JPS6321742B2

JPS6321742B2 -

Info

Publication number: JPS6321742B2
Application number: JP56011860A
Authority: JP
Inventors: Kozo Arai; Takao Suzuki; Shozo Umetsu
Original assignee: Showa Aluminum Corp
Current assignee: Altemira Co Ltd
Priority date: 1981-01-28
Filing date: 1981-01-28
Publication date: 1988-05-09
Also published as: JPS57126939A

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野この発明は、電解コンデンサ陰極用アルミニウ
ム合金箔に関する。この明細書において「％」は「重量％」を示す
ものとする。従来技術とその問題点電解コンデンサの性能を向上させるためには、
陽極用箔の静電容量だけでなく、陰極用箔の静電
容量も増大させることが必要である。箔の静電容
量を増大させるためには、箔にエツチングを施し
て箔の表面積を増大させることが有効であるが、
エツチングが過度になると腐食減量も過度にな
り、結果的に箔の静電容量は低下する。また、コ
ンデンサの小型軽量化のために箔の厚さを薄くす
る必要があり、そのためには箔の強度を大きくし
なければらない。したがつて、電解コンデンサ陰
極用アルミニウム合金箔の具備すべき条件は、静
電容量が大きいこと、エツチングのさいの腐食減
量が過度にならず適量であることおよび機械的強
度が大きいことである。そこで、上記３条件を満たす電解コンデンサ陰
極用アルミニウム合金箔として、従来、銅を0.03
〜0.5％およびベリリウムを0.001〜0.2％含有し、
残部アルミニウムおよび不可避不純物からなるア
ルミニウム合金製半連続鋳造板から形成された電
解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔が提案さ
れた。しかしながら、この合金箔でも静電容量増
大効果が十分ではなくなつてきたのが実情であ
る。この発明の目的は、上記問題を解決した電解コ
ンデンサ陰極用アルミニウム合金箔を提供するこ
とにある。問題点を解決するための手段この発明による電解コンデンサ陰極用アルミニ
ウム合金箔は、銅0.03〜0.5％およびベリリウム
0.001〜0.2％を含有し、残部アルミニウムおよび
不可避不純物からなるアルミニウム合金製連続鋳
造板から形成されたものである。上記において、銅およびベリリウムを含むアル
ミニウム合金製連続鋳造板から形成された箔は、
静電容量が著しく増大し、腐食減量が過度になら
ずに適量で、しかも機械的強度も大きくなる。そ
の理由は次の通りである。すなわち、周知の如く箔の静電容量は箔の表面
積と比例し、箔の表面積を増大させるためには、
エツチングによつて箔の表面に微細な凹部を均一
かつ高密度に生じさせる必要がある。銅は電位的
にアルミニウムよりも貴であり、しかも銅を含有
するアルミニウム合金製連続鋳造板においては、
銅がアルミニウム中に過飽和に固溶しているとと
もに晶出物も微細かつ均一となつているから、こ
のアルミニウム合金箔にエツチングを施すと、箔
の表面に微細な凹部が均一かつ高密度に発生す
る。また、ベリリウムは電位的にアルミニウムよ
りも貴であり、しかも固溶限が小さいために、こ
れをアルミニウム中に含有せしめるとアルミニウ
ム中に微細に析出するので、このアルミニウム合
金箔をエツチングしたさいに、箔表面に微細な凹
部が均一かつ高密度に生じる。したがつて、この
発明のアルミニウム合金箔の静電容量増大効果
は、銅を0.03〜0.5％およびベリリウムを0.001〜
0.2％含有し、残部アルミニウムおよび不可避不
純物からなるアルミニウム合金製半連続鋳造板か
ら形成された電解コンデンサ陰極用アルミニウム
合金箔に比較して一層向上するという効果を奏す
るのである。しかしながら、銅の含有量が0.03％
未満およびベリリウムの含有量が0.001％未満で
は箔の静電容量を増大させる効果が少なく、銅の
含有量が0.5％を越え、ベリリウムの含有量が0.2
％を越えるとエツチングが過度になり箔表面の凹
部が多くなる反面、腐食減量が多くなつて、結果
的には静電容量が低下するとともに、機械的強度
も低下する。したがつて、銅の含有量を0.03〜
0.5％およびベリリウムの含有量を0.01〜0.2％の
範囲内でそれぞれ選ぶべきであるが、とくに銅は
0.1〜0.3％、ベリリウムは0.005〜0.05％が好まし
い。また、上記において、アルミニウム合金製連続
鋳造板には、アルミニウムに含有せしめられた元
素が過飽和に固溶しているとともに晶出物も微細
かつ均一となつているので、強度が大きい。した
がつて、このような連続鋳造板から圧延により形
成された箔の強度も当然に大きくなる。アルミニウム合金製連続鋳造板は、3C法、ハ
ンター法などの連続鋳造板圧延法により通常の熱
間圧延工程を経ないで得られる。このようなアル
ミニウム合金製連続鋳造板から冷間圧延および箔
圧延を経て箔が形成される。箔にする前にアルミ
ニウム合金製連続鋳造板に中間焼鈍を施すことも
ある。また、上記アルミニウム合金の原料として使用
するアルミニウムの純度は99.7％以上とすること
が好ましい。上記アルミニウムの純度が99.7％未
満であれば、電解コンデンサ陰極用アルミニウム
合金箔の静電容量増大効果が少なくなるおそれが
あるからである。また、この発明によるアルミニウム合金箔に
は、鉄やケイ素などの製造不可避の不純物が含ま
れていてもよい。実施例以下、この発明の実施例を比較例とともに説明
する。表１に示す組成の５種のアルミニウム合金のう
ち合金Ａ〜ＣおよびＥから連続鋳造圧延法によ
り、それぞれ厚さ25mm以下の連続鋳造板を製造し
た。ついで、これらの連続鋳造板に冷間圧延およ
び箔圧延を施して、各々２枚のアルミニウム合金
箔を形成した。また、合金Ｄから半連続鋳造法に
よりスラブを鋳造し、このスラブから通常の製箔
法により２枚の合金箔を形成した。その後、各々１枚の箔を用いて各種合金箔の強
度を測定した。また、各々他の１枚の合金箔を液
温60℃の３％塩酸および0.5％シユウ酸水溶液中
に浸漬し、電流密度30A／ｄm²の交流電流を通じ
て１分30秒間エツチングを行い、静電容量を測定
した。

