JPS6326454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は荷役車両の運転席構造に関する。

従来、荷役車両、特に小型の油圧駆動荷役車両
においては、第１図に示すように、運転者の安全
を計るため車体１の上部に座席２とヘツドガード
３とが設けられ、運転者は該ヘツドガード３の前
方が開放されており、前方より車両に乗りこむよ
うに構成されていた。

しかし、この構成においては、車両の前後方向
の始動または制動の際、衝撃が大きく、運転者が
前方に投げだされる危険性があつた。

本考案は上記の危険を防止するために考案され
たもので、ヘツドガードの前部にシートバーを設
けると共に該シートバーを正しくセツトしなけれ
ば車両が発進しないように構成して、運転者の安
全を計り得る構造の提供を目的とする。

以下、本考案の実施例を第１〜５図に基づいて
説明すると、本考案は、車体１に設けられた座席
２と、該座席２を保護するように設けられたヘツ
ドガード３と、該ヘツドガード３の下側部に設け
られた前後軸４を中心に回動自在に基端部５ａを
支持されたシートバー５とを具え、該シートバー
５の解放側回動によつて車速制御用コントロール
ロツド６をロツクする手段７が設けられたもので
ある。

なお、本実施例においては、前記シートバー５
の中心部にはゴム８が巻きつけられ、前記シート
バー５を水平方向に倒した位置で該シートバー５
の先端部の弾性係合具５ｂが前記ヘツドガード３
の下部に設けられたキヤツチ９に係脱自在に係合
するように構成されている。

前記係合具５ｂは、第４図に示されるように前
記シートバー５の先端部に固設されたケース１０
と、該ケース１０に固定された軸１１と、該軸１
１を中心にして前後に回動自在に支持されたフツ
ク１２とから構成され、前記ヘツドガード下部に
固定されたキヤツチ９の中心部に形成された長穴
１４に前記フツク１２の下端が係合するように附
勢する引張発条１５が付設されている。該発条１
５は、その一端が前記フツク１２に軸１１よりも
上側で係止され、他端が前記ケース１０に係止さ
れている。

前記シートバー５を仮想線の如く上方に回動し
て略垂直にした位置では、第５図に示されるよう
に、前記ヘツドガード３の上部に固定された弾性
係止片１６により前記シートバー５の先端部が係
脱自在に係止される。

次に、コントロールロツド６をロツクする手段
７は、前記シートバー５の両端部に下方に向つて
突設された突片１７と、フレーム部材１８の側壁
にそつて上下に移動可能に設けられたロツクバー
１９を上方に附勢する圧縮発条２０と、該ロツク
バー１９のＬ形下端部１９ａがその上昇位置で係
合するようにコントロールロツド６に設けられた
切欠２１とから構成されたものである。

次に作用を説明すると、車両発進のとき、垂直
状態になつているシートバー５の係合具５ｂを下
方に回動してキヤツチ９に係止し正しくセツトす
ると、突片１７の先端がロツクバー１９の上端に
当接して、これを押し下げる。このためロツクバ
ー１９の下端部１９ａがコントロールロツド６の
切欠２１から離脱し、コントロールロツド６は前
後に移動可能となる。

また、乗り降りに際して、シートバー５を上方
に即ち解放側に回動したとき、または、シートバ
ー５を正しくセツトしていないときには、ロツク
バー１９の先端部１９ａは圧縮発条２０の作用に
より上昇位置にあつて、コントロールロツド６の
切欠２１に係合しているのでコントロールロツド
６の移動は不可能となる。

以上の説明から明らかな通り、本考案は、車体
に設けられた座席と、該座席を保護するように設
けられたヘツドガードと、該ヘツドガードの下側
部に設けられた軸を中心に回動自在に基端部を支
持されたシートバーとを具え、該シートバーの先
端係合具が前記ヘツドガードの下部に設けられた
キヤツチに係脱自在に係合され、該シートバーの
解放側回動によつて車速制御用コントロールロツ
ドをロツクするロツク手段が設けられ、該ロツク
手段は、前記コントロールロツドに形成された切
欠と、前記車体に上下方向へ移動可能に設けられ
上昇位置で前記切欠に係合して前記コントロール
ロツドをロツクするロツクバーと、該ロツクバー
を前記切欠に係合するよう上方へ付勢する発条
と、前記シートバーの係合具の前記キヤツチへの
係合時に前記ロツクバーを前記発条の付勢力に抗
して下動させるよう前記シートバーに下方に向つ
て突設されたロツク解除用の突片とから構成され
たものである。

したがつて本考案によると、乗り降りに際し
て、シートバーを上方に即ち解放側に回動したと
き、または、シートバーを正しくセツトしていな
いときには、ロツクバーの先端部は圧縮発条の作
用により上昇位置にあつて、コントロールロツド
の切欠に係合し、コントロールロツドの移動は不
可能となるので、車両発進・制動時に運転者が投
出される危険を防止し、運転者の安全を計ること
ができるといつた優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は小型油圧駆動荷役車両の側面図、第２
図は本考案実施例の全体正面図、第３図は同コン
トロールロツドのロツク手段部分の斜視図、第４
図は同係止具部分の斜視図、第５図は同係止片部
分の断面図である。 １……車体、２……座席、３……ヘツドガー
ド、４……前後軸、５……シートバー、５ｂ……
係止具、６……コントロールロツド、７……ロツ
ク手段、９……キヤツチ、１０……ケース、１１
……軸、１２……フツク、１５……発条、１６…
…係止片、１７……突片、１９……ロツクバー、
２０……発条、２１……切欠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体１に設けられた座席２と、該座席２を保護
   するように設けられたヘツドガード３と、該ヘツ
   ドガード３の下側部に設けられた軸４を中心に回
   動自在に基端部を支持されたシートバー５とを具
   え、該シートバー５の先端係合具５ｂが前記ヘツ
   ドガード３の下部に設けられたキヤツチ９に係脱
   自在に係合され、該シートバー５の解放側回動に
   よつて車速制御用コントロールロツドをロツクす
   るロツク手段７が設けられ、該ロツク手段７は、
   前記コントロールロツド６に形成された切欠２１
   と、前記車体１に上下方向へ移動可能に設けられ
   上昇位置で前記切欠２１に係合して前記コントロ
   ールロツド６をロツクするロツクバー１９と、該
   ロツクバー１９を前記切欠２１に係合するよう上
   方へ付勢する発条２０と、前記シートバー５の係
   合具５ｂの前記キヤツチ９への係合時に前記ロツ
   クバー１９を前記発条２０の付勢力に抗して下動
   させるよう前記シートバー５に下方に向つて突設
   されたロツク解除用の突片１７とから構成された
   ことを特徴とする荷役車両の運転席構造。