JPS6326025Y2 -

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【考案の詳細な説明】本考案は、内部に可撓性芯材を有する時計バン
ドに関するものであり、特に溶接により先駒を取
り付けるものに関する。

従来の内部に可撓性芯材を有する時計バンドに
おいては、先駒とバンド本体とをロー付けしたも
のが多かつた。

これは、第１図に示すように、従来の時計バン
ドにおいてはバンド本体１の端面１ａと、先駒２
の接合面２ａとを接合することが必要であつたた
め、このような面と面との接合には、ロー付けが
最も適するものとされていたからである。

しかしながら、このようにバンド本体１と先駒
２とをロー付けするためには、バンド本体１及び
先駒２にそれぞれ洋白、しんちゆう等のロー付け
し易い材料を用いることが必要であり、ステンレ
ス等のロー付けが困難なものは使用することがで
きなかつた。

また、従来の時計バンドにおいては、バンド本
体１の端面１ａと先駒２の接合面２ａとを接合す
るときに、ずれが生じることがあり接合面の位置
出しが困難であつた。

一方、実開昭57−172511号公報に開示されてい
るように、先駒をバンド本体に溶接により接合す
るために、バンド本体に一体に形成した段部を有
する駒形取付部を設け、この駒形取付部の段部に
平板を溶接した時計バンドが提案されている。

しかしながら、この時計バンドにおいては、駒
形取付部を各バンドごとに形成しなければなら
ず、量産性が悪かつた。

本考案は、先駒下と先駒上により芯材を挟持す
るようにしてこの先駒下と先駒上を溶接すること
により、前記従来例の欠点を解消し、バンドごと
に取付部を形成することなく、かつ確実に先駒と
バンド本体とを接合することを目的とする。

以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第２図は本考案の一実施例を示す斜視図であ
り、第３図は第２図に示す時計バンドの分解斜視
図である。

３はバンド本体であり、可撓性芯材４と、この
芯材４をその中央の孔に通すことにより複数連結
される駒５とからなるものである。

６は先駒下であり、中央部に芯材４がスポツト
溶接により取り付けられる溝部６ａを有する。

７は板状の先駒上であり、先駒下６の上面にス
ポツト溶接により取り付けられている。

８は取付孔を有する先駒足であり、先駒上７の
下面に溶接あるいはロー付け等により取り付けら
れている。

上記構成要素からなる本実施例の時計バンドは
次のように組み立てられる。

はじめに、先駒上７と先駒下６の溝部６ａとの
間に芯材４の端部を挟むようにそれぞれの部材を
嵌合させる。

この状態のまま先駒上７と先駒下６、及び芯材
４と先駒下６（先駒上７でもよい）とをそれぞれ
スポツト溶接にて接合する。

その後、先駒上７の下面に先駒足８をロー付け
又は溶接により取り付ける。

上記本考案によれば、先駒上７と先駒下６と
は、芯材４を挟み込むようにしてバンド本体３に
取り付けられているので、バンドの上下方向から
の圧力により接合部が取れてしまうことがなく、
さらに溶接により接合することが可能なため接合
部の強度を高くすることができ、ステンレス等を
使用することもできる。

また、各部材の位置決めをするための基準とな
る先駒下６は、その中央にある溝部６ａにバンド
本体３の芯材４を嵌入することにより確実にバン
ド本体３との位置を決定することができ、各部材
の組立後の制度を向上させることができる。

さらに、本考案の時計バンドにおいては、ロー
付け、溶接、接着等のいずれの接合手段を用いて
もバンド本体と先駒とを確実に接合することがで
きる。

さらにまた、本考案における先駒下は、芯材が
その溝部に適合すればどのような形状の駒が使用
されていてもバンド本体に取り付けることができ
るので、バンドのデザインや種類に関係なく標準
化することができ、量産性に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の時計バンドを示す斜視図、第２
図は本考案の一実施例を示す斜視図、第３図は第
２図に示す時計バンドの分解斜視図である。３……バンド本体、４……可撓性芯材、５……
駒、６……先駒下、７……先駒上、８……先駒
足。