JPS6321800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は作業車に装備される高圧水噴射式の
トンネル清掃装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の高圧水噴射方式による固定式のトンネル
清掃装置は、作業車の側面側にトンネル内壁面の
形状に対応した彎曲形状又は直状形状の本体フレ
ームを装備し、この本体フレームにトンネル内壁
面に向かつて高圧水を噴射する多数のノズルを適
当な配列で取付けた構造となつている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前記従来のトンネル清掃装置は多数個の噴射ノ
ズルを必要とし、装置全体のコストが高くなると
共に、水の使用量が多くなる欠点がある。またト
ンネル内壁面はトンネルによつて壁面カーブ率が
異なるので、その都度本体フレームをトンネル形
状に合つたものと取替えなければならず、この本
体フレームの付替え作業が面倒で長時間かかる欠
点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は前記の問題点を解決するために、作
業車の側面側に位置する本体フレームの長さ方向
両端部に、彎曲伸長可能な板ばねレールの両端部
を、該板ばねレールの彎曲、伸長による長さ変化
分を逃がすことができる保持手段によつて支持し
たこと、この板ばねレールと本体フレームとの間
に板ばねレールをトンネル内壁面の形状に合わせ
て円弧状に彎曲させたり真直に伸長させたりする
板ばね可動機構を設けたこと、前記板ばねレール
に該レールに案内されて上下方向に往復移動する
台車を装備し、この台車にトンネル内壁面に向か
つて高圧水を噴射するノズルを取付けたことを特
徴とするものである。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図面に従い具体的
に説明すると、図中１は清掃すべきトンネル内壁
面Ａ側の車道を運転走行する作業車を示し、この
作業車１のトンネル内壁面Ａと対面する車側部に
は直状の縦長ビームよりなる本体フレーム２が位
置し、この本体フレーム２はトンネル側壁面側
と、天井面側のいずれにも位置させることができ
るように旋回リフト機構３を介して第１図の如く
車体１０に支持されている。

なお、上記旋回リフト機構３は本発明の要旨と
直接関係がないので、詳細な構造説明は省略する
が、トンネル天井面を清掃する場合や、作業車１
の通常走行時に本体フレーム２を車体１０の上方
に邪魔にならないように回動格納する場合に用い
られることを付記しておく。

４は前記本体フレーム２の上端部に回動リンク
５を介して取付けられたレール保持体、６は本体
フレーム２の下端部にピン７を中心として回動す
るブラケツトを介して取付けられたレール保持体
であつて、この上下のレール保持体４，６（レー
ル保持手段）には、本体フレーム２より長い伸長
長さを有する彎曲伸長可能な板ばねレール８の上
下端部が取付けられている。

９は前記板ばねレール８をトンネル内壁面Ａの
形状に合わせて第１図の如く彎曲させたり、第２
図の如く直状に伸長させたりする板ばね可動機構
としてのねじ棒で、これは本体フレーム２の長さ
方向中間部にピン１１を中心として回動するよう
に取付けたねじ駒１２に第３図の如く螺挿され
て、棒端操作部９ａを回転治具で回すことによ
り、前後方向に螺進移動できるようになつてい
る。

前記板ばねレール８の長さ方向中間部にはブラ
ケツト１３が固定され、このブラケツト１３にピ
ン１４を中心として回動するねじ棒回転保持具１
５が取付けられ、このねじ棒回転保持具１５に上
記ねじ棒９先端ヘツド部９ｂが第３図の如く係合
している。従つて、このねじ棒９を回転操作すれ
ば、この前進移動によつて板ばねレール８の中央
部を押して、該レール８を第１図の如く円弧状に
彎曲させることができ、また前記ねじ棒９の後退
移動によつて彎曲レール８を後方に引張つて、該
レール８を第２図の如く真直に伸長させることが
でき、この場合の彎曲→伸長による板ばねレール
８の長さ変化分は本体フレーム２上端の回動リン
ク５が第２図のような状態に回動することで吸収
することができる。なお、前記ねじ棒９は第１図
で示す想像線ｂ，ｃ，ｄ，ｅの位置にも追加して
設けることができる。

１６は上記板ばねレール８にガイドされて上下
方向に往復移動する台車で、この台車１６は板ば
ねレール８の両端縁部を第３図の如く挾持する車
輪１６ａ，１６ｂ，１６ｃ，１６ｄを備え、チエ
ーン１７を油圧モータ１８で駆動することによ
り、上下方向に一定速度で往復移動される。この
台車１６を動かす前記チエーン１７は、レール上
端保持体４に装備した油圧モータ１８で駆動され
るスプロケツト１９と、レール下端保持体６に軸
支した従動スプロケツト２０とに掛装される。

