JPS6321572Y2 - - Google Patents

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JPS6321572Y2
JPS6321572Y2 JP1982191331U JP19133182U JPS6321572Y2 JP S6321572 Y2 JPS6321572 Y2 JP S6321572Y2 JP 1982191331 U JP1982191331 U JP 1982191331U JP 19133182 U JP19133182 U JP 19133182U JP S6321572 Y2 JPS6321572 Y2 JP S6321572Y2
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multipactor
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Description

【考案の詳細な説明】 〔利用分野〕 本考案はイオンプレーテイング装置の改良に関
するものである。
〔従来技術〕
イオンプレーテイング装置は、通常の蒸着装置
に蒸発粒子のイオン化機構及びイオン化された蒸
発粒子の加速機構を備えたものである。従来のイ
オンプレーテイング装置におけるイオン化機構
は、不活性ガスその他のガスを封入した蒸着室内
で直流高電圧あるいは高周波高電圧によりグロー
放電を発生させ、このグロー放電を用いて蒸発源
から蒸発した粒子をイオン化するものであり、安
定したグロー放電を発生させるためには不活性ガ
スその他ガス(Ar,He等)の圧力を10-3Torr以
上にする必要がある。一般に、イオンプレーテイ
ングでは、イオン化した蒸発粒子を加速して基板
上に付着させるため、得られる被膜は通常の蒸着
によつて得た被膜よりも基板への付着強度が大き
く、基板材料、蒸着材料ともに自由に選択できる
という特徴を有している。
しかしながら、上記従来の装置では、蒸発粒子
のイオン化にAr,He等の不活性ガスが必要であ
り、蒸着粒子をイオン化すると共にこれらガス物
質もイオン化及び加速されて基板表面に衝突し、
蒸発粒子が基板上に付着する際に適当に、取り込
まれ被膜を形成する。このため、金属被膜の場合
には導電率の低下あるいは反射率の低下を生じ、
また、半導体被膜等の場合には所望の半導体特性
を得ることが出来ないという欠点を有している。
更に、グロー放電を用いるイオン化では、イオン
化に寄与する電子のエネルギーが低いためイオン
化率は数%程度しか得られないことも従来のイオ
ンプレーテイング装置で半導体、磁性体等におけ
る良好な被膜が得られない原因となつている。
上記のごとく、従来のイオンプレーテイング装
置は、被膜を形成するための蒸発粒子だけを高い
割合いでイオン化することが出来ず、大きな付着
強度と良好な被膜特性を同時に実現できないとい
う欠点を有している。
〔考案の目的〕
本考案の目的は、かかる従来装置の欠点を改善
したイオンプレーテイング装置を提供することに
ある。
〔考案の概要〕
本考案は、イオンプレーテイング装置のイオン
化機構として、高真空下で2枚の平行平板電極に
高周波電圧を印加することにより起こるマルチパ
クタ放電により発生する高速電子群を用いて蒸発
粒子を高い割合いでイオン化することを特徴とす
る。
まず、マルチパクタ放電について説明する。第
1図に示すように2枚の平行平板電極が間隔dを
もつて対向している系に、外部より周波数なる
高周波電圧Vを印加した場合を想定する。この時
電極間にわずかでも電子が存在すれば、それらは
高周波電界によつて加速され、或る速度を持つて
いずれかの電極に衝突し電極より二次電子を放出
する。この二次電子が高周波電界位相の逆転によ
り逆方向に加速され、反対の電極に衝突して再び
二次電子を放出する。電極の二次電子放出係数δ
が1以上であれば、電極より放出される二次電子
数は時間の経過と共に増大する。この状態が保持
されていれば、無限大時間後には無限大の二次電
子が放出されることになるが、実際には、放出電
子数の増大と共に増大する空間電荷効果により、
初期の状態とは異なる衝突速度となる事や、高周
被電界との位相関係がずれること等が起り、或る
程度の電子数において平衡状態に達する。この時
の高周波電圧V,周波数、および電極間隔dの
間には下記の関係がある。
V=
2 2d2/(e/m){(k+1/k−1)(2n−1
)πcosφ+sinφ} ここで、eおよびmは電子の電荷と質量、kは電
極への衝突速度vと放出二次電子の初速度vp
比、v/vpであり、nは任意の整数、φは二次電
子が放出される時の高周波電圧位相である。上式
から、マルチパクタ放電の発生する条件を図示す
