JPS6323222Y2 - - Google Patents

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JPS6323222Y2
JPS6323222Y2 JP17818979U JP17818979U JPS6323222Y2 JP S6323222 Y2 JPS6323222 Y2 JP S6323222Y2 JP 17818979 U JP17818979 U JP 17818979U JP 17818979 U JP17818979 U JP 17818979U JP S6323222 Y2 JPS6323222 Y2 JP S6323222Y2
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pto
clutch
piston
shaft
spring
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農用トラクタにおいて作業機駆動
力を取出す機能のPTO装置、より詳しくは、油
圧クラツチに構成されたPTOクラツチと該PTO
クラツチの後段に配された機械式のPTO変速装
置とを、設けてあるタイプのPTO装置に、関す
るものである。
機械式の変速装置を設けられた車両で、該変速
装置に対し入力伝導するクラツチを切ることなく
変速装置を不測に変速操作することから起り得る
ギヤ欠損等の不都合の発生を未然に防止すべく、
クラツチの切り操作が行なわれない限り変速操作
を不能とする機構を設けることは、例えば実開昭
54−84735号公報に開示されているように既に公
知である。しかし従来のこの種機構は、機械式変
速装置においていわゆるギヤ抜けを防止するため
のデテント装置とは別に設けられて来ている。
この考案の目的とするところは、最初に述べた
タイプのPTO装置において、機械式のPTO変速
装置におきギヤ抜けを防止するためのデテント装
置を利用してPTOクラツチが切られない限り
PTO変速装置の変速操作を不能とする機構を設
けることにより、同目的の機構の構造を簡単と
し、しかもデテント装置自体の機能も損なわれな
いこととしてある、農用トラクタの新規なPTO
装置を提供するにある。
図示の実施例について、この考案に係り農用ト
ラクタのPTO装置の構成を説明すると、第1図
に示すように、機体前部にエンジン1を塔載し、
このエンジン1の動力を、前端部において主クラ
ツチ2を内装するクラツチハウジング3内を経
て、該クラツチハウジング3に後続するミツシヨ
ンケース4内へと伝達し、ミツシヨンケース4内
においては図示省略の走行変速部で走力動力につ
いての変速を行ない、走力動力を機体最後部のリ
ヤハウジング5内で左右後輪6の車軸6aへと伝
達して、左右後輪6の回転駆動により機体走行を
行なわせるように構成されていて、さらに機体後
方に延出する作業機駆動用のPTO軸7を設けて
ある農用トラクタにおいて、この考案は、次のよ
うに実施されている。
すなわち、第2図において8は、前記主クラツ
チ2を介することなくエンジン1にて駆動を受け
る駆動軸であつて、この駆動軸8の延長線上に
は、前記PTO軸7と平行してその上方に位置す
る伝動軸9を設けてある。そして、上記した駆動
軸8と伝動軸9間には、駆動軸8から伝動軸9へ
の動力伝達を選択的に断続するためのPTOクラ
ツチ10を、設けてあり、また伝動軸9とPTO
軸7間には、該両軸9,7間を適宜の変速比でも
つて選択的に連動連結するためのPTO変速装置
11を、設けてある。
上記したPTOクラツチ10は、伝動軸9に固
定して設けたクラツチハウジング12と駆動軸8
に固定して設けた回転支持金物13とに一方及び
他方の複数枚宛の摩擦エレメント14,15を、
クラツチ10軸線方向に沿い摺動のみ自在に支持
させてなる、多板式の油圧クラツチに、構成され
ている。このPTOクラツチ10を入れることは、
リターンばね16にて後退方向に移動附勢させて
クラツチハウジング12内に設けてあるピストン
17を、該ピストン17背後の油圧室18へと圧
