JPS6325527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカセツト式磁気記録再生装置等のカセ
ツト用デツキの磁気ヘツドやキヤプスタンの清掃
を行うためのカセツト式クリーニング装置に係
り、ケース内にクリーニングテープにクリーニン
グ液を供給する供給手段を設け、ケースを上記デ
ツキにセツトした際に、ケースに内装された湿式
クリーニングテープに、所定量のクリーニング液
を自動的に長期間安定して供給するようにしたも
のである。

〔従来例〕

デツキに内蔵された磁気ヘツドやキヤプスタン
には、長期間の使用により磁気テープに塗布され
た磁性体粉末やほこり等の塵埃が付着し、磁気テ
ープの再生特性や送行性などに悪影響を与えるよ
うになる。このためこの種磁気ヘツドやキヤプス
タン等の清掃を手軽に実行できる装置として、カ
セツトケースに湿式クリーニングテープを内装
し、該テープをデツキに内蔵された磁気ヘツドや
キヤプスタン等の被清掃体に摺接送行させること
により、これらに付着する塵埃を清掃除去するよ
うにしたカセツト式クリーニング装置がすでに実
施されている。しかしながら、カセツト式クリー
ニング装置に内装された湿式クリーニングテープ
へのクリーニング液の補給は、第９図に示すよう
に清掃実行のたび毎にクリーニング液の補給容器
７ａを手に保持し、カセツトケース７ｂの外面に
設けられた所定の注入孔７ｃから上記補給容器７
ａを押圧するなどして注入するようになつていた
ため、補給作業がきわめて面倒であり、また上記
補給容器７ａはケース７ｂの別体でかつ小形であ
るため紛失しやすいこともあつて、使用者はかか
る清掃作業を必ずしも実行しない傾向にあつた。
更には上記注入孔７ｃにはゴミ類が溜まつて汚れ
やすく、また溜まつたゴミ類のために注入孔７ｃ
が塞がつてしまつたり、注入されたクリーニング
液が汚れてしまう等の欠点もあり、更にはクリー
ニング液の注入量は一定しないため、クリーニン
グ液が過剰に注入されたり、あるいは注入量が不
足して磁気ヘツド等の清掃が十分行われないこと
もある等の欠点があつた。

そこで実公昭51−42356号公報に記載されるよ
うな自動清掃液供給機能を有すカセツト式クリー
ナが提案されているが、このものは、直接クリー
ニング液の容器を押圧することで、クリーニング
テープに液を吹付けており、容器内のクリーニン
グ液の量的変化で、クリーニング液の吹付け力が
変化し、安定したクリーニング液のテープ側への
供給が長期間持続せず、上述の従来例と同様磁気
ヘツドの清掃が十分行われない場合が生じる欠点
がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は上記従来のものの欠点を解消し
た新規なカセツト式クリーニング装置を提供する
目的でなされたものであつて、ケース内に、ケー
ス前面の開口に沿つて送行するように張帯された
湿式クリーニングテープと、該クリーニングテー
プにクリーニング液を供給するための供給部と、
該供給部と連結され、クリーニング液を収容して
なる容器とが配設されたカセツト式クリーニング
装置であつて、上記供給部は、上記クリーニング
装置のデツキへの装着動作に連動して押圧され、
該押圧により上記供給部は上記テープ側へ所定量
のクリーニング液を供給するとともに、また上記
供給部は、上記クリーニング装置のデツキからの
離脱動作に連動して押圧解除され、該押圧解除に
より、上記供給部は上記テープ側へ供給した量と
略同等量のクリーニング液を上記容器から補給さ
れるようにすることで、湿式クリーニングテープ
へクリーニング液が自動的に、しかも長期間安定
して所定量を供給されるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら本考案の実施例の説
明を行う。

第１図は本考案に係る８トラツク型カセツト式
クリーニング装置の斜視図、第２図は上ケースを
取りはずした状態での平面図であつて、本装置の
主体となるケース１は上ケース２と下ケース３と
を蓋合わせ状に結合して成つており、ケース１の
前面にはキヤプスタン挿入口４、ヘツド挿入口
５、トラツク切換用センサー挿入口６が開設され
ており、また上ケース３の後部側方には、後述す
るクリーニング液補給容器の取り出し用蓋板１１
が、摺動的に開閉自在に装着されている。１ａ，
１ａはケース１の両側壁前端部に形成されたテー
パ面であつて、ケース１のデツキへの着脱時に後
述する位置決め用ロール２１ｃを案内するもので
ある。７は無端環状の湿式クリーニングテープで
あつて、上記キヤプスタン挿入口４に臨接して下
ケース３上に回転自在に配設されたピンチローラ
８、下ケース３内の略中央部部に立設されたガイ
ドピン９、下ケース３内の略中央部に立設された
ガイドピン１０に、表裏両面を交互に使用できる
ようにメビウスの帯状に張帯されている。１２，
１３は押圧用パツド、１４は両パツド１２，１３
を装着したバネ板、１５はテープ７の反転を案内
する円弧状リブである。

