JPS6324642B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は例えば分草板と未刈り穀稈列との相対
的位置関係を操向センサによつて検出し、前記セ
ンサの走行方向検知出力に応じて左右サイドクラ
ツチを自動的に継断操作し、コンバインの走行進
路を自動的に修正するようにした操向装置に関す
る。

「従来の技術」 従来、左右走行クローラを機台下側に装設し、
左右走行クローラと左右ブレーキ部材により各別
に制動すると共に、前記機台上の一側に片寄らせ
て籾タンクを上載したコンバインがあつた。

「発明が解決しようとする問題点」 しかし乍ら、前記従来技術は、籾タンク内の穀
粒増加により籾タンク設置側走行クローラの駆動
負荷が大きくなり、左右走行クローラの駆動負荷
に差を生じ、左右いずれか一方の走行クローラを
停止させて行う操向動作において左右旋回力が不
均一となり、操向操作性並びに操向機能などを容
易に向上させ得ない等の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本発明は、左右走行クローラを機台下
側に装設し、左右走行クローラを左右ブレーキ部
材により各別に制動すると共に、前記機台上の一
側に片寄らせて籾タンクを上載した装置におい
て、前記籾タンクに一定量以上溜つた穀粒を検出
するセンサを備えると共に、前記籾タンクと反対
側の走行クローラのブレーキ力又はブレーキ作動
時間を変更するブレーキ調節部材を設け、前記セ
ンサの検出結果に基づいて籾タンクと反対側の走
行クローラのブレーキ力の増大又はブレーキ作動
時間の延長を行うように構成したことを特徴とす
るものである。

「作用」 従つて、籾タンク内の穀粒が増加して該タンク
側の走行クローラの駆動負荷が大きくなつても、
前記センサ出力に基づいてブレーキ調節部材によ
り籾タンクと反対側の走行クローラのブレーキ力
又はブレーキ作動時間を変更することにより、籾
タンク内の穀粒増加により左右走行クローラの駆
動負荷に差を生じた場合でも左右旋回力を略均一
に得られ、従来に比べて操向操作性を向上させて
コンバインの進路修正を安定良く行い得ると共
に、籾タンク内の穀粒が連続的に増加する収穫作
業の操向機能の向上並びに操向制御の自動化を容
易に図り得るものである。

「実施例」 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図はコンバインの概略側面図、第２図は
同平面図であり、図中１は左右走行クローラ２，
３を装設するトラツクフレーム、４は前記トラツ
クフレーム１に回動支点軸５及び昇降シリンダ６
を介して支持する機台、７は扱胴８を内蔵し左側
にフイードチエーン９を張架させ前記機台４に搭
載してなる脱穀部、１０は刈刃１１及び穀稈搬送
機構１２を有し前記脱穀部７前方に装備する刈取
部、１３は前記フイードチエーン９終端に連結す
る排藁チエーン１４を臨ませる排藁処理部、１５
は運転席１６及び運転操作部１７を備える運転
台、１８はエンジン、１９は前記脱穀部７の一番
口２０から揚穀筒２１を介して取出す穀粒を貯留
する籾タンク、２２は前記タンク１９底部に横架
させる横送りコンベア、２３は前記コンベア２２
に連結する縦排出コンベア、２４は昇降シリンダ
２５及び揺動操作アーム２６を設け受台２７に支
持させる横排出コンベアであり、前記刈取部１０
によつて連続的に刈取つた穀稈を脱穀部７で脱粒
し、前記脱穀部７の穀粒を籾タンク１９に取出す
と共に、トラツクの荷台などに各コンベア２２，
２３，２４を介して籾タンク１９の穀粒を取出す
もので、前記機台４上の右側に片寄らせて籾タン
ク１９を上載している。

第３図は左右の走行クローラ２，３を駆動制御
する操向用油圧回路図であり、図中２８，２９は
未刈り穀稈列の株元に当接させる対称溝の左右操
向センサ、３０，３１は各センサ２８，２９を水
平方向に揺動可能に支持し各センサ２８，２９の
変位を検出する左右センサスイツチであり、刈刃
１１を設ける刈取りフレーム３２の左右側に各ス
イツチ３０，３１を取付け、刈取りフレーム３２
先端の分草板３３………と未刈り穀稈列との相対
的位置関係を操向センサ２８，２９によつて検出
し、前記センサスイツチ３０，３１に走行方向検
知出力を生じるように形成する。