油を供給することで前進させ、両種摩擦エレメン
ト14,15間の圧接を得ることで、行なわれ
る。
またPTO変速装置11は、伝動軸9上に設け
た、該軸9と一体の2個の変速歯車19,20
と、PTO軸7に遊嵌され上記変速歯車19,2
0にそれぞれ噛合せてある2個の遊転歯車21,
22であつてそのボス部に爪21a,22aを形
成してある2個の遊転歯車21,22と、該両遊
転歯車21,22間でPTO軸7上にスプライン
嵌合にて摺動自在に設けられたシフト金物23で
あつて上記爪21a,22aにそれぞれ噛合せ得
る爪23a,23bを形成してあるシフト金物2
3とを、備えたものに構成されている。そしてこ
のPTO変速装置11は、PTO軸7上でシフト金
物23を選択的に摺動変位させ、爪21a,23
a間の噛合いにより遊転歯車21をPTO軸7に
結合することにより1速の変速比を、また爪22
a,23b間の噛合いにより遊転歯車22を
PTO軸7に結合することにより2速の変速比を、
それぞれ選択的に得ることができるものとされて
いる。
同様に第2図に示すように、リヤハウジング5
内の後端部近くには該ハウジング5と一体に形成
された支壁部5aを設けてあり、またリヤハウジ
ング5の後端開口部はハウジング蓋24により覆
わせてあるが、PTO変速装置11における前記
シフト金物23を摺動変位操作するためには、第
3図に示すように上記支壁部5aとハウジング蓋
24とに両端部を支承させてある摺動自在なフオ
ークシヤフト25に上端部で固定して、第4図に
示すように下端部でシフト金物23に係合するシ
フトフオーク26を、設けてある。フオークシヤ
フト25上に固定して設けた作動金物27には、
リヤハウジング5の一側壁を貫通している操作軸
28の内端部に固定した作動アーム29を係合さ
せてあり、上記操作軸28の外端部には、第1図
に示すPTO変速レバー30を取付けてある。
PTO変速装置11の変速操作は、PTO変速レバ
ー30により操作軸28及び作動アーム29を回
動変位させることで、作動金物27を介しフオー
クシヤフト25を、シフトフオーク26ごと摺動
変位させることで、シフト金物23の摺動変位を
得て、達成される。フオークシヤフト25を支承
するハウジング蓋24部分は、第3図に示すよう
に肉厚に形成されており、該部分に支承されるフ
オークシヤフト25後端部周面には、該シヤフト
25長さ方向で間欠配置して3個のデテント用の
凹溝31N,31,31を、形成してある。
そして、第5,6図に示すように、圧縮スプリン
グ32の附勢下で上記の各凹溝31N,31,
31内へ臨み、フオークシヤフト25について
デテントを行なうボール33が、ハウジング蓋2
4にフオークシヤフト25方向に向けて穿設され
た穴34に収容して、設けられている。
同様に第5,6図に示すように、上記した穴3
4の基端側の部分は大径に形成されており、該大
径部において穴34内には、周面にOリング35
を装着してあるピストン36を、フオークシヤフ
ト25方向に進退自在に設けてあつて、上記した
デテント用の圧縮スプリング32の基端は特に、
該ピストン36の前面に受けさせてある。ピスト
ン36は、図示のように前面に、スプリング32
基端部を嵌合する凹溝を有すると共に、該凹溝底
面において短長のばね受杆37を固定してあるも
のに、形成されている。穴34大径部基端には螺
栓38を螺合してあり、この螺栓38の内面側で
ピストン36背後に油室39を形成させてある。
同様に第6図に示すように、ピストン36が図示
の後退位置から穴34の大径部端の段部に接当す
るまで図示のα量だけ前進し得、またフオークシ
ヤフト25周面のデテント用凹溝31N,31
,31の深さdが図示のようであるのに対
し、コイルスプリングとされている圧縮スプリン
グ32を支承してその屈曲を防止する前記ばね受
杆37の長さlは図示のように、ピストン36が
後退位置にあるとき該ばね受杆37の端面と前記
ボール33間の間隔βが、ピストン36が前進可
能である前記のα量にほぼ近似するように、換言
すると第9図に示すようにピストン36がα量だ
け前進せしめられた状態ではばね受杆37の端面
