JPS6323014Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、キヤンプ時、携帯用加熱装置、例
えば固体燃料等の上に配置される略筒状の五徳上
に載置して、熱効率良く湯をわかしつつ調理可能
となつて、かさばらずに収納することができるキ
ヤンプ用湯わかし器に関する。

＜従来の技術＞ 従来のキヤンプでは、調理時、円柱形状の固体
燃料の上に、固体燃料とセツトで市販されている
下部に吸気孔部、上部に調理用鍋を支持可能な複
数の支持脚を備える略筒状の五徳を配置し、その
五徳上に調理用鍋を載置させて、固体燃料を燃や
し、その燃焼ガスで調理用鍋を加熱して調理を行
なつていた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかし、従来の調理時における燃焼ガスは、単
に調理用鍋底部からその外周面を経て直ちに上昇
し、その上昇する燃焼ガスの温度が相当高いにも
かかわらず、大気中に放出されていたため、熱が
無駄に廃棄され、熱効率が良いとは言えなかつ
た。

ちなみに、上記問題を解決する装置として、実
開昭58−98014号公報で開示されているように、
調理用鍋外周に、底部内周に全周にわたる凹部を
形成した環状の外釜を配置し、さらに外釜凹部内
の凹部周面と調理用鍋外周との間に、外釜を保持
する部位を備えて、燃焼ガスを調理用鍋外周面に
上向きに沿つて後、外釜凹部周面に下向きに沿つ
て流れるようにする燃焼ガス規制体を配設し、燃
焼ガスで調理用鍋と外釜とを加熱できるようにし
て、熱効率良く燃焼ガスを利用できるものがあつ
た。

しかし、このような装置では、外釜を保持する
部位が燃焼ガス規制体と一体的に形成されてお
り、燃焼ガス規制体がかさばつて、キヤンプ等の
携帯に不便となつてしまう。

この考案は、既述の問題を解決するもので、キ
ヤンプ時等に、熱効率良く湯をわかしつつ調理可
能となつて、かさばらずに収納することができ、
携帯に便利なキヤンプ用湯わかし器に関する。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案に係るキヤンプ用湯わかし器は、下部
に吸気孔部、上部に調理用鍋を支持可能な複数の
支持脚を備える略筒状の五徳が携帯用加熱装置上
に配置され、五徳上に調理用鍋とともに載置して
湯をわかしつつ調理用鍋により調理可能なキヤン
プ用湯わかし器であつて、 調理用鍋を挿入可能とするとともに底部内周に
全周にわたつて凹部が形成され内部に水を収容可
能な環状の外釜と、 調理用鍋外径より大きく、外釜凹部内径より小
さくかつ高さを外釜凹部内へ収納可能な寸法とす
る遠赤外線放射材料からなる筒状の本体部を備え
るとともに、本体部下部に五徳における支持脚間
の上部に係止可能な複数の係止脚が配設され、本
体部上部に外釜底部を本体部下端より上方位置で
保持可能な所定数の保持部材が配設され、使用
時、加熱装置の燃焼ガスを調理用鍋外周面に上向
きに沿つて後外釜凹部周面に下向きに沿つて流れ
るようにする燃焼ガス規制体とから構成され、 さらに、燃焼ガス規制体の保持部材を、本体部
に対して脱着可能に形成するとともに外釜内若し
くは調理用鍋内へ収納可能に形成させるか、又
は、折畳んで燃焼ガス規制体を外釜凹部内へ収納
可能とするよう本体部に対してヒンジを介して取
付けることによつて、既述の問題を解決するもの
である。

＜考案の作用・効果＞ この考案に係るキヤンプ用湯わかし器では、携
帯用加熱装置上に所定の五徳を配置させ、五徳上
に本体部上部に保持部材を取付けた燃焼ガス規制
体をその係止脚を介して載置し、燃焼ガス規制体
の保持部材上に水を収容させた外釜を載置させる
とともに、調理用鍋を外釜に挿入して五徳上に載
置して、加熱装置を燃焼させる。

すると、その燃焼ガスが、当初調理用鍋を加熱
し、その後、調理用鍋外周面と燃焼ガス規制体本
体部内周面との間を通つて上昇し、さらに燃焼ガ
ス規制体本体部外周面と外釜凹部周面との間を通
つて下降し、外釜底部より燃焼ガス規制体本体部
下端が下方に突出していることから円滑に外釜外
周から排気され、その間に、燃焼ガスが燃焼ガス
規制体を加熱するとともに外釜を加熱する。

したがつて、この考案に係るキヤンプ用湯わか
し器では、調理用鍋と外釜とが、燃焼ガスの加熱
と、遠赤外線放射材料からなる本体部を備える燃
焼ガス規制体の遠赤外線を放射する輻射熱の加熱
とによつて、熱効率良く加熱され、熱効率良く湯
をわかしつつ調理を行なうことができる。

