JPS6326199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空気開閉弁と第１、第２の塗剤開閉
弁とを有し、例えば二液混合型の塗料、接着材等
の塗剤を作業性よく塗付、吹き付けうるスプレー
ガンに関する。

ポリエステル、ポリウレタン樹脂塗料等、主
剤、助剤等を混合することによつて固化する各種
の塗料、接着剤等の塗剤は、従来、予め２液を混
合したうえ刷毛塗り、スプレーガン等を用いて吹
き付け、塗付してきた。従つて塗付面積に比べて
混合量が過多であると混合液が残り無駄となる
他、ときに混合液が不足しその都度補充しなけれ
ばならないという欠点がある。さらにスプレーガ
ン等を用いるものには、主剤、助剤を混合器にて
混合しつつ供給するものも知られているが、混合
液がスプレーガン内を通るため、使用後又は塗剤
替えごとに確実に洗浄し内部での固化による弁機
構等の作動不良を防ぐ必要がある。

かかる問題点の一端を解決するものとして、本
考案者らは実願昭58−60126号明細書、図面にお
いて、主剤又は助剤の一方の薬剤を、スプレーガ
ンの空気開閉弁の上流側においてその空気流路に
導通させることにより内部での固化を防止するよ
うにしたスプレーガンを提案したが、このもので
は、スプレーガンの空気キヤツプに設ける角部の
調整孔から吐出するパターン調整空気にもその塗
剤が混入し飛散することとなるため塗剤の損失を
招くとともに、ガン先端から噴射される例えば主
剤との混合が不均一となりがちである他、角部に
流れる空気はガン本体の周囲をながれるため、空
気キヤツプとガン本体及びそれらを連結するキヤ
ツプナツトとの間の隙間等から前記塗剤が流失し
がちでもあつた。

本考案は、第２の塗剤流路を空気キヤツプ先端
の空気の吹出し口に通じる第１の副路にのみ連通
させることを基本として、前記問題点を解決で
き、複数液混合型の塗剤を適宜にかつ能率よく吹
き付けうるスプレーガンの提供を目的とし、以下
その一実施例を図面に基づき説明する。

図において本考案のスプレーガン１は、空気開
閉弁２と、第１の塗剤流路Ａを開閉する第１の塗
剤開閉弁３と、第２の塗剤流路Ｂを開閉する第２
の塗剤開閉弁４とを具え、それらをガン本体Ｆの
引金５によつて作動させるとともに、前記空気開
閉弁２からのびる主流路Ｃには、吹出し口６に通
じる第１の副路Ｄと、主流路Ｃの空気調整弁８か
らのびる第２の副路Ｅとが設けられ、前記第２の
塗剤流路Ｂは、第１の副路Ｄに通じている。

前記ガン本体Ｆは、中央下面に切欠部２１を設
けた胴部２２の後端に把手２３を設けたピストル
状をなし、把手２３には、その上部に設ける前記
空気開閉弁２に導孔２５を介して導通する空気ニ
ツプル２４を下端に設けている。

空気開閉弁２は弁箱２７と、弁杆２８とを有
し、弁箱２７後端の弁座に、弁杆２８の弁体が接
離することにより導孔２５に通じる気室２９と、
弁箱２７を収納する気室３０との間を入切りで
き、又気室２９に収納するバネにより弁杆２８を
前記引金５に向けて付勢している。

前記主流路Ｃは、気室３０に連設される導孔３
１と、塗料調節器３２を収納する気室３３と、導
孔３４と、胴部２２における導孔３５とからな
り、又導孔３５には、その内端下面に設ける円孔
３６によつて直通する前記第１の副路Ｄを設けて
いる。

第１の副路Ｄは、円孔３６からガン本体Ｆ先端
に嵌り合う塗料ノズル３９外側の導孔４０を経
て、胴部２２にキヤツプナツト４１を介し取付く
空気キヤツプ４２先端の空気の吹出し口６に連通
している。なお吹出し口６は、前記塗料ノズル３
９先端を囲む小孔と、その周囲に設ける小孔とか
らなる。