がボール33に対しほぼ当接する付近に位置し
て、深さdの凹溝31N,31,31内から
のボール33の抜出しがばね受杆37の端面によ
り阻止されるように、設定されている。
上記した油室39には、次のようなときに油圧
を作用させるべく、してある。すなわち、第7図
は前記PTOクラツチ10のための油圧回路を示
しており、先ずこの油圧回路は、次のように構成
されている。すなわち、油タンク40から油圧ポ
ンプ41により調圧弁42にて設定される油圧の
作動油をPTOクラツチ10方向に導く給油回路
43と、PTOクラツチ10方向から油タンク4
0へと作動油を排出する排油回路43とに、一次
側の2ポートを接続して、図示のような3ポー
ト・2位置の切換弁45が、設けられている。切
換弁45の二次側の1ポートは図示のように、油
給排回路46により、PTOクラツチ10ないし
その前記油室18へと接続されている。上記切換
弁45は図示のように、給油回路43と油給排回
路46とを共に排油回路44へと接続して、
PTOクラツチ10を切る中立位置Nと、給油回
路43を油給排回路46へと接続すると共に排油
回路44端をブロツクして、PTOクラツチ10
を入れる作用位置とを、備えている。そして、
デテント用の圧縮スプリング32端を受けるピス
トン36背後の油室39は特に、接続回路47に
よつて上記油給排回路46へと接続されている。
したがつて、切換弁45を作用位置へとおいて
PTOクラツチ10を入れている状態では、ピス
トン36背後の油室39に対し、調圧弁42に設
定される油圧が作用し、ピストン36が圧縮スプ
リング32力に抗して最大限に前進せしめられて
第9図に図示の位置に到達し、圧縮スプリング3
2力が高められて、前記ボール33がフオークシ
ヤフト25の凹溝31N,31,31内への
突入方向に、大きな力でもつて移動附勢されるの
はもとより、ばね受杆37の端面により凹溝31
N,31,31内からのボール33の抜出し
が阻止される。
次に、図示の場合における上記油圧回路のため
の具体構造を説明しておくと、先ず、第7図に図
示の油タンク40は、前記ミツシヨンケース4内
とリヤハウジング5内の低部でもつて構成させて
あり、また第7図に図示の油圧ポンプ41は、前
記駆動軸8の前端部上に装備させてある。油圧ポ
ンプ41から、第7図に図示の切換弁45を経た
油路を形成する油給排管48が、第3図に示すよ
うにハウジング蓋24の内面上にまで導いてあ
り、この油給排管48に引続いて前記油給排回路
46の一部を形成する油路49が、第3,5図に
示すようにハウジング蓋24内に形成されてい
る。この油路49は、ハウジング蓋24の横巾方
向のほぼ中央位で該蓋24内面上へと開口49a
させてあり、該開口49a部に前記伝動軸9の小
径後端部を、第2図に示すように油密に嵌合し、
油路49を、PTOクラツチ10の前記油室18
へと連通させて伝動軸9に形成してある油路50
へと、連らねさせてある。したがつて、油給排管
48と油路49,50とでもつて、前記油給排回
路46が構成されている。第3,5図に示すよう
に、油路49を上記の開口49a部よりさらに延
長させて油路51を、ハウジング蓋24内に形成
してあり、この油路51端は、第5,6図に示す
ように、ピストン36背後の前記油室39へと開
口させてある。したがつて上記油路51により、
前記接続回路47が構成されている。
次に、図示のPTO装置の他の部分について説
明しておくと、先ず前記PTOクラツチ10に配
して、次のような慣性回転防止ブレーキ52が、
設けられている。すなわち、この慣性回転防止ブ
レーキ52は、第3,4図に示すように、リヤハ
ウジング5後端部一側の側壁内面上の突部5bに
支持させて設けた支点軸53に、該支点軸53ま
わりで回動自在に支持させてあるブレーキシユー
54であつて、第4図に輪郭のみを示す前記クラ
ツチハウジング12外周面の一部に沿わせてある
ブレーキシユー54を、備えている。そして第4
図に示すように、リヤハウジング5の一側壁に
は、外面側に位置する円形凹溝55と該凹溝55
の中心で上記一側壁を貫通する穴56とを、形成
