーヒあるいは紅茶の注出が行なわれる。

また第３図の変形例に示すようにニードルピン
１３に付着した孔明け残滓は平板１２Ａの下降時
にブラシ２０Ａで除去すれば平板１２Ａを回転さ
せる必要がなく簡単に構成できる。

〔考案の効果〕

この考案は以上述べたように前記問題点を解決
するための手段を採用したので気密保持容器２の
底部に多数のニードルピン１３で多数の微細過
孔２ａ，２ａを明けることで、飲料原料１を湯で
抽出して販売することができるから、紙やフイ
ルター等の過部材を別途必要としないという第
１の効果がある。

またこの考案では飲用コーヒ原料が飲料自動販
売機内で湿気てしまつたり、飲料自販機内の異臭
が浸透してコーヒ粉末が異臭を帯びてしまうこと
がなく、美味しくて香りのよいレギユラー飲料を
販売することができるし、粉末原料が他所へ飛散
することがないという第２の効果がある。

しかも一定量の原料１を連続したカツプ状の凹
みで構成された気密保持容器２内に入れて前記容
器２の開口部を封止材４をもつて封止してその側
縁にパーフオレーシヨン５を形成した原料気密保
持収納帯７を搬送する手段が簡単かつ小スペース
で済むし、蓋体１５を介して加圧注湯するように
なしたので、原料をまんべんなく抽出できるから
抽出効率が良いという第３の効果がある。

さらにまた原料を自動的にドリツプ機構内に多
数のニードルピンで容器底に多数の小孔を明けて
ドリツプを可能にして搬入し、ドリツプを行なう
ことができ、上記の多数のニードルピンを清掃す
るので次の孔明けが確実で淹れ滓の排除も容器と
一緒に捨ててしまうので、常に新しい容器でコー
ヒ等を淹れることができて衛生的であり、メカ的
に簡素なので製造コストが安くつく等の第４およ
び第５の各効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図は原料容器連結帯の斜視図、第２図ａ
〜第２図ｅはいずれも原料のドリツプ機構内への
送り込みとドリツプならびにドリツプ機構からの
送り出し動作の説明図、第３図は残滓除去の変形
例を示す動作の説明図である。 １……原料、２……気密保持容器、２ａ……微
細過孔、３……原料容器連結帯、４……封止
材、５……パーフオレーシヨン、６……リード
部、７……原料気密保持収納帯、８……ドリツプ
機構、９……スプロケツトホイール、１０……巻
取りドラム、１１……ヒータ、１２……角筒体、
１３……ニードルピン、１４……孔明け機、１５
……蓋体、１６……漏斗部材、１７……湯送管、
１９……排出口、２０……ブラシ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 飲用原料を湯で抽出して販売に供する飲料自動
   販売機において、一定量の原料１を連続したカツ
   プ状の凹みで構成された気密保持容器２内に入れ
   て前記容器２の開口部を封止材４で封止し側縁に
   パーフオレーシヨン５を形成した原料気密保持収
   納帯７を搬送する第１のスプロケツトホイール９
   と、前記封止材４を前記気密保持容器２より引き
   剥がす第２のスプロケツトホイール９と、引き剥
   がされた封止材４を巻取る巻取りドラム１０と、
   前記気密保持容器２の底部に多数個の微細過孔
   ２ａを明ける他数本のニードルピン１３を有する
   孔明け機１４と、角筒体１２の４面に設けられて
   いるニードルピン１３を清掃するブラシ２０と、
   湯送管１７の端部に取り付けた蓋体１５と、排出
   口１９を有し前記気密保持容器２を収容する漏斗
   部材１６とでドリツプ機構８を構成したことを特
   徴とする飲料自動販売機における原料抽出装置。