JPS6326647B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は被掃除面に対向して複数個の吸塵口を
備えた電気掃除機の床吸込口に関する。

この種の床吸込口にタービンにより回転される
回転ブラシを備えたものがあるが、前記回転ブラ
シは専らじゆうたんから塵埃をかき出すために用
いられるものであり、たたみや板の間の床上を掃
除する時には、回転ブラシを回転させても掃除効
果はあまり変らないということのほか、騒音軽減
の意味で回転ブラシは回転させないほうがよいこ
とは周知の通りである。そしてこのような動作を
切換弁によつて吸込通路を切換えることによつて
行うようにしている。このようにした床吸込口は
掃除機本体側の吸引力の変動により吸込気流が著
しく変化するため回転ブラシの回転が変化し、ま
た被掃除面との密着性も変化して安定した掃除性
能が得られないという欠点を有していた。

本発明はかかる従来の欠点を解消した新規な床
吸込口を提供するもので、以下図示実施例に基い
て説明する。

本発明の床吸込口１は合成樹脂製の上ケース
２、下ケース３、上蓋４を合わせて外殻を構成し
ており、被掃除面に対向する床面にはその前方中
央部に横長の第１吸塵口５、その両側部に第２吸
塵口６及び第３吸塵口７が形設され、内部にはタ
ービン室８及びこのタービン室と前記第２吸塵口
６及び第３吸塵口７とをそれぞれ独立して連通さ
せる吸込通路９，１０が区画形成されている。タ
ービン室８には掃除機本体につながる接続管１１
が接続され、そしてこの接続管には床面に対して
垂直方向に回転可能に枢支するための軸部１２，
１３が一体に形成されており、前記上ケース２と
下ケース３に形成された軸受部１４，１５によつ
て第１１図に示す如く、水平方向より上方にα角
度、下方にβ角度の範囲内で自由に回動できるよ
うに支持されている。１８はタービン室８内に軸
支されたタービンで、その回転軸１９はタービン
室８外へ導出され、第１吸塵口５に臨んで軸支さ
れた回転ブラシ２０にベルト２１で連結されてい
る。

而して第２吸塵口６及び第３吸塵口７は上述の
如くそれぞれ独立した吸込通路９，１０を介して
タービン室８に連通せしめられ、かつタービン室
８における吸込通路９，１０の開口部はタービン
１８に与える気流の影響のない室側面部に設けら
れている。吸込通路９，１０には上ケース２、下
ケース３、上蓋４とで回転可能に支持された弁体
２２が設けられている。この弁体２２にはレバー
２３と弾性片２４が設けられており、レバー２３
は前記接続管１１の軸部１２，１３に設けたレバ
ー２５，２６と直交するように配置され、接続管
１１の下方向への回動時に前記レバー２５，２６
によつて上方に持ち上げられて弁体２２を開放す
るように作用する。他方弾性片２４の先端部は上
蓋４の内面に当接していてここから反力を得て吸
込通路９，１０を遮断するように弁体２２を押え
つけている。

他方第１吸塵口５はノズル２７を介してタービ
ン室８に連通する。ノズル２７は下ケース３と上
蓋４とで挾持されており、たたみ用ノズル部２８
とじゆうたん用ノズル部２９とが設けられてい
る。３０はノズル２７に一体に形成した仕切壁
で、タービン１８の回転軸１９を吸込通路１０外
に位置せしめている。３１はノズル２７と相対し
て摺動する切換弁で、たたみ用の弁部３２、じゆ
うたん用の弁部３３、操作つまみ３４を有し、前
記操作つまみ３４を外部に突出させるようにして
下ケース３と上蓋４間に摺動自在に挾着されてい
る。３５は上蓋４を上ケース２に着脱自在に取り
付けているロツク部材である。

次に以上のように構成した実施例の動作につい
て説明する。まず切換弁３１の操作つまみ３４を
「たたみ」にセツトした場合において、床吸込口
１を床面に置いている状態すなわち掃除中の状態
では、ノズル２７のじゆうたん用ノズル部２９が
切換弁３１の弁部３３により塞がれ、逆にたたみ
用ノズル部２８から弁部３２が外れ、第１吸塵口
５から吸い込まれた塵埃を含む空気はこのたたみ
用ノズル部２８からタービン室８内に流れ込み、
接続管１１を経由して掃除機本体へ吸い込まれ
る。

この掃除中に前記第１吸塵口５またはたたみ用
ノズル部２８が塞がれるとタービン室８内の真空
度が増加して弁体２２が弾性片２４に抗して開
き、第２吸塵口６及び第３吸塵口７から塵埃を吸
い込む風路が形成され、吸込風路の減少を防ぐ。
なお掃除機本体の吸引力が大きい場合も同様に作
動する。

上記のセツト状態で床吸込口１を床面から持ち
上げると、床吸込口１の重量により接続管１１が
その軸部１２，１３を支点にして第１１図に示す
如くβ角度だけ下方向に回動し、レバー２５，２
６が弁体２２のレバー２３を上方に持ち上げる。
このため弁体２２は弾性片２４に抗して強制的に
開放され、第２吸塵口６及び第３吸塵口７から吸
込通路９，１０を介してタービン室８に至る風路
と、第１吸塵口５からたたみ用ノズル部２８を介
してタービン室８に至る風路の３つの風路が形成
され、吸込風量が各風路に分散され、吸込気流に
よる騒音は低くおさえられる。