してあり、上記凹溝55にピストン部を嵌合しピ
ストンロツド部を、穴56を通してリヤハウジン
グ5内にまで延出させてあるピストン・ピストン
ロツド57を、設けてあつて、該ピストン・ピス
トンロツド57のピストンロツド部を、両端に支
点ピン58,59を備えたリンク60により、ブ
レーキシユー53の自由端部へと接続してある。
リヤハウジング5側壁外面上には、上記凹溝55
部でキヤツプ61を、固定具62にて装着してあ
り、このキヤツプ61内面とピストン・ピストン
ロツド57のピストン部背面とに両端を当てて、
ピストン・ピストンロツド57をリヤハウジング
5内方向に移動附勢する圧縮スプリング63が、
設けられている。ピストン・ピストンロツド57
のピストン部前面側に形成された油室64には、
次のようなときに油圧を作用させるべく、してあ
る。すなわち、第7図に示すように、前記した切
換弁45とPTOクラツチ10間の油給排回路4
6を、接続回路65によつて上記油室64へと接
続している。具体的には、第3,5図に示すよう
に、前記したハウジング蓋24内の油路49に連
らねて他の油路66をハウジング蓋24内に形成
すると共に、基端で該他の油路66に、また先端
で油室64に、それぞれ連通する油路67をリヤ
ハウジング5側壁に形成して、上記の両油路6
6,67により接続回路65を構成させている。
したがつて、慣性回転防止ブレーキ52は、切
換弁45を作用位置におきPTOクラツチ10
を入れている状態では、油室64に前記調圧弁4
2にて設定される油圧が作用せしめられることか
ら、ピストン・ピストンロツド57が圧縮スプリ
ング63力に抗して後退せしめられ、ブレーキシ
ユー54がクラツチハウジング12から離間せし
められて、制動作動を行なわず、切換弁45が上
記作用位置から中立位置Nへと移されPTOク
ラツチ10が切られると、油室64への油圧作用
解除でピストン・ピストンロツド57が圧縮スプ
リング63作用で前進せしめられ、ブレーキシユ
ー54がクラツチハウジング12外周面へと押付
けられることで、制動作動を行なう。したがつ
て、PTOクラツチ10を切つたときは、伝動軸
9と一体回転するクラツチハウジング12の制動
で、伝動軸9とPTO軸7との回転が迅速に停止
せしめられ、慣性回転が防止される。なお、上記
圧縮スプリング63力で決定される慣性回転防止
ブレーキ52の制動力は、PTOクラツチ10を
切つた上で行なわれるPTO変速装置11の変速
操作に際し、伝動軸9とPTO軸7の回転が許容
され変速操作上に不都合を来たさないような、比
較的弱い力とされている。
また図示のPTO装置は、これまで説明して来
たライブPTO系統の他に、グランドPTO系統も
設けてあるものに、構成されている。すなわち、
ミツシヨンケース4内に設置された、図示省略の
走行動力変速部の出力軸に連動連結された伝動軸
68が、第2図に示すように前記駆動軸8と平行
させて、リヤハウジング5の後端部内にまで延出
させて設けられている。この伝動軸68上には、
該軸68の後端部近くにおいてベアリングを介し
遊転歯車69をのせてあり、この遊転歯車69
は、PTO軸7の基端部に嵌着した入力歯車70
と噛合されている。また伝動軸68の後端部上に
は、該軸68にスプライン嵌合されたクラツチ金
物71を、摺動自在に設けてあり、遊転歯車69
のボス部と該クラツチ金物71とにそれぞれ、互
に噛合せ得る噛合爪72a,72bを形成して、
グランドPTOクラツチ72が構成されている。
したがつて、前記したPTOクラツチ10を切つ
た状態で、噛合爪72a,72bを互に噛合せグ
ランドPTOクラツチ72を入れて、遊転歯車6
9を伝動軸68へと結合すると、PTO軸7が伝
動軸68へと連動連結されて該伝動軸68から入
力され、機体走行速度に比例した回転数でPTO
軸7が回転駆動されることとなる。
上記したクラツチ金物71を伝動軸68上で選
択的に摺動変位させグランドPTOクラツチ72
を入り切りするためには、前記フオークシヤフト
25同様に第3図に示すように、前記支壁部5a
とハウジング蓋24とに両端部を支承させてある