また、図中３４，３５は走行用ミツシヨン３６
に内蔵する操向ブレーキ付の左右サイドクラツチ
（図示省略）を切断して左右走行クローラ２，３
を各別に制動する左右ブレーキ部材である単動形
左右サイドクラツチシリンダ、３７，３８は復帰
スプリング３９，４０を共用するリリーフ弁４
１，４２を並設させ左右サイドクラツチレバー４
３，４４によつて切換え操作する手動操向用の５
ポート２位置手動切換弁、４５は前記の左右セン
サスイツチ３０，３１の出力によつて励磁する左
右操向ソレノイド４６，４７を備える自動操向用
の５ポート３位置電磁切換弁、４８，４９は手動
及び自動操向用の各切換弁３７，３８，４５を各
サイドクラツチシリンダ３４，３５に接続させ前
記切換弁４５の高圧油出力によつて自動的に変位
する左右の操向制御セレクト用の３ポート２位置
油圧切換弁、５０は各切換弁３７，３８，４５，
４８，４９を介して各シリンダ３４，３５に高圧
油を適宜印加させて左右走行クローラ２，３を停
止させる油圧ポンプ、５１は自動操向用切換弁４
５から右操向制御セレクト用切換弁４９に印加す
る高圧油を一定圧以下に保ち右サイドクラツチシ
リンダ３５の操向ブレーキ力を設定する第１リリ
ーフ弁、５２は自動操向用切換弁４５から左操向
制御セレクト用切換弁４８に印加する高圧油を一
定圧以下に保ち左サイドクラツチシリンダ３４の
操向ブレーキ力を設定する第２リリーフ弁であ
り、前記の第１及び第２リリーフ弁５１，５２の
アンロード油圧力を略等しく設定し、左右操向セ
ンサ２８，２９を介して自動操向用切換弁４５を
作動時、各リリーフ弁５１，５２によつて設定さ
れる略同一圧の圧油が各切換弁４８，４９を介し
て左右サイドクラツチシリンダ３４，３５に択一
的に印加され、前記シリンダ３４，３５によつて
サイドクラツチを切換時に左右走行クローラ２，
３を略同一の操向ブレーキ力で択一的に停止さ
せ、コンバインの走行進路を自動的に修正するよ
うに形成する。

更に、第３図中５３は籾タンク１９の側壁１９
ａに設けるノーマルオープン型穀粒検知スイツ
チ、５４は籾タンク１９内部に進退自在に突出さ
せて籾タンク１９に一定量以上の穀粒（籾）が溜
つたときに前記スイツチ５３をオン作動する穀粒
センサ、５５は前記の第１及び第２リリーフ弁５
１，５２よりもアンロード油圧力を高く設定した
第３リリーフ弁、５６は前記スイツチ５３によつ
て励磁するソレノイド５７を備え切換弁４８に対
する自動操向用切換弁４５の高圧油出力を第２リ
リーフ弁５２に印加制御するブレーキ調節部材で
あるブレーキ力変更用の切換弁であり、籾タンク
１９に穀粒が溜つてこの穀粒重量によつて右走行
クローラ３の操向ブレーキ力即ちコンバインの右
旋回ブレーキ力が増大したとき、前記タンク１９
の穀粒によつて前記センサ５４が退入し、スイツ
チ５３を介してソレノイド５７を励磁して切換弁
５６を変位させ、切換弁４５の高圧油出力を第３
リリーフ弁５５にのみ印加させ、切換弁４８を介
して左サイドクラツチシリンダ３４に印加する作
動油圧を高くし、前記シリンダ３４による左走行
クローラ２の操向ブレーキ力即ちコンバインの左
旋回ブレーキ力を増大させ、コンバインの左右旋
回力が等しくなるように形成してなるものであ
る。

