JPS632680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はクランク室圧縮式２サイクルエンジン
のバランサ装置に関する。

（従来技術） 従来のエンジンのクランクケースに対向シリン
ダーを設け、対向シリンダー内にエンジンのピス
トンと同位相のピストン形バランサを嵌めて１次
振動を防止するようにしたバランサ装置は既に提
案されている。ところがその場合はピストン形バ
ランサに背圧が生じ、バランサとしての機能を損
なう恐れがあつた。

（考案の目的） 本考案は対向形バランサの背圧を効果的に処理
することを目的としている。

（考案の構成） 本考案は180゜の位相差を有する１対のクランク
室圧縮式２サイクルエンジンの各クランクケース
に対向シリンダーを設け、各対向シリンダーに対
応側エンジンのピストンと同位相のピストン形バ
ランサを嵌め、バランサと対向シリンダーで区画
される室同志を逃し通路を介して連通したことを
特徴とするクランク室圧縮式２サイクルエンジン
のバランサ装置である。ピストン形バランサの背
圧は逃し通路を介して効果的に抜かれる。

（実施例） 本考案を適用したクランク室圧縮式２サイクル
エンジンの縦断面の示す第１図において、第１気
筒１と第２気筒２は互に180゜の位相差を有する。
即ち第１気筒１内のピストン３が上死点にある
時、第２気筒２内のピストン４が下死点となるよ
うに、両ピストン３，４はコンロツド５，６を介
してクランク軸７に接続している。クランク軸７
は軸受８を介してクランクケース９に支承されて
いる。１０はシールリング、１１，１２はクラン
ク室である。

クランクケース９には、第１、第２気筒１，２
に対向する対向シリンダー１３，１４が一体に設
けてあり、シリンダー１３内にはピストン３と同
位相のピストン形バランサ１５が嵌合し、コンロ
ツド１６を介してクランク軸７に接続している。
対向シリンダー１４内にはピストン４と同位相の
ピストン形バランサ１７が嵌合し、コンロツド１
８を介してクランク軸７に接続している。ピスト
ン形バランサ１５，１７は共に上開きカツプ状
で、各シリンダー内の下方の室１９，２０は逃し
通路２１を介して連通している。なお第１図上半
分のクランク室圧縮式２サイクルエンジンＡは従
来公知のものであり、各気筒１，２はそれぞれ吸
気孔、排気孔、掃気孔（共に図示せず）を備え、
吸気孔はキヤブレターを介してエヤクリーナに接
続し、排気孔は排気管を介してマフラーに連通
し、掃気孔は掃気通路をへてクランク室１１，１
２に接続している。又バランサ１５，１７は対応
側エンジンの１次振動を吸収し得る容量を備えて
いる。

エンジンＡの運転中に、ピストン３，４の往復
運動に併う１次振動は対応側のバランサ１５，１
７により吸収される。そしてバランサ１５，１７
が180゜の位相差を有するため、室１９，２０に生
ずる背圧は逃し通路２１を介して相殺され、バラ
ンサ１５，１７は円滑に作動する。

（考案の効果） 本考案によるとバランサ１５，１７の背圧が室
１９，２０をつなぐ逃し通路２１を介して互に相
殺されるため、バランサ１５，１７の動きが円滑
になり、バランサとしての機能が充分発揮され
る。即ち180゜の位相差を有する第１気筒１と第２
気筒２を組合わせて１ユニツトを形成しているた
め、バランサ１５，１７の背圧処理のために単に
逃し通路２１を設けるだけでよくなり、構造が簡
素化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したクランク室圧縮式２
サイクルエンジンの縦断面略図である。３，４…
…ピストン、９……クランクケース、１３，１４
……対向シリンダー、１５，１７……ピストン形
バランサ、１９，２０……室、２１……逃し通
路、Ａ……２気筒エンジン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】

180゜の位相差を有する１対のクランク室圧縮式
２サイクルエンジンの各クランクケースに対向シ
リンダーを設け、各対向シリンダーに対応側エン
ジンのピストンと同位相のピストン形バランサを
嵌め、バランサと対向シリンダーで区画される室
同志を逃し通路を介して連通したことを特徴とす
るクランク室圧縮式２サイクルエンジンのバラン
サ装置。