フオークシヤフト73に上端部で固定して、第4
図に示すように下端部でクラツチ金物71に係合
するシフトフオーク74を、設けてある。このシ
フトフオーク74の上面に形成せる係合溝穴74
aには、第4図に示すように、前記操作軸28に
外挿してリヤハウジング5一側壁を貫通させてあ
る中空操作軸75の内端部に固定した作動アーム
76の下端部を、臨ませて、該作動アーム76を
シフトフオーク74へと係合させてある。中空操
作軸75の外端部には、第1図に示すクラツチレ
バー77を取付けてある。中空操作軸75は、第
4図に示すようにリヤハウジング5側壁外面上に
固定具78にて固定して中空操作軸75外周面の
環状溝穴75aへと端部を臨ませてあるストツパ
ー板79により、軸線方向に沿う変位を阻止され
ており、また前記操作軸28の抜出しは、前記作
動アーム29を中空操作軸75の内端面75bに
当てることで、阻止されている。グランドPTO
クラツチ72の入り切り操作は、クラツチレバー
77により中空操作軸75及び作動アーム76を
回動変位させることで、フオークシヤフト73ご
とシフトフオーク74を、フオークシヤフト73
軸線方向に沿い変位させることで、クラツチ金物
71の摺動変位を得て、達成される。
図示のPTO装置ではさらに、前記PTO変速装
置11の中立状態でのみ上記グランドPTOクラ
ツチ72を入れ操作可能として、PTO変速装置
11の変速伝動状態でグランドPTOクラツチ7
2が不測に入れられ、PTO軸7に対し2系統か
ら動力伝達が行なわれて部材損傷が生ぜしめられ
るといつた危険を、未然に防止する安全装置が、
設けられている。すなわち、第3,5図に示すよ
うに、PTO変速装置11操作用のフオークシヤ
フト25とグランドPTOクラツチ72操作用の
フオークシヤフト73とにはそれぞれ、PTO変
速装置11の中立状態とグランドPTOクラツチ
72の切り状態とで互に対向位置する環状の凹溝
80,81を、ハウジング蓋24の肉密部に支承
された後端部の周面において、形成してある。そ
して第5図に示すように、上記のように両凹溝8
0,81が整列する位置においてハウジング蓋2
4には、該蓋24に形成された両フオークシヤフ
ト25,73支承穴間を連通させる穴82を、形
成してあり、この穴82には、バー83を摺動可
能に嵌挿してある。バー83の長さは、第5図に
示すように上記の両凹溝80,81が整列する状
態でフオークシヤフト73が摺動操作されたとす
ると、該バー83がフオークシヤフト73の周面
に押されて他のフオークシヤフト25の凹溝80
内に反対端を押込まれることで、フオークシヤフ
ト73の摺動変位を許容するが、PTO変速装置
11が1速または2速の変速伝動状態にもたらさ
れて、第8図に示すように凹溝80が穴82位置
を外れフオークシヤフト25の外周面が穴82に
対面位置する状態では、バー83の摺動変位がフ
オークシヤフト25外周面により阻止され、凹溝
81内に端部を臨む該バー83によりフオークシ
ヤフト73の摺動変位が阻止され不能となるよう
に、設定されている。したがつて、PTO変速装
置11の変速伝動状態では、グランドPTOクラ
ツチ72を入れることが不能となり、安全が図ら
れる。また逆に、グランドPTOクラツチ72を
入れている状態では、フオークシヤフト73の外
周面でバー83の摺動変位が阻止され、凹溝80
内に端部を臨む該バー83によつてフオークシヤ
フト25の摺動変位が不能となることから、
PTO変速装置11が中立状態に保持され、グラ
ンドPTOクラツチ7を入れている状態でPTOク
ラツチ10を不測に入れたとしても、伝動軸9か
らのPTO軸7に対する動力伝達は行なわれず、
安全である。
第2図に示すように、駆動軸8と伝動軸9の後
端部は前記支壁部5aに支持されており、また
PTO軸7は該支壁部5aと前記ハウジング蓋2
4とに両端部を支持されている。伝動軸9は、駆
動軸8の後端部に形成した中空支承部8aとハウ
ジング蓋24とに、両端部を支持されている。駆
動軸8には、該駆動軸8の前端部上に装備させて
ある前記油圧ポンプ41から潤滑油を、上記中空