１６は下ケース３上に配設された伸縮自在な蛇
腹状容器から成るクリーニング液の供給部であつ
て、下ケース３上に立設されたリブ１７，１８に
固定されている（第３図も併せて参照）。供給部
１６の後端部は、下ケース３の一側壁下方に形成
された位置決め用嵌入部１９に対向している。該
嵌入部１９は本ケース１を８トラツク型カセツト
用デツキ５０のカセツト挿入孔５１にセツトした
際に、デツキ５０内に配設されたバネ２１ａ、該
バネ２１ａのバネ力によりケース１側へ弾発され
た回転軸２１ｄを中心に回転自在な回転板２１
ｂ、該回転板２１ｂの先端に回転自在に軸着され
た位置決め用ロール２１ｃから成る位置決め装置
２１の上記位置決め用ロール２１ｃが嵌入して、
ケース１の位置決めを行うものであり、ロール２
１ｃはバネ２１ａの強力なバネ力により上記嵌入
部１９に強く嵌着され、ケース１を所定位置にし
つかりと固定する。嵌入部１９の両側壁１９ａ，
１９ｂはケース１内方へ向かつて嵌入部１９の巾
を次第に縮小するようにテーパ状に傾斜してお
り、嵌入部１９奥部はロール２１ｃの径よりもや
や小さい嵌入口２２が開口され、上記ロール２１
Ｃが嵌入部１９に嵌入すると、ロール２１ｃの前
部は嵌入口２２からケース１内に所定深さだけ進
入するようになつている。２６は供給部１６の先
端部に取り付けられた注出パイプであつて、その
先端はフエルト等の多孔質材料により形成された
吸液性の保液体２７内に僅かに挿入されている。
第４図に示すように、保液体２７の断面形状はコ
字状であり、上向きの中央凹部２７ａ内を上記テ
ープ７は摺接送行し、その際保液体２７に含浸さ
れたクリーニング液はテープ７に浸潤するように
なつている。

３０はクリーニング液の貯溜用容器であつて、
第５図に示すように下ケース３の後部側方に立設
された支持用リブ３１，３２上に配設されてい
る。３３は容器３０と上記供給部１６を連結する
連結パイプであつて、その先端は上記供給部１６
の側部上方に連結され、かつその後端は容器３０
の近傍に位置しており、容器３０の前部に形成さ
れた給出パイプ３４の先端は、連結パイプ３３の
後端部に着脱自在に挿入されている。連結パイプ
３３の内径は上記注出パイプ２６の内径よりも大
きく、容器３０から供給部１６に十分にクリーニ
ング液が補給されて供給部１６は常時クリーニン
グ液が満杯となるようになつている。上記リブ３
１，３２の上面は、供給部１６へ向かつて僅かに
下り勾配にて傾斜しており、両リブ３１，３２上
に配設された容器３０も、供給部１６へへ向かつ
て僅かに傾斜し、連結パイプ３３を介して供給部
１６へクリーニング液を自動的に補給するように
なつている。３５，３６はそれぞれデツキ５０側
のキヤプスタンおよび磁気ヘツドである。