また、この考案に係るキヤンプ用湯わかし器で
は、燃焼ガス規制体が、その本体部を外釜凹部内
に収納可能な寸法としているとともに、本体部上
部に配設される外釜保持用の保持部材を、本体部
に対して脱着可能でかつ外釜内若しくは調理用鍋
内に収納可能としているか、又は、折畳んで燃焼
ガス規制体を外釜凹部内へ収納可能とするよう本
体部に対してヒンジを介して取付けていることか
ら、収納時に、かさばる燃焼ガス規制体を、その
保持部材を脱着可能としている場合には、その本
体部を外釜凹部内に収納しかつ保持部材を外釜内
若しくは調理用鍋内に収納でき、又、その保持部
材を折畳み可能にヒンジを介して取付けている場
合には、その保持部材を折畳むだけで外釜凹部内
に収納でき、携帯に便利となる効果を奏する。

＜実施例＞ 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図に示す実施例の湯わかし器７は、キヤン
プ用の市販されている有底で円筒状の調理用鍋５
を挿入可能でかつ水を収容可能とする環状の外釜
８と、固体燃料１上に配置され固体燃料１とセツ
トで市販されている略円筒状の五徳２の上に載置
されて外釜８を保持可能とする燃焼ガス規制体９
とから構成されている。

なお、この調理用鍋５の周縁には、その周縁に
係止可能な係止部６ａを備えて鍋５を保持可能な
把手６が配設されている。また、五徳２は、第
６，７図に示すように、下部に８つの吸気孔部２
ａを備えるとともに上部に調理用鍋５を支持可能
な４つの支持脚2bを突設され、そして、２つの
半割筒部材３，４が相互の両端部を係合させて構
成されている。

外釜８は、第１〜３図に示すように、アルミニ
ウム等の金属材料からなり、上部に開口部８ａを
備えてこの開口部８ａ周縁に注ぎ口８ｂが形成さ
れている。そして、底部内周には全周にわたつて
外釜８の約1/2の高さまで達する凹部８ｃが形成
され、さらに、外周面には各々取付金具８ｄを介
して外釜８の軸方向と平行な回動軸を有し外釜８
を保持可能な２つの把手８ｅが配設されている。
なお、この外釜８の開口部８ａは、所望時、上面
に把手１５ａを備える蓋１５によつて塞ぐことが
できるように構成されている。

燃焼ガス規制体９は、本体部１０と、本体部１
０上部に脱着可能に係着され外釜８を保持する保
持部材１２との２種類の部品から構成されている
（第１，４，５図参照）。

本体部１０は、ステンレス等の遠赤外線放射材
料からなり、上方へ向かうにつれて広がるテーパ
状の略円筒形状であり、下部に五徳２における支
持脚２ｂ間の上部に係止可能な４つの係止脚１１
が一体的に内側に向かつて突設されている。そし
て、この本体部１０は、外釜８の凹部８ｃの内径
よりその外径を小さくするとともに、五徳２上に
本体部１０を載置させて五徳２の支持脚２ｂ上に
調理用鍋５を載置させた際に調理用鍋５の底部の
外径よりその内径を大きくしており、さらに、高
さを外釜８の凹部８ｃ内に収納可能な寸法に形成
されている。

保持部材１２は、ステンレス等の金属材料から
なる板材を曲げ加工して形成されるもので、各々
端部に３つの舌片１２ａ，１２ｂ，１２ｃを備え
るとともにそれらの元部から折曲されて略Ｌ字形
の保持脚１２ｄが形成されるもので、舌片１２ｂ
を本体部１０の内周面側に、舌片１２ａ，１２ｃ
を本体部１０の外周面側に位置させて押し込み、
保持部材１２を本体部１０の上部の所定位置に取
外し可能に係着させるものである。そして、これ
らの保持部材１２は、本体部１０に係着させた
後、本体部１０を五徳２上に載置させて各々の保
持部材１２の保持脚１２ｄ上に外釜８の底部を載
置させた際に、外釜８底部を本体部１０下端より
５〜10mm上方位置で保持可能に形成されている。
また、これらの保持部材１２は、本体部１０から
抜いて取外した際、外釜８の開口部８ａから外釜
８内へ収納可能な大きさに形成されている。

つぎに、この湯わかし器７の使用態様について
説明する。

まず、固体燃料１の図示されない蓋を外すとと
もに、固体燃料１上に組立てて円筒形にした五徳
２を載置し、五徳２上に保持部材１２を本体部１
０の所定位置に係着させた燃焼ガス規制体９をそ
の本体部１０の係止脚１１を介して載置する。

そして、燃焼ガス規制体９の保持部材１２にお
ける保持脚１２ｄ上に水を入れた外釜８を載置
し、さらに、所望の材料を入れた調理用鍋５を外
釜８へ挿入させて五徳２の支持脚２ｂ上に載置す
る（第１図参照）。