ると、概略は第2図aのごとくであり、実際にお
いては電極材料等により微妙に異なる。また、使
用可能な高周波電圧と周波数の関係は、電磁材料
として銅を用いた場合には第2図bに示すごとく
である。第2図bより、マルチパクタ放電を発生
させるためには約30MHz以上の高周波電圧が必要
であり、これより、従来の高周波イオンプレーテ
イング装置に用いられる13.56MHzの高周波電圧
では本発明に係る上記マルチパクタ放電を発生さ
せることが出来ないことがわかる。以上がマルチ
パクタ放電の原理的説明であるが、この放電が原
理的に高真空あるいは超高真空でも生ずることを
理解できよう。本願明細書において、マルチパク
タ放電を発生させるための電極をマルチパクタ電
極と称す。
次に本考案のイオンプレーテイング装置につい
て説明する。第2図に示すごとく、前述のマルチ
パクタ電極5a,5bを通常の高真空蒸着装置の
蒸発源4と基板8との間に設置し、マルチパクタ
放電により生じた高速電子群と蒸発粒子が衝突す
る領域を設ければ、蒸発粒子は二次電子放出に十
分なエネルギーを持つた電子の衝突により極めて
高い確率でイオン化される。ここで、生じた蒸発
粒子イオンは電子に比べて質量が非常に大きいの
でマルチパクタ放電を発生させている高周波電界
には追従できず、その影響をほとんど受けずにイ
オン化領域を通過し、その後は、基板に印加され
た直流電圧で加速されて基板に付着する。
上記のごとく、マルチパクタ放電をイオン化手
段として用いる本考案のイオンプレーテイング装
置は、従来技術では不可能であつた10-4Torr以
下の高真空領域でもイオンプレーテイングを可能
にし、しかも、イオン化率が高いため良好な被膜
特性を実現できる。
〔考案の実施例〕
以下、本考案の第1の実施例を第2図を用いて
詳細に説明する。第3図は本考案にかかわるイオ
ンプレーテイング装置を示す概略図であり、ベル
ジヤ型の蒸着室1の中に、電子ビーム蒸発機13
a,13b,13c、蒸発源4、基板8、基板ホ
ルダ9、及びマルチパクタ電極5a,5bを備
え、排気口12を介して真空ポンプで10-5Torr
以下の高真空を保つている。マルチパクタ電極の
寸法は、縦2cm、横5cm、厚さ2mmであり、材質
は二次電子放出係数の比較的大きいAl等を用い、
間隔5cmで蒸発源から4cm離して直上に設置し、
マルチパクタ放電を発生させる高周波電源の周波
数は約100MHz、電圧は約1KVである。また、イ
オンの加速電源11は500〜1000Vとした。以上
のごとく構成した本考案装置において、電子ビー
ム蒸発機のルツボ13aに収容された蒸発源4、
例えばAl,Ti,Cr,Co,Si,Ge等は電子ビーム
13bにより加熱され、蒸発する。この蒸発粒子
がマルチパクタ放電領域6を通過する時、マルチ
パクタ電極間を高速で往復する電子群と衝突し、
その大部分がイオン化される。イオン化された蒸
発粒子は電子に比べ質量が非常に大きいため、マ
ルチパクタ電極に印加された高周波電界には追従
できないまま放電領域を通過する。その後は、基
板8または基板ホルダ9に印加された直流高電圧
11による加速電界の作用を受け、イオン化粒子
の一部が基板8に衝突し、付着する。
上述のごとく、本考案装置においては、蒸着室
内が高真空に保たれているから不純物の介在によ
る被膜の劣化が少なく、しかもイオン化率が高い
ため極めて均質で良好な特性を有する被膜が得ら
れ、低基板温度でも基板との付着強度の大きい被
膜を得ることができる。例えば、アクリル樹脂を
基板として用いる光デイスクのAl反射膜(膜厚
約1000Å)を室温で上述のごとくアクリル基板上
に形成すると、アクリル表面から見たAl反射膜
の反射率は85%以上であり、Al膜のピンホール
は1000倍の顕微観察では検出できず、付着強度も
6Kg/mm2以上の値を得た。また、ガラス基板上に
膜厚1μmのSi膜を室温で形成し、太陽電池を構成
した例では、電力変換効率7%程度のものが容易
に得られ、本考案装置で容易に非晶質半導体が得
られることがわかる。
以上のごとく、本考案によるイオンプレーテイ
ング装置では、従来のイオンプレーテイング装置
では不可能であつた高真空下での膜形成を実現
し、更に、高イオン化率による被膜特性を大幅に
向上することが可能である。従つて、本考案は薄
膜を利用した各種機能デバイスの性能を飛躍的に
向上させ、更に、従来のイオンプレーテイングと
同等の量産性により、デバイスコストの大幅低減
にも多大の効果を有することは明らかであろう。
上記の実施例では、真空室内を高真空に保ち蒸
発物質を蒸発させ、単一物質を付着させる場合に
ついて説明したが、同一の真空室内に複数個の蒸
発源及びマルチパクタ電極を設け、二種類以上の
物質を同時あるいは交互にイオンプレーテイング