前記主流路Ｃには、該主流路Ｃに設ける空気調
整弁８から前記第２の副路Ｅが分岐、形成され
る。

空気調整弁８は、前記導孔３５の内端に螺入さ
れ後方に向かい突出する弁筒４３と、導孔３５の
後端の取付ナツトに螺合する調節ネジ４４に取付
く弁杆４５とを有し、調節ネジ４４の回転によ
り、該弁杆４５の先端が弁筒４３と近離すること
により、弁筒４３内への空気流入量を調整でき
る。

第２の副路Ｅは、該弁筒４３が螺入するネジ孔
が通じるガン本体先端の空孔４６と、前記塗料ノ
ズル３９のフランジ部に設ける通気部４７と、空
気キヤツプ４２に設ける凹部４８と、該空気キヤ
ツプ４２に突設した角部５０先端部内面の調整孔
５１に連通する導孔４９とからなり、前記調量さ
れたパターン調整空気を調整孔５１から吐出でき
る。

第１の塗剤開閉弁３は、塗料ノズル３９先端の
吐出口９に連設するテーパ状の弁座と該弁座に接
離する針弁５２とを有し、前記吐出口９および弁
座に通じる塗料ノズル３９の内孔５３から胴部２
２先端下面に設ける塗料ニツプル５４に通じる第
１の塗剤流路Ａを開閉できる。又前記第１の塗剤
開閉弁３は、胴部２２の切欠部２１に設ける膨出
部が引金５と衝合することにより、前記弁座と離
間でき、又その後端は塗料調節器３２によつてそ
の引き代即ち吐出口９の開放量を調節しうる。な
お前記塗料ニツプル５４は、把手２３下端に取付
く受片により支持した切換え具５５に、継管５６
を介して接続され、該切換え具５５には、主剤等
の第１の塗剤供給用の供給管を連結する接続具５
７と、溶剤供給用の接続具５８とが設けられ、又
その側部に設けるつまみ５９によつて前記継管５
６と、接続具５７，５８とを択一的に切り換え連
通させうる。

第２の空気開閉弁４は、例えば助剤を供給する
第２の塗剤流路Ｂ（第２図に示す）を開閉でき、
ガン本体Ｆの胴部２２先端に側設した弁金具６２
に形設される。該弁金具６２は、直方体状の本体
部６３に先細部６４を設けるケース６５を有し、
かつ該ケース６５の後面で開口する孔部６６に弁
杆６７を収納している。該弁杆６７は、孔部６６
を覆う蓋体６８に螺合するナツト金具６９を軸
封、挿通し後方に突出する針弁状をなし、又前記
蓋体６８との間に介在するバネによつて内向きに
付勢される。又孔部６６の内端には、弁杆６７と
向かい合い、その接離により開閉される弁孔７０
を具える弁座金具７１を取付ける。該弁孔７０
は、孔部６６に連設され、かつ前記先細部６４に
弁杆６７と直角に設ける透孔７３に通じている。
該透孔７３にはボルト金具７４が嵌り合う。該ボ
ルト金具７４は、周囲に設ける凹部７５と内方に
向く中心孔７６との間を横孔７７により連結する
ことによつて孔部６６と中心孔７６とを導通させ
る。又ボルト金具７４は、その先端に設けるネジ
部によつて、前記円孔３６即ち第１の副路Ｄに連
通し、又弁金具６２を固定する。

ケース６５には、その下面に孔部６６に通じる
ネジ孔７９が設けられ、該ネジ孔７９には、第２
の塗剤を供給しうるホース８０が連結される。又
弁杆６７の後端に設けるネジ部には、ナツト８３
が螺合し、該ナツト８３の内孔と、弁杆６７の後
端との間で、後尾に膨出部８４を具えるフレキシ
ブルワイヤー等の牽引具８５が取付けられる。

