JPH068308Y2 - ポンプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、原動機付のエアーコンプレッサや薬液散布用
ポンプ等の、特に可搬形のポンプ装置に係わるものであ
る。

（従来の技術） 一般に可搬形のポンプ装置は、ポンプ本体と原動機及び
タンク等を一つの架台に載架した、形状が嵩張り、振動
が大きく重量も比較的重いものであり、一般家庭等で取
り扱うには不便を感ずることが多い。

また、特許第１２４，４６７号の如く、一つの機枠にポ
ンプ（空気圧縮機）と内燃機関のシリンダをそれぞれ一
体に設けることも提案されているが、デッドスペースも
多く、実用上問題がある。

（考案が解決しようとする問題点） そこで本考案は、ポンプ本体を馬力当り重量及び寸法の
点から、小型・軽量化に適したクランク室予圧縮式２サ
イクル内燃機関のクランク室と一体的に組み立て、従来
の欠点を取り除いた、軽便で高性能なポンプ装置を提供
せんとするものである。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は、前記目的で、ポンプ本体と原動機としてのク
ランク室予圧縮式２サイクル内燃機関のクランク室を共
有せしめ、ポンプ本体及び内燃機関を同位相で作動する
ようにせしめた構成を特徴とする。

（実施例） 次に本考案を添付図面の実施例に基づき詳細に説明す
る。

本実施例は、チェーンソーの原動機として用いられてい
る水平対向２気筒同時点火式２サイクル内燃機関の一側
方のシリンダをポンプ本体とした携帯形エアーコンプレ
ッサの例である。

このコンプレッサは、第２図に示す如く、ほぼ正方形の
機体枠１内に原動機としてのクランク室予圧縮式２サイ
クル内燃機関Ｅと空気ポンプＰを一体としたポンプ駆動
体２を水平に配置し、その上側に内燃機関Ｅ用の燃料タ
ンク８，エアークリーナ１４，及び気化器７と、空気ポ
ンプＰ用のエアークリーナ９，吸気室１０，及び圧縮空
気吐出管１１を配設している。ポンプ駆動体２の下側に
は内燃機関Ｅ及び空気ポンプＰの両シリンダ３，４にま
たがる大形の内燃機関用消音器５を配置し、その排気口
６を外部に臨ましめている。

さらに機体枠１の上方には空気ポンプＰのサージタンク
を兼ねる携行用ハンドル１２を配設し、その一端に圧縮
空気吐出用コック１３を突設している。

次にポンプ駆動体２の詳細を第１図に基づき説明する。

このポンプ駆動体２の基本構成は、水平対向２気筒同時
点火式２サイクル内燃機関と同じものであり、共通の一
つのクランク室１５の左右両側に、該クランク室１５側
にそれぞれ開いた内燃機関Ｅ用シリンダ３とポンプＰ用
シリンダ４を横置して取り付け、その周囲を冷却風案内
カバー３０で覆っている。

前記クランク室１５内にはクランク軸１６のクランク部
が収容されていて、上側の吸入口２７より逆止弁として
のリード弁２８を介して気化器７からの混合気が吸入さ
れる。

したがって、第１図で見て右側のシリンダ３，ピストン
１８，点火栓２９，及びコンロッド１７を加えて、ポン
プ駆動用原動機としてのクランク室予圧縮式２サイクル
内燃機関Ｅが構成される。図示例では、ピストン１８の
ピストンピンボス部の周囲にシリンダ３の掃気路入口１
９に対応する開口２０を設けて、ピストン内冷式として
いる。

一方、左側のシリンダ４の頭部に吸入弁２３及び吐出弁
２４を設け、ピストン２２，及びコンロッド２１を加え
て、前記内燃機関Ｅにより駆動される空気ポンプＰが構
成される。

なお、前記クランク軸１６には１８０度位相をずらせて
一対のクランク部を設けて、前記内燃機関Ｅ及びポンプ
Ｐのピストンが常に同行程にあるようにそれぞれのコン
ロッド１９，２１を連結して、内燃機関ＥとポンプＰと
が同位相で作動するようにせしめている。

（作用） 本考案によるポンプ装置は以上の如く構成されているの
で、リコイルスタータ（図示せず）等により内燃機関Ｅ
を始動せしめれば、内燃機関Ｅのピストン１８が下降行
程にある時には、ポンプＰのピストン２２も同時に下降
して、クランク室１５内の混合気を高圧縮比で予圧縮す
るとともに、外気をエアークリーナ９，吸気室１０，空
気取り入れ口２６，及び吸入弁２３を介してシリンダ４
内に吸入し、内燃機関Ｅのピストン１８が上昇するとポ
ンプＰのピストン２２も同時に上昇して、大量の混合気
を吸入出来る空間容積を形成するとともに、吸入された
外気を圧縮しながら、吐出弁２４，吐出口２５，吐出管
１１，ハンドル１２，及び吐出用コック１３を介して外
部へ送り出すことができる。なお図示しないが、通常の
エアーコンプレッサと同様に、適宜リリーフ弁，調圧弁
等を付設する。

本実施例は、ポンプＰをエアーコンプレッサとした場合
を示したが、これを液体ポンプとし、いわゆる動噴とし
て用いることも可能であり、またクランク軸から内燃機
関Ｅの動力を取り出して利用することも自由である。

（効果） 以上の本考案の構成により、原動機としての内燃機関の
混合気吸入量を単シリンダの場合に比し格段に多くする
ことができ、高い給気比が得られるので、高性能のクラ
ンク室予圧縮式２サイクル内燃機関とすることができ、
同性能のポンプ装置として、より一層の小型・軽量化が
可能となり、しかも、往復運動部材の慣性力をポンプ側
と内燃機関側とで相殺し合うので振動を少なくすること
ができ、排気量に比しマフラー容積を大きく取って、騒
音を十分低下せしめることが可能となるので、家庭用等
に適した携行自在で軽便なポンプ装置が得られる等の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例ポンプ装置のポンプ駆動体の
要部縦断面図、第２図は第１図のポンプ駆動体を組み込
んだポンプ装置の外観全体図である。 ３，４……シリンダ、７……気化器、１２……携行用ハ
ンドル、１５……クランク室、１８，２２……ピスト
ン、２７……吸入口、２８……逆止弁、Ｅ……内燃機
関、Ｐ……ポンプ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−77034（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−148443（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−169501（ＪＰ，Ｕ) 特許124467（ＪＰ，Ｃ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クランク室１５の両側にシリンダ及びピス
   トンをそれぞれ配設し、一側方の前記クランク室１５側
   に開いたシリンダ３，ピストン１８，及び前記クランク
   室１５によりクランク室予圧縮式２サイクル内燃機関Ｅ
   を構成し、他側方の前記クランク室１５側に開いたシリ
   ンダ４及びピストン２２により前記内燃機関Ｅと同位相
   で作動するポンプＰを構成するとともに、前記クランク
   室１５の吸入口２７より逆止弁２８を介して気化器７か
   らの混合気を前記クランク室１５内に吸入せしめて予圧
   縮せしめ、前記ポンプＰの上方にサージタンクを兼ねる
   携行用ハンドル１２を配設せしめたことを特徴とするポ
   ンプ装置。