なお、このチエーン１７のレール裏側を回る部
分は、前記板ばねレール８の裏側に第１図の如く
配設した案内輪２１，２２と、テークアツプ装置
２３の３つの案内輪２４〜２６に第１図、第２図
及び第４図、第５図の如く通されている。上記テ
ークアツプ装置２３は板ばねレール８の彎曲→伸
長に関係したチエーン１７の長さ変化を調整する
もので、２つの固定案内輪２４，２６と、螺軸２
７，２８の回転で移動される軸受体２９，３０に
支承された中間部の可動案内輪２５を備えている
（第５図、第６図明示）。

３１，３２，３３はトンネル内壁面Ａに向つて
高圧水を噴射する３個のノズルを示し、この噴射
ノズル３１〜３３は前述した台車１６に作業車１
の走行方向に対し間隔を保つて第３図の如く取付
けられている。そして、この噴射ノズル３１〜３
３の連通管３４と、作業車１に搭載した高圧水ポ
ンプ３５との間は可撓性の高圧ホース３６で第３
図の如く接続され、作業車１に搭載した水槽３７
の水を高圧水ポンプ３５で送つて、前記ノズル３
１〜３３より高圧噴射できるようにしている。

なお、上記実施例のレール保持手段は板ばねレ
ール８の彎曲、伸長による長さ変化分を回動リン
ク５の逃げ回動で吸収するようにした構造のもの
について説明したが、本体フレーム２の両端部に
ねじの回転操作で上下方向に移動できる移動調整
部材を設け、この移動調整部材にレール保持体
４，６をピンで枢支することにより、板ばねレー
ル８の彎曲、伸長による長さ変化分を調整部材の
移動によつて逃がすように構成してもよいし、或
いは板ばねレール８の両端を本体フレーム２に直
接ピンで枢支したレール保持体４，６に対し移動
調整できるように締付具で固定して、この締付具
を緩めることにより前記レール８の彎曲、伸長に
よる長さ変化分を逃がすように構成することも可
能である。また、上記板ばねレール８を円弧状に
彎曲させたり真直に伸ばしたりする板ばね可能機
構は、前記ねじ棒９による構造だけに限定される
ものではなく、流体圧シリンダー等を用いること
もできる。

〔発明の効果〕

この発明の高圧水噴射式のトンネル清掃装置
は、前記のような構成のものであるから、多数個
の噴射水ノズルを本体フレームに配列固定する従
来装置に比べ、ノズル数が減少し装置全体のコス
トを低減させ得ると共に、水の使用量も少なくて
済む利点があり、しかも壁面カーブ率が異なつた
トンネルがある場合でも、このトンネル内壁面の
形状に合わせて板ばねレールを円弧状に彎曲させ
たり、直状に伸長させたりするだけの簡単な切替
え操作でもつて適用することができ、本体フレー
ムを従来の如く付替える必要性がなくなる等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のトンネル清掃装置を円形ト
ンネル内で使用している状態を示した背面図、第
２図は同装置を箱形トンネル内で側壁使用してい
る状態を示した要部の背面図、第３図は第２図の
―線に沿う拡大断面図、第４図は第２図の
―線に沿う拡大断面図、第５図はチエーンテー
クアツプ装置の詳細図、第６図は第５図の―
線断面図である。 １…作業車、１０…車体、２…本体フレーム、
３…旋回リフト機構、４，６…レール保持体、５
…回動リンク、８…板ばねレール、９…ねじ棒、
１６…台車、１６ａ〜１６ｄ…車輪、１７…台車
を駆動するチエーン、１８…油圧モータ、１９，
２０…スプロケツト、２１，２２…チエーン案内
輪、２３…チエーンのテークアツプ装置、３１〜
３３…高圧水の噴射ノズル、３４…連通管、３５
…高圧水プンプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高圧水の噴射によつてトンネル内壁面を清掃
   する作業車に装備されたトンネル清掃装置におい
   て、前記作業車の側面側に位置する本体フレーム
   の長さ方向両端部に、彎曲伸長可能な板ばねレー
   ルの両端部を、該板ばねレールの彎曲、伸長によ
   る長さ変化分を逃がすことができる保持手段によ
   つて支持し、この板ばねレールと本体フレームと
   の間に板ばねレールをトンネル内壁面の形状に合
   わせて円弧状に彎曲させたり真直に伸長させたり
   する板ばね可動機構を設けると共に、前記板ばね
   レールに該レールに案内されて上下方向に往復移
   動する台車を装備し、この台車にトンネル内壁面
   に向かつて高圧水を噴射するノズルを取付けたこ
   とを特徴とする高圧水噴射式のトンネル清掃装
   置。