支承部8aまで導く油路84を形成してあり、ま
た伝動軸9には、中空支承部8aからPTOクラ
ツチ10内にまで潤滑油を導く油路85を形成し
てある。第5,8図において86,87はそれぞ
れ、前記フオークシヤフト73のためのデテント
用ボール及び圧縮スプリングである。
前記したようにこの考案に係る図示のPTO装
置では、PTOクラツチ10を入れている状態で
は、PTO変速装置11操作用のフオークシヤフ
ト25のためのデテント用圧縮スプリング32の
基端を受けるピストン36が、その背後の油室3
9に対する油圧作用で第9図に図示の位置まで前
進せしめられ、圧縮スプリング32の力が最大限
に高められてボール33に対し大きな附勢力が作
用せしめられるものはもとより、ピストン36前
面上のばね受杆37の端面により凹溝31N,3
1,31内からのボール33の抜出しが阻止
される。したがつてPTOクラツチ10を入れて
いる状態では、凹溝31N,31,31内か
らの抜出しを阻止されているボール33によりフ
オークシヤフト25が摺動不能に拘束され、これ
よりして作業者が不測にPTOクラツチ10を切
ることなくPTO変速レバー30を操作してフオ
ークシヤフト25を摺動させようとしてもそれが
不可能となり、このため作業者はPTOクラツチ
10の切り忘れに直ちに気付くこととなつて、機
械式のPTO変速装置11についてギヤ欠損等の
不都合の発生が、未然に防止されることとなる。
そしてPTOクラツチ10を切りPTO変速レバ
ー30によりフオークシヤフト25を摺動させて
PTO変速装置11についての変速操作を行なう
ときは、ボール33が何れかの凹溝31N,31
或は31内に突入している状態から、フオー
クシヤフト25が摺動せしめられて該フオークシ
ヤフト25の周面にボール33がのり上げた状態
となると圧縮スプリング32が圧縮されることで
先ずPTO変速レバー30の操作抵抗が著増し、
次にフオークシヤフト25が各所定位置まで摺動
せしめられボール33が次の凹溝31N,31
或は31へと突入すると圧縮スプリング32の
附勢力が減らされPTO変速レバー30の操作抵
抗が著減することとなるから、変速操作に際し作
業者が各変速作用位置までの変速シフトを適確に
感知できる。
また前記のようにPTOクラツチ10を入れて
いる状態ではピストン36が最大限に前進してい
て、ばね受杆37の端面により凹溝31N,31
,31内からのボール33の抜出しが阻止さ
れフオークシヤフト25が摺動不能に拘束される
ことによつては、PTO変速装置11においてギ
ヤ抜けが起きるのが確実に防止される。
以上の説明から明らかなように、この考案の農
用トラクタのPTO装置は、油圧クラツチに構成
されたPTOクラツチ10と該PTOクラツチ10
の後段に配された機械式のPTO変速装置11と
を、設けてある農用トラクタにおいて、前記
PTO変速装置11の変速操作機構中に摺動可能
に設けられたフオークシヤフト25の周面上のデ
テント用凹溝31N,31,31内に突入し
て該フオークシヤフト25を拘束するためのデテ
ント用のボール33を、該ボール33に対し先端
を当接させてある圧縮コイルスプリング32であ
つて該スプリング軸線方向に沿い進退可能なピス
トン36の前面に基端を受けさせてある圧縮コイ
ルスプリング32によりフオークシヤフト25方
向に移動附勢させると共に、前記ピストン36の
前面に固定されていて前記圧縮コイルスプリング
32を支承するばね受杆37であつて前記ピスト
ン36がフオークシヤフト25方向に最大限に移
動せしめられると該ばね受杆37の端面により前
記凹溝31N,31,31内からの前記ボー
ル33の抜出しが阻止されるように長さを設定し
てあるばね受杆37を設け、さらに前記ピストン
36の背後に形成した油室39を、前記PTOク
ラツチ10に対する油圧給排回路46に接続した
ことを、特徴としてなり、次のように作用し後述
の特有の効果を奏する。
すなわちこの考案のPTO装置は、機械式の
PTO変速装置11を変速操作する操作機構中に
ボール・スプリング型のデテント装置を設けてあ