次に切換弁３１の操作つまみ３４を「じゆうた
ん」にセツトした場合について説明する。この状
態ではたたみ用ノズル部２８が切換弁３１の弁部
３２により塞がれ、逆にじゆうたん用ノズル部２
９から弁部３３が外れ、第１吸塵口５から吸い込
まれた空気はじゆうたん用ノズル部２９を通つて
高速気流が作られる。この高速気流はタービン室
８内に設置されたタービン１８に作用し、該ター
ビン１８が回転してその回転が回転軸１９、ベル
ト２０を介して回転ブラシ２０を回転させ、被掃
除面の塵埃をひきはがし、じゆうたん用ノズル部
２９から高速気流とともに吸い込む。またこのと
き高速気流が掃除機本体の吸引力の大小により変
動しないように弁体２２が弾性片２４に抗して開
閉し、第２吸塵口６及び第３吸塵口７を吸込通路
９，１０を介してタービン室８と連通せしめ、タ
ービン室８の圧力をコントロールする。

さらに、このセツト状態で床吸込口１を床面よ
り持ち上げると、前記「たたみ」の場合と同様に
それぞれ３つの風路が形成されてタービン室８に
流れ込むため、じゆうたん用ノズル部２９で作ら
れる高速気流は小さくなり、タービン１８の回転
が弱められて騒音は軽減される。

次に切換弁３１の操作つまみ３４を中央の「両
サイド」にセツトした場合は、たたみ用ノズル部
２８とじゆうたん用ノズル部２９のいずれも切換
弁３１の弁部３２，３３により塞がれ、タービン
室８の真空度が高まり、吸込通路９，１０に設け
られた弁体２２はこの負圧によつて弾性片２４に
抗して開き、第２吸塵口６及び第３吸塵口７から
それぞれ吸込通路９，１０を経由して塵埃を含ん
だ空気をタービン室８に吸引し、更に接続管１１
を経て掃除機本体へ送り込む。なお吸込通路１０
を通つてきた塵埃がタービン１８の回転軸１９に
からみつかないようにノズル２７に形成された仕
切壁３０で仕切ることにより吸込通路１０は前記
回転軸１９の下側を横切るように形成してある。

またこのセツト状態で床吸込口１を床面より持
ち上げた場合も前記「たたみ」、「じゆうたん」の
場合と同様接続管１１の回動により弁体２２が強
制的に開放されるため、第２吸塵口６及び第３吸
塵口７に通じる吸込通路９，１０がタービン室８
と連通する。

上記のように「たたみ」、「じゆうたん」、「両サ
イド」のいずれのセツト状態においても吸込風路
９，１０に設けた弁体２２が該風路９，１０の前
後の圧力差によつて自動的に開閉するから掃除機
本体側の吸引力が塵埃の集塵量の増加等に伴い変
動しても第１吸塵口５からの吸込風量はあまり変
化することがなく、掃除性能が安定するとともに
騒音の軽減もはかることができる。

以上のように本発明は、被掃除面に対向して複
数個の吸塵口を設け、その各々の吸塵口を独立し
た吸込通路に連通せしめると共に、それら吸込通
路の少なくとも１つに前後の圧力差により開閉す
る弁体を設けたものであるから、掃除機本体側の
吸引力が変動したり、一部の風路に塵埃等がつま
つた場合には前記弁体が開閉することにより、そ
の吸込通路に連通した吸塵口が掃除機本体と連通
して吸込風量をコントロールするため、１つの吸
塵口から吸い込まれる風量が大きく変動すること
がなく、被掃除面との密着性が安定し、操行抵抗
も適正な値が得られるため掃除がきわめて行いや
すく、また吸引力が大のときは各々の吸塵口より
独立した吸込通路に分散して吸い込むため、騒音
の軽減もはかれるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による床吸込口の一実施例を示し、
第１図は上方から見た斜視図、第２図は底面図、
第３図は上蓋を取り除いた状態の平面図、第４図
は第３図の−線に沿つた断面図、第５図は第
３図の−線に沿つた断面図、第６図は接続管
の斜視図、第７図は弁体の斜視図、第８図は切換
弁の斜視図、第９図はノズルの斜視図、第１０図
は要部説明図、第１１図は接続管の作動説明図で
ある。 図中、１……床吸込口、５……第１吸塵口、６
……第２吸塵口、７……第３吸塵口、８……ター
ビン室、９，１０……吸込通路、１１……接続
管、１８……タービン、２０……回転ブラシ、２
２……弁体、２３……レバー、２４……弾性片、
２７……ノズル、３１……切換弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被掃除面に対向して設けられた少なくとも中
   央に位置する主吸塵口および側方に位置する副吸
   塵口と、前記主吸塵口に設けられタービンで駆動
   される回転ブラシと、前記副吸塵口に連らなる吸
   込通路の少なくとも１つに設けられ前後の圧力差
   により自動開閉する弁体とを備えてなる電気掃除
   機の床吸込口。