することも可能であり、この時にも上述のごとく
マルチパクタ放電により蒸発粒子をイオン化する
ことにより上述の実施例と同様良好な各種の被膜
特性を得ることが出来ることは容易に理解できよ
う。
更に、本考案装置では、真空室内を一坦高真空
に保ち、次いでO2あるいはN2ガスを導入して
10-3Torr程度のガス圧雰囲気に調整して、Al,
Ti,Cr等を上述のごとくイオンプレーテイング
すれば、これら金属の酸化物あるいは窒化物の被
膜が基板上に形成され、ち密で強大な付着強度を
有するこれらの被膜は各種絶縁膜あるいは保護膜
として従来のイオンプレーテイング装置では得ら
れない良好な特性を有する。
第1の実施例において、マルチパクタ電極5
a,5bの電極間容量Cと適当なインダクタンス
Lとにより高周波数に共振する電気回路を構成す
ることにより、小電力の電源で大きな高周波電圧
を得ることが出来、本考案装置のコスト低減に有
効である。更に、この共振回路を空胴共振器で構
成し、マルチパクタ電極に相当する少なくとも一
方の二次電子放出面に複数の貫通孔を開けておけ
ば、これらの孔から高速電子群の一部が飛出し、
これらの電子と蒸発粒子が衝突しても、蒸発粒子
は第1の実施例同様イオン化され、上述のごとく
基板上に付着する。空胴共振器を用いることは、
高周波高電圧の露出を防ぐことができ、また、
2.5GHz付近の周波数を選べば共振器が小型にな
り、電力効率の良いマグネトロン発振器を使用で
きるため、本考案装置のコスト低減と安全性向上
に多大の効果を有する。
〔考案の効果〕
上記のごとく、本考案によるイオンプレーテイ
ング装置は、従来技術では不可能であつた高真空
下での高イオン化イオンプレーテイングを可能に
し、これにより従来実験室レベルでしか得ること
の出来なかつた優れた特性を有する各種被膜を簡
単かつ高能率に得られる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の原理説明図、第2図aおよび
bは本考案に係わるマルチパクタ放電が発生する
ための高周波電圧と×dおよび高周波電圧と周
波数の関係図、第3図は本考案の一実施例におけ
るイオンプレーテイング装置の説明図である。 1……蒸着室、2……ベルジヤー、3……底面
板、4……蒸発源、5a,5b……マルチパクタ
電極、8……基板、9……基板ホルダ、10……
高周波電源、11……直流電源、13a,13
b,13c……電子ビーム蒸発機。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 真空の蒸着室内に互いに対向して配置された蒸
    発源と基板およびそのホルダとを有し、前記蒸発
    源と基板またはそのホルダとの間に直流高電圧を
    印加して蒸着を行なう装置において、前気蒸発源
    と基板の間に、互いに対向する面の二次電子放出
    係数が1より大きく、かつ高周波電圧が印加され
    る1対のマルチパクタ電極が少なくとも1組以上
    設けられていることを特徴とするイオンプレーテ
    イング装置。
JP19133182U 1982-12-20 1982-12-20 イオンプレ−テイング装置 Granted JPS5995157U (ja)

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JP19133182U JPS5995157U (ja) 1982-12-20 1982-12-20 イオンプレ−テイング装置

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JP19133182U JPS5995157U (ja) 1982-12-20 1982-12-20 イオンプレ−テイング装置

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JPS5995157U JPS5995157U (ja) 1984-06-28
JPS6321572Y2 true JPS6321572Y2 (ja) 1988-06-14

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JP19133182U Granted JPS5995157U (ja) 1982-12-20 1982-12-20 イオンプレ−テイング装置

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JPS5969964U (ja) * 1982-10-28 1984-05-12 日本電子株式会社 成膜装置

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