るものにおいて、PTO変速装置11前段のPTO
クラツチ10が油圧クラツチに構成されているこ
とを利用し、デテント装置の圧縮コイルスプリン
グ32の基端をPTOクラツチ10の入り切りに
連動して進退せしめられるピストン36に受けさ
せると共に、特に該ピストン36に圧縮コイルス
プリング32を支承してその屈曲を防止するばね
受杆37を、PTOクラツチ10が入れられピス
トン36が最大限に前進せしめられた状態で該ば
ね受杆37の端面によりフオークシヤフト25周
面のデテント用凹溝31N,31,31内か
らのボール33の抜出しが阻止されるように設け
ているから、PTOクラツチ10が入れられた状
態では上記したボール33の抜出し阻止によりフ
オークシヤフト25の摺動変位を不能とし、
PTOクラツチ10が切られた状態では圧縮コイ
ルスプリング32力に基づく拘束力の下でのフオ
ークシヤフト25の摺動変位を可能とし、且つ、
ボール33がフオークシヤフト25周面にのり上
げる変速操作過渡期からボール33がフオークシ
ヤフト25周面の各デテント用凹溝31N,31
,31に突入する変速操作終期に至ると圧縮
コイルスプリング32力の変化により変速操作抵
抗を著減させることとする。したがつてこの考案
によれば、PTOクラツチ10が入れられた状態
ではフオークシヤフト25が摺動変位不能とされ
ることからPTO変速装置11におけるギヤ抜け
が確実に防止され、また作業者が誤まつてPTO
クラツチ10を切ることなくPTO変速装置11
を操作しようとしても同操作が不能となりギヤ欠
損等の不都合の発生が未然に防止され、さらに変
速操作に際してはフオークシヤフト25が各変速
作用位置まで変位操作されると操作抵抗の著変に
より変速操作終期への到達を作業者に適確に感知
させて変速操作の過不足が無くされることとな
る。
この考案が奏する特有の効果は、次の通りであ
る。
ボール・スプリング型のデテント装置をその
ままに利用し、該デテント装置のスプリング3
2を受けるピストン36を附加し且つ同ピスト
ン36を前進作動させるためには油圧クラツチ
とされているPTOクラツチ10に対する油圧
給排機構を利用していることから、PTOクラ
ツチ10が切られない限りPTO変速装置11
の変速操作を不能とする機構の構造が簡単であ
り、またピストン36前面に固定したばね受杆
37を、圧縮コイルスプリング32の屈曲防止
とフオークシヤフト25の摺動不能な拘束との
2機能のために利用していることから、構造が
一層簡単化されている。
機械式の変速装置の変速操作機構中に設けら
れるデテント装置は、各変速作用位置でのギヤ
抜け防止機能と変速操作時に操作抵抗の著変に
より変速操作終期を適確感知させる機能とを有
するが、この考案は前述した作用から明らかな
通り、この両者の機能を損なわない。従来のデ
テント装置との対比で述べれば、この考案によ
るときはPTOクラツチ10が入れられている
状態ではフオークシヤフト25の摺動変位が阻
止され切られている状態ではスプリング32に
より拘束力を及ぼされつつフオークシヤフト2
5の摺動変位が許容されるから、ギヤ抜け防止
といつた前者の機能についてみると、PTOク
ラツチ10が入れられているときはギヤ抜けが
完全に阻止されて従来のものより機能が高めら
れ、また例えば圃場内でトラクタを回行させる
ためとか、トラクタ後部に連結する作業機の取
替えのための等、変速操作以外の目的でPTO
クラツチ10が切られたときは従来のものと同
程度のギヤ抜け防止機能が発揮される。変速操
作の終期を適確に感知させる機能は、変速操作
時にはスプリング32力のみによりフオークシ
ヤフト25が拘束されることから従来のものと
同程度である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を装備した農用ト
ラクタの概略側面図、第2図は同トラクタ要部の
縦断側面図、第3図は同要部の一部省略横断平面
図、第4図は同要部の一部省略縦断背面図、第5
図は同要部の一部縦断背面図、第6図は同要部の
一部分のみの拡大断面図、第7図は同実施例にお
ける油圧回路の回路図、第8図は第5図に図示部