本実施例は上記の如く構成しており、各分草板
３３………間に未刈り穀稈列を迎え入れ、連続的
に刈取り並びに脱穀作業を行う場合、例えばコン
バインが左寄りとなり、未刈り穀稈列によつて右
操向センサ２９が押されたとき、右センサスイツ
チ３１を介してソレノイド４７を励磁し、自動操
向用切換弁４５を介してポンプ５０の高圧油を右
操向制御セレクト用切換弁４９に印加させ、この
切換弁４９を介してポンプ５０の高圧油を右サイ
ドクラツチシリンダ３５に印加させ、右サイドク
ラツチを切断して右操向ブレーキ力を右走行クロ
ーラ３に作用させ、右走行クローラ３を一時的に
停止させてコンバインを右旋回させる。一方、コ
ンバインが右寄りとなり、未刈り穀稈列によつて
左操向センサ２８が押されたとき、左センサスイ
ツチ３０を介してソレノイド４６を励磁し、自動
操向用切換弁４５を介してポンプ５０の高圧油を
左操向制御セレクト用切換弁４８に印加させ、こ
の切換弁４８を介してポンプ５０の高圧油を左サ
イドクラツチシリダ３４に印加させ、左サイドク
ラツチを切断して左操向ブレーキ力を左走行クロ
ーラ２に作用させ、左走行クローラ２を一時的に
停止させてコンバインを左旋回させる。

上記のように自動操向制御によつて未刈り穀稈
列に沿わせてコンバインを走行させ、未刈り穀稈
を連続的に刈取つて脱穀し、脱穀部７から籾タン
ク１９に穀粒を取出すと、籾タンク１９に溜つた
穀粒重量の増加により、籾タンク１９を搭載した
側の右走行クローラ３の旋回ブレーキ力（操向ブ
レーキ力）が左走行クローラ２よりも大きくな
る。このとき、籾タンク１９の穀粒によつてセン
サ５４を退入させ、スイツチ５３を介してソレノ
イド５７を励磁させ、各切換弁４５，４８に対す
る第２リリーフ弁５２の油圧接続を切断し、第２
リリーフ弁５２よりも大きなアンロード油力の第
３リリーフ弁５５のみを各切換弁４５，４８に接
続させ、左サイドクラツチシリンダ３４の作動油
圧を高くして左走行クローラ２の操向ブレーキ力
を大きくし、左右操向センサ２８，２９を介して
行うコンバインの左右旋回力を略等しくするもの
である。なお、上記実施例において、コンバイン
の右側に籾タンク１９を搭載したので、第３リリ
ーフ弁５５を用いて左走行クローラ２の操向ブレ
ーキ力を大きくしたが、コンバインの左側に籾タ
ンク１９を搭載したときは、前記と逆に右走行ク
ローラ３のブレーキ力を大きくしても良い。ま
た、前記第３リリーフ弁５５及び切換弁５６を複
数組合せることにより、左右走行クローラ２，３
の操向ブレーキ力を相関的に可変調節することも
容易に行え、操向センサ２８，２９による自動操
向並びにサイドクラツチレバー４３，４４による
手動操向のいずれの場合も前記制御を行えるもの
である。

更に、第４図は他の実施例を示す自動操向用電
気回路図であり、フリツプフロツプ回路などで形
成するパルス発生回路５８，５９を備えると共
に、左右センサスイツチ３０，３１を左右操向ソ
レノイド４６，４７にこのドライブ回路６０，６
１を接続させ、各パルス発生回路５８，５９のパ
ルス信号を各ソレノイド４６，４７に左右センサ
スイツチ３０，３１を介して印加させ、前記パル
ス信号によつてソレノイド４６，４７を断続的に
励磁させ、自動操向用切換弁４５をオンオフ反復
切換作動させ、左右サイドクラツチシリンダ３
４，３５を介して左右サイドクラツチを断続操作
し、左右走行クローラ２，３の駆動・停止を反復
させ、段階的に徐々にコンバインを左右旋回させ
るように形成する。

また、籾タンク１９のコンバインの右側に搭載
しているとき、左センサスイツチ３０に接続する
パルス発生回路５８に、該回路５８から出力され
るパルス信号のパルス繰返し周波数（繰返し周
期）を増加させるブレーキ調節部材であるブレー
キ時間変更用の可変抵抗器６２を接続させ、前記
抵抗器６２を介してパルス発生回路５８のパルス
信号出力の周波数を増加させ、左走行クローラ２
のブレーキ時間を延長できるように形成する。