ガン本体Ｆには、その胴部２２に前記引金５を
揺動自在に枢支するとともに、該引金５には補助
アーム９０が並設される。引金５には、第５図に
示すように、その前板部に、空気開閉弁２の弁杆
２８を押圧する当接部９１と、第１の塗剤開閉弁
３を挿通しかつその膨出部を押圧する当接部９２
とを設けるとともに、側板部には係止孔９３を形
設する。

補助アーム９０は、略コ字状をなしその前端に
は引金５の前板部前面と当接しうる突片９６を下
端前縁に具えるとともに、該突片９６が、前板部
と当接した状態において前記係止孔９３に嵌入し
うる支持具９７と、前記第２の塗剤開閉弁４の牽
引具８５を係止しうる保持部９９とを設けてい
る。

支持具９７は、補助アーム９０の側面に設ける
つまみ１００に、補助アーム９０を貫通する軸部
１０１を有し、かつ軸部１０１の内端に、前記係
止孔９３に嵌り合う小径部１０２を具えている。
なお支持具９７は、軸部１０１の止め輪に一端を
支持するバネにより、引金５に向け付勢する。

前記保持部９９は、第４図に略示するように、
牽引具８５が挿通する透孔１０３からなりかつ該
透孔１０３には、牽引具８５に通じる横溝を設け
るとともにかつ前記膨出部８４を着座させるコー
ン状の穴部１０４を形成し、従つて引金５の牽引
操作により、空気開閉弁２、第１の塗剤開閉弁３
とを順次操作しうるとともに、支持具９７と係止
孔９３とを係合させることによつて、牽引具８５
を介し、第２の塗剤開閉弁４をも操作できる。

然してスプレーガン１は、空気ニツプル２４を
例えばゲージ圧３Kg／cm²に調圧した高圧空気源に
接続し、又第１の塗剤流路Ａを、前記のごとく切
換え具５５を介して、主剤等第１の塗剤を送給す
る周知の塗剤圧送装置にその接続具５７を用いて
接続し、又接続具５８を周知の溶剤圧送装置に連
通させる。さらに第２の塗剤流路Ｂは、前記のご
とく、助剤等第２の塗剤を圧送しうる周知構成の
塗剤圧送器にホース８０を介して接続し、又その
圧送圧力を前記空気流路の圧力よりもやや高圧、
例えば3.2Kg／cm²程度に調圧しておく。

従つて引金５の操作によりまず空気開閉弁２を
開き主流路Ｃから第１の副路Ｄをへて空気をその
吹出口６から吐出した後、第１の塗剤開閉弁３を
開き、第１の塗剤流路Ａを通り、吐出口９から第
１の塗剤を吐出させることにより、吹出口６から
の空気と混和し第１の塗剤は霧化する。さらに前
記支持具９７を引金５に係止させておくことによ
つて、第１の塗剤開閉弁３の開放とほぼ同時に第
２の塗剤開閉弁４を開放でき、その結果、塗剤圧
送器から、第２の塗剤流路Ｂをへて、空気流路よ
りもやや高圧に調圧した第２の塗剤を、円孔３６
即ち第１の副路Ｄに注入し、吹出口７から吐出に
際して、吐出口９からの第１の塗剤と混和する。
なお引金５の解放により、前記と逆に動作させ、
停止でき、又支持具９７を引金５から離脱するこ
とによつて第２の塗剤開閉弁４の開放を阻止で
き、従つて通常の一液塗付用のスプレーガンとし
ても利用できる。