【表】上記実施例および比較例の結果を表２にまとめ
て示す。

【表】表２から明らかなように、銅を0.03〜0.5％お
よびベリリウムを0.001〜0.2％含有するアルミニ
ウム合金製連続鋳造板から冷間圧延および箔圧延
により形成されたアルミニウム合金箔は、そうで
ないものに比べて静電容量および強度が大きくな
つている。発明の効果この発明による電解コンデンサ陰極用アルミニ
ウム合金箔は、銅を0.03〜0.5％およびベリリウ
ムを0.01〜0.2％含有するアルミニウム合金製連
続鋳造板から形成されたものであるから、電位的
にアルミニウムよりも貴である銅がアルミニウム
中に過飽和に固溶しているとともに晶出物も微細
かつ均一となつており、しかも電位的にアルミニ
ウムよりも貴でかつ固溶限が小さいベリリウムが
アルミニウム中に微細に析出したものとなる。し
たがつて、このアルミニウム合金箔をエツチング
したさいに、箔表面に微細な凹部が均一かつ高密
度に生じ、その静電容量増大効果は、銅を0.03〜
0.5％およびベリリウムを0.001〜0.2％含有し、残
部アルミニウムおよび不可避不純物からなるアル
ミニウム合金製半連続鋳造板から形成された電解
コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔に比較して
一層向上するという効果を奏する。さらに、強度
も大きくなる。

Claims

【特許請求の範囲】

１銅0.03〜0.5％およびベリリウム0.001〜0.2％
を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物
からなるアルミニウム合金製連続鋳造板から形成
された電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金
箔。