その後、固体燃料１を点火させる。すると、そ
の燃焼ガスは、当初調理用鍋５を加熱し、その
後、調理用鍋５外周面と燃焼ガス規制体９の本体
部１０内周面を通つて上昇し、さらに、燃焼ガス
規制体９の本体部１０外周面と外釜凹部８ｃ周面
との間を通つて下降し、円滑に外釜８外周より排
気され、燃焼ガス規制体９を加熱するとともに外
釜８を加熱することとなる。その際、調理用鍋５
と湯わかし器７とは、燃焼ガスの加熱と、燃焼ガ
ス規制体９における本体部１０の遠赤外線の放射
による輻射熱の加熱とにより、熱効率良く加熱さ
れて、湯をわかしつつ調理を行なうことができ
る。なお、外釜８底部が燃焼ガス規制体９の本体
部１０下端より上方位置で保持されていることに
より、燃焼ガスは、円滑に外釜８外周より排気さ
れ、再度五徳２内へ流入して不完全燃焼を引き起
こすようなこととはならない。

そして、調理後、この湯わかし器を収納する場
合には、燃焼ガス規制体９における保持部材１２
を本体部１０から抜いて取外し、外釜８内へ収納
すれば、本体部１０が外釜凹部８ｃ内へ収納可能
であることから、その本体部１０を外釜凹部８ｃ
内へ収納でき、第８図に示すように、コンパクト
に収納できる。勿論、取外した保持部材１２は、
調理用鍋５内に収納してもよい。

なお、実施例の湯わかし器７では、その燃焼ガ
ス規制体９の保持部材１２が舌片１２ａ〜１２ｃ
を利用して本体部１０に係着させるものを示した
が、第９図に示す保持部材２２のように、本体部
１０上部の内径部に嵌合する環状部２２ａを備
え、その環状部２２ａから所定位置に外釜８底部
を保持できる保持脚２２ｂが本体部１０上部を跨
いて配置されるような１つの部材で形成して、そ
して、第２図に示す２点鎖線のように外釜８内に
収納できるようにしてもよい。

さらにまた、第１０〜１２図に示すように、本
体部１０の外周面の所定位置に固着されるヒンジ
３３を介し、折畳んだ場合に外釜凹部８ｃ内に燃
焼ガス規制体３９を収納できるように、保持部材
３２を本体部１０に取付けるように構成してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の湯わかし器の使用
態様を示す断面図、第２図は同実施例の外釜の断
面図、第３図は同実施例の外釜の平面図、第４図
は同実施例の燃焼ガス規制体の断面図、第５図は
同実施例の燃焼ガス規制体の平面図、第６図は同
実施例の五徳の断面図、第７図は同実施例の五徳
の平面図、第８図は同実施例の湯わかし器を収納
した状態を示す断面図、第９図は保持部材の他の
例を示す断面図、第１０図，第１１図は燃焼ガス
規制体の他の例を示すそれぞれ正面図・平面図、
第１２図は同例の収納時を示す断面図である。 １……（携帯用加熱装置）固体燃料、２……五
徳、２ａ……吸気孔部、２ｂ……支持脚、５……
調理用鍋、７……湯わかし器、８……外釜、８ｃ
……凹部、９，３９……燃焼ガス規制体、１０…
…本体部、１１……係止脚、１２，２２，３２…
…保持部材、３３……ヒンジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下部に吸気孔部、上部に調理用鍋を支持可能な
   複数の支持脚を備える略筒状の五徳が携帯用加熱
   装置上に配置され、前記五徳上に前記調理用鍋と
   ともに載置して湯をわかしつつ前記調理用鍋によ
   り調理可能なキヤンプ用湯わかし器であつて、 前記調理用鍋を挿入可能とするとともに底部内
   周に全周にわたつて凹部が形成され内部に水を収
   容可能な環状の外釜と、 前記調理用鍋外径より大きく、前記外釜凹部内
   径より小さくかつ高さを前記外釜凹部内へ収納可
   能な寸法とする遠赤外線放射材料からなる筒状の
   本体部を備えるとともに、該本体部下部に前記五
   徳における支持脚間の上部に係止可能な複数の係
   止脚が配設され、前記本体部上部に前記外釜底部
   を本体部下端より上方位置で保持可能な所定数の
   保持部材が配設され、使用時、前記加熱装置の燃
   焼ガスを前記調理用鍋外周面に上向きに沿つて後
   前記外釜凹部周面に下向きに沿つて流れるように
   する燃焼ガス規制体とから構成され、 さらに、前記燃焼ガス規制体の保持部材が、前
   記本体部に対して脱着可能に形成されるとともに
   前記外釜内若しくは調理用鍋内へ収納可能に形成
   されているか、又は、折畳んで前記燃焼ガス規制
   体を前記外釜凹部内へ収納可能とするよう前記本
   体部に対してヒンジを介して取付けられているこ
   とを特徴とするキヤンプ用湯わかし器。