本装置は上記のような構成より成り、次に第６
図を参照しながらその取り扱いを説明する。磁気
ヘツド３６やキヤプスタン３５の清掃を行うとき
は、本ケース１をデツキ５０のカセツト挿入口５
１に挿入する。するとケース１の側壁前端部に形
成されたテーパ面１ａはデツキ５０内の位置決め
用ロール２１ｃに当り、ケース１をさらに押しこ
むとケース１は上記テーパ面１ａにてリール２１
ｃをバネ２１ａのバネ力に抗して側方へ押しのけ
ながら挿入口５１内に進入する。ケース１を所定
位置まで挿入すると、位置決め用ロール２１ｃは
ケース１側部の嵌入部１９のテーパ状側壁１９ｂ
に沿つて該嵌入部１９に嵌入してケース１の位置
決めが行われるが（第２図および第３図鎖線参
照）、ロール２１ｃが嵌入部１９に嵌入すると、
上述のようにロール２１ｃの前部は嵌入口２２か
らケース１内に所定深さだけ進入し、供給部１６
の後面はロール２１ｃに押されて供給部１６は所
定量圧縮され、供給部１６内のクリーニング液は
注出パイプ２６を通つて保液体２７に自動的に所
定量だけ圧送される。すなわち供給部１６や位置
決め装置２１等によりクリーニングテープ７への
クリーニング液の供給手段が構成されており、ケ
ース１をデツキ５０の所定位置にセツトすること
により、クリーニングテープ７へ自動的に所定量
のクリーニング液が供給される。またケース１を
デツキ５０にセツトして所定の再生操作を行う
と、テープ７はキヤプスタン３５とピンチローラ
８により送行され、保液体２７の凹部２７ａ内を
摺接送行する際に、保液体２７に含浸されたクリ
ーニング液はさらにテープ７に補給され、該テー
プ７は磁気ヘツド３６前面やキヤプスタン３５周
面に摺接送行してこれらの清掃が行われる。磁気
ヘツド３６やキヤプスタン３５の清掃が終了する
と、デツキ５０外に突出するケース１の後部を保
持してケース１をデツキ５０から取り出すが、そ
の時上述の嵌入動作と反対に位置決め用ロール２
１ｃは側壁１９ｂに沿つて嵌入部１９から離脱
し、供給部１６はその自由長まで伸長して原形に
戻り、供給部１６内のクリーニング液の満杯状態
を維持するために容器３０から供給部１６へテー
プ７側へ供給された量と略同等のクリーニング液
が補給される。上記動作において、位置決め用ロ
ール２１ｃの嵌入部１９への嵌入深さ、すなわち
供給部１６の収縮量は略一定であり、また供給部
１６は常時満杯状態を維持しており、気泡の影響
などないものなので供給部１６から保液体２７へ
補給されるクリーニング液の量も略一定である。

上記のような清掃作業を多数回行う間に、容器
３０内のクリーニング液は減少するが、供給部１
６内のクリーニング液は容器内のクリーニング液
の量が供給部１６の容積より少なくならない間は
常時満杯状態を維持しているので、最初のクリー
ニング液供給状態と同様の状態を長期間安定して
持続できる。容器３０内のクリーニング液が供給
部１６の容積より少なくなつたならば、蓋板１１
を取りはずして容器３０をケース１から取り出
し、該容器３０にクリーニング液を補給した後、
再び容器３０をリブ３１，３２上にセツトする
か、またはクリーニング液が充填された新たな容
器をリブ３１，３２上にセツトする。なお蓋板１
１あるいはケース１の一部または全部を、透視可
能な透明材料により形成したり、これらに透視孔
を形成するなどして、容器３０内のクリーニング
液量を外方から点検できるようにするとよい。ま
た注出パイプ２６の内径は小さいので、クリーニ
ング液の表面張力の作用により、ロール２１ｃの
被押圧時に供給部１６内のクリーニング液が保液
体２７へ漏出することはない。

〔他の実施例〕

第７図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、上記注出パイプ２６先端と上記保液体２７間
には小間隔ｔがあり、上述のように位置決め用ロ
ール２１ｃが嵌入部１９に嵌入して供給部１６が
押圧されると、供給部１６内のクリーニング液は
注出パイプ２６先端から保液体２７へ射出され
る。すなわちバネ２１ａによるロール２１ｃの嵌
入部１９への嵌入力は強いものであり、その強い
嵌入力により供給部１６を強く押圧することによ
り、供給部１６内のクリーニング液を保液体２７
へ射出供給することができる。

第８図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、４０は下ケース３上に突設されたリブ４１上
に水平に配設されたクリーニング液の貯溜用容器
であり、該容器４０は連結パイプ４２を介して下
ケース３上に配設された供給部１６に連結されて
いる。容器４０の上面には注入口４３が形成され
ており、該注入口４３にはスプリング（図示せ
ず）により該注入口４３を閉口する方向に弾発さ
れた蓋板４４が回転自在に設けられており、常時
は注入口４３は蓋板４４により閉口されている。
また上ケース３の注入口４３直上部には補給口４
５が形成されている。