分の一部を異なつた状態で図示した断面図、第9
図は第6図同様の拡大断面図で第6図に図示の状
態とは異なつた状態を図示したものである。 5……リヤハウジング、7……PTO軸、8…
…駆動軸、9……伝動軸、10……PTOクラツ
チ、11……PTO変速装置、12……クラツチ
ハウジング、13……回転支持金物、14,15
……摩擦エレメント、16……リターンばね、1
7……ピストン、18……油室、19,20……
変速歯車、21,22……遊転歯車、21a,2
2a……爪、23……シフト金物、23a,23
b……爪、24……ハウジング蓋、25……フオ
ークシヤフト、26……シフトフオーク、27…
…作動金物、28……操作軸、29……作動アー
ム、30……PTO変速レバー、31N,31,
31……凹溝、32……圧縮スプリング、33
……ボール、34……穴、36……ピストン、3
8……螺栓、39……油室、41……油圧ポン
プ、42……調圧弁、43……給油回路、44…
…排油回路、45……切換弁、46……油給排回
路(油圧給排回路)、47……接続回路、48…
…油給排管、49……油路、50……油路、51
……油路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 油圧クラツチに構成されたPTOクラツチ10
    と該PTOクラツチ10の後段に配された機械式
    のPTO変速装置11とを、設けてある農用トラ
    クタにおいて、前記PTO変速装置11の変速操
    作機構中に摺動可能に設けられたフオークシヤフ
    ト25の周面上のデテント用凹溝31N,31
    ,31内に突入して該フオークシヤフト25
    を拘束するためのデテント用のボール33を、該
    ボール33に対し先端を当接させてある圧縮コイ
    ルスプリング32であつて該スプリング軸線方向
    に沿い進退可能なピストン36の前面に基端を受
    けさせてある圧縮コイルスプリング32によりフ
    オークシヤフト25方向に移動附勢させると共
    に、前記ピストン36の前面に固定されていて前
    記圧縮コイルスプリング32を支承するばね受杆
    37であつて前記ピストン36がフオークシヤフ
    ト25方向に最大限に移動せしめられると該ばね
    受杆37の端面により前記凹溝31N,31,
    32内からの前記ボール33の抜出しが阻止さ
    れるように長さを設定してあるばね受杆37を設
    け、さらに前記ピストン36の背後に形成した油
    室39を、前記PTOクラツチ10に対する油圧
    給排回路46に接続したことを、特徴としてなる
    PTO装置。
JP17818979U 1979-12-22 1979-12-22 Expired JPS6323222Y2 (ja)

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JPS6323222Y2 true JPS6323222Y2 (ja) 1988-06-24

Family

ID=29688737

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094970A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 作業車の動力取出し装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003094970A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 作業車の動力取出し装置

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Publication number Publication date
JPS5695934U (ja) 1981-07-30

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