次いで、籾タンク１９の底壁１９ｂに穀粒検知
センサ５４ａを進退可能に突出させ、前記センサ
５４ａに結合させるスライドシヤフト６３を前記
可変抵抗器６２に連動連結させ、籾タンク１９の
穀粒量の増加に伴つて徐々に前記センサ５４ａが
退出し、該センサ５４ａの退出と連動して可変抵
抗器６２の抵抗値が連続的に大きくなり、パルス
発生回路５８のパルス信号の周波数を連続的に増
加させるように形成する。なお、図中６４は自動
操向用メインスイツチ、６５は自動操向用電源で
ある。

而して、連続的に刈取り並びに脱穀作業を行
い、籾タンク１９に溜る穀粒重量の増加により、
右走行クローラ３の操向ブレーキ力が大きくなる
と、これに比例して前記センサ５４ａを介して可
変抵抗器６２の抵抗値を増加させ、パルス発生回
路５８のパルス信号の周波数を大きくし、左セン
サスイツチ３０の作動時間中のパルス数を増加さ
せ、ソレノイド４６を介して行う自動操向用切換
弁４５の反復切換え速度を早め、左走行クローラ
２の断続的な駆動・停止の繰返し速度を早め、左
走行クローラ２の操向ブレーキ時間を延長して右
走行クローラ３よりも実制動時間を長くし、コン
バインの左右旋回力を略等しくするもので、この
ときは上記実施例の第３リリーフ弁５５及び切換
弁５６を省略できるものである。

「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、左右
走行クローラ２，３を機台４下側に装設し、左右
走行クローラ２，３を左右ブレーキ部材３４，３
５により各別に制動すると共に、前記機台４上の
一側に片寄らせて籾タンク１９を上載した装置に
おいて、前記籾タンク１９に一定量以上溜つた穀
粒を検出するセンサ５４を備えると共に、前記籾
タンク１９と反対側の走行クローラ２のブレーキ
力又はブレーキ作動時間を変更するブレーキ調節
部材５６，６２を設け、前記センサ５４の検出結
果に基づいて籾タンク１９と反対側の走行クロー
ラ２のブレーキ力の増大又はブレーキ作動時間の
延長を行うように構成したもので、籾タンク１９
内の穀粒が増加して該タンク１９側の走行クロー
ラ３の駆動負荷が大きくなつても、前記センサ５
４出力に基づいてブレーキ調節部材５６又は６２
により籾タンク１９と反対側の走行クローラ２の
ブレーキ力又はブレーキ作動時間を変更すること
により、籾タンク１９内の穀粒増加により左右走
行クローラ２，３の駆動負荷に差を生じた場合で
も左右旋回力を略均一に得ることができ、従来に
比べて操向操作性を向上させてコンバインの進路
修正を安定良く行うことができると共に、籾タン
ク１９内の穀粒が連続的に増加する収穫作業の操
向機能の向上並びに操向制御の自動化を容易に図
ることができる等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すコンバインの
側面図、第２図は同平面図、第３図は油圧回路
図、第４図は他の実施例を示す電気回路図であ
る。 ２，３……走行クローラ、４……機台、１９…
…籾タンク、３４，３５……ブレーキ部材、５４
……センサ、５６……切換弁（ブレーキ調節部
材）、６２……可変抵抗器（ブレーキ調節部材）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右走行クローラ２，３を機台４下側に装設
   し、左右走行クローラ２，３を左右ブレーキ部材
   ３４，３５により各別に制動すると共に、前記機
   台４上の一側に片寄らせて籾タンク１９を上載し
   た装置において、前記籾タンク１９に一定量以上
   溜つた穀粒を検出するセンサ５４を備えると共
   に、前記籾タンク１９と反対側の走行クローラ２
   のブレーキ力又はブレーキ作動時間を変更するブ
   レーキ調節部材５６，６２を設け、前記センサ５
   ４の検出結果に基づいて籾タンク１９と反対側の
   走行クローラ２のブレーキ力の増大又はブレーキ
   作動時間の延長を行うように構成したことを特徴
   とするコンバインの操向装置。