かかる構成において容器４０内のクリーニング
液が少なくなつたならば、クリーニング液が貯溜
された補給容器４６を手に保持し、その先端の注
入管４７を上記各口４５，４３から容器４０内に
挿入し、容器４０にクリーニング液を補給する。
このように容器４０へクリーニング液の補給を、
カセツト１の外方から行えるようにしてもよく、
かくする場合は容器４０はカセツト１内に固定し
てもよく、また上記蓋板１１も不要となる。また
本実施例の場合も、ケース１の一部または全部を
透明材料により形成したり、あるいはケース１の
適所に透視孔を形成するなどして、容器４０内の
クリーニング液量を、外方から点検できるように
するとよい。なお本実施例において、上記第一実
施例と同一のものるは同一符号を付している。

本考案に係るカセツト式クリーニング装置は、
更に種々の設計変更が可能であつて、例えば上記
第一実施例において供給部１６、連結パイプ３
３、容器３０を一体的に形成し、容器３０内のク
リーニング液が少なくなつたら、供給部１６、連
結パイプ３３、容器３０を一体的にケース１から
取り出して容器３０にクリーニング液を補給し、
再びケース１にセツトするようにしてもよい。ま
たテープ７は、メビウスの帯状に調帯せずに、通
常のエンドレステープ状に調帯し、その片面のみ
を清掃面としてもよい。

更には本実施例で示したようにトラツク型カセ
ツト式クリーニング装置以外のたとえばビデオカ
セツト型、オーデイオカセツト型のクリーニング
装置においても適用できるものである。

〔作用効果〕

以上説明したように本考案に係るカセツト式ク
リーニング装置は、ケース１内に、ケース前面の
開口４，５，６に沿つて送行するように張帯され
た湿式クリーニングテープ７と、該クリーニング
テープ７にクリーニング液を供給するための供給
部１６と、該供給部１６と連結され、クリーニン
グ液を収容してなる容器３０とが配設されたカセ
ツト式クリーニング装置であつて、上記供給部１
６は、上記クリーニング装置のデツキへの装着動
作に連動して押圧され、該押圧により上記供給部
１６は上記テープ７側へ所定量のクリーニング液
を供給するとともに、また上記供給部１６は、上
記クリーニング装置のデツキからの離脱動作に連
動して押圧解除され、該押圧解除により、上記供
給部１６は上記テープ７側へ供給した量と略同等
量のクリーニング液を上記容器３０から補給され
るようにしているので、清掃対象であるデツキ５
０に本装置を装着すればテープ７へのクリーニン
グ液の補給を自動的に行うことができ清掃ごとに
いちいち所定位置にクリーニング液を補給する必
要がなく、また、装置の使用回数に関係なく、所
定量のクリーニング液をテープ側に供給でき、良
好なクリーニング効果を安定して長期間持続でき
る等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は８トラツク型カセツト式クリーニング装置の
全体斜視図、第２図は上ケースを取りはずした状
態での平面図、第３図は部分平面図、第４図は部
分斜視図、第５図部分側面図、第６図は取り扱い
中の平面図、第７図は本考案の他の実施例の部分
側面図、第８図は本考案のさらに他の実施例の部
分側面図、第９図は従来のものの使用中の側面図
である。 １……ケース、４……キヤプスタン挿入口、５
……ヘツド挿入口、６……湿式トラツク切換用セ
ンサー挿入口、７……湿式クリーニングテープ、
１６……供給部、１９……ロール嵌入部、２１…
…ケース位置決め装置、２１ｃ……位置決め用ロ
ール、５０……デツキ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース１内に、ケース前面の開口４，５，６に
   沿つて送行するように張帯された湿式クリーニン
   グテープ７と、該クリーニングテープ７にクリー
   ニング液を供給するための供給部１６と、該供給
   部１６と連結され、クリーニング液を収容してな
   る容器３０とが配設されたカセツト式クリーニン
   グ装置であつて、上記供給部１６は、上記クリー
   ニング装置のデツキへの装着動作に連動して押圧
   され、該押圧により上記供給部１６は上記テープ
   ７側へ所定量のクリーニング液を供給するととも
   に、また上記供給部１６は、上記クリーニング装
   置のデツキからの離脱動作に連動して押圧解除さ
   れ、該押圧解除により、上記供給部１６は上記テ
   ープ７側へ供給した量と略同等量のクリーニング
   液を上記容器３０から補給されることを特徴とす
   るカセツト式クリーニング装置。