又空気調整弁８により調量したパターン調整空
気は第２の副路Ｅから調整孔５１に流れるととも
に、第２の塗剤流路Ｂが第１の副路Ｄにのみ連通
しているため、パターン調整空気への第２の塗剤
の混入を防ぎ、従つてキヤツプナツト４１等から
の第２の塗剤の漏出が阻止される。又第２の塗剤
は開閉弁４の弁筒４３は比較的長く形成され、従
つて第１の副路Ｄから主流路Ｃへの空気の逆流を
妨げる結果、さらに第２の塗剤の第２の副路Ｅへ
の流入を効果的に防止する。又第２の塗剤は空気
開閉弁２の下流側の第１の副路Ｄにおいて空気に
吸入されるため、第２の塗剤が空気開閉弁２に付
着するのが防止でき、さらに第２の塗剤は第２の
塗剤開閉弁４まで液状で送給されるため、例えば
第２の塗剤を予め空気と混和、霧化した後パイプ
等の送給路を経てスプレーガンに送給する場合の
ような、第２の塗剤の送給路での液化によつて生
じがちな液溜りの発生がなく、捨て吹き等を不用
とし、第２の塗剤の活用と、第１の塗剤との精度
のよい混和とが可能となる。なお第１の塗剤流路
Ａでは、前記切換え具５５の接続具５８から溶剤
を送給することによつて洗浄できる。

叙上のごとく本考案のスプレーガンは、空気開
閉弁と、第１，第２の塗剤開閉弁とを具え、又第
２の塗剤開閉弁を介在する第２の塗剤流路を空気
開閉弁に通じる主流路から、パターン調整空気を
吹き出す第２の副路とは別個に分岐した第１の副
路に導通させているため、第２の塗剤がパターン
調整空気に混入するのを防ぎ、第２の塗剤の利用
効率とパターン調整精度とを向上し、又第１の副
路は空気開閉弁の下流側に設けているため、空気
開閉弁自体の汚れ、付着を防止できる。又第２の
塗剤開閉弁を引金によつて作動させうるため、操
作が便宜となり、又前記実施例のように第２の塗
剤開閉弁の動作を阻止可能とすることにより、通
常をスプレーガンとしても活用でき、塗付作業の
能率化が達成できる。

なお本考案のスプレーガンにおいて、第２の塗
剤開閉弁４により開閉される第２の塗剤流路Ｂ
を、第６図に例示し、第４図において一点鎖線で
示す如く、導孔３５に連通孔３７を介して導通さ
せてもよく、そのとき前記弁筒４３は、第２の塗
剤の逆流を防ぐため、該連通孔３７よりも上流側
まで比較的長く形成させる。なお第６図では、弁
金具６２のケース６５は、前記ボルト金具７４外
端のネジ部に螺合するナツト７４ａを用いて締め
付ける。又本考案のスプレーガンにおいて、例え
ば第２の塗剤開閉弁４を、前記フレキシブルワイ
ヤ等からなる牽引具８５に換えて、直接第２の塗
剤開閉弁４を補助アーム９０により牽引させる如
く形成し、又引金５に側片（図示せず）を突設す
ることにより補助アーム９０を省略する等種々な
態様のものに変形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図はガン本体の縦断面図、第３図は弁金具を例示
する断面図、第４図はガン本体を先端部と弁金具
とを併せて示すその断面図、第５図は引金と補助
アームを例示する斜視図、第６図は他の実施例を
示す断面図である。 ２…空気開閉弁、３…第１の塗剤開閉弁、４…
第２の塗剤開閉弁、５…引金、６…吹出し口、８
…空気調整弁、９…吐出口、５１…調整孔、９０
…補助アーム、Ａ…第１の塗剤流路、Ｂ…第２の
塗剤流路、Ｃ…主流路、Ｄ…第１の副路、Ｅ…第
２の副路、Ｆ…ガン本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気開閉弁からのびる空気の主流路に、該主流
   路に直通し空気キヤツプ先端の空気の吹出し口に
   通じる第１の副路と、前記空気キヤツプの角部に
   設けたパターン調整空気吹出し用の調整孔にのび
   る第２の副路とを分岐、形成する一方、第１の塗
   剤を噴出する吐出口に通じる第１の塗剤流路を開
   閉する第１の塗剤開閉弁と、前記第１の副路に導
   通し第２の塗剤を前記第１の副路に供給する第２
   の塗剤流路を開閉する第２の塗剤開閉弁とを設
   け、かつ第１、第２の塗剤開閉弁と、前記空気開
   閉弁とを、ガン本体の引金により開閉可能とした
   スプレーガン。